はっぴーえんど

はっぴーえんど

在宅・終末医療と看取りをテーマにした1話完結形式の人間ドラマ。作者である魚戸おさむの出身地、北海道函館市が舞台となっており、函館市の自然や情景が細やかに描かれている。創作のきっかけは、数年間で身内を4人もがんで亡くしたことだという。監修は緩和医療専門医である大津秀一。タイトル題字は、漫画家の村上もとかの作である。「ビッグコミック」2017年1月10日号より連載を開始している。

正式名称
はっぴーえんど
ふりがな
はっぴーえんど
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

穏やかな旅路(第1話・第2話)

北海道函館市。「あさひ在宅診療所」の医師・天道陽のもとに老人が訪れる。老人の名は高橋。末期がんの息子・幸助を自宅で介護できないかと、天道に相談しにきたのだ。最後の時間を自宅でゆっくり過ごさせてやりたい、という高橋の想いを受け、天道は訪問医療を引き受ける。高橋は、函館では有名な老舗の洋食店「ペチカ」のオーナーであった。一年半前、高橋の妻が亡くなった際、幸助は東京から函館に戻り、「ペチカ」を函館一の店にすることを決意。「ペチカ」のカレーを時代遅れだと感じた幸助は、取り憑かれたかのように毎日夜遅くまで研究を続けていたが、その矢先に病に倒れてしまったのだ。自宅療養をすることになった幸助に、高橋は「もう一度カレーを作ってみないか」と持ち掛けるが、幸助はこれを拒否し、心を閉ざすのであった。

親子の絆(第3話・第4話)

建設会社に勤務する山上裕一は、末期がんの母・山上初江を自宅で介護していた。わがまま放題にふるまい、裕一のやることなすことすべてにケチをつける初江に、裕一の我慢も限界にきていた。母への愚痴をこぼす裕一に、天道陽は、いつもと同じように過ごすことを提案する。「人生の最期を一緒に暮らすことを望んで自宅に帰ってきたのだから、初江さんは特別なことは望んでいないはずだ」と言う。天道の言葉の真意を理解できないまま、裕一はついに初江と大喧嘩をしてしまう。

登場人物・キャラクター

天道 陽 (てんどう あさひ)

北海道函館市にある、あさひ在宅診療所の医師の男性。在宅医療をする患者の痛みをなくし、穏やかに過ごせるように支える緩和治療が専門。情に厚く温厚な性格で、緩和治療に熱い想いを抱く。ご当地アイドルグループ「はちみつマキアート」の熱烈なファンで、ライブでは鉢巻きをしてケミカルライトを振り回す。

吉永 小百合 (よしなが さゆり)

北海道函館市にある、あさひ在宅診療所の看護師。ポニーテールの若い女性。診療所の医師・天童陽のスケジュール管理をはじめ、サポート役を務める。アイドルグループ「はちみつマキアート」の熱烈なファンという、天道のオタク趣味には半ばあきれ気味。

高橋 (たかはし)

「穏やかな旅路」(第1話・第2話)に登場。北海道函館市にある老舗の洋食店「ペチカ」のオーナーであり、店長を務める老人。末期がんの息子・幸助の最後を、自宅で過ごさせてやりたいと、「あさひ在宅診療所」へ相談に訪れる。

幸助 (こうすけ)

「穏やかな旅路」(第1話・第2話)に登場。41歳。北海道函館市にある老舗の洋食店「ペチカ」のオーナー兼店長である高橋の息子。東京で働いていたが、一年半前に母親が亡くなったのをきっかけに函館に戻り、「ペチカ」を継ぐためにカレーライスのメニュー開発に打ち込む。しかし、がんに侵されて闘病生活を送ることになる。

山上 裕一 (やまがみ ゆういち)

「親子の絆」(第3話・第4話)に登場。建設会社に勤める体格の良い60過ぎの中年男性。末期がんの母・初江を自宅で一人で介護する。気性が荒く、小さいころから母親と喧嘩の絶えない暮らしをしていた。初江が自宅療養するようになってからは、わがまま放題の母の言動に必死で耐え、ストレスを募らせる。

山上 初江 (やまがみ はつえ)

「親子の絆」(第3話・第4話)に登場。87歳。認知症と大腸がん肝転移があり、経過観察中の老婆。人生最期の時を息子の裕一と暮らすことを望み、自宅療養する。しかし、裕一の介護を拒否するかのように、わがまま放題に振る舞い、息子のやることにいちいち文句をつけ、憎まれ口をたたく。

クレジット

監修

大津秀一

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