夢かもしんない

夢かもしんない

社会人の加勢晴夫と、彼が少年時代に大ファンだったアイドルにして、現在は幽霊になってしまった夢野すみれの、不思議な共同生活を描いたサクセスストーリー。職場でストレスを溜め、家庭内不和に悩まされる晴夫の日常が、すみれの影響で少しずつ変化していく。「ビッグコミックスペリオール」1995年18号から1997年17号にかけて連載された作品。

正式名称
夢かもしんない
ふりがな
夢かもしんない
作者
ジャンル
お化け・妖怪
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概要・あらすじ

コンピューターを販売する会社「マッスルシステムサービス」に勤めるやり手サラリーマンの加勢晴夫は、あまり戦力にならない後輩と、口ばかりで自分では何もしない上司に挟まれていることもあり、佐藤ひろみをはじめとする周囲から非常に頼りにされていた。おかげでいつも忙しく、ろくに一緒に過ごすこともできない家族からは不満の声があがっており、家庭には冷たい空気が流れていた。

そんなある日、晴夫の前に女の子の幽霊が姿を現し、彼をハッピーにすると宣言する。女の子の幽霊は晴夫以外の人物には見えず、晴夫にもその女の子が何者なのかわからなかったが、山崎から偶然見せてもらった昔のアイドル雑誌に彼女が載っているのを見て驚愕。幽霊の少女はアイドルの夢野すみれであり、実は晴夫は少年の頃にすみれの大ファンで、一度だけ会って話したことがあった。

しかし、すみれはその少し後に亡くなり、晴夫はショックのあまり川に飛び込み、当時の記憶を失っていたのだった。すべてを思い出した晴夫に、すみれは彼をハッピーにすると再び宣言し、晴夫とともに生活するようになる。

登場人物・キャラクター

加勢 晴夫 (かせ はるお)

コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」に勤務する男性。営業課に所属している。仕事で結果を出していながらも、上司の蔵野局長からは小言を言われ、家庭内では妻の加勢美佐子や娘の加勢真奈から冷たくされ、あまり幸せでない日々を送っている。幽霊の夢野すみれが現れ、日常をひっかき回されているうちに、頭部に残る大きな傷跡と部分ハゲの原因でもある、失われてしまっていた事故の記憶を取り戻す。

夢野 すみれ (ゆめの すみれ)

かつてアイドル歌手をしていた少女。すでに故人。加勢晴夫とは握手会の時に一度会ったことがあり、その時の思い出を大切にしていた。仕事のストレスから酒を飲むようになり、自宅の風呂場で泥酔して死んでしまった。幽霊として晴夫の前に現れ、彼の人生をハッピーにすると宣言する。

佐藤 ひろみ (さとう ひろみ)

コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」に勤務する若い女性。営業課に所属している。加勢晴夫の後輩で、やる気いっぱいのフレッシュな新人。晴夫に対して想いを募らせ、妻子持ちであることを知りながら告白する。一途な性格で、はっきりと断られてからも晴夫への想いを断ち切れず、最終的に付き合うことになる。

加勢 美佐子 (かせ みさこ)

加勢晴夫の妻で、加勢真奈の母親。晴夫が仕事ばかりで家庭を顧みないことに不満を抱いている。専業主婦に嫌気がさし、晴夫と話し合いの末、仕事を世話してくれた人について長野へ行って就職することを決める。真奈を連れ、1年間の約束で別居することになる。

加勢 真奈 (かせ まな)

加勢晴夫の娘。母親の加勢美佐子と同じく、晴夫が仕事ばかりで家庭を顧みないことに不満を抱いている。利発でしっかり者で礼儀もわきまえており、自分のことは自分でできるうえに、家事などもこなす。両親の不仲をよくわかっており、別居することについて両方の顔を立てる。

蔵野局長 (くらのきょくちょう)

コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」に勤務する中年男性。営業課の局長で、加勢晴夫の上司にあたる。晴夫の手柄を自分のものにするにも関わらず、失敗はすべて晴夫になすりつけ、自分自身は責任を取ろうとしない。しかも部下を信用しておらず、重箱の隅をつつくような嫌味ばかりを言う。のちに出世して部長になる。

山崎 (やまざき)

コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」に勤務する男性。営業課に所属している。加勢晴夫の後輩。会社でアイドルの画像を見ては注意を受けているアイドルオタク。家には大量のアイドルの写真集や昔のアイドル雑誌を保管している。同僚の佐藤ひろみの紹介で相川冬子と食事をし、付き合うようになる。

相川 冬子 (あいかわ ふゆこ)

佐藤ひろみの大学時代の友達で、暗い性格の女性。いつもわざと相手に聞こえるようにぶつぶつと独り言を言っている。ひろみが仕事もプライベートも充実している様子なのをうらやんでおり、自分もパートナーが欲しいと思うあまり、時に暴走してしまうことがある。のちにひろみの紹介で山崎と知り合い、付き合うようになる。

島田 (しまだ)

コンパニオン事務所「島田プロ」の社長を務める中年の男性。実はかつて夢野すみれのマネージャーをしていた人物。すみれが売れるようにと、作ったイメージの型にはめたり、自由な時間を奪ったりして、すみれを追い詰めてしまった張本人。結果的にすみれが亡くなってしまったことで、彼女に対する罪悪感を何年も引きずっている。

古谷 (ふるや)

ゲーム会社を立ち上げようとしていた男性。コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」が懇親会をしていた居酒屋で、偶然に佐藤ひろみと出会った。加勢晴夫に面差しの似ているところがあり、ひろみに気を許してもらい、親しくなった。のちにひろみの紹介でパソコンを7台も購入するが、商品だけ受け取って金を払わずに逃げた。

横沢 (よこざわ)

コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」の本社で専務を務める中年の男性。白髪で口ひげを生やしている。加勢晴夫を高く評価しており、大事な仕事を任せられる人材として、晴夫に茨城への栄転を命じる。

山吹 (やまぶき)

「ハジメ商事」という会社の常務取締役の男性。加勢晴夫が、休日出勤で中年男性向けのパソコン教室の講師をしていたところ、そこに生徒としてやって来た。晴夫を気に入って、パソコン60台という大口の契約を交わした。

松本 (まつもと)

パソコンソフトメーカー「マツモトソフトランド」の社長を務める男性。加勢晴夫の大学時代のゼミの先輩。やり手で強気な性格をしている。商品の売れ行きも良く、儲かっているのだが、商業主義が過ぎて、周囲からの評判はあまり良くない。晴夫を自分の会社にヘッドハンティングしようと、声をかける。

岡村 (おかむら)

パソコンソフトメーカー「マツモトソフトランド」の専務を務める男性。加勢晴夫の大学時代の同級生。松本の社内での横暴ぶりに眉をひそめており、会社の経営方針に対しても意見が衝突した。他の役員たちと結託し、松本を社長から解任することを決める。

水野 照美 (みずの てるみ)

コンピューター販売会社「マッスルシステムサービス」に、加勢晴夫の後任としてやってきた独身男性。年齢は34歳。背が低く、眼鏡をかけている。自分でギャグを言っては自分で笑うので、周囲の人たちをしらけさせてしまうのだが、おかまいなしの自由な性格。

場所

マッスルシステムサービス

コンピューター機器を販売する会社。加勢晴夫、佐藤ひろみらが勤めている。販売だけでなく、搬送や設置などの、こまめなアフターサービスも行っている。そのため決して安価ではないが、業界内での評判は良く、信用もある。

マツモトソフトランド

パソコンソフトの制作会社。松本が大学時代に同級生らとともに作ったソフトが評判になり、それを企業に売ったところから設立された。テレビや雑誌などにも紹介されるほど躍進しており、年商は100億円、従業員は600人を抱える大会社となった。

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