概要・あらすじ
木実りんごの夢は「みんなを笑顔にさせるケーキを作る」父のようなパティシエになること。りんごは学校が終わるとすぐ両親の営むケーキ店「ナッツベリー」で、販売員として店を手伝っていた。メガネをかけた男性の常連さんにもりんごはいつもどおりの笑顔で接客。彼はよく店にケーキを買いにきてくれるのだが、りんごはまだ彼の声を聞いたことがなく、「嫌われているのかな」などと考えていた。次に店に入ってきた男性客にも元気にあいさつするりんご。しかし彼は客ではなく、田中と言う借金取りだった。父から話を聞くと、経営難で1000万円の借金をしてしまい、200万を今月中に返済できなければ、店を手放す約束になっているという。娘に心配をかけたくないと、両親はこのことをずっとりんごに黙っていたのだ。店に閉店のお知らせを張り、自分にはどうすることもできないのかと涙をこぼすりんご。そこへメガネをかけた男性の常連さんがやって来て「好きだったのになくなってしまうなんて残念だ」と初めてりんごに声をかけた。りんごは一人でも店のケーキを楽しみにしてくれるならと一念発起し「店はやめない」と常連さんに笑顔で宣言。常連さんも応援すると言ってくれた。なんとか売り上げを伸ばそうと、SNSで宣伝してみたり、割引セールを試みたりするが、思うように売り上げは伸びない。時間がないと焦るりんごのもとに一通のメールが届く。それは映画「桜色シンデレラ」の完成試写会用の記念ケーキの発注だった。納品は2日後。今からでは無理だという父を説得し、記念ケーキを作り始めるりんごたち。記念ケーキの試作品を常連さんに食べてもらうが「険しい顔をして楽しんで作っていない」と彼に指摘され、自分が焦っていたことに気づいたりんご。こうしてりんごは「みんなを笑顔にさせるケーキを作る」という本来の目的を思い出し、映画に合った記念ケーキを完成させ、試写会で発表した。壇上にいた主演俳優の王子奏がケーキを一口食べ、「いつも通り美味しいケーキです。僕はこの店のケーキが大好きなんです」と言ってくれた。りんごは声を聞いて初めて常連さんが俳優の王子奏だったことを知り、驚くのだった。
登場人物・キャラクター
木実 りんご (きのみ りんご)
食べることが大好きな、元気で明るい女の子。14歳のO型で、7月23日生まれ。髪形はサイドを残したポニーテールにしており、前髪を目の上で切りそろえている。両親はケーキ店「ナッツベリー」を営んでおり、学校から帰ると販売員として店の手伝いをしている。「ナッツベリー」の跡を継ぎ、自分が作ったスイーツでみんなを笑顔にさせるパティシエになることが夢。勉強は苦手で、芸能人の情報にも疎い。前向きでどんな困難にも笑顔で立ち向かうがんばり屋。
王子 奏 (おうじ かなで)
映画にドラマにひっぱりだこのイケメン人気俳優。忙しくても仕事には手を抜かないストイックな男性。15歳のB型で、5月16日生まれ。甘いものが好きでケーキ店「ナッツベリー」の常連。店へ行くときはメガネを掛けて変装している。「ナッツベリー」が借金で閉店しかけ、落ち込んでいた木実りんごを励まし、自分の主演映画「桜色シンデレラ」の完成試写会用記念ケーキを「ナッツベリー」で注文するように口添えをした。