概要・あらすじ
高校生の羽留うららは、周囲に理想の男性がいないと憂えていた。ある日、自分には許嫁がいると言われて会いに行くと、そこにいたのは小学生の坂本冬馬だった。最初は驚いたが、彼を「理想の男性」に育て上げることを決意し、彼の家に住み込みはじめる。冬馬の幼さとうららの自己中心的言動が噛み合わず仲違いもあったが、冬馬が素直な性格だったこともあり、2人は次第に打ち解けていく。
やがて冬馬が成長し、全寮制の私立中学に入学することになり、2人は別々の生活になると思われた。しかしうららは偽名を使い、寮母補佐として潜入して彼のそばにいることを決める。
登場人物・キャラクター
羽留 うらら (はる うらら)
初登場時は高校生。ツインテールで、自分の思った通りにならないと気がすまない、自己中心的で横暴な少女。周囲に理想の男がいないと嘆いていたところ、許嫁の小学生・坂本冬馬に会い、『源氏物語』の光源氏のように彼を理想の男性に育て上げようと決意して、両親のいない彼の家に住むことになった。そのため、無理な要求を繰り返して冬馬には呆れられているものの、素直な冬馬は彼女のことをあながち嫌ってはいない。 また良き妻になるために必死に努力したが、無理がたたって倒れてしまい、冬馬に「今のままのうららがいい」と言われたこともある。冬馬が私立中学に進学して寮生活を始めてからは、「高円寺まどか」の偽名で寮母補佐になる。
坂本 冬馬 (さかもと とうま)
明るく聡明な男子。初登場時は小学5年生。許嫁の羽留うららの「理想の男性」となるため、彼女から理不尽な要求を言われ続けている。しかし素直な性格なため、文句は言いつつも要求はきっちり呑んでおり、優しさやたくましさも身につけた。両親はタンザニアに赴任しているので、うららと同居している。学校では成績優秀で友達も多く、立花めいをはじめ女の子にモテている。 その後、私立中学の受験に合格し、星蘭学園に入学。全寮制のため一度はうららとの生活をきっぱり諦めるが、彼女が偽名を使って寮母補佐になったことを知り愕然とした。
立花 めい (たちばな めい)
坂本冬馬の小学校の同級生。髪の毛を2つ縛りにしている女の子。冬馬に好意を持って積極的に近づいているので、羽留うららとはいつも敵対しあっている。父はリゾートホテルの経営者なので、パールの髪留めをつけたり、冬馬に高級なチョコをプレゼントしたりと、豪華な生活をしている。親から離れると泣いてしまう寂しがりや。いとこに美青年の晴彦がいる。
小太郎 (こたろう)
坂本冬馬の同級生。逆立った髪型をした少年。空手を習い始めて道着を見せびらかしたり、冬馬を釣りに誘ったりと、やんちゃな性格。
健太郎 (けんたろう)
坂本冬馬の同級生。中学受験を受けるため年末年始も塾に通っている少年。塾では気合を入れるために、裸で滝に打たれる訓練をしている。後に辛くなって逃げ出し、冬馬と羽留うららのもとに遊びにきた。
山本 直人 (やまもと なおと)
坂本冬馬の同級生。絵を描くのが好きな少年。両親が離婚の危機にあり、悩み続けていた。
羽留 くらら (はる くらら)
羽留うららの妹。ショートボブの少女。暴走しがちな姉を冷静なツッコミでたしなめている。
沙羅 (さら)
羽留うららのクラスメート。セミロングの女子。ざっくりした性格で、うららですら困惑するような行動をとることがまれにある。またうららが坂本冬馬のことで悩んでいる時によく相談される。冬馬が知らないうららの様子を、彼に伝えたことがある。
倉本 (くらもと)
羽留うららのクラスメートの男子。メガネをかけている。何度かうららにはアプローチをかけているが、ことごとくフラれた上に、坂本冬馬を育てるためのダシにされている。
有村先生 (ありむらせんせい)
坂本冬馬の担任の男性。同じ学校のみどり先生に好意を寄せている。冬馬に「愛」について聞かれた時、非常にくどい話をして呆れられた。
みどり先生 (みどりせんせい)
坂本冬馬が通う学校の女性の先生。有村先生に好意を寄せられているが、一切意に介していない。
晴彦 (はるひこ)
立花めいのいとこ。美青年。冷静な上に紳士な性格で、スキー場で羽留うららに出会った時に、彼女を親切にエスコートしてスノーボードを教えた。
坂本冬馬の祖母 (さかもととうまのそぼ)
坂本冬馬が心配で、羽留うららと暮らす家にやってきた、厳格な女性。ずぼらでガサツなうららを叱責し、彼女に家事全般をこなすようしつけた。若いころ5つ年下の少年と結婚した経緯がある。
三浦 洋助 (みうら ようすけ)
浅黒く日焼けした少年。羽留うららのおばさんが営んでいる民宿のそばに住んでいる。登場時は冬馬と同じ6年生。元気で身体能力に長けており、海に遊びに来た冬馬と固い友情で結ばれる。
明智 半平太 (あけち はんぺいた)
中学時代の坂本冬馬の寮でのルームメート。メガネをかけたおだやかな少年。出会ってすぐに冬馬と親しくなり、一緒に行動するようになった。
岡 大蔵 (おか たいぞう)
中学時代の坂本冬馬の寮でのルームメート。浅黒い肌に金髪で、攻撃的な言葉を使って周囲を威圧している少年。しかし母親には頭が上がらず、ぬいぐるみの「ぴょん太」がいないと眠れない。これがバレてからは冬馬たちに「ぴょん太」とあだ名がつけられる。
菱型 俊蔵 (ひしがた としぞう)
坂本冬馬が通う星蘭学院の3年生。寮生の代表。額に十字の傷があり、フケ顔でがっしりした体格の男子。寮では横暴を働いているが、女性の前では緊張して変なしゃべり方になってしまう。寮母補佐として「高円寺まどか」の名前でやってきた羽留うららに一目惚れした。運動部、文化部を問わずあらゆる部活に参加し、名誉顧問、スーパーバイザーなど数多くの肩書を持つ。 「顔と性格以外は完璧」と称されている。後にスポーツ留学でアメリカに行く。