となグラ!

となグラ!

10年ぶりに再会した幼なじみの男女が、ケンカの絶えない日々を送りながらも、少しずつ接近していく「となり暮らし」ラブコメディ。「月刊COMIC RUSH」2004年3月号から2011年8月号にかけて連載された作品。

正式名称
となグラ!
ふりがな
となぐら
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
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世界観

恋愛が題材。隣の家に住む2人の高校生・有坂香月神楽勇治を中心に、周囲の人々の恋愛模様を描く。明るくセクシーなラブコメディ要素のみならず、香月と勇治が高校に入学するところから結婚に至るまでを、丁寧に描いているのが作品の特徴。ちなみにタイトルの『となグラ!』とは「となり暮らしグラフィティ」の略。

あらすじ

有坂香月神楽勇治は、幼い頃、隣同士の家に住み、お互いを意識していた幼なじみ。勇治が両親の都合で引っ越して以来、10年間離れ離れになってしまっていたが、香月と勇治が高校に入学するタイミングで神楽家が戻り、再び隣人になるのだという。再会を喜ぶ香月だったが、10年ぶりに会った勇治は、幼い頃とはまるで違う、だらしなくてエッチな男性になっていた。

劇中劇

劇中劇として「となり暮らしグラフィティ」がある。これは鈴原ちはやが第37回笹霞学院創立祭の出し物として書き下ろした演劇作品で、仮タイトルは「めっちゃオモロイラヴコメ!!」だった。「再会した男女2人が織りなすラブコメディ」がコンセプトで、有坂香月神楽勇治によく似た男女が主人公となっており、さらに他の登場人物も香月と勇治の周辺人物に酷似している。そのため、香月と勇治がお互いを改めて意識するきっかけにもなり、観劇した周囲の人物にとっても感慨深いものとなった。主役は勇治と黒田朋世が演じる予定だったが、朋世の体調不良により、代わって香月が演じた。

コラボレーション

コミックス第7巻に収録されている番外編では、グラビアアイドルの児玉絹世とのコラボレーション企画が行われた。こちらは本作『となグラ!』の掲載誌である「コミックラッシュ」のグラビアページに、児玉絹代が登場したのを機に行われ、神楽勇治のアルバイト先である写真スタジオ「スタジオ アークス」に、児玉絹代が撮影にやってきたという設定のもと、勇治と児玉絹代の交流が描かれる内容となっている。

メディアミックス

TVアニメ

2006年7月から9月にかけて、あべたつや監督・シリーズ構成によるTVアニメ版が放送された。キャラクターデザイン・総作画監督は越智信次が担当した。有坂香月役を神田朱未、神楽勇治役を吉野裕行が演じた。

ドラマCD

2006年3月、フロンティアワークスよりドラマCD版がリリースされた。これは『となグラ!ドラマCD 有坂家SIDE』『となグラ!ドラマCD 神楽家SIDE』の2種類が同時リリースされ、キャストはTVアニメ版同様有坂香月役を神田朱未、神楽勇治役を吉野裕行が演じた。その他、キャラクターソングCDも多数存在する。

作家情報

筧秀隆は、主に青年誌で活躍中の漫画家。代表作は本作『となグラ!』。他の作品に『てっぱん!』『みなみ先生は勉強熱心!』『そこにオスわりっ!』『俺がアブノーマルかもしれない件について』などがある。

登場人物・キャラクター

有坂 香月 (ありさか かづき)

笹霞学院高校1年C組に所属する女子。有坂初音の妹でもある。前髪を目の上で切り、オレンジ色の前下がりボブヘアを、黄色いヘアバンドでまとめている。気が強く、素直になれないツンデレな性格。幼なじみで初恋の相手である神楽勇治が、再び自分たちの街へ戻り、隣家に住むことになったのを喜んでいた。しかし、再開した勇治が、幼い頃とはまるで違うエッチな性格になったことに驚く。 そのため、以前のように自然に接することができず、悩んでいる。特技は水泳で、水泳に関してだけは、スポーツ万能の初音にも匹敵する実力を誇っている。料理が苦手。

神楽 勇治 (かぐら ゆうじ)

笹霞学院高校1年D組に所属する男子。有坂香月の幼なじみで、初恋の相手でもある。神楽まりえの兄で、神楽順治と 神楽乃亜の息子でもある。前髪を目の上で切ったショートカットヘアをしている。あだ名は「ゆーちん」。東條葉弥のもとで、アシスタントとして働くようになってからは、「見習いくん」とも呼ばれるようになる。 黙っていれば美形で性格も心優しいのだが、やや強引でだらしなく、女性が大好きで、エッチな困った人物。香月とは、幼い頃から家族ぐるみで親しかったが、神楽家が引っ越してしまったので、しばらく離れて過ごしていた。香月と勇治が高校に進学するタイミングで、有坂家の隣家に戻り、同じ笹霞学院高校に通うことになる。父親の順治がカメラマンなので、自分も写真撮影が好き。

有坂 初音 (ありさか はつね)

笹霞学院高校2年A組に所属する女子。有坂香月の姉。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした金髪ストレートロングヘアをしている。穏やかでおっとりとした性格で、成績優秀、スポーツ万能、楽器や絵の才能もあり、家事も得意という完璧な人物。さらに、校内にファンクラブがあるほど異性にもてる。また、神楽勇治のセクハラにも寛容。 香月と勇治の微妙な関係に強い関心を抱いており、積極的に応援している。結城小五郎とは香月を通じて知り合い、非常に親しくしている。実は両想いなのだが、お互い奥手なため一歩踏み出せずにいる。

神楽 まりえ (かぐら まりえ)

笹霞学院中学校3年A組に所属する女子。神楽勇治の妹で、前髪を目の上で切りそろえ、腰まで伸ばした緑色のストレートロングヘアを、後ろで1つに結んでいる。クールで寡黙な性格。幼い頃は勇治にべったりだったが、現在はすっかりエッチな性格に育った勇治の、周囲の女性へのセクハラ行為に、容赦のない制裁をくわえている。そのため、勇治には冷たいように見えるが、実際は非常に兄想い。 軍事オタクで、ペイント弾や強化ゴム弾の入った護身用の銃を持ち歩いている。クマのぬいぐるみを、非常に大切にしている。

鈴原 ちはや (すずはら ちはや)

笹霞学院高校1年C組に所属する女子。有坂香月の友人。前髪を右寄りの位置で分けて目の上で切り、茶髪セミロングヘアを低い位置で2つに結んでいる。関西弁で話す。明るくおおらかな性格だが、やや悪乗りしがちなところがある。香月を通じて知り合った神楽勇治を気に入っており、密かに意識している。

町田 洸介 (まちだ こうすけ)

笹霞学院高校1年D組に所属する男子。神楽勇治の友人で、芹沢美宇の恋人でもある。前髪をバンダナで上げた、緑色のショートカットヘアをしている。美宇からは「こーくん」と呼ばれている。明るくノリの良い性格で、勇治とは、高校で同じクラスになったのをきっかけに、町田洸介と美宇が一緒に勇治に声をかける形で親しくなった。 実家は酒屋で、美宇とは家族ぐるみで親しい。

芹沢 美宇 (せりざわ みう)

笹霞学院高校1年D組に所属する女子。神楽勇治の友人で、町田洸介の恋人でもある。前髪を右寄りの位置で分け、紫色のセミロングヘアをポニーテールにしている。かわいらしい雰囲気を持つが、笑顔で辛辣なことを言う、少し恐ろしい性格。実家は空手道場で、美宇自身も腕っぷしが非常に強い。

結城 小五郎 (ゆうき こごろう)

鈴原ちはやの遠縁の親戚。中学校教師を務める若い男性。前髪を目の上で切り、後ろ髪を肩につきそうなほど伸ばした茶髪ボブヘアに、眼鏡をかけている。あだ名は「ゴロ先生」で、ちはやからは「ゴロちん」と呼ばれている。温和で寛容な性格だが、意外と単純。学園物のドラマを見て教師に憧れた、というピュアで夢見がちな一面もある。有坂香月とちはやが中学1年生の頃、教育実習生として笹霞学院中学校に来ていたので、香月とちはやとは3人で非常に仲が良かった。 有坂初音とは香月を通じて知り合い、実は両想いなのだが、お互い奥手なため、一歩踏み出せずにいる。

磯川 ニーナ (いそかわ にーな)

笹霞学院中学校3年A組に所属する女子。前髪を目の上で切り、金髪ロングヘアを頭の左右で大きな2つの縦ロールにして、低い位置で結んでいる。日本人とアメリカ人のハーフで、2年前に日本にやって来たため、日本語がまだ苦手。片言であったり、極端に古い言葉を遣ったりと、奇妙な口調で話す。苗字が「磯川」なので、あだ名は「イソップ」。 明るく素直で積極的な性格。ある日、有坂香月と有坂初音の水泳勝負を見たのがきっかけで香月に憧れ、泳ぎを教わるために、高等部へやって来る。水泳勝負の日に見かけた神楽勇治を気に入っており、積極的にアプローチをする。また、その過程で神楽まりえとも少しずつ親しくなっていく。

獅童 ありさ (しどう ありさ)

笹霞学院高校に勤める24歳の女性教師。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばした黒髪ストレートロングヘアをしている。男性のような口調で話し、性格も男勝り。愛煙家で、いつもくわえ煙草をしている。水泳部の顧問を務めており、水泳部に入部した有坂香月を指導することになる。香月に磯川ニーナを紹介した人物でもある。

東條 葉弥 (とうじょう はや)

神楽順治の後輩。写真スタジオ「スタジオ アークス」でカメラマンを務める若い女性。前髪を真ん中で分けて額を見せ、腰まで伸ばしたカーキ色のストレートロングヘアを、両サイドの髪のみを三つ編みにした髪型をしている。眼鏡をかけている。ややおどおどした雰囲気で極端にドジだが、写真家としての実力は本物。新進気鋭のカメラマンとして知られている。 海外に出掛けたままの順治の代わりに、順治の仕事も担当していた。多忙を極めてきたことで、順治の近況を知るために、神楽家にやって来る。そこで神楽勇治と出会い、カメラが趣味の勇治をアシスタントとして雇うことになる。普段は礼儀正しいが、仕事が始まると人が変わったようになり、良い写真を撮るために、周囲に非常に厳しくわがままになる。

白井 (しらい)

写真スタジオ「スタジオ アークス」に勤める若い男性。前髪を目の上で切り、ふんわりとした髪にもみあげを長く伸ばしたショートカットヘアをしている。顎髭を生やし、眼鏡をかけている。有坂香月と神楽勇治とは、勇治が東條葉弥のアシスタントになったことで知り合った。勇治のことを「実質使いっ走り」と評しつつも、タフで粘り強いと評価している。

塩見 薫子 (しおみ かおるこ)

写真スタジオ「スタジオ アークス」に勤める若い女性。スタジオではマネージメントを担当している。前髪を上げて額を全開にし、ゆるくウェーブがかったロングヘアをポニーテールにしてまとめている。東條葉弥とは、大学時代の先輩後輩にあたるので非常に親しい。自分の先輩ではあるが、頼りないところのある葉弥を積極的にサポートしている。

加賀見 (かがみ)

写真スタジオ「スタジオ アークス」に勤める若い男性。前髪を真ん中で分けて額を見せ、肩の下まで伸ばしたセミロングヘアを後ろで1つに結んでいる。ニットキャップをかぶっている。穏やかで笑みを絶やさぬ、のんびりとした性格。ドジだったり暴走しがちな面もある「スタジオ アークス」のメンバーを、笑顔でフォローすることが多い。

黒田 朋世 (くろだ ともよ)

笹霞学院高校2年D組に所属する女子。有坂香月たちとは、香月たちが2年生に進級してからクラスメイトとなって知り合った。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアを、両サイドでリボンをつけてまとめている。真面目で一生懸命な性格。クラスの劇「となり暮らしグラフィティ」で共演することになったのをきっかけに、神楽勇治と親しくなり、勇治に想いを寄せるようになる。

福永 (ふくなが)

笹霞学院高校2年D組に所属する男子。有坂香月たちとは、香月たちが2年生に進級してからクラスメイトとなり知り合った。前髪を眉上で短く切り、身長145センチと小柄で、かわいらしい容姿をしている。小柄であることがコンプレックスだが、鈴原ちはやにはそれが面白いと気に入られ、クラスの劇「となり暮らしグラフィティ」のネタにされてしまう。

神楽 順治 (かぐら じゅんじ)

神楽勇治と神楽まりえの父親。神楽乃亜の夫。前髪を真ん中で分けて、肩につくほどまで伸ばした髪を後ろで1つに結び、無精ひげを生やしている。フリーのカメラマンとして働くかたわら、トレジャーハンターとしても活動。世界中を飛び回っては写真を撮ったり、遺跡や知られざる部族の調査をしている。そのため、海外にいることが多く、ふらっと出かけてしまうため、弟子の東條葉弥を困らせている。

神楽 乃亜 (かぐら のあ)

神楽勇治と神楽まりえの母親。神楽順治の妻。梨亜の双子の姉でもある。梨亜からは「のんちゃん」と呼ばれている。前髪を目の上で切りそろえ、お尻まで伸ばした淡い紫色のストレートロングヘアをしている。非常に若くて美しく、少女のように見える。おっとりとした雰囲気だが、軍事マニアのまりえや、スポーツ万能の有坂初音を凌駕する身体能力を持つ。 順治とは非常に仲が良く、一緒に海外探索をしていることが多い。

梨亜 (りあ)

神楽乃亜の双子の妹。美山神社で巫女を務める女性。前髪を目の上で切りそろえ、お尻まで伸ばした淡い紫色のストレートロングヘアをし、サイドの髪だけを髪飾りでまとめている。明るくいたずら好きな性格。神楽順治とは、順治が18歳の頃、撮影旅行に美山神社に現れた時からの知り合い。順治と乃亜が恋に落ちる様子をすぐそばで見ていた。 そのため、順治と乃亜が揉めて駆け落ちをして、美山神社にやって来たことを、有坂香月と神楽勇治に、当時の思い出として話すことになる。

鈴原ちはやの母親 (すずはらちはやのははおや)

鈴原ちはやの母親の中年の女性。本名は不明で、作中では主に「おかん」と呼ばれている。前髪を右寄りの位置で分けて目の上で切った、癖のあるショートヘアをしている。目が細く、いつも目を閉じているように見える。関西弁で話す。明るく親しみやすい性格で、有原香月とも親しい。そのため香月を家に招いたり、香月とちはやの友人も交えて旅行に連れていくこともある。 冗談好きで、時に周囲を凍り付かせるようなギャグを言うことがある。そっくりな双子の妹がいる。

芹沢 剛 (せりざわ ごう)

芹沢美宇の父親。空手道場の師範を務める44歳の男性。前髪を上げて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばしたオールバックのボブヘアをしている。口ひげを生やし、筋骨隆々のがっしりした身体つきをしている。町田洸介の実家である町田酒店とは親しく、頻繁にお酒を注文をしている仲。そのため、洸介ともよく顔を合わせている。非常に腕っぷしが強いが、美宇の驚異的なパワーには恐れを感じることもある。

神楽乃亜と梨亜の父親 (かぐらのあとりあのちちおや)

神楽乃亜と梨亜の父親。美山神社の神主を務める中年の男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪で、口ひげを生やしている。神楽順治とは、順治が18歳の頃、撮影旅行に美山神社に現れたときからの知り合い。順治と乃亜が恋に落ちる様子をすぐそばで見ていた。その後、順治と乃亜が結婚し、乃亜を取られる形になったことに加え、結婚後はほとんど美山神社に姿を見せないため、今でも順治に怒っている。

場所

美山神社 (うつくしやまじんじゃ)

神楽乃亜と梨亜の父親が神主を務める縁結びの神社。山の中にあり、本殿まで長く険しい道が続く。神楽順治が18歳の頃、美山神社の本殿から見られる素晴らしいご来光を、撮影するためにやって来たのがきっかけで、乃亜と順治は知り合った。

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