さよなら私のクラマー

新川直司の『さよならフットボール』の続編。弱小高校女子サッカー部でチームメイトとなった三人の少女達の、新たな戦いと葛藤を描く青春スポ根漫画。「月刊少年マガジン」2016年6月号から連載の作品。

正式名称
さよなら私のクラマー
作者
ジャンル
サッカー
レーベル
講談社コミックス月刊マガジン(講談社)
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あらすじ

第1巻

中学最後の夏の公式戦において、周防すみれは一人奮闘するも、チームメイトに恵まれず曽志崎緑率いる強豪校に完敗してしまう。試合後、中学3年間競い合ったライバルである周防に対し、曽志崎は高校では同じチームで戦おうと誘うのだった。そして二人はそろって、決してサッカーの強豪とはいえない蕨青南高校に進学する。女子サッカー部での練習初日、ミニゲームを通じて周防らは恩田希白鳥綾など、これから共に戦っていくチームメイトと出会う。蕨青南高校は監督の深津吾朗がやる気がないために、元日本女子代表の能見奈緒子を新コーチとして迎え入れ、さっそく練習試合がセッティングされる事となった。その相手は、女子U-17の佃真央をはじめ代表候補者が多数在籍する、日本一のチーム久乃木学園高校だった。試合が始まると、大方の予想通りに久乃木学園高校が一方的にゲームを支配する。周防や曽志崎が存在感を発揮するものの、久乃木学園高校はすぐに二人に対応。前半だけで、周防達は7点もの得点を奪われてしまう。

第2巻

後半戦に突入し、周防すみれら蕨青南高校は久乃木学園高校に10点もの大差をつけられてしまう。それでも恩田希は、1点取り返そうとあきらめない。周りもそれに応えるように、何とか1点を奪おうと巻き返しをはかる。調子を上げて来た恩田は、少しずつ久乃木学園高校のディフェンダー陣を翻弄するようになり、曽志崎緑も全国クラスの技術で周囲を活かし始める。一方で周防は、来たる公式戦でのリベンジを期し、今回は全力を見せずにおこうと考えていたが、恩田の説得と久乃木学園高校の余裕な態度に触発され、ついに本気を出し始める。周防、曽志崎、恩田の三人ら活躍により、蕨青南高校は久乃木学園高校を徐々に追い詰め始めるが、得点まであと一歩というところで試合は終了。結局、蕨青南高校は久乃木学園高校を相手に一点も取れないまま、大差で敗れる事となった。恩田達はリベンジのため、男子との合同練習を能見奈緒子に提案するが、二つの大きな問題に直面する事となる。一つは、男子サッカー部の監督が女子との合同練習を拒否した事。もう一つは、能見が勝手に女子サッカー部のユニフォームをダサいものに変えてしまった事であった。

第3巻

田勢恵梨子達は合同練習の許可をもらうため、男子サッカー部の監督の弱みを握ろうと画策する。その頃、周防すみれ曽志崎緑恩田希の三人は、ユニフォームをダサいものから新調するための金を稼ごうと、優勝賞金目当てにサッカーショップが主催するフットサル大会に参加する事を決意する。偶然居合わせた久乃木学園高校の佃真央井藤春名をチームに引き込んで大会に出場した周防達は順調に勝ち上がり、決勝戦でフィジカル重視のチーム相手に敗北するものの、準優勝の賞金を獲得する事に成功する。一方で合同練習の件も、深津吾朗の機転により、ゲームにあぶれた男子を紅白戦の時だけ借りられるようになる。こうして目の前の問題を解決した蕨青南高校女子サッカー部は、新学期早々に始まる夏の大会の埼玉県予選へ出場する。周防や曽志崎の活躍もあり、蕨青南高校は次々と予選を勝ち抜いていくが、そんな中、恩田だけが調子が上がらない。そしてそのまま、蕨青南高校は埼玉県の王者である浦和邦成高校と対戦する事になる。

第4巻

桐島千花をはじめ、個性的なメンバーを擁する埼玉県王者・浦和邦成高校を相手に、周防すみれ曽志崎緑、そしてこれまで調子の上がっていなかった恩田希もいいプレーを見せる。だがその攻撃は、ことごとく桐島に跳ね返されてしまう。前半を0対0で終え、浦和邦成高校の実力を肌で感じた恩田は、やる気のない監督・深津吾朗に指示を仰ぐ。深津がようやく出した指示は、桐島をぶっちぎれという単純なもの。だが、深津の指示には明確な狙いがあった。単純な指示を受けた恩田は集中力を増し、どんどんプレーが洗練されていく。蕨青南高校は彼女を中心に勢いを増し、試合の流れは確実に蕨青南高校に傾いていった。

第5巻

試合終盤、蕨青南高校は恩田希を中心に勢いに乗って攻め込むが、それまであまり目立っていなかった安達太良アリスに阻まれる。そして安達太良と天馬夕のたった二人にカウンターで先制点を決められてしまう。周防すみれらは追いつこうと奮起するが、浦和邦成高校は安達太良の突出した個人技で2点目を決める。これが決定打となり、蕨青南高校は決勝トーナメント一回戦で敗退。その後、浦和邦成高校は埼玉県予選で優勝を決めるのだった。蕨青南高校との再戦を楽しみにしていた久乃木学園高校の井藤春名佃真央は、周防達の敗退を残念がる。久乃木学園高校が関東予選の一回戦に臨む中、蕨青南高校は負けた悔しさをバネに、本格的なチーム作りを始めていた。そして能見奈緒子は、関東近郊の高校を対象にしたリーグ戦に参加する事をチームに伝える。

第6巻

周防すみれら蕨青南高校は、関東近郊の高校を対象にしたJKFBインターリーグに参戦し、強豪を相手に次々と番狂わせを演じていく。そして埼玉ラウンドを1位で駆け上がり、決勝トーナメントへと駒を進めた。そんな中、深津吾朗のもとを、サッカー男子日本代表としても活躍した高萩数央が訪れる。数央は深津のやる気のない姿勢を責め、サッカーへの情熱を失くしたのかと肩を落とすが、恩田希達はそんな事はないと否定する。数央は恩田達のサッカーへの思いが、また深津にやる気を取り戻させてくれる事を願いながら帰っていった。そして7月になり、蕨青南高校は関東予選で久乃木学園高校を破った栄泉船橋高校との準決勝に臨む。栄泉船橋高校はまともな監督がいないにもかかわらず、部長の浦川茜を中心とした生徒達だけで作りあげた強固な守備が特徴のチームだった。浦和邦成高校よりも固いチーム力を前に周防達は攻めあぐねるが、周防や曽志崎緑恩田希らエース以外の、意外なところから打開のチャンスが生まれる事となる。

登場人物・キャラクター

周防 すみれ (すおう すみれ)

蕨青南高校に通う1年生の女子。女子サッカー部に所属しており、背番号は10番。中学時代は、川崎伊刈中学の女子サッカー部の部長を務めていた。中学の3年間は、ライバルである曽志崎緑率いる戸田北中学と競い合う。圧倒的なスピードを持つが、中学時代はチームメイトに恵まれず活躍できなかった。しかし才能を見込んでくれた曽志崎に誘われ、中学卒業後は曽志崎と同じ蕨青南高校に通う事にする。 基本的に口数は少ないが、たまにしゃべる時は毒舌を吐く事が多い。久乃木学園高校との練習試合では圧倒的な点差をつけられた事から、公式戦でリベンジするために全力を隠しておくというしたたかさも見せる。しかし、負けず嫌いな性格が抑えきれず、結果として本気を出している。試合では攻撃的なウイングを担当している。 持前のスピードを活かし、蕨青南高校の攻撃の中心となる。

曽志崎 緑 (そしざき みどり)

蕨青南高校に通う1年生の女子。女子サッカー部に所属しており、背番号は4番。中学時代は戸田北中学校の主力として、全国3位にまでチームを導いた。U-15の日本代表にも呼ばれており、強豪校からは特にマークされる実力者である。周防すみれの才能に惚れこみ、周囲の反対を無視して同じ高校に通う。ポジションはボランチで、全国クラスの長短のパスとゲームメイクで周りを活かす。 アニメのロゴが入ったリストバンドをしているなど、ややオタクな一面も持っている。浦和邦成高校の安達太良アリスとは、アニメの話題で盛り上がり意気投合した。同じU-15の代表だった久乃木学園高校の佃真央とは試合をする前からの知り合い。

恩田 希 (おんだ のぞみ)

蕨青南高校に通う1年生の女子。女子サッカー部に所属しており、背番号は8番。中学では女子サッカー部がなかったため、男子の中で練習した。そのため、高校に入るまでは公式戦の出場記録はなし。全国クラスの実力を持ちながらも、その存在はまったく知られていない。試合での調子の上がり下がりが激しく、ミスばかりの時もあれば、元女子日本代表の能見奈緒子が驚くようなプレーを見せる事もある。 調子が悪い時を浦和邦成高校にリサーチされており、その時の動きのにぶさからお地蔵さんと呼ばれていた。さらに監督の深津吾朗からはガサツと言われている。しかし、単純な指示をもらう事で集中力を発揮して、浦和邦成高校を苦しめる動きで汚名返上を果たした。ポジションはミッドフィールダーで、卓越したセンスを活かした攻撃的なプレーを得意としている。 同じ中学出身でマネージャーの越前佐和からは「ノンちゃん」と呼ばれている。

深津 吾朗 (ふかつ ごろう)

蕨青南高校女子サッカー部の監督を務める男性。U-23日本代表コーチから推薦されて、蕨青南高校に赴任した。しかし指導者としてのやる気を失くしており、いつも競馬雑誌ばかりを見ている。一応練習に顔だけは出しているが、指導はコーチの能見奈緒子に任せっきり。一方で浦和邦成高校との試合では恩田希を覚醒させるきっかけとなる助言をするなど、アドバイスや人間観察は的確。 10代の頃は優秀な選手で、とび抜けたパスセンスと戦術眼を持ち、「日本のシャビ」と評され、U-18男子日本代表にも選ばれていた。だが、U-23の合宿時に足をケガして引退。その後、日本フットボールリーグの監督になったが、若すぎたためにチームが不和を起こして崩壊し、解任されてしまった。 それからサッカーへの情熱は冷めてしまったが、恩田希達と共に過ごすにつれて、少しずつ監督としての仕事にやりがいを感じている。かつての後輩である高萩数央からは、なぜか「ダーリン」と呼ばれている。

能見 奈緒子 (のうみ なおこ)

蕨青南高校女子サッカー部のコーチを務める女性。17歳の頃に女子日本代表に選ばれ、以後はアジア最優秀選手、ブンデスリーガ優勝などさまざまな記録を残した。引退までの15年ものあいだ、日本女子サッカーをけん引してきたレジェンド的存在で、現役時代は「なまはげ能見」と呼ばれ恐れられていた。それまでたるんでいた蕨青南高校女子サッカー部の雰囲気を一新しようと、自らユニフォームをデザインしたが、あまりに奇抜なため生徒達の反発を受け、不採用となった。 輝かしい経歴のため人脈もあり、関東近郊の高校を対象としたリーグ戦・JKFBインターリーグに、実績のない蕨青南高校をコネを使って出場させている。

田勢 恵梨子 (たせ えりこ)

蕨青南高校に通う2年生の女子。女子サッカー部の部長を務め、背番号は7番。選手としては小柄だが卓越したテクニックを持つ。優しくまじめな性格で、やる気のない深津吾朗のせいで3年生が辞めていったあと、なんとかチームを支えている苦労人。あきらめが悪く芯の強い一面も持つため、特に同学年の選手からの信頼は厚い。

白鳥 綾 (しらとり あや)

蕨青南高校に通う1年生の女子。女子サッカー部に所属しており、背番号は9番。お嬢様のようなしゃべり方をするが、性格はお調子者。名字の白鳥をもじって「ダンシングスワン」を自称しており、チームメイトからは「スワン」と呼ばれる事もある。チームのセンターフォワードを自認しているが、足ではない部位にボールがあたって得点するラッキーゴールが多い。 その一方で、ソフトボールでは変化球を投げる事ができたりと、サッカー以外のスポーツはうまい。存在感はあるため、能見奈緒子の作戦によって敵ディフェンスを引き付けるおとり役としてうまく使われているが、白鳥綾本人はその事にまったく気づいていない。

越前 佐和 (えちぜん さわ)

蕨青南高校に通う1年生の女子。女子サッカー部でマネージャーを務めている。恩田希と同じ中学の出身で、中学時代は男子サッカー部のマネージャーをしていた。恩田の事を唯一「ノンちゃん」と呼ぶ。のちに高校の女子サッカーの大会を見た事で感化され、自分も選手になろうと決意する。

佃 真央 (つくだ まお)

久乃木学園高校に通う1年生の女子。女子サッカー部に所属しており、背番号は3番。U-17の女子日本代表にも選ばれており、同じく代表に呼ばれていた曽志崎緑とは知り合い。攻守に優れた選手で、久乃木学園高校の主力の一人。他校のサッカー部の男子に片思いしており、その思いをポエムで語るロマンチストな一面も持つ。

井藤 春名 (いとう はるな)

久乃木学園高校に通う1年生の女子。女子サッカー部に所属するエースで、背番号は10番。佃真央と仲がよく、いつも二人で行動している。天才的なサッカーセンスを持つ、久乃木学園高校の主力の一人で、見る人を魅了するプレーをする。自分と同じようにずば抜けたセンスを持つ恩田希に興味を持ち、ライバル視している。

鷲巣 兼六 (わしず けんろく)

久乃木学園高校の監督を務める男性。高校女子サッカー日本一のチームをまとめる名将で、「泣かない赤鬼」の異名を持つ。能見奈緒子は元教え子で、能見の頼みで蕨青南高校との練習試合を受けた。その試合前にはチームに10点差以上で勝つ事を条件として提示するなど、厳しい指導で選手達を育てる。

桐島 千花 (きりしま ちか)

浦和邦成高校に通う2年生の女子で、女子サッカー部に所属している。曽志崎緑とは同じ中学の出身で、先輩にあたる。後輩の曽志崎が浦和邦成高校に入学して来る事を期待していた。1年の時、久乃木学園高校に完敗しており、リベンジするために浦和邦成高校の守備の要へと成長を遂げた。ディフェンダーとしては体格は小柄だが、人一倍の運動量でカバーする。 試合時はゴーグルをかける。

天馬 夕 (てんま ゆう)

浦和邦成高校に通う2年生の女子で、女子サッカー部に所属している。童顔でかわいらしい見た目だが、かなり口が悪く、監督の後藤田正弘に対しても平気で毒を吐く。能見奈緒子の大ファン。安達太良アリスの才能を見抜いてサッカー部に誘った経緯もあり、安達太良とは仲がいい。よく棒つきキャンディを食べている。

安達太良 アリス (あだたら ありす)

浦和邦成高校に通う2年生の女子で、女子サッカー部に所属するエース。高い身長と驚異の身体能力で自由自在にフィールドを駆けまわる。幼い頃はアニメをこよなく愛し、魔法少女にあこがれていたオタク気質で、家にこもりがちだった事を両親に心配され、バスケットボールクラブに通わされていた。身体を動かす事は好きだったが、バスケットボールは肌に合わず、天馬夕に誘われてサッカーを始めた。 曽志崎緑とは同じアニメが好きな事から、すぐになかよくなった。

後藤田 正弘 (ごとうだ まさひろ)

浦和邦成高校で女子サッカー部の監督を務める男性。能見奈緒子を口説いたりと軽い雰囲気を醸し出すキザな人物で、たまにイタリア語を使用する。しかし、チームを強くするためなら選手に嫌われる事も厭わない、確固たる意志の持ち主。

高萩 数央 (たかはぎ かずお)

男子プロサッカー選手。日本だけでなく、スペインやポルトガルでもプレーしていた。腰痛に悩まされながらも、痛み止めを打ってプレーを続けた姿から、「鉄人」の異名を持つ。深津吾朗の後輩で、サッカーへの情熱を失くしてしまった彼の事を心配している。なぜか深津の事を「ダーリン」と呼ぶ。

浦川 茜 (うらかわ あかね)

栄泉船橋高校に通う3年生の女子で、女子サッカー部の部長を務めている。監督がサッカー初心者のため、自らチームメイトと共に強固なチームを作り上げた。生来の天邪鬼な性格から、ボール保有率の高さが勝利につながるという時代の流れに背き、ひたすら守備組織を洗練させる事に腐心。その策が見事にはまり、弱小だった栄泉船橋高校を、日本一の久乃木学園高校を破るまでの強豪に育て上げた。 幼い頃から将棋が好き。

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