概要
シャバノン村のレミ少年は優しい母バルブランと愛犬カピと幸せに暮らしていたが、乱暴者の父ジェロームによって旅芸人の一座に売り飛ばされてしまう。レミは捨て子だったのだ。カピと共にビタリス一座と旅をするレミだったが、過酷な運命は次々と一座の仲間を奪っていく。
登場人物・キャラクター
レミ
素直な気立て。赤ん坊の頃、叔父ジェームズにさらわれ捨てられる。バルブランに拾われシャバノン村で幸せに育つが養父ジェロームに旅芸人のビタリス一座に売られる。運命に挫けずハープを習い覚えて一座と旅を続け、ついに実の母ミリガン夫人と巡り合う。
ビタリス
『ちびっ子レミと名犬カピ』に登場する旅芸人ビタリス一座の座長の老人。レミの養父ジェロームからレミを借り受ける。レミにハープを教え厳しくも深い愛情で導く。かつてはカルロ・バルザーニの名でオペラ座の花形歌手だった。 一座の危機に禁を破って昔と変わらぬ歌声を披露するが警官に見咎められ牢に入れられてしまう。釈放後再びレミと旅を続けるが病に倒れる。
リーザ
『ちびっ子レミと名犬カピ』に登場するミリガン夫人の娘。母に連れられて船旅をする金髪の可愛い少女。雌犬ベアトリーチェを飼っており、その犬にカピは一目惚れをする。レミの実の妹。レミが別れ際にリーザに残したロザリオからミリガン夫人はレミが探し求めた我が子と知る。
ジョリクール
ビタリス一座の花形スター、芸達者な雄の小猿。新入りのカピの師匠として逆立ちの芸を仕込む。ビタリスに対する忠誠心に篤く、広場で歌うビタリスの元へ病身を押して向かおうとするが途中で力尽きる。 トレードマークの帽子はカピに受け継がれた。
カピ
『ちびっ子レミと名犬カピ』に登場するレミの愛犬。セントバーナードの雄。シャバノン村を離れるレミの後を追い、共に旅をする。大きな体に似合わぬ臆病者でカナヅチだが、いざという時には根性を発揮してレミのために頑張り抜く。 芹川有吾監督の愛犬がモデルである。
ジェローム
バルブランの夫。義足の乱暴者。バルブランが拾って来たレミを嫌っており、久しぶりにシャバノン村に帰った折にレミを旅芸人の一座に売り飛ばした。後に死亡が伝えられる。
ジェームズ
ミリガン夫人の義弟(亡夫の弟)。レミの叔父に当たる。ミリガン家の財産を狙っており、かつて赤ん坊のレミをさらってパリの街角に捨てた。白鳥号で会ったレミがその時の子と知り、母子対面を妨げるためレミを屋敷に監禁した。 いつもハゲタカを肩に止まらせている陰気な男。
ビタリス一座 (びたりすいちざ)
『ちびっ子レミと名犬カピ』に登場する、ビタリスと一緒に芸をしながら旅をする動物たち。小猿のジョリクールの他に雄犬のゼルビーノ、雌犬のドルチェがいるが、雪山で狼に襲われて2匹の犬は死亡。木に登って逃れたジョリクールも寒さで重い病気になってしまう。
バルブラン
レミの育ての母。赤ん坊のレミを拾い愛情深く育てる。料理も上手で手作りのたまごパンはレミの大好物。夫ジェロームに売られ村を離れるレミに強く生きて本当の母親を探し出すように促した。
ミリガン夫人 (みりがんふじん)
『ちびっ子レミと名犬カピ』に登場する上流階級の富豪夫人。誰に対しても優しい上品な女性。幼い娘リーザを連れて豪華船白鳥号でロアール河を旅する途中でレミと知り合い、船に招いてしばらく共に過ごした。 レミの実の母。生まれて間もなくさらわれた息子を探している。居住地はロンドンである。
場所
シャバノン村 (しゃばのんむら)
『ちびっ子レミと名犬カピ』に登場するレミが育った村。パリ郊外。実の母ミリガン夫人と巡り合った後、養父ジェロームが死に、育ての母バルブランが一人寂しく暮らしていることを知ったレミはバルブランへの恩返しのためにシャバノン村へ戻ることを決める。