概要・あらすじ
宅配運送「トラネコ急便」のドライバー・相川尋希は、いつも仕事で都筑家を訪れ、都筑舞にアプローチをかけていた。最初舞は気づかなかったが、実は尋希は小学生時代の舞のボーイフレンドだった「ヒロちゃん」その人だった。そのことがわかってからは2人の仲は徐々に進展していくが、親馬鹿の都筑輝が交際に反対し、あの手この手で尋希の恋路を妨害しようとするのだった。
登場人物・キャラクター
都筑 舞 (つづき まい)
彫刻家・都筑輝の娘。父親のマネージメント、そして家事一切を取り仕切っている敏腕な若い女性。家でも外でもいつも和服なので、周囲の人々からは大和撫子と思われている。世界的な芸術家である父親のマネージャーを務めていることもあり、英語がペラペラ。
都筑 輝 (つづき ひかる)
都筑舞の父親で、天才的な彫刻家。彫刻の腕前は世界に広く認められており、他にも編み物と陶芸など何でもこなし、個展を開くほどの腕前を誇るが、彫刻以外のことはすぐ飽きてしまう。発明の才能もあり、娘に少しでも近づこうとする相川尋希を妨害するためのおかしな装置を発明している。娘の舞同様、一年中和装で暮らしている。
相川 尋希 (あいかわ ひろき)
宅配運送「トラネコ急便」のドライバーで、都筑舞に想いを寄せる若い男性。当初、舞はただのドライバーだと思っていたので「トラネコさん」と呼んでいたが、実は舞の幼なじみで、かつて「ヒロちゃん」と呼ばれていた。幼なじみであることがわかってからは呼び方が変わり、しばらくは「ヒロちゃんさん」、そして完全に打ち解けてからは「ヒロちゃん」になる。
丸井 (まるい)
画廊を経営している中年男性。都筑輝とは大学の同輩という関係にあり、輝とその妻である都筑唯との馴れ初めも知っている。輝の良き理解者にして支援者で、親友でもある。自身の経営する画廊で輝の彫刻を取り扱っている他、彫刻以外の芸術作品の個展なども開いている。一人娘の丸井美空を溺愛しているが、輝の都筑舞に対する過剰な愛情に対しては、自分のことを棚に上げて呆れている。
丸井 美空 (まるい みそら)
丸井の幼い娘。年の割にませていて恋愛に興味深々。都筑舞と相川尋希の仲を応援しており、デートの斡旋までしたことがある。そのことで大人げない態度を取る都筑輝のことは白眼視している。ちなみに輝のことは「おじさん」と呼んでいる。
大文字 火吾郎 (だいもんじ ひごろう)
都筑舞が飼っているオスのチャボ。縁日でひよことして売られていたものを、舞と都筑輝がりっぱな体格のチャボに育て上げた。獰猛な性格で、番犬ならぬ「番チャボ」としてセキュリティの役割を果たしている。相川尋希のことは侵入者と認識しており、よく輝にけしかけられてくちばしでつついている。
都筑 唯 (つづき ゆい)
都筑輝の妻で、都筑舞の母親。故人であり、旧姓は「斉藤」。輝が大学にいた頃、その大学で清掃のアルバイトをしていたという縁で知り合った。舞がまだ幼い頃、輝が芸術家として大成する前に世を去った。外見は舞にそっくり。好物はあんこの入ったお菓子。