あらすじ
第1巻
神代巫亜子が帰宅すると、玄関に見知らぬ女の子が待っていた。その少女は兄の神代刀也が「禁断の魔術書」を参考に作り出したゴーレムだった。霊感が強く、日頃から悪霊を見慣れている巫亜子は、少女に「神代レム」と名付け、共に高校に通い、暮らし始める。そんな中、16歳の誕生日を迎えた巫亜子は、刀也からとある事実を告げられる。それは巫亜子の体内に眠っていた神様の神通力が漏れ始めた事で、悪霊や人外のモノから巫亜子が狙われる可能性があるという事だった。早速、吸血鬼の委員長・黒木夜由、ドッペルゲンガーの写絵双葉、人狼の犬飼美吠が巫亜子に接触して来るが、巫亜子とレムは彼女達ともなかよくなる。
第2巻
神代巫亜子の存在が危険かどうかを探るスレンダーが、神代家に物の怪を忍ばせたりする騒動があったものの、巫亜子とその幼なじみの守樹弓美、そして黒木夜由や写絵双葉達はなかよく過ごしていた。マンドラゴラのタマス・グナによってスレンダーとの戦いも回避され、巫亜子達は平穏な暮らしを続けていた。しかし夏祭りの夜、何者かが巫亜子達を狙い、スレンダーも謎のゴーレムが繰り出した巨大な刃物によって体を貫かれてしまう。
登場人物・キャラクター
神代 巫亜子 (かみしろ みあこ)
霊感の強い女子高校生。腰まである長い黒髪をツインテールにした美少女。両親を亡くし、兄の神代刀也と二人で暮らしている。悪霊を見ても動じる事なく、拳で叩きのめしたり、首を引きちぎるなどの方法で容赦なく成仏させる。4歳の頃、古来より町を霊から守っていた神様がいる石碑をタックルで壊してしまい、その事でダメージを受けた神様を体内に宿している。 神代巫亜子が16歳になる頃から、神様の力が戻り始め、それにより巫亜子の体から神通力が漏れ出し、神様を快く思わない悪霊や人外のモノから狙われる事になる。その事は16歳の誕生日に兄から告げられた。
神代 刀也 (かみしろ とうや)
神代巫亜子の兄。自宅の自室で古文書解読などの仕事をしている。重度のシスコンで巫亜子を溺愛している。天才で、解読不能といわれる「禁断の魔術書」を2時間で読み解き、ゴーレムの神代レムを作り出した。
神代 レム (かみしろ れむ)
神代刀也が神代巫亜子の子供をイメージして作ったゴーレムの人造人間。土と水でできているが、見た目はピンクのロングヘアをした美少女。巫亜子によって「神代レム」と名付けられ、巫亜子のいとことしていっしょに暮らす事になる。怪力で、音速に近い速度で空を飛ぶ事もでき、自分の身体をイメージした形に変える事もできる。 性格は控えめでおとなしく、天然なところがある。変身ヒーロー物が好きで、自分も変身してみたいという願望を持っており、刀也に変身用のカードとバックルを作ってもらった。「液体(リキッド)」のカードにより、変形の能力を特化させたゴーレム・リキッドに、「金属(メタル)」のカードにより、怪力と変形の能力を特化させる代わりに飛べなくなるゴーレム・メタルに変身できる。
守樹 弓美 (もりき ゆみみ)
神代巫亜子の幼なじみの少女。巫亜子と同じく霊感が強い。幽霊や人外のモノが大好きで、霊とお友達になりたいと思っている。神代刀也がゴーレムを作り出した事を知り、自分も幽霊とお友達になるためのアイテムを作りたいと、刀也に弟子入りする。
タマス・グナ (たますぐな)
神代刀也が外国から仕入れた、マンドラゴラという魔術用材料植物。神代巫亜子がジョウロで水をやって育てている時に、鉢植えから出て来た。太った短い大根のような見た目をしている。刀也によって材料として処理されるはずだったが、頭部から定期的に生えて来る葉を提供する事で命を助けられ、神代レムのペットとなる。苗として送られて来た際に付いていた名札から「タマス・グナ」と命名され、みんなからは「タマちゃん」の愛称で呼ばれる。 語尾に「っス」と付けて話し、ボケをかましまくるマスコット的な存在。
シャーク
悪霊や人外のモノから狙われる神代巫亜子を守るために、神代刀也が「禁断の魔術書」をもとに作り出し、誕生日プレゼントとして渡した小さなサメの使い魔。「しゃーく」と鳴くだけで、しゃべる事はできない。15センチほどの小さな体だが、悪霊や人外のモノをまるごと食べてしまう。
戦場 集依 (せんば つどい)
神代巫亜子のクラスの担任を務める女性教師。実家は町でも有名な大地主で、巫亜子が4歳の頃に壊した石碑のある神社も戦場家のもの。神代刀也とは幼なじみで、巫亜子が体に神様を宿している事や、神代レムがゴーレムである事など、すべてを刀也から聞いて知っている。おっとりとした優しそうな人物だが、授業中に居眠りをした生徒にはつむじにコンパスを突き刺すと笑顔で脅すなど、冗談なのか本気なのかわからない一面を持つ。
黒木 夜由 (くろき やゆ)
神代巫亜子のクラスで委員長を務めている女子生徒。眼鏡をかけたいかにも優等生といった見た目の女の子。クラスメイトからは「委員長」と呼ばれる事が多い。実は吸血鬼で、本名は「ゲーマルク・エルステッド・黒木・ヤユライア・スフィア」。16歳になった巫亜子の身体から神通力が漏れ出ている事にいち早く気づき、巫亜子に警告した。巫亜子が人外のモノに襲われないようサポートする代わりに、週に一度だけ巫亜子の血を吸わせてほしいと交換条件を提案した。 吸血鬼の力を出す際は眼鏡を外し、露出度の高いセクシーな衣装に変身する。
写絵 双葉 (うつしえ ふたば)
神代巫亜子のクラスメイトで、ドッペルゲンガーの人外の女子生徒。自分と同じ姿をしていて目にすると死ぬ、という都市伝説のドッペルゲンガーとは少し異なり、まったく同じ複製を作り出す能力を持つ。ただし、作り出した複製は約3分しか維持できず、時間が経つと消滅してしまう。いつもフードをかぶっており、犬飼美吠と仲がいい。
犬飼 美吠 (いぬかい みほ)
神代巫亜子のクラスメイトの女子生徒。人狼(ハーフウルフ)で、人よりも嗅覚に優れ、人には聞こえない周波数の音を聞き取る事もできる。食い意地が張っており、仲のいい写絵双葉からは飼い犬のようにしつけられている。双葉といっしょに巫亜子達となかよくなる。人狼モードに変身すると、鋭い爪を持った鋼鉄製の狼人間のような見た目になる。
髭切丸 (ひげきりまる)
守樹弓美が神代刀也に教えてもらって作った、霊を呼び出す事ができる鈴「ギラルディウスのベル」で現れた霊。鎧武者の姿をしている。弓美から名を尋ねられたが、長い眠りで忘れしまっていたため、身につけていた刀「髭切」にちなんで、「髭切丸」と名乗った。弓美の事を「弓美殿」と呼ぶ。一人称は「拙者」。弓美の部屋に一晩いた結果、部屋の大きさに合わせてデフォルメされたかわいい見た目に変貌した。 弓美に気に入られ、行動を共にする事になる。
スレンダー
外国人のジョークから都市伝説となり、そこから生まれた人外。高身長、長い手足、黒いスーツに真っ白な頭という外見的特徴を持つ。タマス・グナによると、神代巫亜子の家に現れたものは、身長約3メートル70センチ。ふだんはふつうの生徒として巫亜子達の通う高校に紛れ込んでいる。神通力の漏れ出した巫亜子が危険な存在ではないか様子を探っている。
人魚
エラ呼吸するのを忘れて海で溺れていたところを神代レムに助けられた人魚の女性。ペットとして飼っているサメは、人魚の影響を受けてか305歳という長生き。お近づきのしるしとして、自分のウロコをプレゼントしてくれた。そのウロコは、口でくわえると一時的に人魚になれるが、誤って飲み込むと一生人魚のままという危険なシロモノ。
ラジャス・グナ (らじゃすぐな)
タマス・グナと同じく、神代家の鉢植えから生まれたマンドラゴラ。イカの塩辛と日本酒、たこワサビと焼酎を欲するなど、オッサンのような嗜好の持ち主。苗に「ラジャス・グナ」と書かれていた事から「ラジャ」と名乗る。魔術用材料として処理されるはずだったが、守樹弓美に気に入られて引き取られていった。その後、自力でタマス・グナを訪ねて来て再会する。
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