ちょっと江戸まで

ちょっと江戸まで

江戸時代が400年以上続いている時代に、山奥で育てられた大身旗本の娘、桜井そうびが、江戸の大身旗本の桜井に引き取られる様子を描く。良家の娘となった桜井そうびの半生を描いた江戸時代の物語。

正式名称
ちょっと江戸まで
ふりがな
ちょっとえどまで
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

箱根の山奥で育った桜井そうびは、身寄りをなくし細々と生きていくが、実は江戸の大身旗本、桜井の娘だった。その後、桜井に引き取られて、良家の娘として生涯を送っていく。

登場人物・キャラクター

桜井 そうび (さくらい そうび)

13歳の少女。大身旗本の桜井家の隠し子。箱根の山深い村で母親が命を落としてからは、祖父母に育てられる。しかし、祖父母が他界した後はひとりで暮らしていた。桜井家の前当主の遺言で本家に引き取られる。しばらくは兄の貴晄の部下の神谷の家に預けられたが、その後本家で兄と一緒に暮らし始める。 さらに、昌平坂中学校で勉学も学ぶようになり、そこでぼっちゃまと出会う。感情を表に出すことが苦手なため、周囲からはクールと思われることが多い。村にいた時から男の子の格好をしていて、江戸に来て神谷から武芸を習い始めてからは男ぶりが上がってきている。父親譲りの女殺しフェロモンの持ち主で、本人にその気がなくても、女の子をメロメロにしてしまう魅力を持つ。

水戸 廸聖 (みと みちさと)

13歳の少年。御三家のひとつ水戸家の嫡男。小柄でロングヘアーで、女の子のような容姿をしている。生粋のお坊っちゃまで、好奇心旺盛でワガママ。誰にもこびず自分の意見を通す意志の強さとカリスマ性を持つ。ワガママを言いつつも、下の身分の者には優しく、周囲の人望は厚い。気まぐれで昌平坂中学校に通うことを決め、そこで自分の周囲にはいない野性味あふれるソウビを気に入り、強引に友達になる。 実は現将軍の徳川家享の隠し子で、水戸家に預けられていた。徳川家享のひとり息子が病気で急死した直後、次期将軍として後継者争いに巻き込まれていく。

桜井 貴晄 (さくらい きおう)

ソウビの異母兄。大身旗本の桜井家の当主で、江戸奉行の役職に付いているスーパーエリート。「氷の桜井」と称されるほどのクールな性格だが、父親が残した11名の隠し子を気にかけ世話をするほど心優しい。感情を表に出すことが苦手なところはソウビと似ている。甘いものは苦手で、神谷の妻が作る漬物が好物。 妻は貴晄とは正反対の性格で、明るく人なつっこく、ソウビをとても気に入っている。

神谷 正成 (かみや まさなり)

貴晄の腹心で幼いころから面倒を見てきた。貴晄の命でソウビを探しに箱根まで赴くが、幼い頃の貴晄にそっくりな天涯孤独のソウビを見て、そばで世話をしようと江戸まで連れて帰った。その後、ソウビを預かり、妻と一緒に世話を始める。ソウビの身のこなしを見て、武芸の才能を見いだし、毎日稽古をつけている。 家に連れて帰るまでは男の子だと思っていた。仕事はでき、貴晄を陰から支え、情報収集に長けている。

橘 十郎 (たちばな じゅうろう)

13歳。昌平坂中学校に通うソウビの同級生。学年首席をキープするほど成績優秀な武士の子で、ぼっちゃまの供に選ばれた。江戸に出てきてからまだ日が浅く、ソウビとも友達になる。学校ではぼっちゃまの着替えを手伝ったり、ワガママに付き合ったりしているが、忠誠心は誰よりも高い。

佐々 (さつさ)

水戸家の当主がプライベートで雇っているボディーガード。ウェーブのかかったロングヘアーをしており、いつも笑顔でニコニコしている。女の子にモテる。水戸の当主の命で、昌平坂中学校に通い始めたぼっちゃまのボディーガードをすることになった。徳川の葵の紋所を懐に隠し持っている。

安積 (あさか)

水戸家の当主がプライベートで雇っているボディーガード。黒髪の短髪で、無口。いつもムスッとしていて、ボディーガードしているぼっちゃまにも容赦がなく、首根っこを掴んで運ぶほど。

誠七 (せいしち)

瓦版屋の記者。ぼっちゃまが江戸で遊んでいる様子を瓦版に書き、ぼっちゃまに「顔がかわいくない」と抗議される。その後、やんちゃな水戸の若君の活躍を描き、それが町民に受け、人気となった。誠七自身も取材し甲斐のあるぼっちゃまの魅力にはまってしまう。一部の水戸藩士の中にはぼっちゃまをバカにされたと憤る者もいて、命を狙われたこともあったが、ぼっちゃまの機転で見事解決した。 以降は、ぼっちゃまたちに江戸の情報を与えてくれる頼もしい存在となる。

艶也 (えんや)

江戸で人気の歌舞伎役者。家柄がものをいう歌舞伎界で、無名から才能だけでのし上がった。「今、江戸で一番エロイ男」と称されるほどの人気。出生は謎とされているが、誠七の調べによると、桜井家の隠し子で、貴晄とソウビにとっては異母兄弟でもあるが、お互いにそのことを知っていながら秘密にしている。

高坂 弦志郎 (こうさか げんしろう)

南町奉行所与力。ソウビが江戸の街で出会った侍。貴晄に才能を認められ、バックアップを受けて、昌平坂高等学校に入学した。賢く強い高坂にソウビが珍しく頬を染めたため、ぼっちゃまが嫉妬してしまう。嫉妬のあまり、嫌がらせするぼっちゃまを涼しい顔でかわす優れもの。 しかし内心は、ぼっちゃまが女性だったらときめいていたと吐露している。

徳川 家享 (とくがわ いえちか)

徳川家の現将軍。幼いころから英才教育を受け、聡明さゆえに江戸城から出られないことを知り、ひねくれた幼少時代を過ごす。その時に出会った貴晄とは親友になる。しかし、後継者争いに敗れ、城を追われ、僧侶となる。その間にとある女性と出会い、子供が生まれる。十数年後、復権し、将軍となった。 自由に江戸を歩き回ることに強い憧れを抱いている。性格は明るくて楽しいことが大好き。実は、僧侶時代に出会った女性との間に生まれた子供が水戸廸聖であった。

満月院 (みつがついん)

前将軍の生母。自分の息子を将軍にするため、徳川家享を追い出したが、息子が急逝。今は権力を失って、大奥の奥で取り巻きと遊んで暮らしている。もともとは貧乏長屋の出身で、それゆえに金に執着していた。水戸家とは敵対しており、次期将軍の話が持ち上がると、瓦版の号外で江戸中にぼっちゃんの出生の秘密を暴露してしまう。 しかし、江戸のぼっちゃん人気は高く、次期将軍の噂が出ると人気はいっそう増してしまった。策略をこらすが、根本的には悪にはなれない女性。

場所

江戸 (えど)

江戸幕府が大政奉還をしなかった世界で、平成20年西暦2008年の江戸時代。ハーゲンダッツやデパートなど現代的なものも存在するが、車などは日常的には走っていない。

江戸幕府立昌平坂中学校・高等学校 (えどばくふりつしょうへいざかちゅうがくこう・こうとうがっこう)

ソウビたちが通う中高一貫性の学校。幕臣や他藩の子息の教育施設だったが、平成20年の世では身分の隔てなく幅広く優秀な人材を育てている。3つにクラス分けがされており、い組は侍クラス、ろ組は農民クラス、は組は町民クラスになっている。

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