六三四の剣

少年剣士・夏木六三四が、様々なライバルたちと剣を交え、成長していく過程を描く。剣道をテーマにしたスポーツ少年漫画。物語は、ガキ大将として自由奔放に暴れまわる幼稚園時代、父の死後復讐に燃える小学生時代、ライバル修羅を倒し日本一を目指す高校生時代に分かれる。第29回小学館漫画賞少年部門受賞(1984年)。

概要・あらすじ

剣道の全日本大会で優勝した夏木夫婦の間に生まれた男の子は、誕生日時の6月3日の午後4時をもじって、六三四と名付けられた。六三四は、両親の影響から3歳で剣道をはじめ、幼少期は強い相手との勝負を求めて暴れまわる。父との別れや並みいる剣士たちとの勝負を乗り越え、永遠のライバル藤堂修羅と出会い、互いに切磋琢磨しながら剣道を通して身も心も成長してゆく。

登場人物・キャラクター

夏木 六三四 (なつきむさし)

『六三四の剣』の主人公で剣道少年。剣道の全日本大会で優勝した両親のもと、3才から竹刀を握る。自分よりも強い者との勝負を望む、怖いもの知らずの幼少期、試合の怪我で亡くなった父の復讐に燃えた小学生時代を経て、高校生へと成長。父・夏木栄一郎の母校、開陽高校の剣道部でスポーツとして、武術としての剣道に打ち込む。父親ゆずりの情熱家で、修行のため武者修行や山ごもりをすることもある。 また、幼少期からのライバル東堂修羅との対決にも決着を付けたいと思っている。

東堂 修羅 (とうどう しゅら)

『六三四の剣』に登場する人物で、六三四の幼い頃からのライバル。普段は穏やかで礼儀正しいが、天賦の才能と父親から受けた英才教育により圧倒的な剣さばきを見せる。幼いころは六三四に一方的にライバル視されていたが、何度も剣を交えることで互いに分かり合い、成長とともに親友と呼べる仲にもなった。父親の国彦が母親の朝香つらく当たるので、一時期は父を恨んでいた。 修羅という名は、国彦が奈良興福寺の阿修羅像が好きなため、つけられた。

夏木 栄一郎 (なつき えいいちろう)

主人公・夏木六三四の父。「岩手の虎」の異名を持つ岩手県警機動隊の剣の達人。剣道五段。全日本大会で大会二連覇を達成するが、決勝で東堂国彦との試合中に重傷を負い、それが原因で死去。酒が好きで休みの日は酔っ払っていることが多いが、剣道に対しては真面目でストイック。全日本大会での東堂国彦と対決を前に、警察を退職し、山ごもりをして修行に励んだ。

東堂 国彦 (とうどうくにひこ)

『六三四の剣』に登場する人物。東堂修羅の父。夏木栄一郎の大学時代の先輩であり、最大のライバルでもある。職業は医者。21歳で全日本剣道選手権を制し、それ以降はいかなる大会にも出場していなかったが、栄一郎が全日本で優勝したことを知り、翌年の大会に出場する。繊細ながらも鋭く激しい剣を振るい、冷酷な人物と思われがちだが、彼なりの深い愛情を持っている。

夏木 佳代 (なつきかよ)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四の母であり、夏木栄一郎の妻。全日本女子選手権優勝を果たし、「東北の鬼ユリ」と呼ばれた。剣道四段。六三四の出産以降、主婦をしていたが、栄一郎が警察を退職したことを機に、小学校教諭に復職する。少々雑なところはあるが、優しく肝の座った人物。六三四が高校生の時に、迷う六三四の背中を押すため、また自分の気持ちにけじめをつけるため剣道を本格的に再開、全国大会に出場。 優勝こそ逃がしたが、ブランクを感じさせない切れ味を見せた。全国大会後、同僚でかねてからアプローチされていた八重樫と再婚する。

轟 嵐子 (とどろきらんこ)

『六三四の剣』に登場する人物。天然の巻き髪ショートヘアーで負けず嫌いな性格。嵐子という名前は、嵐の日に生まれたため。六三四が年長のときに出場した剣道大会で、六三四と決勝を戦い、惜しくも敗れるが、悔しさから乱闘になる。剣道の才能に恵まれ、少女時代は自分よりも強い者がいないので剣道に飽きてしまうほどの強さを誇った。 カッとなりやすい性格と、怠け癖でトラブルを引き起こしやすい。高校生になり、六三四への恋愛感情に気づく。

十一 (といち)

六三四が飼っている犬。親犬が車にひかれた子犬を栄一郎がもらってきて、夏木家で飼うことに。六三四とは兄弟同然に育つ。子犬の頃に野犬に襲われ、右目を失明している。10月1日にもらってきたので、十一(といち)と名づけられる。

大石 巌 (おおいしいわお)

『六三四の剣』に登場する人物。栄一郎の警官時代の署長であった大石の息子。六三四より8歳年上であり、栄一郎を剣の目標としている。子どもの頃から幾度となく六三四に勝負を挑まれており、その度に厳しく鍛え、六三四の成長に大きな影響を与えた。大学選手権を制し、開陽学園高校剣道部の監督や警察学校の助教などを請け負う。 幼少期は対立していたが、六三四にとっては師匠のような存在。

日高 剣介 (ひだか けんすけ)

『六三四の剣』に登場する人物。剛剣示現流の使い手で、九州代表としてその名を轟かす。鹿児島県出身。家族全員剣道をたしなんでおり、自宅の庭先で一家総出の朝稽古が習慣。激しい性格で、小学校時代からずっと六三四と修羅をライバル視している。高校生になった六三四が武者修行で鹿児島に来た際には、示現流の破壊力で六三四を打倒した。

有働 大吾 (うどうだいご)

『六三四の剣』に登場する人物。熊本県出身、日高とともに剣道王国の九州を代表する剣士のひとり。六三四と同じ上段を使う。小学生の頃からの六三四の剣友であり、高校生のとき六三四が九州に武者修行に来た時は、古沢兵衛に防具の上から喉を突かれて大怪我をし、入院していた。

魚戸 オサム (うおとおさむ)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四よりも2つ年上だが、保育園時代からの六三四の舎弟。六三四の影響で剣道をはじめ、開陽学園の剣道部では主将となるが、腕前は人並み程度。大石巌は従兄弟。

小宮 もなみ (こみやもなみ)

『六三四の剣』に登場する人物。黒髪ロングのストレートで眉間にほくろがある。六三四の保育園時代からの幼馴染み。保育園の頃から六三四がお気に入りで、六三四が峠山に引っ越すときはお嫁さんにしてと告げるほどの熱の入れよう。小学6年のとき北海道に引っ越し、高校は盛岡市の早池峰女学院に入学、テニス部に所属している。 腕を折って絶望的なときの乾に六三四の真摯な修行の手紙を見せ、乾が二刀流をはじめるキッカケを作った。

韮山 練造 (にらやまれんぞう)

『六三四の剣』に登場する人物。夏木栄一郎や東堂国彦の師。普段は穏やかな老人だが、ひとたび剣を手にすると豹変。その足さばきと剣技は栄一郎国彦も凌ぐほど。修羅の竹刀を杖で封じたり、六三四の懐に一瞬で入ったり、国彦の脇腹を斬るなど、その実力は計り知れない。高校生編では修羅の師匠にもなり、韮山の家に修羅が住みこんで身の回りの世話をしていた。 孫の伊賀光昭も剣道をやっている。

乾 俊一 (いぬいしゅんいち)

『六三四の剣』に登場する人物。中学から剣道を始め、中学3年生のときには奈良県の大会で修羅と互角の試合を展開した天才剣士。高1の大会で六三四との試合中に左腕を骨折してしまい、選手生命に関わるほどの大怪我を負う。それでも剣道を続けたい一心で右手で小太刀を持つ逆二刀流を考案、二刀流の使い手の古沢に弟子入り。再び六三四に挑む。 複雑な家庭環境と母親に殺されそうになった暗い過去のためか、勝つためには手段を選ばない。ヤケになって六三四の幼馴染であるもなみを襲ったこともあったが、この一件が縁で、もなみが理解者のような存在になる。

古沢 兵衛 (ふるさわひょうえ)

『六三四の剣』に登場する人物。第二次世界大戦で戦地で女子供を斬殺したことを悔いて、自らの剣を封印。80歳を過ぎた今もひとり熊本県の洞窟で二刀流の修行を続けている。六三四を軽くいなし、有働を病院送りにしてしまうほどの実力者。乾は二刀流を修得するため、古沢に命がけで弟子入りし、その精神と技術を受け継いでいる。

武者 潔和 (むしゃきよかず)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四が通う開陽学園の剣道部の先輩で元番長。高校生とは思えぬ風格で、寮では六三四の隣室に住む。必殺技は、怒涛の連続突きによるマシンガン突き。不良たちとの乱闘により自主退学となるが、後にその原因が分かり処分は取り消されている。

風戸 美奈 (かざとみな)

『六三四の剣』に登場する人物。長崎出身の女流剣士。夏木栄一郎の母校である八雲学院大学の剣道部員。六三四が武者修行をしていたときは、男扱いせず女子寮で寝泊まりさせた。全日本剣道選手権3連覇をかけて、夏木佳代と対戦し、日本一の座をつかむ。しかし、佳代との試合後、本当に勝っていたのは佳代であり、勝つことしか考えない驕り高ぶった心を断ち切られたと佳代に礼を言う。 大会の授賞式で、同じ大学の先輩の伊藤泰彦との結婚を発表した。

和尚 (おしょう)

『六三四の剣』に登場する人物。栄一郎が修行のために訪れた、峠山にある慈光寺の住職。慈光寺は、夏木家の菩提寺でもあり、栄一郎の死後も度々六三四は和尚の元を訪ねている。

杉子 (すぎこ)

『六三四の剣』に登場する人物。慈光寺の和尚の孫娘。中学校の剣道部所属、初段の腕前。六三四に稽古つけてくれたこともある。

東堂 朝香 (とうどうあさか)

『六三四の剣』に登場する人物。東堂国彦の妻で、修羅の母親。修羅が小学校に入学する直前に不慮の事故で亡くなる。奥ゆかしい性格で体が弱く、修羅が国彦にしごかれるのを涙ながらに見守っているが、時折静止に入り、国彦に殴打される。

谷口 (たにぐち)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四が幼少期に通っていた剣道道場の先生。息子の恒も同じ道場で指導者として剣をふるう。栄一郎が亡くなった時は、親身になって夏木母子を心配してくれた。

川口 (かわぐち)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四が通う小学校の5年生。1年生の六三四が強いことを知り、勝負を挑む。ボクシングをかじっていて、勝負の序盤は六三四を凌ぐ強さを見せたが、足さばきの弱さを見抜かれ、返り討ちにあう。

四谷 つる子 (よつや つるこ)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四が転校した峠山小学校の3年生。幽霊のような雰囲気の目立たない少女で、同じ学校の生徒達からはへそ曲がりだと思われている。出稼ぎで東京に出ている父親に会うため家出をしたつる子は、偶然東堂国彦と勝負するために内緒で家を出た六三四と出会い、東京まで六三四をお金を使うことなく連れて行ってくれた。

権藤 (ごんどう)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四が二番目に所属した剣道道場で、岩手県下でも一番強いといわれている北上少年少女剣道クラブの指導員。顔の半分がヒゲで覆われているので、ヒゲ先生と子どもたちには呼ばれている。夏木栄一郎とは剣友だった。

八重樫 幹夫 (やえがしみきお)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四が転校した峠山の分校で出会った教師。授業で宮沢賢治の詩集『春と修羅』の中の「永訣の朝」を紹介し、六三四はそれにいたく感動する。六三四が高校3年生のときに佳代と結婚する。動物が好きで、飼い主以外にはなかなか心を許さない十一ともすぐに仲良くなってしまった。

ジン

『六三四の剣』に登場する人物。インターハイで足を怪我した嵐子をバイクで送り迎えしてくれていた不良っぽい青年。嵐子にその気はなかったが、強引に嵐子のファーストキスを奪うなど、積極的。ディスコで不良に絡まれた時に嵐子を守ろうとするが、ボコボコにされてしまう。後にそれはジンが仕組んだ芝居だったことがバレる。

乾 亮子 (いぬいりょうこ)

『六三四の剣』に登場する人物。乾俊一の腹違いの姉。妾の子の俊一にも優しく接し、俊一の母親代わりのような存在。昔はワルだったので、よくない噂を聞きつけ、嵐子にジンと付き合うのはやめるよう忠告したこともある。

伊賀 光昭 (いがみつあき)

『六三四の剣』に登場する人物。全日本大学選手権優勝の腕前をもつ韮山練造の孫。難波大に通う。同じ韮山練造から指導を受けた修羅とは兄弟弟子になる。

沼田 謙治 (ぬまたけんじ)

『六三四の剣』に登場する人物。六三四の高校の同級生。入学式で六三四に声をかけてきた。中学から剣道をやっているが、選手になったことがなく、下手の横好きと自身を評す。新入生代表を務める秀才。剣道部ではマネージャーのような雑務もこなしていた。

その他キーワード

マシンガン突き (ましんがんづき)

『六三四の剣』に登場する技。開陽学園剣道部・武者潔和が使う。強烈な突きによって咳き込む相手に対し、さらなる怒涛の突きで追い討ちをかける。

書誌情報

六三四の剣 全11巻 小学館〈少年サンデーコミックス ワイド版〉 完結

第1巻

(1992年6月発行、 978-4091237613)

第2巻

(1992年8月発行、 978-4091237620)

第3巻

(1992年10月発行、 978-4091237637)

第4巻

(1992年12月発行、 978-4091237644)

第5巻

(1993年2月発行、 978-4091237651)

第6巻

(1993年4月発行、 978-4091237668)

第7巻

(1993年6月発行、 978-4091237675)

第8巻

(1993年8月発行、 978-4091237682)

第9巻

(1993年10月発行、 978-4091237699)

第10巻

(1993年12月発行、 978-4091237705)

第11巻

(1994年2月発行、 978-4091237712)

六三四の剣 全10巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(2000年12月発行、 978-4091933317)

第2巻

(2000年12月発行、 978-4091933324)

第3巻

(2001年2月発行、 978-4091933331)

第4巻

(2001年2月発行、 978-4091933348)

第5巻

(2001年4月発行、 978-4091933355)

第6巻

(2001年4月発行、 978-4091933362)

第7巻

(2001年6月発行、 978-4091933379)

第8巻

(2001年6月発行、 978-4091933386)

第9巻

(2001年8月発行、 978-4091933393)

第10巻

(2001年8月発行、 978-4091933409)

六三四の剣 全1巻 小学館〈少年サンデーコミックス スペシャル〉 完結

第1巻

(2008年8月発行、 978-4091214782)

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