とつくにの少女

とつくにの少女

ながべの代表作。副題は「Siúil, a Rún」。呪われし異形が棲(す)む「外つ国(とつくに)」、人間が住む「内つ国(うちつくに)」に分断された中近世ヨーロッパ風の世界を舞台にしている。異形の「せんせ」と人間の少女、シーヴァの関係を描いた異類交流譚(たん)。「接触で伝染する呪い」の存在によって触れ合いを許されない二人の寂しくも微笑ましい日常の描写に重きが置かれ、少女を狙う勢力の存在が物語に起伏を与えている。作者のながべはトーベ・ヤンソンや酒井駒子に影響を受けたことを公言しており、作品の画風は白と黒のコントラストが際立つ幻想的なもので、大人向け絵本のような味わいがある。マッグガーデン「月刊コミックガーデン」2015年10月号から2021年4月号にかけて連載の作品。2018年に「第45回アングレーム国際漫画フェスティバル」公式セレクションに選出。同年、ダ・ヴィンチ×ニコニコ「第3回次にくるマンガ大賞」コミックス部門20位を獲得している。2019年9月、『とつくにの少女』8巻(初回限定版)の付録OADとして短編アニメ化。2022年3月、『とつくにの少女[dear.]番外編(特装版)』の付録OADとして長編アニメ化。2022年版は、せんせを福山潤、シーヴァを高橋李依が演じている。

正式名称
とつくにの少女
ふりがな
とつくにのしょうじょ
作者
ジャンル
ダークファンタジー
 
ヒューマンドラマ
レーベル
ブレイドコミックス(マッグガーデン)
巻数
全11巻完結
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

せんせ

「外つ国(とつくに)」で暮らす元人間の「外の者」。黒い体毛で覆われた獣のような姿の異形で、頭部から一対の捻(ねじ)れた角、臀部(でんぶ)から細長い尾が生えている。長身痩軀(そうく)で二足歩行する。黒いジレと白いクラバットを愛用し、外出時には足首丈の黒いコートを身につけている。口はないものの、言葉を話すことができる。不器用ながら道具も扱えるが、呪いによって徐々に感覚が失われ、現在は痛覚どころか触覚も機能していない。食事も睡眠も不要で、矢で射られても死ぬことはない。理知的だが、思索に耽(ふけ)ると周りが見えなくなってしまうのが玉に瑕(きず)。捨て子のシーヴァを屋敷に連れ帰って面倒を見ているが、触れると呪いがうつるため、手をつなぐことも、彼女が足を挫(くじ)いた際に背負ってやることも叶(かな)わない。彼女を悲しみから遠ざけることに心血を注いでおり、「おばさん」との再会を夢見るシーヴァに、捨て子である事実を告げるべきか苦悩している。「せんせ」という呼称は医者だったことに由来しているが、シーヴァに指摘されるまで忘れていた。なお、デザイン上のモチーフは「ネジツノヤギ」の別名で知られるマーコール。

シーヴァ

「せんせ」に拾われた幼い少女。白髪で、白いワンピースを愛用している。人間の生活圏である「内つ国(うちつくに)」で「おばさん」と暮らしていたが、現在は「外つ国(とつくに)」にあるせんせの屋敷で生活している。自分が捨てられたとは微塵(みじん)も思っておらず、おばさんが迎えに来ると無邪気に信じている。呪いを帯びた「外の者」との接触を避けるため外出を禁じられているが、退屈を感じると勝手に外に出る悪癖があり、せんせを困らせている。外出が叶わない場合は、せんせと二人だけのお茶会を開いて退屈をまぎらわせているが、紅茶の味が苦手で砂糖をたっぷり入れないと飲むことができない。薪(まき)運びや洗濯などの家事を手伝うこともあり、裁縫はせんせよりも巧み。また、せんせが作ってくれた黒焦げのパイを躊躇(ちゅうちょ)なく口にするなど、気遣いもできる。シーヴァの目撃情報を得た内つ国の神父は「外つ国の少女を連れて行く」「じきに呪いから解放される」という旨の意味深な発言をしている。また、外の者はシーヴァを「綺麗な魂」と表現し、「おかあさん」のもとに持ち帰ろうとしている。

書誌情報

とつくにの少女 全11巻 マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉

第1巻

(2016-03-10発行、 978-4800005458)

第11巻

(2021-04-09発行、 978-4800010650)

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