さくらんぼシンドローム 「クピドの悪戯Ⅱ」

さくらんぼシンドローム 「クピドの悪戯Ⅱ」

男女のさまざまな恋愛模様がテーマのオムニバス「クピドの悪戯」シリーズ第2作。恋愛に臆病になっていた主人公の青年と年上の同僚女性、そして、主人公とキスをしないと幼くなっていく奇病にかかった少女との、奇妙な三角関係を描く。「週刊ヤングサンデー」2006年第44号から2008年第35号、「週刊ビックコミックスピリッツ増刊YSスペシャル」2008年第1号から2009年第5号にかけて掲載された。第9巻~第11巻には、「クピドの悪戯」シリーズの短編『虹玉ポンチ』『サイキックデュオ』『虹玉ボンボン』も収録されている。

正式名称
さくらんぼシンドローム 「クピドの悪戯Ⅱ」
ふりがな
さくらんぼしんどろーむ くぴどのいたずらつー
作者
ジャンル
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

第1巻 

化粧品会社で営業として働く阿川宗則は、女性上位の業界で悪戦苦闘していた。そんなある日、阿川の部屋を「天海れな」と名乗る中学生ぐらいの女の子が訪ねて来る。その目的は阿川にキスしてもらう事。当惑する阿川をよそに、れなは強引にキスを迫るが、阿川が見ていたアダルトビデオに驚いて逃げ出してしまう。彼女は学生証を忘れていくが、そこには「天海玲菜」という名の大学生が写っていた。この女性とれながどういう関係なのかと疑問に思った阿川は、学生証の女性を探すが、その最中にれなと再会する。彼女は自分がその学生証に写っている玲菜本人であり、徐々に子供に戻っていく奇病「進行性減齢症候群」にかかっていると告白。若返りを止めるには「ACS酵素」という、病気の進行を止める酵素を持つ人物とキスする必要があり、その人物こそが阿川であると話す。

第2巻

天海玲菜の言葉が信じられない阿川宗則はラブホテルで彼女に迫るが、それは演技で玲菜を諭すつもりだった。しかし、早く大人になる事はないという阿川の言葉に、玲菜は十代が輝いているなんて噓だ、と強く反発。服を脱いで全裸になり、何をしてもいいから早くキスして自分を大人に戻してほしいと泣いて頼む。だが、彼女の行為は阿川の過去の失恋のトラウマを刺激するものだった。思わず激昂してしまう阿川だったが、我に戻って謝罪。互いに感情をぶつけ合った事で、どこかすっきりした二人は、翌朝キスをして別れたのであった。過去の失恋に向き合ったからか、恋愛に前向きになった阿川は、かねてから気になっていた宣伝部の花形社員、麻生沙也子に告白する。麻生はクールなキャリアウーマンで阿川より年上だが、実は乙女チックなところのあるかわいらしい女性だった。やがて彼女との同棲話が持ち上がるが、そんな阿川の前に小学生くらいの姿になった玲菜が現れる。阿川とのキスの効果は一時的なもので、さらに若返りが進行してしまったのである。玲菜の言葉がすべて真実だったと知り、阿川は自責の念を覚える。 

第3巻

天海玲菜の若返りを完全に防ぐには、阿川宗則と毎日キスをしてACS酵素を体内に取り込み続ければならないという。承諾する阿川だったが、そこに麻生沙也子が彼の部屋を訪ねてやって来る。なんとかごまかしたものの、阿川は玲菜が隠れている部屋で麻生に迫られエッチをしてしまう。これで阿川の事を好きにならずにすむ、という去り際の玲菜の言葉を聞き、阿川は彼女を傷つけてしまったと自己嫌悪に陥る。それでも玲菜を救いたいと思う阿川は、彼女の事を麻生に打ち明けようとするが、なかなかタイミングが合わず、麻生は阿川に女性の影を感じ、嫉妬に苦しみ始める。後日、阿川が隠れて玲菜と電話しているのところを見てしまい、ついに麻生は激怒。二人は初めての激しいケンカをするが、本音を言い合う事で互いの思いを再確認する。

第4巻

ついに阿川宗則天海玲菜の事を恋人の麻生沙也子に打ち明けた。当惑する麻生はとりあえず認めるものの、心中では納得できず、玲菜に激しい嫌悪感を抱く。玲菜がまだ何かを隠しているとにらんだ麻生は、密かに彼女のあとをつけ、玲菜が渋江怜という大学の駅伝選手のもとに通っている事を突き止める。渋江は玲菜の初恋の相手で、正体を隠して彼の世話を焼いていたのだった。阿川と毎日キスしていながら、いい気なものだと責める麻生に、玲菜は好きでこんな姿になったんじゃないと反抗。ついには取っ組み合いになるが、このケンカを通して、麻生は自分が玲菜に嫉妬をぶつけていただけだったと悟る。そして、自分が見ている時以外は、二人で会ったりしないという条件付きで、阿川と玲菜のキスを容認したのであった。これで問題は解決したかに見えたが、今度は玲菜の妹の天海綾那が受験の下見のため上京して来る。玲菜は子供になってしまった事を家族に隠していた。玲菜と口裏を合わせる阿川と麻生だったが、綾那の話から玲菜が自分達に見せていない姿がある事を知る。いたたまれなくなった玲菜は、二人に自身の過去について語り始めた。

第5巻

天海玲菜は高校以前の自分が地味な文学少女で、甘え上手な妹の天海綾那に劣等感を抱いていた事を、阿川宗則麻生沙也子に話す。だが、綾那が自分の初恋の相手である渋江怜とキスしているところを目撃してしまい、妹といたくないという思いもあって上京した事だけは言えなかった。そして、綾那が故郷に戻る日、玲菜は悔しさから思わず妹の前に姿を現してしまう。渋江の件で玲菜は綾那に毒づくが、実は綾那も優秀な玲菜に劣等感を覚えており、渋江にキスを迫ったのは姉への反発からであった。その事を見抜いた麻生は玲菜の今の状況を綾那に見せる。阿川の唾液をすする玲菜の姿を目の当たりにして、あまりにかわいそうだと綾那は号泣。自分のために涙を流す妹を見て、玲菜もまた泣きじゃくり、かくして姉妹は仲直りしたのであった。こうしたゴタゴタを経た事もあって、阿川は麻生や玲菜との生活のペースをつかみ始めるが、上司の命令で、売上のいい化粧品売場の担当を先輩の梅津に譲る事になる。残されたのは売上のよくない南武デパートだけで、焦る阿川は成績を上げるため、デパートの内部情報を聞き出そうと、美容部員の後藤翔子と飲みに行くが、酔った彼女に迫られてしまう。

第6巻

南武デパートの売上をアップするべく奮闘する阿川宗則は、どうにか後藤翔子の協力を取り付けるが、他の女性店員達からは舐められっぱなしで、苛立ちを募らせていた。見かねた麻生沙也子は彼を宣伝部に移らせるため、自分が立てた企画を阿川に譲ろうとする。だが、花形社員である麻生に引け目を感じていた阿川は、素直に感謝する事ができず、思わず声を荒げてしまう。険悪な雰囲気の二人に気をもむ天海玲菜。そんな中、阿川と麻生が付き合っている事を美容部員の加護智絵に感づかれてしまう。加護は他人の男に興味を持ってしまう略奪癖のある女性だった。阿川は加護に誘惑され、挙句の果てに彼女と元彼とのトラブルに巻き込まれるが、玲菜の機転のおかげで窮地を脱する。しかし、麻生との仲は相変わらずギクシャクしたままであった。そんなある日、同級生の集まりに顔を出した阿川は、幼なじみで初恋相手の泉谷由梨と再会する。彼女は阿川をひどい形でふり、彼に失恋のトラウマを与えた女性だった。由梨が結婚すると聞いて祝福する阿川。だが、少年時代の恋が本当に終わってしまった事を自覚し、喪失感から玲菜の前で涙を流すのであった。

 第7巻

過去の失恋を完全に吹っ切った阿川宗則は素直に麻生沙也子に謝り、企画書の件のお礼を言う。麻生もまた自分の行動は、阿川が営業部員として化粧品売場の女性達を相手にしている事が不安で、彼を自分の側に置いておきたかったからだと告白。仲直りした二人は、そのまま身体を重ねるのであった。一方、天海玲菜は相変わらず渋江怜のもとに通い続けていたが、単なる小学生のファンと思われている事に我慢できず、正体を明かして彼に告白する事を決意をする。だが、渋江はすでに別の女性と付き合おうとしていた。ショックを受けた玲菜は、心配する阿川達をよそに、故郷に帰ってしまう。玲菜の妹の天海綾那から連絡を受けた阿川は、取るものもとりあえず玲菜の実家がある尾道に駆けつけるが、玲菜は完全に自暴自棄になっていた。元の姿を失った玲菜にとって、渋江への恋心は彼女の唯一の拠り所になっていたのである。娘の病気を知ってパニックになる天海家をよそに、どうにか玲菜と再会した阿川だったが、すべてに絶望した玲菜は阿川とのキスを拒む。彼女はさらに若返る事で、自身の存在を消し去ろうとしていた。  

第8巻

天海玲菜は、絶望のあまりこのまま消えてしまおうと、阿川宗則とのキスを拒むが、自分は死ぬまでとなりにいるからという阿川の言葉に心動かされ、なんとか思い留まる。玲菜の人生を背負うと腹をくくった阿川は、自身に万一の事があった場合を考え、自分の代わりとなりうる新たなACS酵素の所持者を探してほしいと、玲菜の主治医の仙道寺徳子に頼む。そして、玲菜もまた阿川や彼の愛する麻生沙也子といっしょに生きていく覚悟を決めるのであった。一方、麻生は社内ベンチャー制度を利用して独立し、関連会社の社長となるが、新商品のイメージキャラクターに起用予定だった子役のスキャンダルが発覚。急遽代役を立てなければならなくなり、焦る麻生は玲菜に白羽の矢を立てる。玲菜は麻生のためにこれを受け入れ、「REICO」の名でCMに出演する事となるが、降板になった人気子役の森岡まゆ果に逆恨みされ、トラブルになってしまう。阿川は少しでも玲菜と麻生の助けになろうと、麻生の会社への出向を上司に申し出る。  

第9巻

天海玲菜が「REICO」の名で出演したCMは社会現象となり、一夜にして玲菜はスターになる。玲菜はCMタレントとしての仕事にやりがいを覚え始めるが、あまりにも話題になってしまったためマスコミに目をつけられ、阿川宗則とのツーショットを写真週刊誌に撮られてしまう。記者は写真を取引材料にして、「REICO」のプロフィールの公表を麻生沙也子に要求してくる。麻生は阿川を見つめる玲菜の写真を見て、彼女が阿川を愛している事に気づくが、そんな玲菜の気持ちをあえて受け入れ、三人で共に生きていく事をすでに心に決めていた。麻生の覚悟を聞かされた玲菜は、新CMの発表会に自らの意志で出席。阿川との関係について下衆な質問をぶつける記者に対して、堂々たる態度で真剣に愛について語り、逆に世間の評価を高めたのであった。かくして危機を乗り切った阿川、麻生、玲菜は三人で温泉旅行に向かう。

 第10巻

温泉旅行に行った阿川宗則麻生沙也子天海玲菜の三人は、それぞれの意志を確かめ合い、これからもずっといっしょに生きていく事を誓う。玲菜は阿川とのキスの効果で再び成長し始め、これですべての問題は解決したはずだった。ところが、そこに阿川と同じACS酵素を持つという女性の加瀬栄子が現れる。玲菜は阿川、麻生との関係の続行を望むが、阿川が風邪で寝込んでしまった事から、麻生に加瀬のもとへ行くよう告げられて激しく反発。寝込んでいる阿川をよそに、麻生と大ゲンカになってしまう。実は、玲菜は病気を理由に阿川と麻生のあいだに割り込んでいるという引け目があり、同時に麻生への嫉妬を覚えていた。そして、麻生もまたキスし続けなければならないという阿川と玲菜の関係に疎外感を感じ、玲菜への嫉妬を抱え続けていたのである。それでも二人は、自分達の心に折り合いをつけ、うまくやっていこうとしていたが、加瀬の出現によって抑えていたものが吹き出してしまったのであった。玲菜と麻生は激しい修羅場を演じ、ついに三人の関係は崩壊。玲菜は加瀬のもとに行き、麻生もまた阿川に同棲の解消を告げる。 

第11巻

阿川宗則のもとを去った天海玲菜は、加瀬栄子によって監禁されてしまう。彼女はACS酵素の所持者ではなく、最初から玲菜の身柄が目的で近づいて来たのであった。唐突な加瀬の出現に違和感を持った麻生沙也子は、今回の一件が元上司で今は敵対関係にある島谷純弥の企みである事を突き止める。島谷は同性愛関係にある義父が重い病に冒されていて、恋人を助けるため、玲菜を使って若返りの薬を作り出そうと考えていたのである。島谷は加瀬から玲菜を奪うと、ACS酵素をいっさい与えず、無理矢理若返らせる事で彼女の身体のデータを取ろうとする。麻生から真相を聞かされた阿川は玲菜を探すが、島谷の息のかかった梅津に襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。阿川の事故を知った麻生は単身島谷のもとに向かい、かろうじて玲菜を救い出すのだった。事件のあと、阿川の酵素をもとにしたワクチンが完成。それでも玲菜はいっしょにいたいと願うが、阿川は本当の大人になるため、自分の足で立って生きるべきだと、彼女の背中を押すのだった。

登場人物・キャラクター

阿川 宗則 (あがわ むねのり)

「レーブル化粧品」の営業部に所属する23歳の男性社員。天海玲菜のかかっている奇病「進行性減齢症候群」の症状を止める「ACS酵素」を体内に所有している。高校時代の彼女である泉谷由梨からは「むっちゃん」と呼ばれていた。由梨にひどい形で振られたトラウマのため恋愛に臆病になっていたが、玲菜との出会いをきっかけに克服。 会社の先輩である麻生沙也子に想いを伝え恋人同士になる。だが、玲菜を助けるためには定期的に彼女とキスをしなければならず、玲菜と沙也子という2人の女性の間で右往左往することになる。

天海 玲菜 (あまみ れな)

邦城大学に通う女子大生。名前の「菜」の字が好きではなく、「れな」もしくは「レナ」と呼ばれることを好む。高校時代のあだ名は「ミレ」。年齢は19歳だが、徐々に若返ってしまう奇病「進行性減齢症候群」にかかっており、阿川宗則と出会った時の見た目は15~16歳くらいだった。若返りを止めるには「ACS酵素」を持つ者とキスをしなければならず、大人に戻りたい一心から、主治医の仙道寺徳子が非合法な方法で手に入れた「ACS酵素」保持者のデータを入手。 酵素を持つ阿川の家に押しかけ、ひと悶着の末にどうにかキスしてもらう。これで症状が治まったかにみえたが、再び病気が進行し、ついには10歳くらいの姿に変貌。治療のため阿川と定期的にキスをしなければならなくなる。 阿川と彼の恋人である麻生沙也子の間に割って入る形になってしまい、さまざまなトラブルに直面する。しかし、2人との絆を徐々に深めていき、彼らと一緒に生きていこうと決意。起業した沙也子を助けるため、彼女が企画したローティーン向け化粧品のイメージキャラクターを引き受ける。「REICO」の名で出演したCMが大ヒットを記録したため、一躍国民的人気スターになってしまう。

麻生 沙也子 (あそう さやこ)

レーブル化粧品の宣伝部に属する26歳の女性社員。話題の広告を次々と仕掛けるやり手のクールビューティー。実はツンデレ気質で子供っぽいところがある。過去の恋愛の失敗のため、男に対して斜に構えていた。自分への想いをストレートにぶつける阿川宗則の気持ちに推されて、彼と恋人同士になる。やがて、自分も阿川に強く惹かれていることを自覚し、彼を絶対に手放したくないと思うまでになる。 ところが、阿川とキスをしないと生きていけない少女、天海玲菜の存在を知って嫉妬に苦しむ。

加護 智絵 (かご ちえ)

レーブル化粧品の女性社員。阿川宗則が営業を担当している南部百貨店のBA(「ビューティー・アドバイザー」の略で美容部員のこと)。男好きのする巨乳の小悪魔タイプで、いい女に惚れられている男をモノにしたがる悪いクセがある。同じ売り場の後藤翔子とは天敵同士の間柄で、何かといざこざを起こすため、阿川の悩みの種になっている。

後藤 翔子 (ごとう しょうこ)

阿川宗則が営業を担当する南武百貨店に勤務の28歳のベテラン女性社員。レーブル化粧品売場のBA(「ビューティー・アドバイザー」の略で美容部員のこと)をしている。同じ売り場の加護智絵とは天敵同士の間柄で、何かといざこざを起こすため、阿川の悩みの種になっている。真面目だが男に尽くすタイプで、加護からは不倫体質と揶揄されている。

島谷 純弥 (しまたに すみや)

レーブル化粧品の宣伝部部長を務める中年の男性社員。物腰の柔らかいスマートなタイプに見えるが、実は恐ろしいほど冷徹で、女性に対して捻じれた感情を秘めている。麻生沙也子に仕事のやり方を教えた師匠的存在だが、社内ベンチャー制度を利用して独立した彼女を敵視。あらゆる手段を使って叩き潰そうとする。実は同性愛者で、長年の恋人である義父が重い病に冒されている。そんな時、天海玲菜の存在を知り、義父を救うため、彼女を使って若返りの薬を作り出すという狂気的な考えに捉われてしまう。

渋江 怜 (しぶえ さとし)

天海玲菜の中学、高校時代の同級生男子。玲菜の片想いの相手。身長は低いが運動神経抜群で、高校卒業後に陸上の強豪である東京の南東大学に進学。大学の陸上部で頭角を現し、1年生ながら駅伝のレギュラーに選ばれるまでになった。「レイコ」と名乗って近づいてきた玲菜のことを、小学生のファンの女の子と思っている。

天海 綾那 (あまみ あやな)

天海玲菜の1つ年下の妹。大学の下見のために上京し、10歳の姿になってしまった玲菜と顔を合わせることになる。勉強はさほどできないが、甘え上手な男受けの良いタイプ。優秀だが野暮ったかった玲菜に、コンプレックスを抱かせる存在だった。だが、当人もまた「よくできた姉」と、みんなにほめられる存在だった玲菜に、コンプレックスを持っている。

仙道寺 徳子 (せんどうじ とくこ)

天海玲菜の担当女医。西里大学病院で「進行性減齢症候群」の研究をしている。玲菜と阿川宗則を貴重なサンプルとみなしており、研究の障害になりうるという理由で、麻生沙也子には阿川と別れてほしいと思っている。『クピドの悪戯』シリーズのほぼすべてに登場する狂言回し的存在。

加瀬 栄子 (かせ えいこ)

京浜大学の大学院生。阿川宗則と同じ「ACS酵素」を所有しているとされる女性。チェロが趣味で、市民オーケストラに所属している。彼女の出現により、阿川をめぐる天海玲菜と麻生沙也子の三角関係は、大きな転機を迎えることになる。

泉谷 由梨 (いずみや ゆり)

阿川宗則の幼なじみで高校時代の元彼女。阿川のことを「むっちゃん」と呼ぶ。阿川に別れを告げた際に彼女の取った行動が、恋愛に対して阿川が臆病になる原因となった。専門学校を卒業後、東京で就職。高校時代の同級生の集まりで阿川と再会することになる。

堺 流実子 (さかい るみこ)

天海玲菜と同じ邦城大学に通う女子大生。通称「るうくん」。玲菜の友人で、彼女が「進行性減齢症候群」を発症していることを知っている数少ない人物の1人。見た目は地味だが意外と男好き。玲菜が阿川と出会った時に着ていた制服は、堺流実子が彼氏との制服プレイ用に所持していたもの。

酒井 美由樹 (さかい みゆき)

渋江怜に想いを寄せる女子大生。大学の合コンで渋江と出会い、彼に恋するようになった。眼鏡をかけた地味で真面目そうな女の子で、純文学が好き。高校時代の天海玲菜に似たタイプ。玲菜の渋江への気持ちに気づいているが、彼女のことを小学生の「レイコ」と認識しているため、ほとんど気にしてはいない。

栗山 正平 (くりやま しょうへい)

レーブル化粧品営業部の部長を務める中年の男性社員。宣伝部部長である同期の島谷純弥とは正反対の、口の悪いがさつで下品なオヤジ。しかし、本人の気づかないところでさりげなくフォローするなど、実は部下の面倒見の良い頼れる上司である。営業部員としての阿川宗則の能力を高く評価しており、何かと彼に目をかけている。

梅津 (うめづ)

レーブル化粧品営業部に所属する男性社員。阿川宗則の先輩。説教好きのくせに面倒ごとは後輩に押しつけるなど、姑息で嫉妬深く、女性受けの良い阿川を目の敵にしている。同期の麻生沙也子と同じ宣伝部への移動を志望。宣伝部部長の島谷純弥に取り入るが、当人に企画や広告のセンスはない。

宮部 (みやべ)

レーブル化粧品営業部に所属する男性社員。阿川宗則の同僚で口の軽い男。会社の飲み会の最中に、阿川が天海玲菜に食費を渡しているところを目撃し、そのことを同僚たちに暴露。同席していた麻生沙也子が玲菜の存在に勘づくきっかけを作った。

天海玲菜の父 (あまみれなのちち)

天海玲菜の父親。広島で天海造船という小さな造船会社を経営している。娘が小学生の姿になってしまったうえ、治療のためとはいえ、若い男性と定期的にキスをしなければならないと知って愕然。ショックと混乱のあまり、挨拶に来た阿川宗則に暴力を振るってしまう。

森岡 まゆ果 (もりおか まゆか)

元トップアイドルである森岡真里絵の娘。将来、国民的アイドルになると目されている人気の2世子役。麻生沙也子が企画したニューブランドのイメージキャラクターに選ばれるが、母親のスキャンダルが発覚したため降板となった。まだ幼いが気が強くてプライドが高く、自分に代わって抜擢された「REICO」こと天海玲菜に八つ当たりする。

森岡 真里絵 (もりおか まりえ)

20年前に一世を風靡した元トップアイドル。人気子役の森岡まゆ果の母親。もう中年でかつての面影はないが、若い男に目がなく、年下の男性との浮気が発覚。まゆ果が麻生沙也子の企画したニューブランドのCMから降ろされる原因となった。

真壁 千穂 (まかべ ちほ)

公立中学に通う中学1年生の女の子。子役スターの森岡まゆ果のファン。当初は彼女とトラブルになった「REICO」こと天海玲菜のことを嫌っていたが、百貨店のお試しメイクで、REICOがイメージキャラクターを務めた化粧品を気に入り、彼女の熱狂的なファンになる。

その他キーワード

進行性減齢症候群 (しんこうせいげんれいしょうこうぐん)

若返りをしてしまう奇病。CS(カウンター・スパイラル)酵素という特殊な酵素の働きによって起きる。発症した患者は異常な空腹感と食欲を感じ、大量の食事を摂取するようになる。しかし、ほとんど体重は増加しない。一定の期間が経過すると、細胞の若返りとともに身体が若齢化する。若返りを止めるには、CS酵素と対になる「ACS酵素」を体内に摂取しなければならない。

ACS酵素 (あんちかうんたーすぱいらるこうそ)

「進行性減齢症候群」を発症させるCS(カウンター・スパイラル)酵素と対になるもの。CS酵素の活動を抑制する働きをする。唾液にもっとも多く含まれているが、空気に触れただけで簡単に崩壊する非常に脆い物質である。そのため、酵素の保有者とキスをして体内に直接取り込むのが、もっとも有効な摂取方法とされている。

関連

クピドの悪戯「虹玉」 (くぴどのいたずら にじだま)

男女のさまざまな恋愛模様がテーマのオムニバス「クピドの悪戯」シリーズ第1作。アソコから7色の玉を出し終えると、2度と射精ができなくなる奇病にかかった童貞の主人公が、恋愛で失敗したり傷ついたりしながら大... 関連ページ:クピドの悪戯「虹玉」

オレ×ヨメ クピドの悪戯 (おれ よめ くぴどのいたずら)

男女のさまざまな恋愛模様がテーマのオムニバス「クピドの悪戯」シリーズ第3・4作。「オレ×ヨメ」と「逆襲のオレ×ヨメ」の二つのエピソードが収録されている。なお、各エピソードに関連性はなく、それぞれ独立し... 関連ページ:オレ×ヨメ クピドの悪戯

このSを、見よ! クピドの悪戯 (このえすをみよ くぴどのいたずら)

男女のさまざまな恋愛模様がテーマのオムニバス「クピドの悪戯」シリーズ第5作。主人公は「目にした女性を自分の虜にする」というアザ(スティグマ)を持つ青年・鵜守田倫。倫と彼の初恋の人・泉宮千鶴、幼馴染みの... 関連ページ:このSを、見よ! クピドの悪戯

SHARE
EC
Amazon
logo