はぐれアイドル地獄変

はぐれアイドル地獄変

空手家グラビアアイドルが、タレントとして際どい格好で仕事をこなし、時には貞操を賭けたトラブルにも巻き込まれていく。AV堕ちの間際から、自分の肉体を武器に芸能界で這い上がっていく様を、コメディタッチに描いた作品。ただのお色気漫画ではなく、異種格闘戦に臨む空手家の心理描写や技の解説も充実しており、格闘漫画としての側面も強い。スピンオフ作品に『はぐれアイドル地獄変外伝 プリンセス・セーラ』がある。「別冊漫画ゴラク」2014年4月号から12月号まで連載の後、掲載誌を移し、「漫画ゴラクスペシャル」2015年3月号から連載を再開した。コミックス第3巻と第4巻には、ファン目線からの特別編「乳神ラヴァーズ」も収録されている。

正式名称
はぐれアイドル地獄変
ふりがな
はぐれあいどるじごくへん
作者
ジャンル
バトル
レーベル
ニチブンコミックス(日本文芸社)
巻数
既刊16巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

南風原美空AVデビュー(第1巻)

空手の心得のある南風原美空は、歌手になることを夢見ながら、芸能事務所「スペースウルフ」所属のグラビアアイドルとして活動していた。だがある日、社長の真田ヒカルに呼び出され、AV出演を命じられてしまう。グラビアアイドルからAV女優に転落した美空の初仕事は、鬼才、ビクター伊庭による企画AVで、その内容は、男優との百人組手をクリアできなければ輪姦、というとんでもないものだった。一方で、クリアできれば、美空はカメラの前で歌うことができ、その歌をDVDに収録するという条件を承諾してもらうことに成功。ちなみにその際は、アダルトシーンは男優相手ではなく、共演するAV女優、豪島セーラが担当することとなった。こうして美空は、AV女優にしてカポエイラの達人であるセーラや、元アマレス五輪強化選手のAV男優らを相手に、自身の貞操や歌手デビューを賭けた戦いに身を投じる。

南風原美空テレビデビュー(第1巻)

百人組手のAVで空手家としての実力を見せつけた南風原美空に、地上波でのバラエティ番組のオファーが舞い込む。「人体の急所も凶器化できるのか?」という疑問から、自らのKカップの爆乳を使ってスイカを叩き潰すことを指示されるが、何とかクリアする。また、動物園から逃げ出したオオアリクイを捕獲するよう指示された時は、人気のない深夜ロケで七光りクズAD、登呂左門に身体を要求される中、オオアリクイも現れ、鋭い爪が美空を襲う。権力vs空手vs野生の対戦が始まる。

日本KGB結成(第2巻)

敏腕マネージャー、水谷ユキが発起人となり、アイドルユニット「日本KGB」が発足された。そのメンバーに選ばれた南風原美空は、同じくメンバーの原玲、翼田べる子とともにアイドルデビューを果たし、一気にブレイクする。だがそんな中、水谷が以前在籍していた武闘派芸能事務所「オオトモ」に拉致されてしまう。そして「オオトモ」は、人質の水谷を盾に、「日本KGB」に対しIOC委員会への夜の性的な接待を命じるのだった。豪島セーラの司会で行われた接待は、もはや「日本KGB」の公開処刑の場となっており、その扱いに美空の怒りが爆発。美空は、仲間たち全員を助けるための条件として提示された、元大関、ヴラドロシュとの異種格闘ノールール一本勝負に挑む。

更科詩子登場(第2巻)

タレントとして売れ始めた南風原美空は、脱ぐことに抵抗を感じ始めていた。一方で、イメージビデオも酷評されており、豪島セーラから、ファンに対する向き合い方を指摘されてしまう。そんな中、美空の所属する「スペースウルフ」の新人、更科詩子が、アイドルDVDランキングで1位を獲得。世代交代の波を身体で感じた美空は、グラビアアイドルとしてギリギリのところまで脱ぐ覚悟を決める。また、1日マネージャーとして詩子と過ごした美空は、詩子の家柄や芸能界に入ったきっかけを聞き、業界の邪な者たちから詩子を守るという決意も固めるのだった。

映画出演(第3巻)

ビクター伊庭が初の非アダルト映画を手掛けることとなり、南風原美空はその映画のオファーを受ける。だが、共演者である全米テコンドーオープン優勝者、チェユニのスピードに怖気付いた美空は、アクションシーンでミスを連発してしまう。ユニの足技に対する恐怖を払拭するため、美空はロケ地宿泊先の温泉で、ユニに組手を申し込む。一方で、元天才子役、桑折嶺音は復帰作としてこの映画に賭けていたが、共演者の演技レベルの低さに辟易していた。そして、嶺音の納得がいかない中、撮影シーンにOKを出していく桑折に対し、完成作品の出来映えを予想して葛藤するのだった。さまざまな思いが渦巻く中、撮影はクランクインに向けて進行していく。

翼田べる子vsマッスル山北(第3巻)

ボディビルダー、マッスル山北は、ボディビルとフードファイトのスポーツとしての地位向上を目的に、フードファイター、翼田べる子に宣戦布告する。一方のべる子は、自身の所属するアイドルグループ「日本KGB」の冠番組の企画を通すため、エルンストマーラーとの特訓を経てこの対戦に臨む。世界一を決める30分一本勝負にて2人の意地がぶつかり合う。

美空と玲のレズ関係(第4巻)

南風原美空原玲は、アイドルグループ「日本KGB」のキャラ作りのため、レズという設定にされてしまう。その設定はプライベートにも持ち込まれており、そんな状態を清算するため、美空はあいまいな関係を終わせようと玲に提案。しかし玲は簡単には受け入れず、友達に戻るか恋人関係になるかを賭けた、セックス勝負を挑んで来るのだった。

スペースウルフのある一夜(第4巻)

芸能事務所「スペースウルフ」のタレントたちの飲み会後、南風原美空屋敷クリスは事務所に戻って飲み直す。美空は潰れて寝てしまうが、残業していた矢島ノブオは酔ったクリスに迫られ、身体の関係を持ってしまう。その頃、プロの愛人として稼いでいた暁星れいあは、最近知り合った新しいパトロン、池崎玄助にハードなプレイを強要され、全治3か月の重傷を負わされてしまう。事実を知った美空と屋敷クリスは池崎に復讐を果たすが、この事件が池崎との因縁の始まりとなり、美空に刺客が送られるようになる。

空手vs剣術(第4巻)

池崎玄助から剣術使いの人斬りヤクザが、刺客として南風原美空に送られる。仕事からの帰り道に立ち寄った公園のトイレで、日本刀の襲撃を受ける美空。逃げ切れないと悟り、無傷で切り抜けることを諦め、何が何でも「一撃」を返す決意を固めて対峙する。お互い「必殺」を持つ者同士の神経戦が始まった。

女子ボクシング世界戦(第4巻)

南風原美空が以前に番組で取材した今宮エビスが、女子ボクシング世界戦に出場することが決定した。しかし、試合開始5秒でチャンピオン、ライラのカウンターを受け、試合はあっさり終了してしまう。試合中にも集中することなく、エビスのことを見下しているライラの態度に、美空は腹が立って仕方ない。そんな美空に対し、ライラはリングに上がるよう挑発。美空は売られた喧嘩を買ってしまうが、本来人格者であるライラがこのような行動に出たのには、ある理由があった。

南風原美空絶体絶命(第5巻)

池崎玄助の策略により、南風原美空は拉致されてしまう。しかし、美空のスキャンダルを狙っていた初見陽芽は、仕掛けていた盗聴器により一部始終を把握していた。池崎に拘束されて抵抗できない美空は、命の危険を感じるものの、決して諦めず戦うことを決意する。そんな中、本来ならば商売敵である初見は、美空の危機を知ってしまった以上放っておけず、救出のために動き出す。

日本KGBそれぞれの恋模様(第5巻)

南風原美空原玲のレズセックスフレンドの関係はズルズルと続いていた。玲は美空に対して恋心を抱いていることを伝えるが、美空は自分の気持ちがわからずに悩んでいた。さらに先日の拉致事件により、美空は不感症になっていたのだ。自慰行為をしても何も感じず、豪島セーラに相談するが、解決に至らなかった。そこで自分自身と深く向き合った美空は、ようやく自分が玲を愛していることを自覚するのだった。そんな中、翼田べる子は、恋人として付き合っていたサッカー選手、エルンストマーラーとの熱愛が報道されてしまう。愛人として付き合っているフランツフォンシュライヒャー伯爵にも、エルンストとの関係がバレてしまい、べる子を巡って争いが勃発。セレブとして表舞台で責任を背負って生きるか、愛人として悠々自適に暮らすかの選択を迫られるが、決め切れないべる子。そこでフランツは、幼女の肛門にしか性的に興奮しないエルンストが、べる子とノーマルのセックスをすることができるか、試すように告げるのだった。

詩子お見合い(第5巻)

芸能事務所「スペースウルフ」所属のアイドル、更科詩子がお見合いをすることとなった。だが、そこに現れたのはテレビ局「見本テレビ」のクズAD、登呂左門だった。保護者として詩子に同行した南風原美空は驚愕し、登呂の本性を知る者として、この縁談をぶち壊すことを心に誓う。

登場人物・キャラクター

南風原 美空 (はえばる みそら)

沖縄県出身の女性。年齢は19歳。長身で褐色の肌とKカップの爆乳の持ち主。2歳の頃から実家の道場で父親に空手を教わっている。過酷なトレーニングにより、文字通り「一撃必殺」を体現する実力を身につけ、その腕前は達人と評される域に達している。歌手になることを夢見て上京して来たところ、矢島ノブオにスカウトされて、芸能事務所「スペースウルフ」所属のグラビアアイドルになった。 デビュー後の半年間まるで芽が出ず、イメージビデオを1本出した時点で、事務所の社長、真田ヒカルよりAV出演を承諾させられてしまう。この時、AVの監督を務めるビクター伊庭に、百人組手をして、100人抜きを達成できなければ輪姦される、というとんでもない企画を立てられてしまう。 相手の中には格闘技経験者も混ざっていたが、かろうじて条件を達成し、輪姦だけは免れることに成功。この時にAV女優、豪島セーラと知り合い、プライベートでも交流を持つようになる。また、この企画で空手の実力を見せつけたことがきっかけで、TVの仕事も舞い込むようになり、バラエティタレントとして活動するようになる。 のちに水谷ユキプロデュースのアイドルユニット「日本KGB」のメンバーとして抜擢。話題作りのためにメンバーの原玲とレズ設定を続ける内に、女性も恋愛対象になっていく。タレントに転向して成功を収めたので、事務所の先輩たちからも期待されている。また、事務所の後輩である更科詩子を溺愛しており、邪な男たちから守ろうと意気込んでいる。 小平市に住んでおり、事務所がある新宿まで駅伝選手並のスピードで走って出勤している。その姿を拝むと御利益があると、都市伝説的に噂され、一部では「乳神様」と呼ばれ、南風原美空のバストは「御神体」とされている。因みに男性経験がなく、未だ処女。酒に弱く、アルコールが入るとすぐに寝てしまう。 歌手を目指しているが、歌が壊滅的に下手で、周囲には歌手は無理だと確信されている。

豪島 セーラ (ごうじま せーら)

現役女子大学生にしてAV女優。黒のロングヘアに、身長145cmという小柄な体型をしている。年齢は20歳。高校在学中から18歳になるや否やAVに出演し、AV女優の3大NGであるレズ、SM、スカトロを全面解禁した猛者。豪島セーラの名は業界内では「生ける伝説」として知られており、「性の鉄人」とも評されている。出演したAVは3年で500作にも上り、最近では自身のAVの監督を兼任したり、海外サーバーを経由しての無修正動画配信にも挑戦している。 南風原美空とは百人組手のAVで共演して以降、プライベートでも交流を持ち、美空が仕事に悩んだ時などには、アドバイスを送る仲になる。英語が堪能で、かつて共演した黒人AV男優にカポエイラを習っており、その腕前はインストラクターの資格を持つほど。 私生活においては、メスブタを長年奴隷として調教しており、公私にわたり世話をさせている。通っている大学では本名の「小島聡子」を名乗り、眼鏡をかけた地味な理系女子に扮して生活しており、人付き合いも避けている。工学部に所属しており、「殺人ピストンマシン」など、仕事で使う道具を自作することもある。

ビクター伊庭 (びくたーいば)

AV監督として活躍する男性。ひげ面で、鍛えられた肉体を持ち、迷彩服を好んで着ている。格闘技好きで、女優に百人組手をさせたり、国会議事堂前で相撲を取らせたりと、「戦う女」に強いこだわりを持つ。のちに南風原美空を主役に指名して、非アダルト作品の映画に初挑戦するが、その内容もバトルシーンがメイン。

真田 ヒカル (さなだ ひかる)

芸能事務所「スペースウルフ」の社長を務める男性。長髪でひげを生やしている。AV事務所や映像会社を系列会社として持っており、昔からの仲間たちと経営している。若い頃にはバリバリのヤンキーとして鳴らしていたこともあり、周囲からの評価は「基本的に悪人」「永遠の不良」。また、その経歴から喧嘩が非常に強い。グラビアアイドルに対する見切りが早く、すぐにAVに出演させようとする傾向がある。 所属のタレントたちとの飲み会を開催することもあり、その関係は悪くない。矢島ノブオとは学生の頃からの付き合いで、まだ大学生だった矢島を芸能事務所に引き入れた張本人。

矢島 ノブオ (やじま のぶお)

芸能事務所「スペースウルフ」で働く男性。眼鏡をかけた、真面目そうな外見をしている。仕事もきっちりとこなし、所属のタレントたちからは、社長の真田ヒカルと真逆の性格と評されている。小学4年生の頃、塾をサボって入り浸っていたゲームセンターで、高校1年生だった真田と出会って以降、彼の弟分となり、憧れを抱くようになった。その後は一時的に真田と連絡が取れなくなっていたが、中学生になってグレていたところで、裏社会の上役となっていた真田と再会。 そこから再び行動をともにするようになり、大学に進学した時に真田に誘われ、「スペースウルフ」の仕事を手掛けるようになった。自社のタレントである屋敷クリスと酔った勢いで体の関係を持ってしまい、しばらくは曖昧な関係が続いていたが、のちにクリスに告白され、正式に付き合うこととなる。

翌田 べる子 (よくた べるこ)

大食いタレントの女性。髪型は黒髪のツインテールで、一見してまるで幼女のようだが、実は成人している。バストのサイズはBカップ。全米フードファイトの記録保持者であり、一度に食べる量は20kgともいわれる。フードファイトに関わる内臓のトレーニングとして、アナルセックスを積極的に行なっている。もともとジュニアアイドルとして活躍していたが、ストレスにより成長期に拒食と過食を繰り返していた。 この拒食により栄養が身体に行き渡らず、成長しないまま成人を迎えた後、過食によって得た巨大な胃袋を武器に、フードファイターとして活動するようになった。のちに水谷ユキプロデュースのアイドルユニット「日本KGB」のメンバーとなる。見た目に反して、したたかなところがあり、ユキがトラブルに巻き込まれた際も、それを逆手にとってフランツフォンシュライヒャーをスポンサーにつけるなどの活躍を見せる。 のちにフランツに紹介されたエルンストマーラーと付き合うが、自身の外見を発端とした、世論やフランツの立場などの問題に頭を悩ませることとなる。

原 玲 (はら あきら)

主に頭脳系のバラエティ番組で活躍している女性タレント。年齢は21歳。バストサイズはGカップ。現在、「エロすぎる東大生」としてブレイク中。大学の授業で合気道を学び、空気投げを使うことができる。原玲自身のマネージャーでもある水谷ユキプロデュースのアイドルユニット「日本KGB」のメンバー。「日本KGB」発足にあたって話題作りのため、同じくメンバーの南風原美空とレズという設定で売り出された。 当初はあくまでキャラ設定に過ぎなかったが、次第に美空に本当の恋心を抱くようになり、セックスフレンドとして、本物のレズ関係に発展。ただし、恋人関係というわけではなく、その立場の曖昧さに悩むようになる。

更科 詩子 (さらしな うたこ)

現役女子高校生のグラビアアイドル。芸能事務所「スペースウルフ」に所属している。年齢は17歳。身長150cmの小柄な体型に似合わない、Jカップの巨乳の持ち主。新人ながら、アイドルDVDランキング1位を獲得した。南風原美空にとって初めての後輩にあたり、事務所の先輩タレントたちから可愛がられている。おっとりした性格で、家が金持ちの、超が付くほどのお嬢様。 関東一円のドライバーを指導する立場にある「権藤さん」を専属運転手として雇っている。親が決めた許嫁は登呂左門だが、登呂の本性を知る美空からは心配されている。かつて家に強盗が入ってレイプされかけたことがあるが、その際に自分の胸に強盗が顔を埋め、故郷を思い出した相手を改心させたという逸話の持ち主。 以降、「おっぱいで世界を平和にする」という目標を持っている。

登呂 左門 (とろ さもん)

テレビ局「見本テレビ」でADとして働く男性。鳴海修羅之介の部下にあたる。文化大臣の父親を持ち、兄は総務省電波局長補佐を務める典型的なボンボン。ロケ中に親の権力をチラつかせて南風原美空を犯そうとしたり、金やコネを使ってテレビ局のトイレでセックスしたりと、本性はクズそのもの。更科詩子の許嫁であるが、詩子を守ろうとする美空に対して、詩子の貞操を盾に身体を要求するなど、どこまでいってもクズぶりを発揮する。

水谷 ユキ (みずたに ゆき)

原玲のマネージャーを務める女性。アイドルユニット「日本KGB」の仕掛人であり、ブレイクさせた立役者でもある。かつて所属していた芸能事務所から玲を連れて、強引なやり方で独立した。そのため恨みを買っており、「日本KGB」がブレイクしたこともあって、トラブルに発展してしまう。身体の相談をしてきた南風原美空に、自分のキャバ嬢時代からの行きつけのマッサージ店を紹介したりと、タレント想いな一面もある。

ヴラド ロシュ

新人AV男優のルーマニア人。かつて「怒烙竜」の名で大関まで昇進した人物。出身地がルーマニアのため、力士時代は「吸血鬼(ヴァンパイア)」という愛称で親しまれていた。嚙み付き、レイプ疑惑、大麻所持、八百長暴露という経緯から角界を引退。その後、豪島セーラの目に留まり、AV男優への道を見出した。セーラには「才能100点、品格0点」と評されている。 3時間で10回も射精できるポテンシャルのため、今なお不死身の「吸血鬼(ドラキュラ)」と呼ばれている。水谷ユキとアイドルユニット「日本KGB」が巻き込まれたIOC委員会の接待パーティで、メインイベントとして南風原美空と戦う。身長200cm、体重150kgという巨体から繰り出される怪力とタフネスさで、美空は苦戦を強いられた。

フランツ フォン シュライヒャー

IOC委員を務める老人。ヨーロッパの貴族で、伯爵の位を持っている。サッカー選手、エルンストマーラーの叔父にあたる。アイドルユニット「日本KGB」が巻き込まれたIOC委員会の接待パーティで翼田べる子と出会い、愛人(パトロン)として付き合うようになる。べる子からは「おじいちゃん」と呼ばれている。エルンストとべる子を引き合わせて肉体関係を持たせたが、2人が想い合うようになってしまったため、エルンストとべる子を取り合う関係になる。

暁星 れいあ (あかほし れいあ)

芸能事務所「スペースウルフ」所属のグラビアアイドル。年齢が29歳ということもあり、仕事が少なくなってきたが、プロの愛人としてパトロンを捕まえ、糊口を凌いでいる。グラビアアイドルから売れっ子タレントに成長した南風原美空には期待しており、何かと協力的な態度をとっている。10年前に、ある弱小事務所で旧芸名「赤石れいあ」として牧原緑と一緒に売り出され、過激なイメージビデオに出演していた。 わいせつ物領布で社長が逮捕されたことをきっかけに、「スペースウルフ」に移籍した。新たに愛人として付き合おうとしていた池崎玄助に大怪我を負わされ、これが「スペースウルフ」を巻き込んだ事件に発展してしまう。

屋敷 クリス (やしき くりす)

芸能事務所「スペースウルフ」所属のグラビアアイドル。年齢は24歳。ハーフでタメ口というキャラクターだが、その手のキャラクターはすでに業界では飽きられており、テレビの仕事は少ない。実は緊張しやすい性格で、それを誤魔化すため、飲酒して番組のオーディションに参加しているが、これが合格できない原因となっている。顔が広く、飲み屋や風俗、SMクラブなどさまざまな情報源を持つ。 同僚である暁星れいあが暴行されて大怪我を負った際には、相手の情報を得て復讐するなど、友達想いな一面もある。飲んだ時に酔った勢いで矢島ノブオと身体の関係を持つが、その後矢島に告白し、正式に付き合うことになる。

シンシア

新宿にある中国式エステ「福桃」の店長。香港出身の女性。二頭身で額が頭頂部まで後退しているが、マッサージの腕は本物。「福桃」は昔から水谷ユキがひいきにしており、ユキに紹介された南風原美空も通うようになった。また、鯨岡ミカもこの店の常連。皆から「店長」と呼ばれて親しまれ、施術しながら客の相談を聞いて、アドバイスを送ることもある。 みかじめ料を拒否しているため、中国マフィアに目をつけられており、ネットでデマを流されるなどの嫌がらせを受けている。ちなみに、外見は作者である高遠るいの自画像と同じである。

桑折 嶺音 (こおり ねね)

かつて天才子役として全国区で愛されていた女子高校生。親が金にがめつく、扱いにくい役者として芸能界から干された過去を持つ。ビクター伊庭から映画の主演のオファーを受け、同じく主演に抜擢された南風原美空と共演することとなる。女優としての実力は確かで、自分だけでなく共演者の台詞まですべて覚えているほど。一方で子役時代から、撮影期間中に情緒不安定になる傾向があり、学校の友達に心配されている。 映画がアクションシーンに重きを置いているため、役者ではなく格闘家をメインに起用している。そのことに納得しておらず、自分の復帰作にふさわしくないと不満を募らせていたが、完成した映画が評価されたことを受け、美空と自分の役割を理解して納得する。

池崎 玄助 (いけざき げんすけ)

テレビに出演するほど有名な外科医の男性。「ゴッドハンド」と呼ばれるほどの腕の持ち主で、施術の予約は3年先まで詰まっており、年収は1億円ともいわれている。またヤクザや政財界、警察幹部にも顔が利く。一方で、ハードなSMクラブすらも出入り禁止になるほどの超の付くドSで、プレイにより相手の女性に大怪我を負わせることも多い。その際は、相手に金を摑ませて被害届を出されないようにしている。 パトロンを探していた暁星れいあに全治3か月の重傷を負わせ、南風原美空、屋敷クリスに報復されることとなったが、そのことを根に持ち、美空を殺害しようと目論む。殺人ショーの常連で、そのショーでは少なくとも13人が殺されている。

鯨岡 ミカ (くじらおか みか)

フリータレントとして活動している女性。かつてはテレビ局「テレビ上京」の看板アナウンサーだったが、日常的にセクハラをする編成部長に、全治半年の暴行を加えて退職した過去がある。この経緯が業界内に知れわたっているため、仕事は少ない。そんな折、鳴海修羅之介から、最強の女性を決める番組企画を持ちかけられて参加を決意。ブランクが5年あるものの、全日本空手道選手権女子個人組手4連覇を成し遂げ、当時は「喧嘩空手十段」として、その名を知られていた。 その実力は刃物を持った中国マフィアを一方的に打ち倒すほどで、自分の手足を刃物のように使って相手を「刺す」スタイルを得意としている。

チェ ユニ

アイドルグループ「CRUNCH(クランチ)」で、リードダンサーを務める女性。身長160cm。全米テコンドーオープンの優勝者で、立技の駆け引きが上手く、相手の裏をかく変則的な蹴りを得意とする。実家がシアトルでテコンドー道場を営んでおり、幼少の頃から身長180cm以上の相手と戦って、スピードとフェイントを磨き続けた結果、このスタイルに行き着いた。 ビクター伊庭の映画で南風原美空と共演することになったが、負けず嫌いな性格のため美空に組手を挑み、反撃を許さないほどのスピードの足技で翻弄した。

マッスル山北 (まっするやまきた)

アジア人初のボディビル世界第3位、という快挙を成し遂げた男性。体脂肪率は3%。アメリカで行われたフードファイト世界大会で優勝した。その大会に翼田べる子が出場していなかったため、満足できずに帰国し、改めてべる子に宣戦布告する。べる子との対戦を「究極の自己管理vs究極の暴飲暴食」と表現しており、ボディビルとフードファイトの、スポーツとしての地位向上を賭けて対戦に臨む。 試合中に満腹感が襲ってきたら、秒間4回もの速さで腕立て伏せを行ってカロリーを消費し、1分間で空腹状態までリセットするという技術を使う。この死闘を経て、のちに大食い系の番組で、べる子との共演を果たす。

エルンスト マーラー

ヨーロッパで活動している男性サッカー選手。「アーニー」の愛称で親しまれ、甘いマスクと華麗なプレーで絶大な人気を誇るスーパースター。フランツフォンシュライヒャーの甥にあたる。幼女の肛門にしか性的興奮を見出せないという性癖を持つため、フランツに愛人の翼田べる子を紹介された。べる子とはセックスの相性が良く、次第に身体だけでなく、心も惹かれ合うようになっていく。 だが、その関係を自国のマスコミに晒され、世間からロリコンのレッテルを貼られてしまう。さらに弁解のために開いた記者会見で、フランツにべる子への愛情を察知されてしまい、べる子を取り合う関係になってしまう。ちなみに、性癖が幼女の肛門一点のみで、またフードファイト後のべる子の大便も喜んで顔面で受け止めるため、フランツからは「筋金入りのイカレポンチ」と評されている。 べる子からは「おにいちゃん」と呼ばれている。

牧原 緑 (まきはら みどり)

イメージビデオの監督を務める女性。年齢は26歳。10年前に暁星れいあと同じ弱小事務所に所属しており、一緒に際どい過激なイメージビデオで売り出された。当時16歳という年齢も引っ掛かり、わいせつ物領布で社長が逮捕されて事務所を退社。その後は数本のAVに出演したが、ある時、撮影側に回ったことをきっかけに才能を開花させた。 AV女優時代には、豪島セーラとも共演したことがある。イメージビデオの本番撮影中に、女優に自慰を指示するなど無茶を言うこともあり、南風原美空からはセーラと同じく「エロに命を賭けるハタ迷惑な仕事の鬼」と評されている。

初見 陽芽 (はつみ ひめ)

国民的アイドル「談合坂SA(スーパーエンジェルス)」のセンターを務める女性。108人のメンバーの頂点に君臨しており、ファンには「ハツミン」「ハッツミー」と呼ばれている。実家の飲み屋で培ったトーク術を駆使して、バラエティで活躍している。また、関係者への枕営業など、将来的にアイドルを辞めた後、マルチタレントになるための下準備も入念に行っている。 南風原美空が特に成長することもなく、天然で売れ続けていることが気に入らず、弱みを握るために盗聴器やレコーダー、GPSなどを仕込んで生活を覗いていた。そこで美空の空手に対する真摯な生活を目の当たりにして、美空のことを認めるようになる。

メスブタ

豪島セーラに長年調教を受けている女性。結婚して子供もいるが、夫もセーラの奴隷である。スタイルの良い美人だが、セーラの部屋では全裸か荒縄着用が基本スタイルという、完璧なドMに仕上がっている。セーラの仕事のアシスタントを務めることもあり、アイドル対抗騎馬戦では、セーラのチームの馬として出演した。自分自身で「メスブタ」を名乗っており、本名は不明。

鳴海 修羅之介 (なるみ しゅらのすけ)

テレビ局「見本テレビ」でプロデューサーを務める男性。茶髪にハットを被り、ゴツい指輪をはめている。当初は「世界珍獣ハンティング」という番組を手掛けており、動物園から逃げ出したオオアリクイを捕獲するよう、南風原美空に指示を出す。口が上手く、空手vsオオアリクイという戦いに納得しない美空を、話術で簡単に丸め込んだ。美空がブレイクしてからは、新しい企画「地球最強美女決定戦・戦乙女闘宴(ヴァルキリーオペラ)」を発案。 登呂左門を国外に追いやることを条件に、美空を「地球最強美女決定戦・戦乙女闘宴」にエントリーさせた。

集団・組織

日本KGB

水谷ユキのプロデュースで結成されたアイドルユニット。メンバーは南風原美空、原玲、翼田べる子で構成され、バストサイズがそれぞれKカップ、Gカップ、Bカップであることが、ユニット名の由来となっている。メンバーは全員、所属事務所も異なるが、プライベートでも集まるなど関係は良好。それぞれが一芸に秀でていて番組で使いやすく、また皆の性格も良いため、業界内での評判も上々である。

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書誌情報

はぐれアイドル地獄変 16巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉

第2巻

(2015-10-19発行、 978-4537133462)

第4巻

(2017-01-10発行、 978-4537135329)

第12巻

(2021-03-29発行、 978-4537143560)

第15巻

(2022-08-19発行、 978-4537145366)

第16巻

(2022-11-28発行、 978-4537145731)

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