概要・あらすじ
天聖界と天魔界では、天使と悪魔の戦いが激化の一途を辿っていた。このままでは双方ともに滅んでしまうと考えた天使の王、スーパーゼウスは、ヘッドロココと神帝たちに次界を探す旅に出るよう命じる。その途中、天魔界のプリンセスであるワンダーマリアと恋に落ちたヘッドロココは、旅を続けながら天使と悪魔が偏見なく交流し、分け隔てなく愛し合うことができる道を探しはじめる。
登場人物・キャラクター
ヘッドロココ
天聖界のヘッド。天使悪魔問わず見とれてしまうほどの美青年。天使であり、スーパーゼウスの孫。正義感が強く極めて品行方正だが、美人に弱くて方向音痴、潔癖で騙されやすく、さらに料理の腕が壊滅的など欠点も多い。ワンダーマリアを心から愛しており、愛の泉の水を得ることに成功する。敵地である天魔界に行き女王ノアにワンダーマリアと結ばれる許可を得ようとするほどに実直。
ワンダーマリア
天魔界のプリンセスで女王ノアの娘。気が強く力も強いツンデレヒロイン。ヘッドロココへの愛情を自覚していながらも素直に言葉にできない。しかし、愛の泉の水を得ることによって2人の愛情が視覚化されて以降は、少し素直に振る舞うようになる。悪魔だが料理上手で情に厚く、神帝たちを「ぼーやたち」と呼んで我が子のように愛情を注ぐ。
スーパーデビル
オヤジ顔の悪魔。天魔界を女王ノアと二分して取り仕切っている。シリアスなシーンでは威厳ある口調になるが、普段はオネエ言葉でしゃべっている。ナルシストな自信家で、愛然かぐやを脅迫して結婚を迫ったこともある。ワンダーマリアを醜く描いた似せ絵を配布し、モテないように仕向けるなどの嫌がらせをしていた。
スーパーゼウス
天聖界の王。ヘッドロココの祖父。女好きで、ヘッドロココを次界への旅に送り出した後は複数の女性天使とビリヤード遊びに興じていた。基本的にはヘッドロココと同じくお人好しの善人で、穏やかな老人である。
愛然かぐや (あいぜんかぐや)
天地球の女神。天使でも悪魔でもない「お守り」。清楚でありながらも敵対者には毅然とした態度で接する芯の強さを持つ。ヘッドロココを愛しているが、彼がワンダーマリアと愛の泉の水を得て以降は身を引き、後援に徹する。
キャロル
大根の妖精。ヘッドロココと神帝たちが旅の途中で見つけた。デス・ゾーンに迷い込んでしまったヘッドロココとワンダーマリアを助けに行った結果、瀕死の病にかかり倒れてしまう。しかし2人の愛の泉の水の力によって完治し、野菜の妖精のヘッドに覚醒する。
女神セシール (めがみせしーる)
プリングと愛の泉を治めるといわれる女神。強い愛の絆を持つ恋人たちの前にのみ現れる。愛の泉の試練を乗り越えたヘッドロココとワンダーマリアの前に現れ、祝福として愛の泉の水を与えた。
女王ノア (くいーんのあ)
天魔界をスーパーデビルと二分する権力者であり、正式な統治者。娘であるワンダーマリアを大切に思っており、当初はヘッドロココがワンダーマリアに暗示をかけて操っていると信じ込んでいた。ウォルフカイザーをワンダーマリアの婚約者と定め、ヘッドロココの抹殺を目論む。しかし2人の愛の泉の水によって一時的に蘇った王ルシファの説得により、その関係を静観することを決める。
ウォルフカイザー
美しい容姿を持つ強力な悪魔。スーパーゼウスに封印されていた。女王ノアが決めたワンダーマリアの婚約者で、ひそかに世界征服を志す野心家。プレイボーイだが、目的のためには仲間の悪魔を使い捨てにする冷酷さを持っている。ワンダーマリアとの婚約も政略結婚だったが、手料理に亡き母の面影を見て以降、本当に愛するようになっていく。 かつて孤児だったが、エリスレアの両親に引き取られたという過去がある。チョコレートパフェが好物。
エリスレア
ウォルフカイザーの義理の妹。ワンダーマリアのお目付け役。女王ノアの秘書の1人でもある。ワンダーマリアとヘッドロココの恋の理解者でもあり、折に触れて2人をサポートしている。義兄であるウォルフカイザーをひそかに愛している。たこ焼きが好物。
オーロラ王子 (おーろらおうじ)
スノーリアに住む天使の少年。両親を悪魔化されてしまったことで、悪魔を非常に憎んでいる。悪魔の滅亡を願い、伝説の願いのかなう鏡を探している。鏡を復活させる力を感知することができ、ヘッドロココからあふれる愛の泉の水の力を集めて、願いのかなう鏡を出現させる。
ルウシード
天魔界の森、ウッディ・ウッドの主人で守護神マザーの守護者の少女。静かに暮らすことを望んでいる。天使と悪魔が平和に暮らせる世界を目指すというヘッドロココの言葉に打たれて彼に恋心を抱き、ウォルフカイザーと敵対する。
ヤドリ鬼 (やどりき)
丸く剪定された庭木のような姿の悪魔。天魔界の森、ウッディ・ウッドに住んでいる。ルウシードを愛しており、彼女の心を奪ったヘッドロココに嫉妬心から冷たく接する。ルウシードを守るため、ウォルフカイザーからの攻撃の盾になる。
王ルシファ (きんぐるしふぁ)
若くして散った偉大な王。かつて天魔界を襲った天変地異を鎮めるためにパワーを使い果たした。女王ノアの夫であり、ワンダーマリアの父親。ノアによって保管されていた遺品にヘッドロココとワンダーマリアの愛の泉の水の力が宿って一時的に蘇り、ヘッドロココに悪魔王の剣を渡して2人を次界への旅に送り出した。
イザカ
大きなイカの姿をした天使。アクアーネ国に住む天使たちの王。ヘッドロココとワンダーマリアが愛し合う姿に、かつて愛した悪魔ローラレイとの恋を思い出し、自らの裏切りを悔い苦しむ。
ローラレイ
美しい女悪魔。アクアーネ国に住む悪魔たちの女王シースネイラの妹で、かつてイザカの恋人だった。聞いた者を死に誘う歌で天使たちを苦しめていたが、そんななか、信じていたシースネイラから命を狙われることになる。
シースネイラ
アクアーネ国に住む悪魔たちの女王。巨体で筋肉質ないかつい容姿をしているために、恵まれた容姿の妹、ローラレイを憎んでいた。ウォルフカイザーの後ろ盾を得たことでイザカたち天使を滅ぼそうと動き出し、機に乗じてローラレイの命をも狙う。
ライラ
フローリアに住む一年草の花の妖精。少女の姿の小さな天使だが臆病で自己中心的な性格をしており、悪魔を毛嫌いしている。魔力を消す力を持った花を咲かせることができるが、そのためには自分の持つすべての力を出し切らなければならない。
フローラ
フローリアに住む天使たちの若く美しい女王。本来は笑顔を絶やさない優しい女王だが、フロルの魔力によって洗脳され、悪魔たちに味方している。
フロル
フローリアに住む悪魔たちの王で、若い男の悪魔。ひそかにフローラを愛しており、叶わぬ恋と思い悩んだ結果、洗脳して思いを遂げることを選ぶ。また、フローラを愛していることを知ったものは同族であろうと殺そうとする非情さを持つ。
集団・組織
神帝たち (じんていたち)
ヘッドロココとともに次界を目指す7人の少年天使たち。旅立った当初はワンダーマリアを悪く言うことも多かったが、愛の泉に向かう辺りから2人の親密さを感じ取ったのか、ワンダーマリアを「マリアちゃん」と呼び慕うようになる。折に触れ、7人それぞれがヘッドロココとワンダーマリアの間を取り持っている。
場所
天聖界 (てんせいかい)
心優しい天使だけが住む国。スーパーゼウスが統治している。ヘッドロココの一族は例外的に悪魔にも寛容だが、多くの一般天使たちは悪魔に偏見を持ち、敵視している。
天魔界 (てんまかい)
心悪しき悪魔たちだけが住む国。スーパーデビルと女王ノアが権力を二分して統治している。作中に登場する悪魔のほとんどは普通の人間のように生活している。ルウシードのように天使に寛容な者もいるが、ほとんどの悪魔が天使に偏見を持ち、敵視している。
天地球 (てんちきゅう)
お守りたちだけが住む国。愛然かぐやが統治している。豊かな土壌と豊かな水に恵まれた場所で、デス・ゾーンの病に侵されたキャロルの静養の地ともなった。
次界 (じかい)
永遠の平和の国と呼ばれる伝説の国。スーパーゼウスの命により、ヘッドロココと神帝たちが探し求める新しい世界。そこでは天使と悪魔が争うことなく暮らすことができるといわれている。
デス・ゾーン (ですぞーん)
死の地。理性を失ってやみくもにテレポートすると迷い込むと言われている。迷い込んだ生き物はすべてのエネルギーを奪われて、数時間で死に至るとされる。入口は非常に小さく、大根の妖精キャロルがようやく通れるほど。
プリング
女神セシールが治める国。愛の泉があるとされているが、その詳細は国の住民でも知らない。この国独自の正装が設定されており、女神セシールの前では正装の着用が義務付けられている。
愛の泉 (あいのいずみ)
愛の泉の試練を乗り越えた、強い愛の絆を持つ恋人たちの前にのみ現れるとされる泉。その正体は、女神セシール自身であり、この事実は試練を乗り越えた当人たちと、ともに旅をする者にしか知らされていない。
スノーリア
深い雪に閉ざされた国。次界へ向かうヘッドロココと神帝たちが立ち寄った。住民である天使たちのほとんどが悪魔化させられている。願いのかなう鏡の伝説が口伝されている。
ウッディ・ウッド (うっでぃうっど)
巨大な森。天魔界の木々の要である守護神マザーを中心に据えている。女王ノアが手厚く保護しており、近隣での戦闘行為は禁じられている。また、主人ルウシードが、関係者以外の立ち入りを禁じている。
アクアーネ国 (あくあーねこく)
豊かな水があふれる海の国。次界へ向かうヘッドロココと神帝たちが立ち寄った。イザカたち天使とシースネイラたち悪魔の勢力が拮抗した、微妙なバランスの上に成り立っている。
フローリア
花畑と森に包まれた国。次界へ向かうヘッドロココと神帝たちが立ち寄った。悪魔のフロルが天使のフローラを洗脳し操っており、悪魔が強い勢力を誇っている。
イベント・出来事
愛の泉の試練 (あいのいずみのしれん)
愛の泉を目指す恋人たちに課される試練。恋人の片方がエネルギーを奪われ、力のない動物に変化させられてしまう。ヘッドロココはこの試練で、羽の生えた猫のような生き物にされてしまう。ワンダーマリアが身代わりとなって自ら変化を望んだことで、試練を乗り越えた。
その他キーワード
ヘッド
天使、悪魔、お守りの中でリーダーの資格を持つ者に与えられる称号。各勢力を統括する者とされている。元となった食玩シールで言うところのホログラムシール。
愛の泉の水 (あいのいずみのみず)
女神セシールの祝福のエネルギー。強い愛の絆を持つ恋人たちに与えられる。祝福された恋人たちが遠く離れても、2人に絆がある限り尽きることがない。状況に応じて、さまざまな奇跡を起こす。
願いごとのかなう鏡 (ねがいごとのかなうかがみ)
スノーリアに伝わる伝説の鏡。文字通り願いごとをかなえてくれるアイテムだが、自分勝手な願いは叶えることができない。そのため全悪魔の滅亡を望んだオーロラ王子の願いも拒否されてしまう。その代わりに、平和のために天魔界に行きたいというヘッドロココの願いが聞き届けられることとなる。
守護神・マザー (しゅごしんまざー)
ウッディ・ウッドの中心に立つ大樹。天魔界の住人たちが幸せな時に放つパワーで生きており、国中の木々に力を送ることで国を守るという循環ができている。万能の実といわれる黄金の実をつける。
黄金の実 (おうごんのみ)
リンゴに似た金色に輝く木の実。ウッディ・ウッドにある大樹、守護神・マザーがつける。万能の実とされ、これさえあれば重症の者、病気の者もすぐさま全快させることができる。
悪魔王の剣 (あくまおうのつるぎ)
悪魔王だけが持つことができる剣。ヘッドロココとワンダーマリアの愛の泉の力によって一時的に蘇った王ルシファから、ヘッドロココに贈られた。なおヘッドロココが手にして以降、悪魔王の印として刃先に装飾されていた双頭の竜が消えてしまった。