あらすじ
第1巻
春を迎える公立皐月高校に新任教師が赴任して来たが、その教師はまだ8歳だった。子供にもかかわらず大学を飛び級で卒業した吉田翔子は、新たな先生として公立皐月高校に勤務するが、小さな女の子であることに生徒たちは大いに戸惑う。生徒たちに子供扱いされて、翔子の初出勤は散々な結果に終わってしまう。それでも母親の吉田継子に励まされ、翔子は前向きにがんばることを決意する。明くる日、生徒たち一人ひとりと自己紹介を交わし、お互いへの理解を深めていく。(「第一話」。ほか、12エピソード収録)
登場人物・キャラクター
吉田 翔子 (よしだ しょうこ)
公立皐月高校に赴任して来た新任の女性教師。年齢は8歳で、身長は120センチ。茶色のロングヘアで、母親から教師の就任祝いにもらった大きな白いリボンを付けている。担当科目は物理。大学を飛び級で卒業した天才理系少女で、工業系の機械の構造に明るい。枚方工場の特殊な仕様の研削盤やボール盤の設計を担当したり、家電を自力で改造したりと、まるで年齢に見合わない知識と技術を持っている。趣味はアニメ鑑賞で、「ぶれーめんマーチ」というアニメがお気に入り。そのアニメに登場する熊のキャラクター「ミッシェル」が大好きで、ミッシェルの人形を大事にしている。学校では人生経験の少なさから失敗することもあるが、学校での出来事をレポートにまとめ、母親の吉田継子に添削してもらって反省点と改善点を洗い出している。また、自分が子供であることを自覚しており、失敗から学び成功へとつなげる努力を惜しまない。好きな角度は30度で、座右の銘は日進月歩。好きな食べ物はハンバーグで、苦手な食べ物は人参とピーマンだが、相場楓の作った人参とピーマン入りのハンバーグは食べることができる。
余市 凛 (よいち りん)
公立皐月高校に勤める女性教師。年齢は26歳。担当科目は国語で、教務部を統括している。髪を長く伸ばした穏和な性格で、同僚や生徒からも慕われている。よき大人、よき教師であろうと強く意識するあまり、それがストレスになっているようで、酒を飲むとふだんの反動からかなりはっちゃけた姿を見せる。酒好きで飲酒をストレス発散にしているが、そのためにダイエットという新たな悩みを抱えて悪循環に陥り、ダイエットグッズに給料をかなりつぎ込んでいる。最近は独り身であることに焦りを感じ始めている。
山田 錦 (やまだ にしき)
公立皐月高校に勤める女性教師。年齢は25歳。担当科目は体育で、生活指導部に所属している。黒髪ショートのさっぱりとした性格で、面倒見が非常にいい。ふだんはさばさばとした態度を取っているが、余市凛曰く、内面は乙女な部分が多いらしい。初給料でスコティッシュフォールドを買い、「さくら」と名付けてかわいがっている。
宮城 峡 (みやぎ きょう)
公立皐月高校に勤める女性教師。年齢は29歳。担当科目は化学で、語尾やな行の言葉を「にゃ」にする独特な口調で話す。とある物理学者にあこがれて科学の道を志すことを決心したが、入試科目を間違えたため応用化学の道に進んで化学教師となった。今もその物理学者にはあこがれており、その学者の着ていた服と同じ黒の白衣を愛用し、日常的に着用している。ふだんは化学実験室に引きこもっているが、これは人見知りが激しく生徒を怖がっているかららしい。吉田翔子が同じ理系の教師ということでシンパシーを感じており、出会ってすぐになかよくなった。モトニモドールという新薬を開発している。
フォア・ローゼス
公立皐月高校に赴任して来た新任の女性教師。担当科目は英語。吉田翔子とは大学時代の友人。陽気な性格で褐色の肌を持つ。ハイテンションな片言の日本語をしゃべり、バイタリティあふれる言動で翔子や生徒たちを振り回すことも多い。日本では吉田継子の知り合いの家に下宿している。
井伊 富江 (いい とみえ)
公立皐月高校の校長を務める女性。井伊奈央の母親で、かつては吉田翔子の母親、吉田継子の後輩だった。継子から頼まれ、敬愛する先輩の娘という色眼鏡なく、公平に翔子に接している。
相場 楓 (あいば かえで)
公立皐月高校に通う女子。吉田翔子が担任する1年A組に在籍している。黒い髪を短く整えた少女で、つねに気だるげにしており、授業中も寝ていることが多い。しかし成績は優秀で、全科目平均以上の点数を取っている。また母親が料理人なため料理が得意で、特に家庭科で優秀な成績を収めている。彼女の作ったハンバーグは翔子が苦手としているピーマンと人参が入っているにもかかわらず、翔子はおいしいと絶賛した。最近、母親が料理人の講師として北海道に出張しているため、兄の家で生活をしている。
坂下 陽菜 (さかした はるな)
公立皐月高校に通う女子。吉田翔子が担任する1年A組に在籍している。長い髪をサイドポニーにした少女で、陽気で潑剌とした性格をしている。坂下小夜という、翔子と同じくらいの年の妹がおり、子供の扱いに手慣れている。居酒屋でアルバイトをしている。好きな食べ物は歯ごたえのある物で、嫌いな食べ物は歯ごたえのない物。
最上 雫 (もがみ しずく)
公立皐月高校に通う女子。吉田翔子が担任する1年A組に在籍している。瓶底眼鏡をかけた少女で、物静かな性格をしている。自己主張はあまりしないが、直感に優れており、途中式なしでテストの問題の答えを導き出したり、物の在り処をなんとなく見つけたりする。テストの成績も全教科100点を取るほど優秀。
吉田 継子 (よしだ けいこ)
吉田翔子の母親。一児の母ながら若々しい容姿をしており、優しく翔子の成長を見守っている。もともと教職員で、翔子が教師として働くようになってからは、彼女から毎日レポートを受け取り、それを添削することで教師としても翔子を導いている。公立皐月高校の校長である井伊富江はかつての後輩だが、色眼鏡なく翔子を評価するようにお願いしている。翔子との時間を本当に大切に思っていたが、のちに海外でのプロジェクトに参加するため赴任し、翔子と離れ離れになってしまう。
藤堂 ゆさな (とうどう ゆさな)
公立皐月高校に通う女子。年齢は17歳。艶やかな黒い髪を長く伸ばした大和撫子然とした少女で、生徒会長を務めている。品行方正で丁寧な言動から、教師たちの信頼も厚い。
井伊 奈央 (いい なお)
井伊富江の娘。年齢は7歳。内気な性格の恥ずかしがり屋で、初対面の相手を苦手としている。吉田翔子と初めて会った際も母親の背に隠れていたが、アニメをいっしょに見たことでなかよくなった。坂下小夜とは学校で仲がいい友達同士。
坂下 小夜 (さかした さよ)
坂下陽菜の妹。井伊奈央とは学校で仲がいい友達同士。元気でおしゃまな女の子で、意味は理解していないが難しい言葉を使う。奈央の紹介で吉田翔子と出会い、なかよくなった。
その他キーワード
モトニモドール
宮城峡が開発した新薬。効能は、使用した物質をあるべき形に再生や復活させるというもので、吉田翔子には「物理法則を超えたまさに魔法の液体」と評されている。使い古した服も新品同様に戻るが、食べ物には効果がないらしい。また現在のバージョンはかなり効果を調整したもので、初期のモトニモドールは分子レベルにまで戻った模様。