概要・あらすじ
書店員の三角康介は昔から霊的なものを見てしまう能力を持っていた。霊的なものを怖いと感じて、なるべく近づかないようにしていた三角康介だったが、書店で仕事をしていたところ、何もわからないまま、冷川理人に霊的なものの除霊を手伝わされ、自分の意思とは関係なく、冷川理人が仕事としてやっている除霊の助手をすることになってしまう。
嫌々ながらも押しに弱い三角康介は、冷川理人に呼び出されるたびに出向いてしまい、霊的なものと遭遇して怖い思いをする。それと同時に、冷川理人が除霊をする際に三角康介の魂的なモノに触れると、お互いに気持ち良い体験をするのだった。冷川理人と行動を共にするうちに、同じように霊的なものを見ることができたりする力を持つ迎系多や非浦英莉可と出会い、三角康介はどんどん霊的なものに係わっていく。
登場人物・キャラクター
三角 康介 (みかど こうすけ)
死人を見る能力をもっている男性。身長177㎝で、老け顔の24歳。大学は英文科卒。視力は悪く、眼鏡をはずすと視界がぼやけるが、霊的なものだけは、眼鏡をはずしていてもはっきり見ることができる。霊的なものを怖いと感じていて、それから全速で逃げられるように体を鍛えていた。母親と二人暮らし。父親は三角康介が4歳の頃に、ふらっといなくなってしまった。 押しに弱く、半ば強引に冷川理人の除霊の手伝いをすることになる。
冷川 理人 (ひやかわ りひと)
凄腕の除霊師の男性。身長186㎝。霊的なものを掴んでぶんなげる能力を持っている。COOLEANという会社を一人で営んでいる。霊的なものを見る力はあまりないが、三角康介と接触することによって、はっきり見ることができるようになる。他にも、霊が発する言葉や音を聞いたり、自分の意識だけを体から離脱させたりする能力を持っている。 人間関係に必要な情緒や生活能力に欠けていて、言葉の使い方もおかしいところがある。三角康介にとても執着していて、彼に術をかけて束縛している。
半澤 日路輝 (はんざわ ひろき)
殺人課の刑事で係長の男性。自分の目で確かめたことしか信じないリアリスト。霊感という見えないものはまったく信じていないため、その作用を受けない体質。どうやっても人間の仕業でないような、理解できない事件があったときに、冷川理人に捜査の協力を頼んでいる。左手の薬指にリングをしている。
迎 系多 (むかえ けいた)
耳にピアスをしている29歳の男性。よく当たると評判の占い師をしているが、実は占いの力は持っておらず、ただの聞き上手。顔が広く、アイドルからも相談を受けたりしている。霊的なものと話す力を持ち、説得して霊的なものが消えるまで話をする。独学で、頭の中だけを結界らしきもので隔離する力をもっている。クリスチャン。
非浦 英莉可 (ひうら えりか)
女子高校生。三角康介と冷川理人が捜査協力を頼まれた事件に呪いが係わっていて、その呪いをかけた人物が非浦英莉可だった。三角康介は彼女に初めて会ったとき、「強くて」「魅力的」という印象を持ち、それは冷川理人に感じた印象と同じものだった。父親によって先生と言われる人物に売られ、呪い屋という仕事をさせられているが、できれば辞めたいと思っている。
先生 (せんせい)
謎の宗教団体の2代目で教祖的な存在の男性。現在その団体は解散したらしい。非浦英莉可の父親と懇意にしている。本人が「貯金箱」と呼んでいる罠を、町の中にいくつも作っている。非浦英莉可はこの人物のことを嫌っている。
逆木 (さかき)
体格がいいやくざの男性。先生と逆木が属しているやくざの組が提携しているため、非浦英莉可の用心棒に雇われる。霊的なものには鈍い。いつも非浦英莉可のそばにいて、彼女の呪い屋としての仕事先へ、車の送り迎えなどをしている。
山井 (やまい)
三角康介がバイトしている、ほり書店の店長。眼鏡をかけ、ちょっとM字型に髪が薄くなっている男性。三角康介が霊的なものを見る特殊な能力の持ち主だ、ということが分かっても、今までと変わらず接する。三角康介に冷川理人のところで働くことをすすめるが、自分のところのバイトも辞めてほしくないと頼んでいる。
三角康介の母 (みかどこうすけのはは)
三角康介の父とは公園で出会った。三角康介の父とは3歳違いで、年上女房。悪いものを寄せ付けない力があるが、本人は気が付いていない。霊的なものが見えてしまう三角康介の父も、悪いものを寄せ付けない彼女のそばでは、霊的なものを見ないでいることができた。しかし、霊的なものが見える三角康介が生まれると、彼女一人ではその力が及ばず、このままでは彼女が死んでしまうと、三角康介の父は姿を消す。 そして彼女の頭の中から、三角康介の父がいたということは分かっても、その名前や記憶は消えてしまっている。息子の三角康介が、霊的なものが見える特殊な力をもっていることは知らない。
場所
COOLEAN (くーりーん)
物件鑑定、特種清掃の名目で冷川理人が一人で営んでいる会社。実際の仕事は霊的なものの退治。警察の未解決の事件の捜査を手伝ったりもしている。事務所の外のドアが開くとき、換気扇が小さくバコッという。