だぶるじぇい

だぶるじぇい

成り行きから「伝統芸継承部」に入部した女子高生・宇佐美はじめの奇妙かつナンセンスな学園生活を描いたギャグ漫画。「週刊少年マガジン」2009年第34号から2011年第48号にかけて不定期に掲載された。原作は野中英次。

正式名称
だぶるじぇい
ふりがな
だぶるじぇい
原作者
野中 英次
作画
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

憧れのナガシマ高校へと入学した新入生の宇佐美はじめは、数ある部活の中で一際目を引いた「伝統芸継承部」を見学する。「友禅染」「障子の張替え」「つまようじのミゾを彫る」など、他の部活とは一線を画す職人的な活動に魅了されたはじめは、部長である鳥羽一郎の「誰でも大歓迎」という言葉に後押しされ、入部を決意。翌日部室を訪れ、自分にもできそうな「つまようじの先端を尖らせる作業」をやらせてもらうため、部員のつまようじさんに懇願するのだった。

登場人物・キャラクター

宇佐美 はじめ (うさみ はじめ)

ナガシマ高校に通う、おっとりした性格の女子高生。年齢は15歳。高校では部活動が必須であったため、入りたい部を探している時に目に付いた「伝統芸継承部」を見学。ごく普通の家庭に育ち、伝統芸には特に興味を持っていなかったが、古臭くもあり、目新しくもある活動内容と、熱意のある者は誰でも受け入れる部長・鳥羽一郎の言葉に惹かれて入部を決意した。 部活内では、無意識に奇行を繰り返す変人ぞろいの部員たちに対するツッコミ役を担っている。主人公だが、全編を通して特に目立った活躍はしない。

鳥羽 一郎 (とば いちろう)

「伝統芸継承部」の部長を務めている、ナガシマ高校に通うさわやかな性格をした男子高校生。昭和の漫画に登場する主人公のような、レトロな風貌をしている。日本最古の漫画といわれる「鳥獣戯画」を製作した「鳥羽僧正」の子孫。父親である鳥羽パパが悲願とする「鳥獣戯画で再び世を席巻する」という目的を達成するために、部室でカエルの漫画を描く日々を送っているが、内容が前衛的すぎて周囲の人間からは理解されていない。 入学当時は漫画研究部に入る予定だったが、長宗我部彩の稚拙な絵を認めなかった部員と衝突したことがきっかけとなり、伝統芸継承部へと入部することになった。実はサッカーが大の得意。

有馬 小夜 (ありま さよ)

ナガシマ高校に通う女子高生で宇佐美はじめの親友。入学早々、はじめと一緒に「伝統芸継承部」を見学することになった。つまようじのミゾを彫るつまようじさんを見て不気味に思い、一度はその場を立ち去ろうとしたものの、結局伝統芸に興味を持ったはじめに付き合って部を再訪することになる。いつもはじめとともに部室にいるが、伝統芸継承部に所属しているかは不明である。 はじめとは対照的にかなり気が強い性格で、ツッコミも強烈。買い食いが大好き。

つまようじさん

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。つまようじにミゾを彫る技術を継承する家の生まれ。部活動でも黙々とつまようじにミゾを彫っているが、好きでやっているわけではない。本名は「佐々マリア」だが、北条絵馬や鳥羽一郎から「つまようじさん」と呼ばれていたため、他の部員からもそう呼ばれるようになる。 つまようじ自体は機械で作られており、その事実を宇佐美はじめに伝えた際に、「じゃ全部機械でやれよ」という至極もっともなツッコミを入れられている。

長宗我部 彩 (ちょうそかべ あや)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の副部長。温厚な性格をしており、部の見学に訪れた宇佐美はじめたちに部活動の内容を優しく説明していた。漫画が大好きで、もともとは漫画研究部への入部を希望していたが、とてつもなく絵が下手なことを部員に責められて挫折。その際に「漫画には決められた描き方などない」と断言し、自分の本音を代弁してくれた鳥羽一郎を尊敬している。 なお、彼女でも一郎の漫画の面白さは理解できない。

鳥羽 ゆたか (とば ゆたか)

鳥羽一郎の妹で、可愛らしい容姿をした面倒見のいい少女。一郎や鳥羽パパより常識的な感覚の持ち主で、社会性に問題のある2人を懸命に支えている。一郎の描く前衛的なカエル漫画が、多くの人に理解できるレベルになるように、日々アドバイスを送り続けている。カエル一筋を貫こうとする兄に苛立ちを覚え、「カエルの漫画なんて売れるワケない」と発言し、一郎をひどく落ち込ませることもあったが、それも彼の行く末を心配してのこと。

鳥羽パパ (とばぱぱ)

鳥羽一郎の父親。和服に長いひげを蓄え、ベレー帽をかぶった威厳のある姿をした巨漢。一族の悲願に「鳥獣戯画」の再興を掲げており、息子の一郎には一人前の漫画家となってほしいと願っている。「漫研(漫画研究部)」を「漫才研究部」の略称だと思い込むなど、実は漫画全般に疎い。そのため、一郎の描いた漫画に対するアドバイスも全体的にピントが外れたものになっている。 なお、見た目は厳ついが子供にはとても優しい。

北条 絵馬 (ほうじょう えま)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。雨樋職人の家系に生まれた。職人としてのプライドが非常に高く、部の見学に来た宇佐美はじめが一般家庭で育った娘であると知った時には、素人扱いして追い払おうとしていた。結局その偏狭な態度を鳥羽一郎に咎められ、渋々はじめたちを受け入れることになる。一郎のことをとても尊敬している。

真田 静馬 (さなだ しずま)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。ヤマガラという小鳥を自在に操る「ヤマガラ使い」で、ヤマガラにおみくじをさせる伝統芸「ヤマガラおみくじ芸」を得意としている。また、訓練されていない野鳥の大群を呼びよせられる異能の持ち主でもある。サバサバした性格のクールビューティー。北条絵馬と仲がいい。

はじめママ

宇佐美はじめの母親で、妖艶な雰囲気を漂わせる美人。女手一つではじめを育て上げた苦労人でもある。空き時間を使って日々内職に励んでおり、「造花作り」「封筒のノリづけ」「格闘技用のエルボーパッド作成」など、数々の内職を経験している。

葛飾 北欧 (かつしか ほくおう)

ナガシマ高校に通う男子高校生。かの有名な葛飾北斎の子孫で、商業誌において「明智光秀 IN NY」という作品を連載している売れっ子のプロ漫画家。ナガシマ高校では漫画研究部の部長を務めており、他の部員をアシスタントとして使っている。「貧乏な女に萌える」という特殊な性癖の持ち主で、通学中に宇佐美はじめの借金を肩代わりしたこともあった。

K子 (けーこ)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。プロレスラーのようなマスクを常にかぶっており、その素顔は誰も知らない。大正時代から続く(口を覆う)マスク職人の家系を自称している。誰もが羨むナイスバディの持ち主でもあり、時に盛り場に顔を出して楽しんでいる。その正体は長宗我部彩。

フランソワーズ 坂井 (ふらんそわーず さかい)

ナガシマ高校に通う容姿端麗な女子高生で「漫才研究部」の部長。本物の芸を真摯に追及しており、部員に対しても厳しい姿勢を見せる。さして受けないが、自分の芸に対しては絶対の自信を持っているやや傲慢な性格。外国人のような容姿をしているが、日本語しか話すことができない。ハンカチを拾ってくれた鳥羽一郎に好意を抱き、「伝統芸継承部」に入部しようとする。 ラジオ番組等にネタを送るハガキ職人でもある。

佐々 イヴ (さっさ いゔ)

つまようじさんの双子の妹。固定電話のコードを作っている電話職人。無愛想な姉と違っておっとりとしており、気遣いもできる性格。姉のことを慕っており、他の部員に対し「(姉とは)一心同体」とまで言い切っていた。ただし、「つまようじのミゾ彫り」の仕事に関しては、なんの意味もないと思っている。

平賀 素子 (ひらが もとこ)

ナガシマ高校に通う文武両道に長けた女子高生で「伝統芸継承部」の部員。江戸時代から続く溶接職人の家系の生まれで、幼い頃から常に溶接用のお面をしている。鳥羽一郎に言われた「普段はソレ(お面)外した方がいいよ」という何気ない一言に衝撃を受け、一郎に好意を抱く。いつか一郎の前でお面を取れるように頑張っている。

宇田間 蔵夫 (うたま くらお)

漫画家志望の男子中学生。鳥羽一郎に弟子入りを志願し、中学生の身でなし崩し的に「伝統芸継承部」の部員となった。丸刈りで眼鏡をかけた地味な風貌をしている。至って真面目な性格をしているが、一般的な中学生とは少し感覚がズレている面もある。猫アレルギー。

相良 (さがら)

鳥羽ゆたかのクラスメイトの少年。自宅に何千冊も漫画を所蔵しており、国内で知らない漫画はないと豪語するほどの漫画オタク。嫌いな漫画やつまらない漫画であっても研究用に読み込んでいる。ゆたかが見せた鳥羽一郎のカエル漫画を知らなかったことに動揺し、インターネットを使って必死に調べていた。実は漫画そのものは好きではなく、漫画について語るのが好きなタイプ。

南条 うらら (なんじょう うらら)

葛飾北欧の担当となった新米編集者の女性。モデルのような奇抜なファッションをしている。実は北欧の作品を読んでいないため、打ち合わせでトンチンカンな受け答えをしてしまう。のちに漫画の持ち込みに来た鳥羽一郎の担当となるが、一郎の独特なセンスに振り回されていた。

小早川 さくら (こばやかわ さくら)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。先祖代々「サクラ」の仕事をやっている家系の生まれ。仕事の特性上、目立ってはいけないことから、自在に気配を消すことができる。そのせいで、最近まで彼女が部に在籍していることを知る者はいなかった。対象を褒め上げる高度な技術を見込まれ、鳥羽一郎を励ますように他の部員から依頼されていた。

徳川 蛍 (とくがわ ほたる)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。忍者道具を作成する職人で、常に忍者のような格好をしているが忍者ではない。作った忍者道具をダンボールに詰め込み、宅配業者を介して忍者に渡しているが、本物の忍者にはまだ一度も会ったことがない。

津軽 あいり (つがる あいり)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。即興で巧みに紙細工を切り出す、「紙切り芸」のすべてを10代にして極めている。しかし、「ショートケーキ」といった少し難しいリクエストを出されると拒絶し、勝手に「プリン」などの簡単なお題へと変更してしまうため、本当の実力は不明である。

越前屋 さとり (えちぜんや さとり)

ナガシマ高校に通う女子高生で「伝統芸継承部」の部員。イタコ職人を名乗っており、死者の霊を自身の体に降ろし、死者の言葉を現代に蘇らせることができる。本当に霊を降ろせるかどうかは不明で、存命中の有名外国人を堂々と降霊して、周囲の人間を戸惑わせていた。

羽柴 (はしば)

猿回し職人の少女。猿回しに使っている猿が、マセて言うことを聞かなくなってしまったことが目下の悩みで、それを皆に相談するために「伝統芸継承部」を訪れた。つまようじさんからは「さる職人」という略称で呼ばれていた。

甲斐 (かい)

「本日の新しい職人」として「伝統芸継承部」に呼ばれたカレー職人。職人を名乗ってはいるが、カレー粉を作ったりするわけではなく、お肉を切ったり、煮込んだり、味見をしたりと、ごく普通の主婦と同じ作業をしている。職人としてのプライドが高く、仕事内容の傾向がつまようじさんと一緒と言われた時は激怒していた。

銀 巴里 (ぎん ぱり)

全国の職人が集い、格闘技などによって優劣を競い合う「職人フェスタ」に参加していた女子高生。シンマ高校の「職人芸推進部」に所属している。「伝統芸継承部」と対戦することになったものの、なぜかそれ以降出番がなくなり、対戦もうやむやになった。

宮本 極 (みやもと きわめ)

ナガシマ高校に通う女子高生で、マクラ職人をしている「伝統芸継承部」の部員。マクラやマクラカバーを作成しているわけではなく、マクラを叩いて寝心地をよくする職人である。天然杉で作った専用の「マクラ棒」により、マクラを叩くことに強いこだわりを持っていた。

クレジット

原作

SHARE
EC
Amazon
logo