瓜を破る

瓜を破る

板倉梓の代表作で、『幼なじみと神さまと』の次に連載を開始した作品。舞台は現代日本で、32歳の女性が主人公。性体験がないことにコンプレックスを持っている普通のOL・香坂まい子が、初体験をするために傷ついたり、へこたれたりしながらも相手との関係を深めていくピュアな恋愛物語。まい子を取り巻く人々や、職場の同僚にもスポットがあてられ、恋愛や人間関係の悩みが描かれる群像劇となっている。芳文社「週刊漫画TIMES」2020年5月1日号の読み切り掲載を経て、2020年7月17日号より不定期連載を開始。宝島社「このマンガがすごい! 2024」第26位にランクイン。2024年1月23日よりTBS系列で久住小春、佐藤大樹主演で、実写ドラマ化された。

正式名称
瓜を破る
ふりがな
うりをわる
作者
ジャンル
キャリアウーマン
 
ヒューマンドラマ
レーベル
芳文社コミックス(芳文社)
巻数
既刊10巻
関連商品
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未体験の悩みをリアルに真面目に描くラブコメディ

香坂まい子は普通のOL。細やかな気遣いもでき、同僚ともうまく付き合い、たいていのことはそつなくこなすが、32歳になってもセックスをしたことがないというのが、コンプレックスだった。まい子は恥ずかしくて周りにホントのことは言えず、経験があるフリをしてしまう。大人の性の問題について、他人に相談できない本音の部分をリアルに丁寧に描いていく。

早く処女を捨てたいのに焦ってうまくいかない

周りにキツくあたる先輩が、高齢処女なんじゃないかと陰口を言われているのを聞き、勝手に傷つくまい子。さっさと初体験を済ませたいと、女性用風俗を調べるが、行く勇気が出ない。同窓会で再会した元カレに頼んで初体験をしようとするが、あまりに痛がるまい子に相手が引いてしまい、未遂に終わる。陶芸教室で知り合ったばかりの男性にホテルに誘われるが、彼を生理的に受け付けず、まい子は逃げ帰ってしまう。こんな愛のないセックスが本当にしたかったのだろうかと、まい子は激しく落ち込んでしまう。

職場に出入りする業者・鍵谷との出会い

社内のコピー機が故障してしまい、メンテナンス業者「エイコウ」を呼ぶまい子。資料の提出期限が迫っていたまい子は、すぐにかけつけてくれた鍵谷にお礼を言い、自分の名刺を差し出した。鍵谷はこれまでメンテナンス先で名刺を渡すことがなかったので、その対応に驚きつつも、まい子と名刺交換をした。一度会っただけの人でも顔と名前を覚えてしまうまい子は、陶芸教室で知り合った男性とホテルの前で揉めていた時、偶然通りがかった鍵谷の姿を見つけ、鍵谷の名前を呼んでしまう。名前を呼ばれた鍵谷は驚くが、目を逸らしてその場を立ち去ってしまう。

話しやすい男性・鍵谷と急接近するまい子

後日、コピー機の点検に来た鍵谷に「先日は恥ずかしいところを見せてしまって」と謝るまい子だったが、その時の女性がまい子だと鍵谷は気づいていなかった。自意識過剰で恥ずかしいと反省するまい子。その後、鍵谷を社内の倉庫に案内したまい子は、昔やっていた格闘ゲームの話で盛り上がる。男性と気負わず楽しく会話ができたまい子は、思い切って鍵谷を食事に誘うのだった。

約束の日、二人は食事のあとに鍵谷がよく行くゲームセンターに行き、楽しいひと時を過ごす。終電が近くなり、別れが名残り惜しくなった二人は、まい子の部屋に行くことに。手が触れ、いい雰囲気になり、まい子を抱き寄せてくれた鍵谷だったが、急に様子が変わり「すみません」と謝って帰ってしまう。

登場人物・キャラクター

香坂 まい子 (こうさか まいこ)

長野県出身の32歳処女の女性。セックス未経験であることにコンプレックスを持っている。女子大出身で、付き合った彼氏は、高校時代に一人だけ。その時はキスまでしかできなかった。会社では広報部に所属。女性らしい服を着て、ネイルやアクセサリーにも気を配る。気遣いができ、協調性も高く、穏やかな性格。情に厚く、一度会った人の名前と顔を覚え、人と丁寧に関わる。出入り業者の顔も名前もきちんと覚えている。映画が好き。一人暮らしだが、買ってきたもので食事を済ますため、料理はできない。

鍵谷 千里 (かぎや せんり)

エイコウという会社に勤める29歳の男性。コピーメンテナンス業務を担当し、香坂まい子の会社に出入りしている。花粉症のため、普段からマスクをしている。大人しくて口数も少なく、あまり感情を表に出さない。格闘ゲームが得意。母親を早くに亡くし、父子家庭で育つ。小学生の頃からご飯作りを担当していた。小さい頃から将棋に興味を持ち、プロの棋士を目指して「新進棋士奨励会」という養成機関に所属していた。

書誌情報

瓜を破る 10巻 芳文社〈芳文社コミックス〉

第1巻

(2021-04-15発行、 978-4832238213)

第5巻

(2022-07-14発行、 978-4832239302)

第6巻

(2022-12-15発行、 978-4832239616)

第7巻

(2023-05-16発行、 978-4832239920)

第8巻

(2023-10-16発行、 978-4832203310)

第9巻

(2024-03-14発行、 978-4832203792)

第10巻

(2024-09-13発行、 978-4832204348)

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