概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
せんせ
「外つ国(とつくに)」で暮らす元人間の「外の者」。黒い体毛で覆われた獣のような姿の異形で、頭部から一対の捻(ねじ)れた角、臀部(でんぶ)から細長い尾が生えている。長身痩軀(そうく)で二足歩行する。黒いジレと白いクラバットを愛用し、外出時には足首丈の黒いコートを身につけている。口はないものの、言葉を話すことができる。不器用ながら道具も扱えるが、呪いによって徐々に感覚が失われ、現在は痛覚どころか触覚も機能していない。食事も睡眠も不要で、矢で射られても死ぬことはない。理知的だが、思索に耽(ふけ)ると周りが見えなくなってしまうのが玉に瑕(きず)。捨て子のシーヴァを屋敷に連れ帰って面倒を見ているが、触れると呪いがうつるため、手をつなぐことも、彼女が足を挫(くじ)いた際に背負ってやることも叶(かな)わない。彼女を悲しみから遠ざけることに心血を注いでおり、「おばさん」との再会を夢見るシーヴァに、捨て子である事実を告げるべきか苦悩している。「せんせ」という呼称は医者だったことに由来しているが、シーヴァに指摘されるまで忘れていた。なお、デザイン上のモチーフは「ネジツノヤギ」の別名で知られるマーコール。
シーヴァ
「せんせ」に拾われた幼い少女。白髪で、白いワンピースを愛用している。人間の生活圏である「内つ国(うちつくに)」で「おばさん」と暮らしていたが、現在は「外つ国(とつくに)」にあるせんせの屋敷で生活している。自分が捨てられたとは微塵(みじん)も思っておらず、おばさんが迎えに来ると無邪気に信じている。呪いを帯びた「外の者」との接触を避けるため外出を禁じられているが、退屈を感じると勝手に外に出る悪癖があり、せんせを困らせている。外出が叶わない場合は、せんせと二人だけのお茶会を開いて退屈をまぎらわせているが、紅茶の味が苦手で砂糖をたっぷり入れないと飲むことができない。薪(まき)運びや洗濯などの家事を手伝うこともあり、裁縫はせんせよりも巧み。また、せんせが作ってくれた黒焦げのパイを躊躇(ちゅうちょ)なく口にするなど、気遣いもできる。シーヴァの目撃情報を得た内つ国の神父は「外つ国の少女を連れて行く」「じきに呪いから解放される」という旨の意味深な発言をしている。また、外の者はシーヴァを「綺麗な魂」と表現し、「おかあさん」のもとに持ち帰ろうとしている。
書誌情報
とつくにの少女 全11巻 マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉
第1巻
(2016-03-10発行、 978-4800005458)
第11巻
(2021-04-09発行、 978-4800010650)