TOKYO WONDER BOYS

TOKYO WONDER BOYS

海外を志向していた超高校級のサッカー少年が、弱小プロクラブの「特別指定選手」に選ばれたことをきっかけに、かつての情熱を取り戻し、日本国内で自分の居場所やライバルを見つけ、成長していく姿を描くサッカー漫画。「週刊少年ジャンプ」2014年14号から24号にかけて掲載された。

正式名称
TOKYO WONDER BOYS
ふりがな
とーきょー わんだー ぼーいず
作者
作者
ジャンル
サッカー
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概要・あらすじ

超高校級のサッカー選手として、将来を嘱望されていた樋本究児は、将来の海外進出を見据えて、部活動をこなす日々を送っていた。そんなある日、サッカー部の監督に指示されて都内の指定場所へと向かった究児は、ジャパンリーグの2部で低迷している弱小プロサッカーチーム・SA西ヶ丘の練習場を訪問させられたうえ、「特別指定選手」枠での入団を迫られてしまう。

SA西ヶ丘を二流のクラブと見下し、これを固辞した究児に対し、同じく「特別指定選手」枠でやって来ていた高校生・南條壱丸に勝利すれば、好きにしていいと告げるSA西が丘の監督・塩谷。理不尽な提案にバカバカしさを覚えた究児だったが、壱丸がかつてのSA西が丘の大エース・天河歩士の再来であると聞かされて気が変わり、彼を叩き潰すために練習試合に参加する。

試合中、壱丸のシャドウストライカーとしてのスバ抜けた能力を目の当たりにした究児は、彼のプレイスタイルに、歩士の幻影を見出すのだった。

登場人物・キャラクター

樋本 究児 (ひのもと きゅうじ)

聖京学園のサッカー部に所属している男子高校生。長身で、左目の泣きぼくろが特徴の、クールな性格をした茶髪の少年。圧倒的なフィジカルを誇る超高校級のプレイヤーで、空中戦はすでに国内トップクラスのレベル。その才能を見込んだ複数の国内のプロクラブから、引き合いがあるほどだった。本人は強い海外志向を持っており、レベルの低い国内リーグには目もくれていなかった。 ある日、サッカー部の監督の指示で出向いた都内のグラウンドで、ジャパンリーグ2部の弱小プロチーム・SA西ヶ丘から「特別指定選手」扱いでの入団を迫られてしまう。一度はそれを拒否するが、練習試合で一緒にプレイした、同じ「特別指定選手」枠の少年・南條壱丸の熱心な勧誘と、そのプレイスタイルに心を動かされ、SA西ヶ丘への入団を果たすことになる。 小さい頃はSA西ヶ丘のサポーターをしており、クラブのエースである天河歩士は、いつか一緒にSA西ヶ丘でプレイすることを夢に抱くほどの大ファンだった。しかし、クラブの1部昇格後に、歩士が欧州のクラブに移籍してしまったことにショックを受け、彼を「裏切り者」と認識。 それ以来、強い海外志向を抱くようになる。かなりの負けず嫌いで、ライバルである壱丸とは、試合中にもしょっちゅう口喧嘩を繰り返していた。

南條 壱丸 (なんじょう いちまる)

西ヶ丘高校のサッカー部に所属している男子高校生。摑みどころがない性格をした少年で、ことあるごとに話し相手をおちょくったり、生意気な軽口を叩く。中高での実績はほとんどない無名選手だったが、SA西ヶ丘の監督である塩谷が彼の素質にほれ込み、樋本究児のバーターとして「特別指定選手」枠でSA西ヶ丘に入団することになった。 体は小さいが、反射神経と、相手選手と駆け引きする能力に優れており、ディフェンダーの意識を逸らして瞬時に裏のスペースへと飛び出し、ゴールを脅かすことができるシャドウストライカー。試合中、どんなに不利な展開に陥っても、決して諦めることがない不屈の精神の持ち主で、塩谷からは天河歩士の再来と称されていた。ジュニアクラブでサッカーをしていた頃から歩士の知り合い。 彼の夢を引き継ぎ、SA西ヶ丘を世界で戦えるクラブにするために、自分がSA西ヶ丘の「キング」になろうとしていた。負けん気の強い究児とは、度々衝突を繰り返していたが、やがてよきライバル同士となる。

天河 歩士 (あまかわ あゆと)

かつてSA西ヶ丘に所属していた男性サッカー選手。天才肌で、どんな苦境でも諦めない精神力を持ち、今なお多くのファンを惹きつけるカリスマ的な存在。その不屈のプレイスタイルは、樋本究児と南條壱丸にも大きな影響を与えている、ジャパンリーグ2部の弱小クラブにすぎなかったSA西ヶ丘を率い、常々「(この弱小クラブを)世界で戦わせてやる」と公言していた。 リーグ戦ではその自信満々な言葉通りの活躍を見せ、SA西ヶ丘を1部リーグへと引き上げる立役者となった。しかし、次の年に海外のクラブへと移籍してしまう。その一連の出来事が、究児の心に深い傷跡を残すことになった。

塩谷 (しおや)

SA西ヶ丘の監督を務めている男性。7年もの長い間、2部リーグに居座り続けるクラブの現状を憂いた上層部が、最近招き入れた監督。1部昇格を狙うための救世主として、樋本究児と南條壱丸に白羽の矢を立て、彼らを「特別指定選手」枠で入団させようとする。壱丸や天河歩士とは昔からの知り合いで、壱丸を「歩士の再来」であるとして、その才能を非常に高く評価していた。

佐藤 雪太 (さとう せった)

プロサッカー選手の男性。SA西ヶ丘の一員。最近になってようやくスタメンを取れるようになってきた若手。プロでありながら、当番で用具係もさせられてしまう、貧しい2部リーグの現状を嘆いていた。新たに入団してきた南條壱丸の生意気な態度を戒めるために、ボール集めをさせていたが、その際に見せられた壱丸の正確なキックに驚嘆する。

清越 虎之助 (せいごし とらのすけ)

プロサッカー選手の男性。SA西ヶ丘の一員。ポジションはセンターバックで、8年間チームを引っ張ってきた中心選手の1人。新たに入団した樋本究児と南條壱丸を交えた紅白戦では、玉際の厳しさで壱丸たちを圧倒し、プロとしての矜持を見せていた。強面だが、実はかなりの恐妻家。

菊之地 美雨 (きくのじ みう)

西ヶ丘高校に通っていたロングヘアの女子高生。南條壱丸のクラスメイトで、壱丸に付き合ってSA西ヶ丘に出向いていたところ、監督の塩谷からスカウトされ、用具係見習いとして働くことになった。壱丸からは「お菊」というあだ名で呼ばれている。

富上 晴主 (とがみ はるよし)

プロサッカークラブの「ギプフェル山形」に所属するサッカー選手の男性。端正な顔立ちをしており、五輪代表にも選ばれている優秀なディフェンダー。武蔵野圭治とのコンビは、2部リーグで最強クラスの守備力を誇っている。身体能力も高く、南條壱丸を上回る快足の持ち主。注目度の低い2部でのプレイにモチベーションを失っており、ミーティングを途中で抜け出してトイレに行くなど、やる気は皆無。 執念深くボールに喰らいつく、タイトなプレイスタイルを特徴としている。

武蔵野 圭治 (むさしの けいじ)

プロサッカークラブの「ギプフェル山形」に所属するサッカー選手の男性。五輪代表にも選ばれているディフェンダーで、武蔵野圭治とのコンビは、2部リーグで最強クラスの守備力を誇る。マッチアップした相手には強烈なプレッシャーを与え、自由なプレイを許さない。ラーメンが大好きで、いつも地域のオススメ店が載ったガイドブックを持ち歩いている。

集団・組織

SA西ヶ丘 (えすえーにしがおか)

ジャパンリーグの2部に所属するサッカーのクラブチーム。2002年日韓ワールドカップの直後に結成され、当初は隆盛を誇った。天河歩士を始めとする有望選手の流出や観客動員数の減少で、完全に地域から見放され、7年もの長き間2部に居座り続けている弱小クラブ。新監督である塩谷の就任に伴い、救世主として樋本究児と南條壱丸の2人が新たに加わった。

その他キーワード

特別指定選手 (とくべつしていせんしゅ)

高校生や大学生が、学生のままプロのサッカーチームに参加できる制度。この制度を活用して学生から日本代表へと登りつめた選手もいるほど浸透しており、未来ある若者の登竜門となっている。

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