あらすじ
毒の請け負いリレー
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していて現在は高校生の26名と、当時の担任教師が監禁されたり死傷したりした事件が、機動隊の突入をもって解決された。事件の首謀者であり、6年2組の中心人物でもあった夢崎みきおを含めた12人が死亡したというニュースが流れる中、物語は事件当日へと遡る。真田透は恋人の桐嶋未来と共に、みきおが企画した同窓会へと出席していた。久しぶりの再会にみんなが盛り上がる中、みきおは唯一出席を拒否した谷口純太のバラバラ死体をみんなに見せつける。さらに、パニックに陥って真っ先に逃げ出そうとした中座貴司が、硫酸のスプレーを浴びて死亡する。その場面を目の当たりにした透たちは、リボルバー式拳銃を所持したみきおに監禁されてしまう。「人間の善性は極限状態でどこまで耐えられるのか」という疑問を解消したいと語るみきおは、最初の実験として毒入りのシロップを用いた毒の請け負いリレーを開始する。
学級裁判
梶原弦の提案で、かつていじめを受けていたことを理由に相沢すみれを毒殺した山口茉莉花の学級裁判が開かれることになった。夢崎みきおもこれを第二の実験にすることに同意し、裁判長としてこの裁判を見届けることを約束する。その裁判中に雨宮鈴子は、茉莉花を精神的に追い詰めたのはいじめが原因であり、すみれ同様いじめに加担していた倉本由美、小山内彩に対しても罰するべきだと主張する。真田透はもっと慎重に考えるべきだと意見するが、安藤いろはをはじめとして鈴子の意見への同調者も多く、三人に対する刑罰が議論されることになる。そんな中、弦は三人に科す刑罰を熱心かつ楽しげに提案し、その刑の妥当性を熱弁していた。そんな弦に対してみきおは、あることを強制する。
監獄ロックでロックンロール
同窓会の一日目が終わり、就寝時間までは夢崎みきおが編成したグループに分かれて過ごすことになった。グループごとにリーダー、副リーダーを決めてなかよく過ごせと指示したみきおに、月岡小紅はこれがスタンフォード監獄実験と同じものだと直感する。ほんの短時間の役割分担では人間は狂わないと自信を持つ小紅に対し、みきおはさらにリーダーと副リーダーを看守、そのほかのメンバーを囚人として扱い、看守が囚人の肉体に与えたダメージに応じてポイントを獲得できる監獄ロックでロックンロールという、第三の実験を始めると告げる。一番ポイントの低いグループの看守は殺され、一番高いグループは全員が翌日の実験が免除され、さらに全グループ0点の場合はすべての実験を中止して解放されるルールに、真田透と早乙女菊也は全員が0点でいることを信じ、決してメンバーに暴力を振るわないことを決意する。
不人気投票と二者面談
監獄ロックでロックンロールでは月岡小紅たちのグループが圧勝した翌日、坂本大聖が何者かによって殺害されていた。この殺人には夢崎みきおも関与していないと語り、みきお自身も予測していなかった状況に苛立ちを見せる。犯人の手がかりもつかめない中で、第四の実験である不人気投票が開始される。全員が一票ずつ、メンバーの中で誰が最も悪人と思うかを投票するというこの実験は、真田透の機転で誰も犠牲にならずに切り抜けることに成功する。そして、なぜかあせった様子を見せるみきおに、透は食事の時間を利用して二人きりで対話する。そこでみきおは透に、何者かがこの同窓会と実験を乗っ取ろうとしていることを打ち明ける。その者こそが大聖を殺害した犯人かもしれないと告げられても半信半疑の透だったが、みきおの表情に真剣さを感じ、同窓会に参加しているメンバーの矛盾点を考え始める。
花いちもんめ「改」
生き残っているメンバーと、夢崎みきおとの二者面談が終わったあと、五番目の実験である花いちもんめ「改」が開始される。二者面談の際、「嫌いな人物」として名前を挙げられた11人が「罪人」と称して拘束され、その中には真田透、桐嶋未来も含まれていた。拘束されていない10人が、「天使」となって助けたい「罪人」を選択する。選ばれた罪人は解放されるが、天使は同時に、この場に不要だと思う罪人も選んで、その肌を傷つけなければならない。さらに、最後に残った一人は最も不要な人間として、厳しい罰を受けることになると宣告される。傷つけることを恐れて躊躇する天使の面々に、透は自分を傷つけるように呼び掛ける。しかし、安藤いろはが不要な人物として杉田将矢を選んだことで、あきらかに流れが変わり始める。
王様ゲーム
花いちもんめ「改」のあと、桐嶋未来が杉田将矢に、そして将矢が夢崎みきおに殺害される。将矢に復讐することもできず失意に沈む真田透に、みきおはこの同窓会を企画提案したのは母親の夢崎亜矢子であること、透の善性を試すためだけに6年2組の面々を巻き込んだことを告白し、透に自分が持っていた拳銃を差し出す。しかし、透はみきおを殺害することができず、くじで決まったグループでそれぞれに王様を決め、強い電流の流れる腕輪を身につけたメンバーを統治するという、六番目の実験である王様ゲームが始まってしまう。そんな中、長谷部弘二が暴走し、電流の恐怖でメンバーを支配する弘二は、桜庭橋子たちを弄ぶ。
みきおの死後
王様ゲームの終了を告げないまま、夢崎みきおが殺害される。真田透たちは困惑する中、みきおの所持していた二丁の拳銃が盗まれていることが発覚する。さらに死亡したと思われていた桐嶋未来が実は生存しており、不意を突いてみきおを殺害する予定だったことを安藤いろはが告白し、周囲にはさらなる動揺が走る。しかし、その未来までもが屋上で遺体となって発見されたことで、これまで過剰なほど道徳的に振る舞っていた透がついに暴走を始め、未来を殺害した犯人を見つけるまで全員監禁状態を続けることを宣言。一方で月岡小紅と溝口隼也人は、監視カメラのデータがすべてクラウドにアップロードされており、しかもそれをみきおの母親の夢崎亜矢子だけが把握していることを知る。
テレビドラマ
登場人物・キャラクター
真田 透 (さなだ とおる)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。ボサボサの黒髪で、つり目の三白眼が特徴。夢崎みきおには、自分の知っている人物の中で真田透が一番の善人だと評されるほど正義感が強い。桐嶋未来と付き合っている。周囲から「みきおから特別扱いを受けていた」と言われるほど、みきおとは仲がよかった。かつて校庭の片隅で頭が腐って死にかけていた子猫を真っ先に抱き上げたことから、クラスの中で最も優しいと思われているが、少々世間ズレしているところがある。同窓会のあとなぜか投獄されている。周囲からは「ネズ」と呼ばれている。
記者 (きしゃ)
マスメディアの記者を務める女性。外ハネにした短い茶髪で、眼鏡を掛けている。四ノ塚小学校で行われた6年2組の同窓会で生き残ったメンバーを訪ね歩き、同窓会で起こった出来事を調べている。特に夢崎みきおが事件を起こした動機について興味を持っており、投獄されている真田透にも面会室で取材を行った。
夢崎 みきお (ゆめさき みきお)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。黒髪で前髪が長く、白衣を身につけている。もともと6年2組の中心人物で、真田透たちは気づいていなかったが、小学生の頃から周囲の人間関係を観察して情報を収集、操作、支配することが得意だった。パニックホラー映画を見たことがきっかけで、「人間の善性は極限状態においてどこまで耐えられるのか」という実験をしたくなったと語っており、そのために同窓会を企画したと告白している。実験のため、6年2組に在籍していた25人を取り壊しの予定されている、四ノ塚小学校校舎に3日間の期限をもうけて監禁した。リボルバー式拳銃のピースメーカーを用いて同窓会場を支配している。ほかのメンバーとは異なり、透に対してのみ感情豊かな表情を見せる。二者面談において透や水野カイト、橘公平たちに実験を乗っ取ろうとしている人物がいることを示唆している。
桐嶋 未来 (きりしま みらい)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。黒髪のショートカットで、かつてのクラスメート全員からかわいいと言われていたほど容姿が整っている。真田透と付き合っているが、同窓会に参加したメンバーには内緒にしている。透のためならどんなことも躊躇なくやってのける大胆さを持ち、夢崎みきおが毒の請け負いリレーの終了を伝えたあと、みきおを殺害するつもりで毒を盗み出している。
早乙女 菊也 (さおとめ きくや)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。長身で目つきが鋭く、茶髪をオールバックにして口周りに髭を蓄えている。正義感が非常に強く、真田透からも信頼されている。小学校時代はおかっぱ頭でよく女児にまちがえられており、「えのき」というあだ名を付けられていた。男気にあふれており言動も冷静で、同窓会においては友人たちを守るために自分の命を賭す覚悟を決めていた。
雨宮 鈴子 (あまみや すずこ)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。肩下までの茶髪にパーマをかけ、コンタクトレンズを使用している。小学校時代は黒髪ロングヘアで眼鏡を掛けており、地味な印象だった。過去に橘公平から性的行為を伴う陰湿ないじめを受けていたことから、毒の請け負いリレーで公平の生殺与奪の権利を手にした際、その悪行を暴露して謝罪を要求した。また、山口茉莉花の罪を問う学級裁判では、茉莉花をいじめていた倉本由美と小山内彩にも罰を与えるべきだと主張した。真田透に好意を抱いている。
杉田 将矢 (すぎた しょうや)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。「しょーやん」のあだ名で呼ばれているほか、動画配信者として「SHOW-YA」というハンドルネームを使用している。同窓会では毒の請け負いリレーの最中に隠し撮りを行っていたが、それが夢崎みきおの逆鱗に触れ、メンバー全員の携帯が没収される事態を招いた。監獄ロックでロックンロールでは、その場の雰囲気に乗じて長谷部弘二と共に石井礼夏に性的暴行を加えようとした際に、止めに入った雨宮鈴子によって左目を潰されている。自分が傷つかなければ他人を平気で傷つける卑怯な性格で、自分の思いどおりにならないとすぐに暴言を吐くため、メンバーの多くから不興を買っている。
倉本 由美 (くらもと ゆみ)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。長い茶髪をポニーテールにしている。小学生時代は小山内彩、相沢すみれと共に山口茉莉花をいじめていた。茉莉花の罪を問う学級裁判で、茉莉花をいじめていた側にも罪があるとされ、左手の薬指と右手の小指を砕かれている。他人から恨みを買うことを恐れ、花いちもんめ「改」では罪人にグループ分けされたメンバーを誰も傷つけることができず、結果的に全員を傷つけることになる。
橘 公平 (たちばな こうへい)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。前髪が長めの茶髪をゆるく七三分けにしており、黒ぶちの眼鏡を掛けている。かつて6年2組の学級委員長を務めていたことから、「委員長」と呼ばれている。毒の請け負いリレーに強制的に参加させられた際、過去に雨宮鈴子に行った陰湿で性的ないじめを暴露され、メンバーからの信用を失った。しかしその後、橘公平自身の弱さと非道さを自戒し、以降は他人を傷つけないように心がけている。
桜庭 橋子 (さくらば きょうこ)
かつて四ノ塚小学校の6年2組の担任を務めていた女性教師。茶髪を外ハネしたショートヘアで、右目の下に泣きぼくろがある。つねに周囲の状況に流されやすい性格のため、生徒たちからは口先だけの無能者だと思われているが、教育に熱心なのは生徒たちからも認められている。
溝口 隼也人 (みぞぐち はやと)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。ボサボサの茶髪ヘアで、頰にそばかすがある。小学生時代から、自分には中身も取り柄もないとコンプレックスを抱いているが、以前、坂本大聖に褒められた言葉をよりどころにしている。想定外の事態が起こるとパニックに陥りやすいところがある。
黒田 大樹 (くろだ だいき)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。ワックスで固めた黒髪で、大きな目をしている。毒の請け負いリレーでは長谷部弘二、水野カイトと共に雨宮鈴子の生殺与奪の権利を手にした際、鈴子から「自分の体を好きにしていい」という条件を提示されて毒を請け負うことを承諾したが、それ以来、すべての女子から毛嫌いされている。
長谷部 弘二 (はせべ こうじ)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。黒髪を肩上まで伸ばしており、筋肉質な体型をしている。監獄ロックでロックンロールでは月岡小紅の指示に従って石井礼夏を暴行したあと、自らの意思で再び礼夏に性的暴行を加えようとした。王様ゲームでは暴走を繰り返し、グループメンバーを暴力で支配した。
水野 カイト (みずの かいと)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。茶髪のショートヘアで、前髪を長く伸ばしている。誰かを殺害した者は、すべて即死刑に処すべきという過激な考え方の持ち主。小学生時代からガキ大将で、自分が格下だと認識している人間に反論されるとキレて恫喝する。しかし、自分の暴力性は自らの弱さからくるものだとの自覚があり、反省する様子も見せている。
山口 茉莉花 (やまぐち まりか)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。肩までの金髪にメッシュを入れており、ハーフアップツインテールにしている。当時は、相沢すみれや倉本由美、小山内彩からいじめを受けていた。また、真田透を一番苦手な人物だと認識しており、クラスメート全員を嫌っていた。すみれを殺害したことを杉田将矢に告発され、学級裁判が開かれた結果、左腕と右足を砕かれることとなった。
小山内 彩 (おさない あや)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。明るい茶髪を低い位置でツインテールにしている。当時は、倉本由美や相沢すみれと共に山口茉莉花をいじめていた。人の話をよく理解しないまま受け流す癖があり、長いものには巻かれるタイプで、主体性がなく同調圧力に非常に弱い。茉莉花の罪を問う学級裁判の結果、茉莉花をいじめていた側にも罪があるとされ、左手の薬指と右手の小指を砕かれている。
梶原 弦 (かじわら げん)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。マッシュルームボブヘアで、中性的な顔立ちをしている。山口茉莉花が相沢すみれを殺害した犯人だと判明した直後、学級裁判を開くことを提案した。他人を責めることに喜びを覚える性癖があり、茉莉花や倉本由美、小山内彩の罪の重さとその刑罰について非常に熱心に語った。しかし、その刑罰を自らの手で加えることとなり、自分を安全圏に置いて他人を傷つけて喜ぶ自らの弱さと非道さを自戒し、以降は他人を傷つけないように心がけている。
及川 龍雄 (おいかわ たつお)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。山口茉莉花の罪を問う学級裁判では、雨宮鈴子に同調した。小学生時代からクラスメートに見下されていると感じており、さらに中学校ではいじめを受けたことから、茉莉花の境遇とその行為に少なからず賛同している。王様ゲームで暴走した長谷部弘二に追従し、梶原弦らに暴行を加えた。
安藤 いろは (あんどう いろは)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。長い茶髪をゆるい二本の三つ編みにして、眼鏡を掛けている。山口茉莉花の罪を問う学級裁判では、雨宮鈴子に同調した。また、坂本大聖が何者かによって殺害された夜、一人で行動していたところを複数のメンバーに目撃されており、容疑者として名前を挙げられた。
犬飼 陽一 (いぬかい よういち)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。長身の坊主頭で野球部に所属しているが、ボールをコントロールする能力が壊滅的に欠けている。お調子者で、担任だった桜庭橋子のことを無能だと考えているが、人間としては信頼しており、自らを責める橋子の様子を見て内心心配していた。
月岡 小紅 (つきおか こべに)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。黒髪のロングヘアで、追い詰められると思考が短絡的になってしまう。監獄ロックでロックンロールでは、グループメンバーの石井礼夏を拘束し、暴行を加えた。また、その際に止めに入った雨宮鈴子にも暴行を加えている。
石井 礼夏 (いしい れいか)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。茶髪のショートボブで、右目を前髪で隠している。月岡小紅のように知的で、桐嶋未来のように芯が強い性格にあこがれ、二人のようになるために正義感に満ちた振る舞いを心がけていた。監獄ロックでロックンロールにおいて、グループ内の一人だけを暴行しようと提案した杉田将矢に反対したが、小紅や長谷部弘二に暴行を受けたことから、特に小紅への憎悪を募らせる。かつて小紅に、髪型とスタイルが石井礼夏にマッチしていると褒められてからずっと同じ髪型を維持しているほど、小紅を友人として大切に思っていた。
葉月 依利奈 (はづき えりな)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。ウエーブがかった茶髪の長いワンレンヘアで、ボディラインが強調されたセクシーな容姿をしている。正義感と責任感が非常に強く、小学校の頃に理不尽な言動の教師に対して堂々と反論し、手をあげた教師を停職に追い込んだことがある。その精神的な強さは同窓会においても発揮され、どんなときも自分の考えを曲げることはなかった。その姿勢は夢崎みきおも認めており、「全員が葉月依利奈のようになれたらいいのに」と評価している。
谷口 純太 (たにぐち じゅんた)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。スレンダーな体型で、茶髪が肩につくほどの長さにしている。同窓会には参加せず、さらに同窓会を妨害しようとしたため、夢崎みきおによって殺害され、解体されたうえでダンボール箱に詰められる。
中座 貴司 (ちゅうざ たかし)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。小太りな体型で背が低く、髪をモヒカン気味のツーブロックにしている。同窓会の開始前、谷口純太の死体を発見してパニックに陥り、慌てて校外に出ようとした際に硫酸のスプレーが噴射される罠にかかって死亡する。
小清水 唯 (こしみず ゆい)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は16歳。黒髪をおかっぱにしており、つり目の三白眼が特徴。雨宮鈴子の親友で、毒の請け負いリレーでは毒を飲んだ鈴子を誰よりも心配し、鈴子の次に毒を飲んだ黒田大樹が鈴子になんらかの性的行為をしたことに気づいて激怒した。
相沢 すみれ (あいざわ すみれ)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた女子高校生。年齢は17歳。ボサボサのショートヘアで、濃い色のセーラー服を身につけている。当時、倉本由美、小山内彩と共に山口茉莉花をいじめていた。現在は女子サッカーの名門校に入学し、スタメンに選ばれるほど身体能力は高い。毒の請け負いリレーが終了したあと、夕食のカレーを食べた際に、何者かが混入した毒で中毒死する。
坂本 大聖 (さかもと たいせい)
かつて四ノ塚小学校の6年2組に在籍していた男子高校生。年齢は16歳。黒髪のベリーショートヘアで、眼鏡を掛けている。気が非常に小さく、監獄ロックでロックンロールでは、月岡小紅たちが石井礼夏を暴行するのを目の当たりにしながらも、ただうずくまるだけで止めようともしなかった。
夢崎 亜矢子 (ゆめさき あやこ)
心理学者の女性で、夢崎みきおの母親。黒髪をおかっぱボブヘアにしている。かつては国立大で教鞭を執っており、周囲からは「恐ろしく優秀で、見た目は天使」と評されていた。しかし、殺人事件を起こしてから行方不明となり、みきおだけが年に数回、夢崎亜矢子と秘密裏に会っていた。みきおの死についても悲しむ様子がなく、監視カメラの解析によって亜矢子は犯人を知っていたにもかかわらず、パニックに陥る真田透たちの様子を見て楽しんでいた。
集団・組織
6年2組 (ろくねんにくみ)
四ノ塚小学校の6年2組。かつて桜庭橋子が担任を、橘公平が学級委員長を務めていた。真田透は在籍していた26人全員が仲のいい最高のクラスだったと考えていたが、実際は雨宮鈴子が公平に、山口茉莉花が倉本由美や小山内彩、相沢すみれにいじめられていたりと、水面下ではドロドロとした人間模様があった。
場所
四ノ塚小学校 (しのづかしょうがっこう)
かつて真田透ら26人が通っていた小学校。取り壊しが決まっているが、6年2組の同窓会の舞台として夢崎みきおが選び、宿泊用の寝具や仮設のシャワー施設まで準備された。6年2組の教室がある階から下の階に降りようとすると硫酸のスプレーが噴射される罠が仕掛けられていたり、宿泊している教室の窓から下に降りようとすると高圧電流の流れるワイヤーの仕掛けがあったりと、脱出は不可能とされる。
その他キーワード
同窓会 (どうそうかい)
かつて6年2組に通っていた26人中25人の生徒と、当時の担任教師が参加したクラス会。夢崎みきおの提案で四ノ塚小学校で行われた。8月19日から二泊三日の予定で、参加した真田透らはふつうの同窓会だと考えていた。しかし、実際には人間の善性を問う実験が行われ、毒の請け負いリレーや監獄ロックでロックンロールなどでは、互いの信頼関係にヒビを入れることが目的と考えられるルールが設けられていた。報道では3日間で12名が死亡したとされている。
毒の請け負いリレー (どくのうけおいりれー)
夢崎みきおが行った最初の実験で、一日目の昼に行われた。みきおが指名した人物が「Drink Me」と書かれたタグ付きの小瓶に入った毒を飲み、再びみきおが別人を指名して、その人物が10分以内に毒を飲めば前回毒を飲んだ人物に解毒剤が投与される。これを七回繰り返して成功すれば実験終了となる。ただし、誰が毒を飲むかを決めるくじはみきおによって操作されており、怨恨関係にある人物が選ばれる。
監獄ロックでロックンロール (かんごくろっくでろっくんろーる)
夢崎みきおが行った三番目の実験で、一日目の夜に行われた。スタンフォード監獄実験がモチーフとなっており、みきおが定めたグループのリーダーと副リーダーを看守、残りのメンバーを囚人に割り当てて行われる。ただし、スタンフォード監獄実験と違い、看守が囚人に与えた肉体的ダメージに応じてポイントが与えられ、一番ポイントが高いグループは翌日の実験を免除され、一番ポイントの低かったグループの看守は殺害される。また、全グループ0点だった場合は残りの実験が中断され、全員が解放される。
不人気投票 (ふにんきとうひょう)
夢崎みきおが行った四番目の実験で、二日目の朝に行われた。6年2組の同窓会に参加したメンバーの中で、誰が最も悪人であるかを決めるもので、一人一票ずつ投票する。白紙投票は許されておらず、一番票を集めた人物には罰が与えられる。
花いちもんめ「改」 (はないちもんめかい)
夢崎みきおが行った五番目の実験で、二日目の昼に行われた。みきおが行った二者面談において「嫌いな人物」に名前を挙げられた11人が「罪人」として拘束され、名前を挙げられなかった10人が「天使」となって助けたい「罪人」を選択する。選ばれた罪人は解放されるが、天使は同時に、最も不要な罪人も選んで、その罪人の肌にナイフで10センチ以上の切り傷を作らなければならない。また、天使が不要な罪人を選べなかった場合は、みきおが拘束されている罪人全員を傷つけるルールが設けられている。最後に拘束されたまま残った一人が「一番いらない人間」として、厳しい罰を科される。
王様ゲーム (おうさまげーむ)
夢崎みきおが行った六番目の実験で、二日目の夜に行われた。6年2組を四つのグループに分け、1時間以内にグループ内の王様を決定する。王様以外のメンバーには番号が割り振られた腕輪が配布され、王様がリモコンで番号を押すと、その番号に該当する腕輪に強力な電流が流される。
書誌情報
なれの果ての僕ら 8巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2020-04-17発行、 978-4065191316)
第2巻
(2020-06-17発行、 978-4065197424)
第3巻
(2020-08-17発行、 978-4065203378)
第4巻
(2020-10-16発行、 978-4065210154)
第5巻
(2021-01-15発行、 978-4065218006)
第6巻
(2021-03-09発行、 978-4065226421)
第7巻
(2021-06-09発行、 978-4065234181)
第8巻
(2021-08-06発行、 978-4065244753)