どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです

どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです

第616特別情報大隊の小説『どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです』のコミカライズ作品。4歳になったある日、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは、現在自分がいるのが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」の世界であることに気づく。しかもゲーム中の自分は、最終的にはお家取り潰しのうえに国外追放となる、悪役令嬢の役どころだった。前世における現代兵器の知識と魔術を融合させ、破滅の運命に軍事力で抗う少女の姿を描く、異世界転生ミリタリーコメディ。コミックス第1巻と第2巻の巻末には、第616特別情報大隊の書き下ろしショートストーリーも収録されている。「水曜日のシリウス」で2019年5月2日から配信の作品。

正式名称
どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです
ふりがな
どうしてもはめつしたくないあくやくれいじょうがげんだいへいきをてにしたけっかがこれです
原作者
第616特別情報大隊
漫画
ジャンル
学園
 
転生
レーベル
シリウスKC(講談社)
巻数
既刊5巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

その名は悪役令嬢

ある日、屋敷を訪れた従妹のイリスを出迎えようとしていたアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは、階段から転落する。その拍子に、アストリッドは自分の前世を思い出し、自分が今いるのが、前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」と同じ世界であることに気づくのだった。しかしアストリッドはゲームの主人公ではなく、最終的にはお家取り潰しのうえに国外追放となる、悪役令嬢の役どころだった。自分の未来に破滅が待ち受けていることを知ったアストリッドは、最悪の場合、今いる国を敵に回しても戦い抜けるよう、魔術を学んで現代兵器の知識を融合させ、強大な軍事力を築き上げることを決意。わずか4歳にして、実に物騒な目的のために行動を開始する。

悪役令嬢は魔術を知る

学校に入ってからでないと魔術の勉強ができないことを知ったアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは、言葉巧みに父親のパウル・ハンス・フォン・オルデンブルクを説き伏せ、魔術の家庭教師をつけてもらうことに成功する。こうしてやって来たヴォルフ・フォン・ブランゲルは、まだ若いながらもその能力を高く評価される優秀な人物で、アストリッドは彼の指導のもと、めきめきと頭角を現していく。そしてアストリッドは、現代兵器の知識と土のエレメンタルマジックの応用で銃器を、魔術札の応用で各種弾薬を制作することに成功する。さらに、ヴォルフの専門であるブラッドマジックを学び、銃器を使用した際の反動に耐えうる強靭な身体能力をも身につけるのだった。こうしてアストリッドは、自らの野望に向けて着々と準備を進めていく。

悪役令嬢は狩りに行く

ある日、メイドからの助言を受けたアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは、魔術に明け暮れるあまり、自分が両親をないがしろにしていることに思い至った。このままでは悪役令嬢として破滅を迎える前に、公爵令嬢としても破滅してしまうと危機感を覚えたアストリッドは、ほかの大臣たちと狩りに行くというパウル・ハンス・フォン・オルデンブルクに、自分も同行したいと申し出る。迎えた当日、アストリッドは馬車の中で母親のルイーゼ・エリーザベト・フォン・オルデンブルクと腹を割った話し合いを行い、狩りの際には、パウルからそれまで撃ったことのなかったクロスボウの扱い方を教わったりしながら、有意義な時間を過ごしていた。そんな中、パウルが立派な角を持った鹿に興味を抱いたスキに、最近作ったスラッグ弾をショットガンで試し撃ちしようと、こっそり彼のもとから離れる。そして向かった森の奥で、アストリッドは魔獣・グリフォンに今にも食べられそうになっている妖精の姿を目撃。スラッグ弾の試射をするには持ってこいの相手だと、巨大なグリフォンに立ち向かう。そして、スラッグ弾はアストリッドの期待どおりの破壊力を発揮し、みごとにグリフォンを倒すことに成功する。自分の命を救ってもらった妖精は「ブラウ」と名乗り、アストリッドに対して親しげに話しかけ、自らアストリッドと契約を交わすと言い出す。妖精との契約がどんなものかわからず困惑するアストリッドはブラウを伴い、狩りに同行していた宮廷魔術師長のフィデリオ・フォン・フラウンホーファーに相談を持ち掛ける。

悪役令嬢、ついに学園へ

妖精・ブラウと契約を交わしたアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは、さらに魔術の才能を開花させ、土のエレメンタルマジックでジェットエンジンを作り出し、ブラウの協力のもと風を制御して空を飛ぶことに成功する。そんな充実した日々を過ごすうちに、アストリッドは聖サタナキア魔道学院初等部に入学する6歳になっていた。入学すれば、どうしても自分を破滅に追いやる存在であるフリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンらとかかわらざるを得なくなるため、アストリッドは難色を示していたが、家庭教師のヴォルフ・フォン・ブランゲルが解任されたこともあり、この先も魔術を学ぶためにはどうしても学院に通う必要があった。こうしてアストリッドは、しぶしぶ聖サタナキア魔道学院初等部に入学。そして彼女の予想どおり、乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」において攻略対象キャラクターであったフリードリヒ、アドルフ・フランツ・フォン・ヴァレンシュタインシルヴィオ・ハインリヒ・フォン・シュタインベルンハルト・フォン・ブロニコフスキーとの面識を得るのだった。なるべく彼らとかかわらないように細心の注意を払う中、アストリッドは入学後最初の行事である、新入生オリエンテーションの合宿に参加することになる。初日の説明会を終え、その日に泊まる寮に戻ったところで、アストリッドはさっそく、ミーネ・フォン・モールロッテ・フォン・ラムスドルフといった友人を得る。だが、身分の差が邪魔をして、呼び捨てで呼び合うような腹を割った関係になることはできず、アストリッドは一抹の寂しさを覚えるのだった。

悪役令嬢は課外活動がお好き

聖サタナキア魔道学院初等部の新入生オリエンテーションの2日目は、学院生同士の親交を深めることを目的とした、トールベルクの森の散策。ただし、森の中に立ち入ることは禁じられていた。実質的には自由時間だったが、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは何かが起こることを期待して、友人となったミーネ・フォン・モールに、行動が許可されている森の外周部を散策しようと提案。だが、出発しようとする二人の前にフリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンアドルフ・フランツ・フォン・ヴァレンシュタインシルヴィオ・ハインリヒ・フォン・シュタインの三人が姿を現し、いっしょに行動しようとアストリッドを誘う。そこで一計を案じたアストリッドは、新たにロッテ・フォン・ラムスドルフを呼び、アドルフにミーネを、シルヴィオにロッテをあてがい、自分にかかわりそうな相手を減らす作戦に出る。このもくろみは成功し、二つのカップルは意外にもいい雰囲気となるものの、最も警戒するフリードリヒだけは手付かずで、アストリッドはその対処に苦悩するのだった。そんな中、アストリッドは道中で、口から吐く毒で周囲のものを死に至らしめる魔獣・コカトリスを発見する。ほかの学院生たちに被害が及ぶことを危惧したアストリッドは、フリードリヒたちに先生を呼びに行くように言い残し、ブラッドマジックで自身の能力を増強して、ショットガンを手に単身でコカトリスに突撃。そして両目、続いて脳を討ち抜き、瞬時にコカトリスを撃退する。

冒険者ギルドと悪役令嬢

新入生オリエンテーションも終わり、通常授業が始まった。学友たちと共に学びながら時には魔術のコツを教えたり、図書館に入り浸って勉強したりするうちに上級生たちに気に入られたりと、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは魔術漬けの充実した毎日を過ごしていた。そんなある日、アストリッドは唐突に、もし最悪の事態が起こった際、自らが暮らすプルーセン帝国と戦うに足るだけの資金がまったく貯まっていないことに思い至る。そこでアストリッドは、土のエレメンタルマジックで新たに機関銃を制作して自らの攻撃力を高め、冒険者ギルドに登録する。そして魔術師がおらず、かつ女性だけでパーティを組んでいたゲルトルートたちに売り込み、「手伝い魔術師」としての活動を開始。ゲルトルートたちが冒険者として高い能力を持っていたこともあり、彼女たちと協力してクエストをこなして得た賞金を来たる日に備えて貯蓄していくのだった。

学園サロンの悪役令嬢

ある日、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのもとに、「精霊の円卓」というサロンからの招待状が届いた。ミーネ・フォン・モールによると、これは貴族の令息令嬢の中でも限られた者のみが入ることができる学園伝統のサロンだという。アストリッドは面倒くさいと、この招待状を無視しようとするが、精霊の円卓は影の生徒会とも呼ばれており、聖サタナキア魔道学院においてその機嫌を損ねることは得策でないとミーネに説得され、しぶしぶサロンへと向かう。するとその途中、フリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンアドルフ・フランツ・フォン・ヴァレンシュタインシルヴィオ・ハインリヒ・フォン・シュタインの三人が姿を現す。そして、ちょうど精霊の円卓のサロンに行くところだったという三人に案内され、アストリッドはサロンへと足を踏み入れるのだった。そこは立派な調度品がしつらえられた、豪奢で広大な部屋で、上級生も数多くいた。そしてそこで、アストリッドは精霊の円卓の会長を務める、高等部のヴァーリア・マリアンネ・フォン・ヴァルモーデンとの面識を得る。ヴァーリアによれば、家柄がよすぎる学院生はどうしても精神的に孤立しがちなので、このサロンでそういった孤独を解消してほしいのだという。話を聞いたアストリッドは、将来どんなコネが自分を破滅から救ってくれるかわからないと、精霊の円卓での人脈づくりを開始。数多くの知己を得ていき、ついにはヴァーリアに、湖の別荘へのバカンスに誘われるほどになる。

運命の出会い

アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクを湖の別荘へのバカンスに誘ったヴァーリア・マリアンネ・フォン・ヴァルモーデンは、友人も連れて来ていいという。それを聞いたアストリッドはミーネ・フォン・モールロッテ・フォン・ラムスドルフを誘い、三人でお呼ばれすることとなった。それに先立ち、ヴァーリアは水着を買いに行こうと、三人を伴って御用達の店へと向かう。だがその道中で、アストリッドは女性の悲鳴を聞く。急いで一人そちらに走ったアストリッドは、そこで少女が足にケガをして道端に倒れている姿を目撃。少女によれば、働いているパン屋の売上金を奪われたのだという。犯人に目星をつけたアストリッドは、ブラッドマジックで脚力を増強し、助走をつけての飛び蹴りでみごとに犯人を確保することに成功する。無事にお金を取り戻して少女に返してあげると、彼女は輝くばかりの笑顔でアストリッドにお礼を言い、「エルザ・エッカート」と名乗るのだった。この少女こそが、乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」の主人公であり、将来アストリッドを破滅へと導く元凶となる存在であった。

関連作品

小説

本作『どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです』は、第616特別情報大隊の小説『どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです』を原作としている。原作小説版は第616特別情報大隊が「小説家になろう」に投稿した作品で、講談社「Kラノベブックス」から刊行され、イラストは無惑桑が担当している。

登場人物・キャラクター

アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルク

公爵位の称号を持つ「オルデンブルク家」の令嬢。非常に高い魔術の素養を身につけている。4歳の時、階段から落ちた拍子に前世のことを思い出し、その後、熱を出して7日間寝込むこととなった。前世は現代日本の女子大学生で、当時はかなりのミリタリーマニアだったこともあり、現代兵器全般に関する非常に深い知識を持つ。また、自ら狩った兎をさばいて食べることができたりと、サバイバルに関する造詣も深い。モットーは「いつでも前向きに」。前世の記憶を取り戻した際、現在アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのいる世界が、前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」と同一であることに気づいた。同時にアストリッドはゲームでは主人公に嫌がらせをする悪役令嬢であり、ストーリーがどんなルートをたどったとしても、最終的にはお家取り潰しのうえに国外追放される結末を迎えることを思い出す。このため、最悪の場合は自分を破滅させるバッドエンドに武力で立ち向かおうと、魔術の素質を早々に開花させたうえで現代兵器技術を融合させ、自らが暮らすプルーセン帝国まるまる一国を相手にしても引けを取らない戦力を築き上げることを、4歳にして決意した。その意志は非常に固く、日々の生活の中での努力はいっさい惜しまない。そして、魔術の勉強を始めて早々に、エレメンタルマジックを応用して銃器を制作する技術を修得。ふだんはこの銃器をつねに持ち歩いており、戦いの際にはこれを使うことにためらいを見せない。6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に進学する。その時点で教師すら上回る魔術の能力を身につけていたが、無用に目立つことを避けるため、アストリッド自身はその力を誇示せず、また周囲の人々に対しても身分を問わず友好的に接して人脈を広げていく。一方で、ゲーム中で自分を破滅させることになった、フリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンをはじめとするゲームの攻略対象キャラクターたちとは、なるべく距離を取ろうと画策する。ただしアストリッド自身の人柄により、攻略対象キャラクターたちからは好感を持たれており、その点においてのみアストリッドの計画はうまくいっていない。のちに、国と戦う資金稼ぎのために冒険者ギルドに登録し、手伝い魔術師としての活動も開始。これに伴い、学院外でも有力な知己を得ていく。

パウル・ハンス・フォン・オルデンブルク

公爵位の称号を持つ「オルデンブルク家」の当主で、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクの父親。髪をオールバックにまとめた若々しいイケメン。郵政大臣を務めており、自らの指揮のもと改革を執り行って国内の郵便事情を劇的に改善するなど、輝かしい実績を誇るやり手。アストリッドに対して厳しく接することもあるが、それは愛しいアストリッドを心配してのことというのもあってどこか甘く、前世の記憶を持つ幼いながらも賢いアストリッドに言いくるめられてしまうこともある。アストリッドの魔術の才能は認めているものの、将来はその才能を生かすよりも、彼女にはオルデンブルク家の地位を盤石にするために名家に嫁ぎ、同時に幸せになってほしいと強く願っている。

ルイーゼ・エリーザベト・フォン・オルデンブルク

公爵位の称号を持つ「オルデンブルク家」の夫人で、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクの母親。若々しくスタイル抜群の美女で、おっとりした性格をしている。いつも顔に浮かべているオリエンタルスマイルのせいで、何を考えているのかつかみづらいところがあるが、メイドからの報告や実際に起こった出来事から推論を組み立て、アストリッドが「騒音を出す魔術道具」と言い張っていた銃器が、本当は先端から何かを発射する兵器であることを見抜いていたりと、実際は非常に聡明で、その観察眼にはアストリッドも恐れをなすほど。そのうえでアストリッドのことを愛して信頼しており、彼女の自主性を認めて自らは一歩引いて見守るなど懐も深い。夫のパウル・ハンス・フォン・オルデンブルクの扱い方もよく把握しており、娘のことを心配するあまり行動を制限しがちな彼をうまく転がすことで、アストリッドの後押しをすることもある。

ヴォルフ・フォン・ブランゲル

アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクが4歳の時に、彼女の魔術の家庭教師として就任した青年。小さな鼻眼鏡をかけており、線の細い体格で穏やかな性格をしている。未だ体系化されていないブラッドマジックの専門家で、中でも人の精神に影響する魔術を研究しているほか、著書を残すほど各種の魔術に精通していることもあり、いずれは宮廷魔術師か大学の職に就くだろうと将来を嘱望されている。ここまでの才能は見たことがないと、アストリッドの魔術の素質に驚きながらも、的確な指導で一歩ずつ着実に彼女の能力を開花させていく。そして彼女が6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したことを機に、家庭教師の任を解かれる。だがその後も、アストリッドにとっては師として尊敬する存在であり続けている。

ノーム

アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクが、エレメンタルマジックで銃器などを作る際に協力を依頼する土の精霊。三角帽子をかぶり、立派なひげを蓄えた小人の姿をしている。本来、アストリッドがイメージしたものでは銃器として正しく実動するにはあと一歩至らないが、ノームが自ら細部を調整して、ちゃんと動くものに仕上げている。その職人気質はアストリッドに大いに気に入られており、「ノームのおじさん」と呼ばれて慕われている。精密機械を作るのが好きなこともあって、アストリッドのエレメンタルマジックに応えて銃器制作を行っているが、これらの兵器が世界のバランス・オブ・パワーを崩し得ることは十分に把握しており、兵器の詳細がほかの誰かに伝わるようなことは絶対に避けるようにアストリッドに言い含めたりと、冷静で知的な一面も持つ。

フィデリオ・フォン・フラウンホーファー

伯爵位の称号を持ち、宮廷魔術師長を務めている初老の男性。穏やかな性格で、モノクルをかけている。アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクが、パウル・ハンス・フォン・オルデンブルクと共に狩りに行った際に知り合い、魔術に関する彼女の才能を50年に一人の天才と評した。また、アストリッドの家庭教師を務めたヴォルフ・フォン・ブランゲルとも親しく、彼の才能を高く評価している。

ブラウ

風のエレメンタルの妖精。手のひらサイズの羽が生えた少女の姿をしている。カルパートの森で魔獣・グリフォンに食べられそうになっていたところをアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクに救われ、彼女と契約を交わすこととなった。ちなみに、自分がグリフォンを倒した話が出回ると面倒なことになると警戒するアストリッドには、出会いの詳細を口外しないようにきつく言い含められているが、何かと口を滑らせそうになるうっかりしたところがあり、そのたびにアストリッドに握りつぶされそうになっている。

フリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセン

プルーセン帝国の第一皇子。6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのクラスメート。生まれた時、救命措置で使われたブラッドマジックの影響により、美しくも珍しい銀色の髪を持つ。おっとりした性格ながら、文武両道という典型的な「皇子様キャラ」。皇室に時折現れる性質として、魔力の流れを読み、どのような魔術が行使されるのかを探ることができる。ちなみに、アストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」の攻略対象キャラクターで、アストリッドには、自分を破滅に導く人物の一人として警戒されている。ゲームでは、対話による理解を前提とした政策を望む穏健派ということもあり、戦乱の世がせまる中にあって、「兵隊王」の異名を取る軍国主義者の父親・ヴィルヘルム3世とは意見が合わず苦悩する人生を送っていた。

アドルフ・フランツ・フォン・ヴァレンシュタイン

プルーセン帝国最強の騎士団「黄金鷲獅子騎士団(おうごんじゅじしきしだん)」団長の長男。6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのクラスメート。強気な性格で「俺様」気質の毒舌家だが、プルーセン帝国の第一皇子であるフリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンとは、互いに呼び捨てで呼ぶほどに親しい。ちなみに、アストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」の攻略対象キャラクターで、アストリッドには、自分を破滅に導く人物の一人として警戒されている。ゲームでは、黄金鷲獅子騎士団の次期騎士団長と目されながらも、騎士団に必須のブラッドマジックが不得手なため、その立場にふさわしくないのではないかと思い悩んでいた。

シルヴィオ・ハインリヒ・フォン・シュタイン

プルーセン帝国宰相の子息。6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのクラスメート。外見こそおとなしそうだが、非常に利発で優れた観察眼を持つ。ちなみに、アストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」の攻略対象キャラクターで、アストリッドには、自分を破滅に導く人物の一人として警戒されている。ゲームでは、父親である宰相が皇帝をないがしろにしているのではないかと考え、父親に意見するものの取り入れられず思い悩んでいた。同時に魔力が少なく、魔術をうまく使いこなせないことが次第に大きなコンプレックスとなっていく。

ベルンハルト・フォン・ブロニコフスキー

貴族の青年。6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのクラスに、教育実習生としてやって来た。さばさばした性格で落ち着き払い、決して周囲に弱みを見せない頼りがいのある兄貴分。ちなみに、アストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」の攻略対象キャラクターで、ゲームではアストリッドが高等部に進学した際に、主人公の少女のクラス担任を務めた。ほかの攻略対象キャラクターと異なり、親しくなるきっかけとなる弱みを持っておらず、また生徒と先生という関係性もあって攻略が最も難しいキャラクターだった。前世のアストリッドがこのゲームの攻略対象の中で唯一好感を抱いたキャラクターということもあり、今世のアストリッドが警戒すると同時に憎からず思っている相手でもある。

ミーネ・フォン・モール

伯爵位の称号を持つ「モール家」の次女。6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクの同級生。新入生オリエンテーションの際にアストリッドに話しかけ、彼女の最初の友人となった。明るい性格の恋に恋する少女で、アドルフ・フランツ・フォン・ヴァレンシュタインに思いを寄せている。兄が騎士団に所属しており、将来性のある騎士としてその存在はアドルフにも認知されている。アストリッドには、危険人物であるアドルフを自分から遠ざけるという目的も含み、その恋路を応援されている。アストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」においては、アストリッドの取り巻きの一人として、主人公のエルザ・エッカートをいじめていた。

ロッテ・フォン・ラムスドルフ

6歳になり、聖サタナキア魔道学院初等部に入学したアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクの同級生の少女。新入生オリエンテーションの際に、ミーネ・フォン・モールを介してアストリッドの友人となった。おとなしい性格で、眼鏡をかけている。シルヴィオ・ハインリヒ・フォン・シュタインに思いを寄せており、アストリッドには、危険人物であるシルヴィオを自分から遠ざけるという目的も含み、彼との恋路を応援されている。アストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」においては、アストリッドの取り巻きの一人として、主人公のエルザ・エッカートをいじめていた。

ゲルトルート

自らがリーダーを務め、エルネスタやペトラとパーティを組んでいる女性冒険者。ポジションは前衛で、両手持ちの大剣の使い手。確かな剣の腕前に加え、落ち着いた性格でリーダーシップに長け、パーティの要となっている。実はエルネスタやペトラとは同じ孤児院の出身ということもあって結束は固く、パーティに四人目の固定メンバーを加えることにはあまり前向きではない。だが、手伝い魔術師として何かと協力してくれているアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクのことは非常に気に入っており、彼女のことは心から仲間として認めている。

エルネスタ

ゲルトルートがリーダーを務める女性冒険者パーティの一人。ポジションは前衛で、片手剣の使い手。おっとりした性格ながら剣の腕は確かで、同じく前衛を務めるゲルトルートとの息の合った連携はかなりのもの。アストリッドが口走った言葉から、彼女のことを食い詰めた貧乏貴族と思い込んでいる節がある。

ペトラ

ゲルトルートがリーダーを務める女性冒険者パーティの一人。ポジションは後衛で、弓の使い手ながら斥候も得意としている。口調は少々荒いところがあるものの優しい性格で、手伝い魔術師としてパーティに雇われ、同じく後衛を任されることとなったアストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクの面倒もよく見ている。アストリッドが口走った言葉から、彼女のことを食い詰めた貧乏貴族と思い込んでいる節がある。

ヴァーリア・マリアンネ・フォン・ヴァルモーデン

聖サタナキア魔道学院高等部2年生の女子で、シュレースヴィヒ公爵家のオイゲンの婚約者。アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクやフリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンが、身分の高さゆえに学院内で精神的に孤立することを危惧して、自らが会長を務めるサロン「精霊の円卓」へと招いた。おっとりした性格で、身分に偏見を持たない懐の深い人物ながら、少々天然気味でマイペースなところがある。また、地のエレメンタルの妖精「リナ」と契約している。

エルザ・エッカート

街のパン屋で働く少女。パン屋の売上金を盗人に強奪された際に、アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクに助けられることとなった。一見ごくふつうの少女だが、アストリッドをもしのぐほどのブラッドマジックの才能を持つ。実はアストリッドが前世でプレイした乙女ゲーム「流れ星に願いを込めて」における主人公で、将来的にアストリッドを破滅へと導く元凶となる存在である。そのため、アストリッドはエルザ・エッカートの機嫌を損ねないよう、高等部になって彼女が聖サタナキア魔道学院に入学してくる前に、なかよくなっておきたいと考えている。だが、貴族としてのプライドからミーネ・フォン・モールたちがエルザにきつく当たるため、うまく目的を果たせずにいる。

場所

精霊の円卓 (せいれいのえんたく)

聖サタナキア魔道学院伝統のサロン。貴族の令息令嬢の中でも選ばれた者しか所属できず、「影の生徒会」とも呼ばれるほどの強大な権力を誇る。現在の会長はヴァーリア・マリアンネ・フォン・ヴァルモーデンが務めている。精霊の円卓は、高等部・中等部・初等部の隔てなく交流し、勉学に関する知識を深め、将来の社交界における人脈を作ることを主な活動内容として掲げているが、実態はお茶とお菓子で楽しくおしゃべりするという、非常にゆるいもの。その根底には、家柄がよすぎるせいで精神的に孤立しがちな者たちの救いの場になるという、理念がある。

その他キーワード

エレメンタルマジック

2種類ある魔術の系統のうちの一つ。水・火・風・土の4種の精霊の力を借りて行使する魔術で、使用者の魔力とイメージ力によって、その効果や性質が変化する。例えば水のエレメンタルマジックなら、純粋に水を出現させるほか、石油のような燃える液体を生成することもできる。アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクは、土のエレメンタルマジックで土の精霊・ノームの力を借り、地中の鉱物を発展させて銃器やジェットエンジンなど、さまざまな兵器を制作することに成功している。

ブラッドマジック

2種類ある魔術の系統のうちの一つ。己の血を媒介にして、体内をめぐる血の流れに直接働きかける魔術で、エレメンタルマジックとは異なり、精霊の力を必要としない。身体能力を高めたり癒したり、逆に人体にダメージを与えることも可能で、やり方によっては脳に干渉して相手の精神をあやつることもできる。ただし、肉体の許容量を超える魔力を使うと筋肉が引きちぎれたりと、重篤な副作用を引き起こす恐れもある。また、人に対してブラッドマジックを行使する際には、相手に触れている必要がある。ブラッドマジックは同じブラッドマジックの防壁でのみ防ぐことが可能で、ブラッドマジックの防壁は、相手の術式が自分を上回らない限り破られることはない。なお、ブラッドマジックはエレメンタルマジックに比べてまだ未知の領域が多く、理論も体系化されていない。

妖精 (ようせい)

羽を生やした、手のひらサイズの少女のような姿をした存在。ただし、人間や魔獣は素質のある一部の者しか、その姿を見ることはできない。近しい存在ということもあって精霊たちと仲がよく、契約した人間が魔術を使う際には、精霊の力を借りやすくなる。すなわち、契約した妖精のエレメンタル属性の魔術は使用に必要な魔力が軽減され、より緻密な制御ができるようになる。これを「妖精の恩恵」という。このため、妖精は魔術師のよきパートナーとされており、一人前の魔術師はなんらかの妖精と契約するのが当たり前となっている。なお、妖精は基本的に人見知りでなかなか人前に姿を見せないうえ、妖精の方から契約する人間を選ぶこともあり、複数の妖精と契約を交わすことは非常に難しいとされている。

流れ星に願いを込めて (ながれぼしにねがいをこめて)

アストリッド・ゾフィー・フォン・オルデンブルクが、前世の女子大学生時代に友人から借りてプレイした乙女ゲーム。世界観は剣と魔法の典型的なファンタジーワールド。皇帝・ヴィルヘルム3世が治めるプルーセン帝国を舞台に、聖サタナキア魔道学園高等部に進学した主人公の少女であるエルザ・エッカートと、第1皇子であるフリードリヒ・ゲオルグ・フォン・プルーセンをはじめとした攻略対象の男性たちの恋愛模様が描かれている。ちなみにゲーム「流れ星に願いを込めて」中のアストリッドは、主人公・エルザのライバルにして彼女に執拗な嫌がらせをする悪役令嬢として登場しており、どのルートでも最終的にはお家取り潰しのうえ国外追放される末路を辿ることとなっている。

クレジット

原作

第616特別情報大隊

キャラクター原案

無惑桑

書誌情報

どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです 5巻 講談社〈シリウスKC〉

第1巻

(2020-02-07発行、 978-4065178003)

第2巻

(2020-05-08発行、 978-4065194232)

第3巻

(2021-01-08発行、 978-4065218914)

第4巻

(2021-08-06発行、 978-4065231319)

第5巻

(2022-04-07発行、 978-4065267349)

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