概要・あらすじ
信州の旧家・御城家の出である御城紫信の通う東京の私立聖徳学院中等部に幼馴染で紫信の家臣の忍者・奥才蔵が、転入してくる。主従関係にありながらお互いに惹かれ合う二人だが、御城家に反旗を翻す者が現れる。紫信と才蔵は、お互いの過去と、室町時代から隠されてきた御城家の暗部に迫っていく。
登場人物・キャラクター
奥 才蔵 (おく さいぞう)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。十三歳。上忍・奥家の嫡男。忍者の少年。紫信を主とし、彼女を心から慕っているが、主と忍という身分の差に想いを阻まれている。眼鏡をしている時は気弱。自分が傷つけた人をはっきり見たくない。はずすとしっかり見えなくなるため、比較的大胆になる。紫信の危機には能力を発揮し、敵を殺しかける場面も。 生まれてすぐに両親を亡くしている。紫信の母・松子の言いつけで、紫信を守るために、私立聖徳学院に転入してきた。左介や千代から慕われている。紫信が、実の主ではなく、影武者であることを告げられた際にも、彼女さえいればいいと答えた。幼い頃に、先代当主が両親と義人達の両親を殺している場面を目撃。 その後、両親の死の記憶と、視力の大半を失い、血に対する恐怖を抱くようになった。そのため、義人達の御城の壊滅を狙っている一党に属しており、囚われた紫信にもそのような態度をとるが、千代に彼女の居場所を伝えたり、彼女の逃走に力を貸したりもする。実はその義人達の組織の存在を、松子に明かしており、その上で二重スパイとして、紫信のそばで護衛を行っていた。 地下が炎上し、多由耶姫と松子が死亡した後も、御城の組織の解体を願った母の遺志を受け継いだ紫信と、三島の兄弟たちと共に、重臣たちと対立していくこととなった。
御城 紫信 (おしろ しのぶ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。御城家の次期当主。七年前、六歳の時に信州にある村から出て、正吾に育てられながら、私立聖徳学院に入学。高校二年生、2年A組所属。トラウマがあり、幸田と共に眠らないと、その夢を見る。母松子から、「生むんじゃなかった」と言われたことがあり、関係がぎくしゃくしている。 晴海とは小学校からのつきあい。才蔵は自分の忍びであり、幼なじみ。彼を慕う左介や千代からは敵対されることもある。才蔵と共に過ごすうちに、元々持っていた恋心が明らかになり、好きと言ってしまった。背中に御城当主にのみ現れる花の形をした痣があるが、先代の死後入れられた入れ墨。実は松子と幸田の娘で、本物の姫の影武者とされている。 地下で多由耶姫の真実を知り、松子と和解するが、いずれも死亡。その後、御城の組織の解体を願った母の遺志を受け継いで、才蔵や三島の兄弟たちと共に、重臣たちと対立していくこととなった。
幸田 正吾 (こうだ しょうご)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。紫信の遠縁で、彼女を引き取って育てている。私立聖徳学院の教師。2年A組の担任。空手部の顧問で、すばらしい腕前。松子とは幼なじみで、初恋も彼女。紫信は彼と松子の間の子供。地下の花園にて、由利に刺された松子の最期を見届ける。体脂肪率は8%。
三好 健三 (みよし けんぞう)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。私立聖徳学院の高校二年生、2年A組のクラス委員。晴海は双子の姉。忍者が好き。
三好 晴海 (みよし はるみ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。私立聖徳学院の高校二年生、2年A組のクラス委員。健三は双子の弟。幸田の不在時に、頼まれて紫信の勉強を見てやっている。しっかり者だが、きつい部分もある。犬が苦手。紫信とは小学校からのつきあい。
多由耶姫 (たゆやひめ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。御城の地下に幽閉されている。室町時代から生き続ける少女で、背中に大きな花模様の痣がある。御城に残される御色草紙に描かれた女性・たつき姫の娘。敵となった城主の子を宿していたたつき姫が、忍の虎次郎によって宝珠草で毒殺され、土中に埋葬された後に産まれた。その後、しばらく寺で過ごすが、大きくなった後、城主を退き隠居していた叔父に引き取られた。 死に瀕していた彼が、妹・たつき姫を殺したのと同じ毒で死にたいと希望した際、多由耶姫はたつき姫の墓の周りにのみ咲く紅宝珠の根を与えたが、それは強力な鎮痛剤だったため、叔父は安らかに息を引き取った。紅宝珠に目を付けた、紫信達の祖先である御城は、多由耶姫と紅宝珠をたつき姫の遺体ごと買い取った。 虎次郎の息子、虎彦と共に逃げようとした多由耶姫だったが、忍によって虎彦が殺されてしまった。嘆き悲しんだ多由耶姫は、宝珠草を飲んだが、苦しんだ末に正気を失い、同時に不老不死となってしまった。以降、御城の地下に幽閉されたまま、現在まで、紅宝珠の栽培と、不老不死の研究を受けるようになる。
三島 義人 (みしま よしと)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。御城の忍頭をつとめる三島家の長男。時代村で忍びの斡旋などを行っている。幸田の友人で、才蔵の知り合い、左介や望の兄。幼い頃に、両親を御城の先代当主に殺されており、望や由利達と共に、御城の壊滅を狙っている。両親の死を目撃した才蔵を保護した過去があり、彼に対して甘い部分もある。
三島 左介 (みしま さすけ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。御城の忍頭をつとめる三島家の末っ子の四男。紫信とは犬猿の仲で、才蔵の幼なじみ。義人からの指示で二人を襲った際に、才蔵に護衛の仕事はつとまらないと証明するため、しびれ薬を使用した。才蔵のことを心配している。力が強い。千代に思いを寄せている。 自分の代わりに古武道家の養子となり、失踪した兄の望のことを気にかけている。
筧 千代 (かけい ちよ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。動物使いのくのいちで、動物を操ったり、動物に自分の声をしゃべらせる技を持つ。才蔵を慕っていて、紫信に勝負を仕掛け、勝ったら才蔵をもらうと宣言。その勝負の後も、たびたび紫信につっかかる。くのいち部隊全体が松子直属の部下であり、千代自身も、彼女に忠誠を誓っている。
御城 松子 (おしろ しょうこ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。御城家現当主で、紫信の母。嫁入りしてきた身であり、御城家の遠縁。幸田に思いを寄せている。紫信にきつい言葉を投げかけたことがあり、彼女との関係はよくない。当主として自らを律する。望達との一件の後、千代に紫信達を見守っていてくれるよう、当主としてではなく、母として願った。 吐血して倒れるも、御城の家に戻った。義人達が家の攻略に出た際に、地下通路に入り、行方をくらました。その後、紫信と和解するも、紅宝珠の毒にむしばまれた体は弱っていき、最後には由利によって殺されてしまう。
三島 望 (みしま のぞむ)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。三島家の三男で、義人の弟、左介の五歳上の兄。里の掟に従って、八歳から三年間、古武道家へ修行に出ていた。十二歳の時に、当主の急逝のため、その家へ養子に入ったが、十四歳の時に行方不明となった。丸くて柔らかいものに目が無く、幼い才蔵に女児の着物を着せたこともあった。 女性的なしゃべり方をし、気弱だが、力は強い。南部動物公園に潜伏していたところを、才蔵・紫信・左介と、途中から合流した千代に見つかった。紫信が御城家嫡子か否かを確かめるため、当主に必ず現れる、背中の花の形の痣が存在するかどうか確認しようとしていた。ドール服の制作なども行っている。少女趣味故に、忍として生きねばならないことに疑問を感じ、その宿命から逃れるために、御城を壊そうとしている。
玉野 由利 (たまの ゆうり)
『てるてる×少年』に登場するキャラクター。忍の少年。義人の部下。鎖鎌を武器として使用する。女性のブラサイズを当てるのが趣味。御城の配下として働いていたが、実は義人や望と共に、御城壊滅を狙う一党。下忍だった父は、紅宝珠の栽培に従事していたため、正気を失い、母を殺害。そのため、父を狂わせた御城を恨んでいた。 地下にいた松子を殺して逃走。
集団・組織
私立聖徳学院 (しりつしょうとくがくいん)
『てるてる×少年』に登場する学校。幸田が教師としてつとめる。紫信や才蔵、三好姉弟が在籍する。後に左介も転校してくる。理事長は松子の兄が勤める。
場所
南部動物公園 (なんぶどうぶつこうえん)
『てるてる×少年』に登場する公園。動物園と遊園地のアミューズメントパーク。埼玉県I市にある。紫信が小学生の頃、幸田と共に訪れたことがある。行方不明となっていた望の潜伏先で、才蔵・紫信・左介が乗り込んだ。園内を一周するジェットコースターや、動物園が併設されている。