あらすじ
第1巻
システムエンジアをしている相田康介は、派遣先の市役所に勤める大宮景に恋をする。しかし、景は「獅子舞」が大好きという一風変わった女性で、家ではネットオークションで買った獅子をかぶってはしゃぐほどの獅子舞マニアだった。ひょんな事から景に、獅子舞好きの同志だと勘違いされた康介は、彼女と付き合うために獅子舞好きだと振る舞う事になる。噓をついている事に心を痛めながらも、康介は景との友達付き合いを始める。
第2巻
いっしょに獅子舞を見学に行くなど、プライベートでも大宮景との付き合いを続ける相田康介だったが、自分の景への気持ちも、本当は獅子舞好きではない事も告げられずにいた。そんな中、景の従兄であり、景に好意を抱く大宮修一は、景と康介の仲を引き裂こうと動き出す。一方、獅子舞に夢中で自分の事が眼中にないと感じた康介は、それなら自分自身が獅子になればいいと決意し、かつて獅子舞を実演してくれた辻雛子に弟子入りするのだった。
登場人物・キャラクター
相田 康介 (あいだ こうすけ)
株式会社太陽ソフトウェアに勤めるシステムエンジアの青年。会計システム入れ替え業務のために遠咲市の市役所に派遣され、そこで市民課に勤める大宮景と出会い、好意を抱く。獅子舞マニアの景に、ひょんな事から相田康介も獅子舞好きだと誤解され、獅子舞フレンドとして友達付き合いを始める。景とのつながりを失う事を恐れた康介は、噓をついているという罪悪感に苛まれながらも、景の前では獅子舞好きとして振る舞っている。
大宮 景 (おおみや けい)
遠咲市の市役所で市民課に勤務する女性。ミドルショートの髪型で眼鏡をかけた、地味だがかわいらしいおっとりとした人物。幼い頃、正月に祖母の家で見た事がきっかけで獅子舞を好きになって以来の超ド級の獅子舞好き。しかし、変人扱いされる事を恐れて、獅子舞が好きである事は周囲に隠している。ネットオークションで獅子を8万円で購入して以来、仕事が終わり次第急いで家に帰っては購入した獅子を愛でている。 勤務先で知り合った相田康介を獅子舞好きの同志と勘違いし、初めての獅子舞フレンドとして友達付き合いを始める。非常に鈍感で、康介の大宮景への好意にはまったく気づかない。
辻 雛子 (つじ ひなこ)
深美郷土芸能保存会で獅子舞をする若い女性。黒髪をロングストレートにしたクールな美人。父親の辻巌(つじいわお)は、深美郷土芸能保存会の代表。図書館で相田康介と偶然出会ったのち、獅子舞の見学に来た康介と再会。康介と大宮景の前で獅子舞を演じてみせる。康介から相談を受け、彼が景に好意を寄せており、獅子舞が好きだと噓をついている事に悩んでいる事を知っている。
大宮 修一 (おおみや しゅういち)
大宮景の従兄にあたる若い男性。景からは「シュウちゃん」と呼ばれており、仲がいい。幼い頃に見た獅子舞の恐怖がトラウマになっており、今でも獅子舞が大の苦手。従妹である景に好意を抱いており、相田康介の存在を敵対視している。