あらすじ
日和と奏志のルームシェア生活がスタート
真木日和の住む田舎では過疎化が進んでおり、高校に進学するには街で下宿する必要があった。一人暮らしが心配だからと母親から進学に反対されていた日和だったが、なんとか了承を得て、ついに引っ越し当日を迎える。部屋の手配はすべて母親がしており、日和があらかじめ教えられた住所のマンションに向かうと、そこには幼なじみの向奏志が先に到着していた。奏志は、娘を心配する日和の母親から日和の了承を得ずにルームシェアを依頼されており、二人は同居生活をスタートさせる。突然のルームシェアに動揺する日和に対して、奏志は突然キスをするなど、積極的なアプローチを開始する。実は奏志は以前から日和に恋心を抱いており、ルームシェア生活を機に彼女と両思いになることを願っていた。そんな中、高校生活もスタートするが、日和はなかなかクラスになじむことができないでいた。そして、日和は慣れない生活から体調不良に陥り、学校の保健室で休むこととなる。するとそこには以前、日和たちの田舎で一時的に暮らしていた宮原成が養護教諭として勤務しており、彼を実の兄のように慕っていた日和は安堵する。一方の宮原は再会した日和に告白し、日和は奏志と宮原のあいだで心がゆれ動く。
奏志への恋心を自覚する日和
これまで幼なじみだとしか思っていなかった向奏志とのルームシェアが始まり、さらに積極的なアプローチを受けるようになった真木日和は、混乱していた。そんな中、日和はクラスの人気者の深川杏里から声をかけられる。これまでクラスになじめずに浮いていた日和は嬉しく思うが、一方の杏里は奏志のことが気になっており、日和に彼を紹介してもらえないかと頼み込む。奏志を通じてやっと友達ができたものの、同時に日和は奏志を恋愛対象として意識している自分に気づいてしまう。奏志への愛情と杏里との友情のあいだでゆれ動く日和に対して、宮原成は自分を選べば楽になると声をかける。日和は複雑な心境を抱いたまま、高校生活最初のイベントである林間学校が始まり、杏里から奏志に告白することを打ち明けられる。日和はそんな杏里を応援すべく、二人をカップルにしようと奮闘する。
気持ちを確認し合う日和と奏志
真木日和は向奏志への恋心を自覚したものの、女子生徒から人気のある奏志と自分は釣り合っていないのではないかと、不安になる。その気持ちを深川杏里に打ち明けた日和は、今度の休日にいっしょに買い物に行かないかと誘われる。こうして、おしゃれな杏里からファッションやメイクを教わった日和は、一日で一気に垢抜け、木城隼人と悪友たちから遊びに行かないかと声をかけられる。しつこいナンパに困っていた日和を偶然目撃した奏志は、彼女に声をかけて助け出す。その場面を奏志の取りまきの女子に目撃されてしまい、日和はさっそく彼女たちから呼び出しを受け、奏志と付き合っているのかと責められる。そこに奏志が現れ、取りまきの女子たちの前で自分は日和が好きだと宣言し、一方の日和も奏志に思いを寄せていることを認める。こうして日和と奏志は、学校内でも公認カップルとして認知される。
強力なライバルの登場
真木日和と向奏志は交際をスタートさせ、奏志の初めての誕生日を迎えることになる。日和は奏志にプレゼントを贈るべく、深川杏里からの紹介で、地域のファミリーレストランのホールスタッフとして初めてのアルバイトを始める。そこには以前、杏里にメイクを施された際にナンパをしてきた木城隼人が、キッチンスタッフとして働いており、日和は最初に会った時よりも地味だと悪態をつかれる。そんな木城だったが、日和といっしょに働いているうちに、奏志に一途な愛を貫く彼女に対して、自分もそんな対象になりたいと願うようになる。そして木城は、好意の裏返しから悪態をついたり、挑発的な言動を繰り返したりするようになるが、恋愛経験に乏しい日和にはこの行動がまったく理解されず、彼から徹底的に嫌われていると落ち込んでしまう。そんな中、奏志は係活動を通して先輩の里見葉菜といっしょに過ごす時間が増えていき、仲睦まじい二人の姿を見た日和は、大いに心を乱される。
メディアミックス
テレビドラマ
2018年4月から、本作『15歳、今日から同棲はじめます。』のテレビドラマ版『15歳、今日から同棲はじめます。』が、TOKYO MXで放送された。キャストは、真木日和を松川星、向奏志を財木琢磨、宮原成を山崎大輝、深川杏里をえのきさりなが演じている。
登場人物・キャラクター
真木 日和 (まき ひより)
過疎化が進む田舎出身の女子高校生。年齢は15歳、誕生日は3月3日で、血液型はA型。実家から通学できる距離に高校がなく、進学のために街で暮らし始めたことがことがきっかけで、同じ中学を卒業した幼なじみの向奏志とルームシェアを開始する。母親が勝手に奏志とのルームシェアを決めたため、真木日和自身は引っ越し当日まで奏志とルームシェアをすることは知らなかった。奏志に対しては「単なる幼なじみ」という感情しか抱いていなかったものの、ルームシェア生活を通して異性として意識するようになる。ふだんはおとなしく引っ込み思案な性格ながら、開き直ると強い意思を見せる。また、田舎で生まれ育ったことから世間知らずなところがある。幼い頃から家事を積極的に手伝っていたことから、一通りの家事は器用にこなす。奏志とのルームシェア生活では、主に料理や洗濯を担当している。
向 奏志 (むかい そうし)
真木日和と同じ過疎化が進む田舎出身の男子高校生。年齢は15歳、誕生日は7月30日で、血液型はO型。日和とは同じ中学を卒業した幼なじみの間柄。日和と同じく、実家から通学できる距離に高校がないため、街で暮らすこととなる。その際に娘を心配した日和の母親からルームシェアしてほしいと依頼され、受け入れたことで彼女との生活がスタートする。田舎に住んでいた時は態度に出さなかったものの、以前から日和に恋愛感情を抱いており、ルームシェア生活が始まってからは、積極的なアプローチを繰り返すようになる。クールな性格の美男子で、物静かながらもコミュニケーション能力は非常に高い。また、学校では取りまきの女子グループができるほどの人気者。日和といっしょに住むまでは家事をやったことがなかったが、器用なこともあり、すぐに上達した。日和とのルームシェア生活では、主に皿洗いと風呂掃除を担当している。
宮原 成 (みやはら なり)
真木日和が通う高校の養護教諭をしている青年。日和や向奏志と同じ過疎化が進む田舎に住んでいたが、短期間で転居している。田舎に住んでいた頃は日和を実の妹のようにかわいがっており、彼女からも兄のように慕われていた。日和と奏志が進学した高校で勤務しているため、数年ぶりに再会を果たす。再会後の日和に対しては、先生と生徒の立場を利用しながら、積極的にアプローチをしている。また、日和と奏志がルームシェアしているマンションの隣室に住んでおり、何かと理由をつけては二人の部屋に出入りしているため、ライバル関係にある奏志からは嫌われている。爽やかなルックスの持ち主で、さらに聞き上手なことから、生徒たちからの人気は高い。日和からは「成兄」と呼ばれている。
深川 杏里 (ふかがわ あんり)
真木日和が通う高校のクラスメートの女子。年齢は15歳、誕生日は12月31日で、血液型はB型。入学してすぐ向奏志に思いを寄せるようになり、同じ田舎出身の日和に声をかけたことで、彼女にとって初めての友達となる。奏志がイケメンだったために勝手に舞い上がってしまっただけで、実際に恋心を抱いているわけではない。かわいらしい顔立ちで、さらにファッションやメイクにこだわりを持っていることから非常に垢抜けており、日和にあこがれられている。明るく人懐っこい性格で、クラスの中心的な存在。ただし思い込んだら一直線なところがあり、暴走して周囲に迷惑をかけることも多い。非常に仲のいい「樹里(じゅり)」という名前の破天荒な性格の姉がいる。
里見 葉菜 (さとみ はな)
真木日和が通う高校に通う女子。日和の先輩にあたる。誕生日は12月10日で、血液型はAB型。係活動を通して後輩の向奏志と親しくなり、日和とも顔見知りになる。学校内でも有名な美少女で、前年度の文化祭のミスコンテストではグランプリに選ばれている。それゆえに非常にモテるが、過去の恋愛ではいい思い出がなく、異性に対して積極的になれない一面を持つ。日和を大切にしている奏志を見て、彼女をうらやましく思うようになり、ひそかに奏志を略奪しようと行動を起こす。
木城 隼人 (きじょう はやと)
真木日和がアルバイトしているファミリーレストランで、キッチンスタッフとして働いている男子高校生。調理科のある高校に通っており、実家も定食屋なことから、料理全般が得意。日和が働き始める前に悪友たちといっしょに、深川杏里にメイクを施された彼女をナンパしており、顔見知りの間柄だった。メイクをしていない日和と再会後は、垢抜けない地味な女子だと眼中になかったが、向奏志への一途な愛を貫く姿を見て、好意を抱くようになる。目つきが鋭く無愛想ながら、整った顔立ちをした美男子。これまでは悪友に誘われるまま、目についた女性をナンパするなど適当にその場限りの恋愛を楽しんでいたが、日和の人柄を知るうちに、本気で彼女を好きになっていく。ただし、これまで本気の恋愛を経験したことがないため、日和に対してつい嫌みを口にしてしまうなど、素直になれずに空回りしている。
牧瀬 怜奈 (まきせ れな)
真木日和がアルバイトしているファミリーレストランで、ホールスタッフとして働いている若い女性。日和の指導係を務めたことで、彼女と親しくなる。木城隼人が日和に好意を抱いているものの、素直になれずに空回りしている姿を見てアドバイスを送るなど、非常に面倒見のよい性格の持ち主。深川杏里の姉である樹里(じゅり)と親しく、杏里のこともかわいがっている。