四十肩の克服に向けた葛藤と挑戦
法律事務所を営む弁護士の間は、その卓越した手腕で多くの依頼人を救ってきた。しかし、近頃は四十肩に悩まされ、物覚えの悪さも目立つなど、加齢による衰えを感じていた。そんなある日、肩こり解消のために購入した本に載っていたストレッチを試してみると、驚くほど肩のこりが和らいだことを実感する。それ以来、身体に違和感を感じるたびに欠かさずストレッチを行う日々を送っているが、羞恥心から人前でストレッチをすることはできずにいた。しかし、ストレッチへの信頼が深まるにつれて羞恥心は次第に薄れ、ついには裁判中でさえもストレッチをしたいという、抑えきれない衝動に駆られるようになる。
40代が実践する手軽なストレッチ法
間が実践しているストレッチは、場所や時間を選ばず手軽に行えるものが中心となっている。具体的には、腕を交差させて斜め上に突き出し肩こりを和らげるストレッチや、右手を腰に当てたまま左手を大きく上に伸ばし、背中を反らせてお腹を伸ばすことで姿勢を改善するストレッチなどがある。間はこうしたストレッチを定期的に続けることで効果を実感しており、身体機能が回復しているのを内心で喜んでいる。また、コミックスのおまけページでは、本作の監修者であるなぁさんが、間が本編で実際に行ったストレッチの詳細を紹介している。
弁護士・間のストレッチ人生
間は弁護士として、「依頼人に肩入れしすぎない」ことを信条としている。感情的になる依頼人に対してもつねに冷静に対応し、その卓越した手腕で望む結果を導いてきた。しかし、近年は身体の衰えと共に、かつての鋭い頭脳のキレが鈍ってきたことを自覚している。だが、皮肉にも趣味の一環として続けていたストレッチを通じて依頼人と意気投合する機会が増え、以前よりも円滑なコミュニケーションが取れるようになった。そんな中、疎遠だった父親がぎっくり腰を患ったことを知り、間は父親の住むアパートを訪れて身の回りの世話をすることにした。父親は息子の援助を頑(かたく)なに拒んでいたが、間が腰痛に効果的なストレッチを考案し、共に実践したことをきっかけに、二人は徐々に心を通わせるようになる。
登場人物・キャラクター
間 敏郎 (はざま としろう)
間敏郎法律事務所の所長を務める男性。年齢は42歳。最近は肩こりや腰痛、目のかすみなど体の衰えを感じており、機能回復のためにストレッチを日課としている。マイペースな性格で、思いつきで行動することも多く、周囲の影響を受けやすい一面もある。また、スマートフォンの操作が苦手で、予約を忘れて人気レストランでの食事の機会を逃すなど、不運に見舞われることも少なくない。しかし、弁護士としての腕は確かで、裁判では依頼人の感情的な主張に流されることなく、公平な視点から依頼人に有利な判決を勝ち取ることを信条としている。不愛想に見えるものの、実は面倒見がよく、事務員の山村あかりや司法修習生の青木翔太郎から慕われている。
山村 あかり (やまむら あかり)
間敏郎法律事務所で事務員を務める女性。明るく前向きな性格で、所長の間にもいつも元気よく接している。流行に敏感で、最新の機器も難なく使いこなすなど、若さとセンスを活かして、ドライで悩みがちな間をさりげなくサポートする役割を担っている。一方で、その生真面目さゆえに依頼人の心情に過度に寄り添いすぎる傾向があり、この点が間との意見の衝突を招くこともある。また、父親が四十肩のため、ストレッチに関する造詣が深く、間がストレッチを行う際には的確なアドバイスを送り、彼の健康維持に大いに貢献している。
クレジット
- 監修
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なぁさん
書誌情報
すこしだけ生き返る 4巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2023-06-29発行、978-4098617241)
第2巻
(2024-01-30発行、978-4098626823)
第3巻
(2024-07-30発行、978-4098630073)
第4巻
(2025-01-30発行、978-4098631742)







