しっぷうどとう

しっぷうどとう

高校受験に失敗し、行きたくない高校に入学することになり腐っていた長門烈は、上級生に絡まれていたところを剣道部の阿南俊に助けられたことから入部を決意する。剣道は素人の長門だったが、持ち前の下半身の強さとひたむきな性格から剣道の才能を開花させていく。同時に、人数不足で大会に出られないでいた佐倉神城高校が、長門の入部によりインターハイ出場をかけた大会に出場する過程が描かれる。

正式名称
しっぷうどとう
ふりがな
しっぷうどとう
作者
ジャンル
剣道
 
青春
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概要・あらすじ

落ちこぼれ高校に入学した長門烈は、不良学生に絡まれていたところを剣道部の2年生、阿南俊に助けられ、剣道部に入部する。剣道の経験はない長門だったが、毎日20キロの自転車通学によって鍛えられていた下半身を使っての踏みこみを武器にしたスタイルを確立させていく。他校剣道部との親善試合において、長門は地域最強と目される強豪の古橋正光の左諸手上段の構えを取り入れ、そのまっすぐな性格も相まって佐倉新城高校のキーパーソンに成長する。

その勢いのまま佐倉新城はインターハイ予選を勝ち上がるが、決勝では引き分け再試合となり、エースの阿南をケガで欠くなか長門は代表選手として古橋との試合に赴く。

登場人物・キャラクター

長門 烈 (ながと れつ)

受験に失敗し、滑り止めで入った佐倉神城高校で腐っていたが、上級生に絡まれていたところを剣道部の阿南俊に助けられたことをきっかけに剣道部に入部する。剣道は素人だったが、中学時代に毎日20キロの道のりを自転車通学していたことで得た下半身の強さから、非凡な踏み込みの才能を持つ。親善試合に出場した時、同じ県の強豪、古橋正光の上段構えを見て、自分の素質をもっとも活かせる戦法と直感し、戦法に取り入れる。 最初は先輩や監督の忠告も受け入れない頑固さがあったが、才能が開花するにつれ周囲とも融和、剣道部のエースとして成長。インターハイ出場をかけた試合で再試合となった時は、負傷した阿南に代わって大将に抜擢されるほどの存在となる。

阿南 俊 (あなみ しゅん)

長門烈の先輩で2年生。幼少時から剣道を続けており、個人でインターハイ出場の経験もある強者。不良生徒に絡まれていた長門を助け、彼が剣道部に入ったことで不足していた部員が埋まり、佐倉神城高校の剣道部は団体戦に出られるようになった。県内屈指の強豪とされる天方院高校の古橋正光とはかつて同じ道場に通っており、そっけない態度ながらお互いをライバルとして認め合っている。 インターハイ予選を目前にした練習中の事故で、首に傷を負う。ケガをおしてインターハイ予選決勝の中堅戦で古橋と戦って全力を尽くすが紙一重で敗れる。同時に自身の選手生命も絶たれてしまうが、後にトレーナーとして剣道界に復帰する。

八木 聡 (やぎ さとし)

佐倉神城高校剣道部の主将を務める3年生。突出した部分はないが、長身を活かしたレベルの高い剣道をし、良識ある性格も相まって部員や顧問からの信頼が厚い人物。父も剣道家だったが、かつて練習中に聡と同じ剣道部員の曽我鉄雄の父を事故で殺してしまったという過去がある。

後藤 真央 (ごとう まお)

佐倉神城高校剣道部の3年生。剛腕を売りにした剣道を得意とする。練習中や日常生活においても腕っぷし同様に豪快な性格の持ち主だが、実はプレッシャーに弱く、大事な試合で実力を出し切れないところがある。また、普段の性格に対して、真央という名前が男らしくないことに少しコンプレックスを持っている。

曽我 鉄雄 (そが てつお)

佐倉神城高校剣道部の3年生。小柄な体格と、床を滑るような足さばきの持ち主で、そのトリッキーな戦法で相手を翻ろうする。かつて、父を練習中の事故で失ったトラウマから突きを使うことができなくなっていたが、同じく突きで阿南俊を負傷させてしまった長門烈とのトレーニングで恐怖を払しょくし、一皮むけた強さを得る。

三田 翔子 (みた しょうこ)

佐倉神城高校剣道部の顧問。3年生の部員たちも恐れる実力者で、全日本選手権女子の部で準優勝の経験がある。長門烈の下半身の強さを見抜き、それを活かした剣道を身につけるようサポートするなど指導者の素質もあるが、早く強くなりたいと願う長門の手綱を握りきれず苦労したり、試合の結果に部員と一緒になってはしゃいでしまうなど、甘い面を見せてしまうこともある。

古橋 正光 (ふるはし まさみつ)

佐倉神城高校と同じエリアにある天方院高校の剣道部員で県内屈指の実力者。左諸手上段という構えの使い手で、それを見た長門烈に鮮烈な印象を残し、長門が左諸手上段を取り入れるきっかけとなる。阿南俊とは幼いころからのライバルで、インターハイ出場をかけた予選決勝の中堅戦で激突、お互い死力を尽くしたうえで勝利する。 それから6年後、全日本選手権大会で長門とあいまみえることになる。

古橋 素子 (ふるはし もとこ)

佐倉神城高校の1年生で長門烈のクラスメート。古橋正光の妹。兄同様に剣道をやっており、中学生の時には優れた選手だったが、練習中に兄を怪我させてしまったことで、剣道から離れていた。古橋の後を追う長門や、彼を取り巻く阿南俊などの説得により剣道への情熱を取り戻し、唯一の女子部員となる。

尾形 光二 (おがた こうじ)

天方院高校の1年生。親善試合で長門烈と対戦、序盤はスピードを活かした戦法で長門を圧倒するが見切られて敗北。選抜メンバーから落とされるが、復活を遂げインターハイ予選で長門と再戦する。そのなかで長門をライバルと認め、勝つための剣道から全力を尽くす剣道に目覚め、試合には敗れるが成長を見せる。

集団・組織

佐倉神城高校 (さくらしんじょうこうこう)

『しっぷうどとう』の舞台となる高校。偏差値は低く、受験に失敗した生徒の滑り止めとなっている。風紀もやや乱れており、不良じみた生徒も少なくない。剣道部はかつてかなりの実力を持っていたが、近年は部員不足で大会に出ることができなかった。ここに長門烈が入部し、インターハイ出場を目指して再出発することとなる。

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