あらすじ
第1巻
半田清は森麻衣子から放課後校舎裏に呼び出されてしまうが、嫌がらせをされると勘違いしてしまう。そこで清は麻衣子の親友であるジュリを通して回避しようと画策する。(エピソード「はんだくんと女の友情」)
学校では孤独な存在だと思われている清には川藤鷹生という同級生の友達がいた。しかし清は自分が嫌われ者だと勘違いしており、川藤と自分が友達である事が周知されると、川藤まで嫌われ者になると恐れている。しかし清の勘違いの原因は川藤にあった。(エピソード「はんだくんと親友」)
クラス委員長を決めるため相沢順一と清の二人で選挙する事になった。結果は同票となり、二人はジャンケンで勝敗を決める事になる。(エピソード「はんだくんと委員長」)
清のクラスメイト、二階堂礼緒は、雑誌モデルを務めるほどの容姿だったが、周囲は礼緖よりも清に執着している事に不満を抱いていた。そこで礼緒は清を尾行してその魅力を探る事にする。(エピソード「はんだくんとモデル」)
清のクラスメイト、筒井あかねは不登校だった。登校を促すために清はあかねの家に行く事になったが、そこに現れたのは風体が様変わりしたあかねだった。(エピソード「はんだくんと不登校」)
第2巻
調理実習の日、半田清は相沢順一、二階堂礼緒、筒井あかね、近藤幸男らと同じ班で料理を作る事になった。しかし相沢は清に料理を食べさせるため、清を除いた四人で作る事を提案する。(エピソード「はんだくんと調理実習」)
公園で清がポエムを書いて売っているという目撃談が広まり、相沢達は本人かどうかを確かめに行く。そこには目元と髪型のみ清にそっくりな花田慶がいた。(エピソード「はんだくんと…半田くん?」)
清に彼女がいるという噂や目撃談が広まり、女子生徒を中心に反感が集まる事となった。そんな中、清に惚れていた金城美代子は、ショックのあまり校舎から飛び降りようとする。(エピソード「はんだくんと女の嫉妬」)
清は三者面談で担任の先生と母である半田えみから、クラスメイトと打ち解ける事を勧められる。清はまず周囲の知り合いに声をかけようと試みる。だが、なかなか勇気を出せず、どうしても上手くいかない。(エピソード「はんだくんと社交性」)
東野光太郎は中学生の頃、清と走るタイムを競って負けた事を根に持っている。清へのリベンジを誓っていたものの、光太郎はその機会が訪れずに悩んでいた。(エピソード「はんだくんとダッシュ東野」)
第3巻
生徒会長の天王寺佐和子は男を嫌い、女尊男卑の世界を望んでいた。佐和子は女子生徒が憧れる半田清の正体を暴くために清を呼び出す。佐和子は清に女子の気持ちをわからせるため、女子の制服を着せようとして追いかけていると、階段を踏み外して落下してしまう。清が下敷きになる事で佐和子は無事だったが、清は記憶喪失になってしまう。(エピソード「はんだくんと生徒会」)
記憶喪失になってしまった清は、以前とは正反対である軟派な性格になってしまった。それに戸惑った半田軍は清をハンマーで殴って記憶喪失を治そうと考える。(エピソード「はんだくんと記憶喪失」)
川藤鷹生は清に友達を作ってあげようと、長谷川を紹介し、三人で遊ぶ事にした。しかし清は川藤に迷惑をかけまいと変装して「半沢」と偽名を使う。長谷川は屈託なく清と接する事で、清も徐々に打ち解けていく。(エピソード「はんだくんと友達の友達」)
占いに凝っているつぐみは、人気者である清の手相を見てみたいと望んでいた。それを聞いた清は寝たふりをして、手相を見せてあげる事にする。しかしその結果は誰も想像しないものだった。(エピソード「はんだくんと手相占い」)
追試を受ける事になった筒井あかねと二階堂礼緒は、相沢に勉強を教えてもらい、追試の日を迎えた。するとそこに成績優秀なはずの清が現れ、一同は困惑する。(エピソード「はんだくんと追試」)
第4巻
最近、半田軍となかよくしている近藤幸男は、周囲から異端な眼差しで見られる事を気にしていた。ある日、近藤の机にラブレターが置かれており、女子から呼び出されてしまう。それを見た半田軍は近藤の後押しをする。(エピソード「はんだくんと平凡」)
半田清の通う高校の美画部は存続の危機に陥っていた。そこで人気者の清を主人公にした漫画を描く事で部費を捻出しようと画策する。(エピソード「はんだくんと美少女」)
図書委員の比良山かすみはひそかに清に思いを寄せていた。清が借りそうな本と恋愛小説をすり替える事に成功して喜んでいると、半田軍が現れて清のためにと図書館のリニューアルを提案する。(エピソード「はんだくんと図書館」)
日々、清を見守るという名目で清を付け回している半田軍を察知して、清は周囲を気にするようになった。それを見た半田軍は自分達が原因とは考えず、他の誰かが清をストーカーしていると勘違いしてさらに付きまとう。(エピソード「はんだくんとストーカー」)
修学旅行を前にして、清と半田軍は同じ班になった。喜ぶ半田軍は旅行中に清に迷惑を掛けないための作戦会議をする。清は川藤鷹生から旅行中に友達を作る事を勧められる。(エピソード「はんだくんと班」)
第5巻
修学旅行が始まったが、半田清はいつもと変わらず周囲から一線を引いていた。しかし同じく修学旅行中だった他校の一宮旭をリーダーとするグループが半田軍に因縁を付ける。(エピソード「はんだくんと修学旅行1日目」)
修学旅行初日の夜、清は友達を作るため、修学旅行でありがちな暴露大会や枕投げのイメージトレーニングをしていた。しかし半田軍は清の意に反して怪談大会を始める。(エピソード「はんだくんと修学旅行1日目・夜」)
修学旅行2日目は映画村の観光だったが、半田軍と一宮の取り巻きグループが再度出会ってしまい、いさかいを起こす。(エピソード「はんだくんと修学旅行2日目」)
修学旅行2日目の夜、清と近藤幸男は天王寺佐和子へのお土産を買うためにホテルの売店へ行く。売店には先に一宮の取り巻き達がいたため、近藤は必死に清を隠そうとする。(エピソード「はんだくんと修学旅行2日目・夜」)
修学旅行最終日、半田軍と清は共に観光をしていたが、清は班からはぐれてしまう。班のメンバーを探していると、同じく一人でいた一宮と出会い、友達にならないかと問いかけられる。(エピソード「はんだくんと修学旅行最終日」)
第6巻
文化祭の出し物について、半田清のクラスでは熱い議論が交わされていた。さまざまな案が出された後、最終的な決定は清に任される事になる。(エピソード「はんだくんと文化祭準備①」)
文化祭の出し物が演劇喫茶に決定し、クラスではその準備に追われていた。清は周囲に気を遣われて遠巻きに見ているだけだったが、自分が孤立しているのは嫌悪によるものではないと感じ始める。(エピソード「はんだくんと文化祭準備②」)
学校内では文化祭の準備が着々と進められていた。清のクラスでも演劇の配役が決まり、準備にも熱が帯びていた。そんな中、清は文化祭を機に友達を作ろうと決心する。(エピソード「はんだくんと文化祭準備③」)
文化祭が始まり、川藤鷹生は長谷川と共に清のクラスの出し物を見に行く事にした。清のクラスでは演劇喫茶を催し、清はセリフがなく、ただ座っているだけのエリザベス1世役をしており、川藤は困惑する。(エピソード「はんだくんと文化祭①」)
文化祭後半、学校に黒い制服の不良グループと一宮旭のグループがやって来る。それを受けて半田軍は一宮のグループと手を組んで撃退しようと試みる。(エピソード「はんだくんと文化祭②」)
文化祭が終了し、それぞれの出し物の中で優れたクラスを選ぶ表彰式が行われた。そこで清は川藤から、本当は清が人気者であるという真実を伝えられる。(エピソード「はんだくんと後の祭り」)
登場人物・キャラクター
半田 清 (はんだ せい)
高校2年生の若き天才書道家。クラスは2年7組。書道家としての名前(雅号)は「清舟」。書道家の父を持ち、書の世界ではすでに名が知られている。人を寄せ付けないクールな佇まいから「孤高の男」の異名を取り、周りから羨望の眼差しを送られているが、本人は嫌われていると勘違いしている。中学時代に友人の川藤鷹生から学校一の美女に目の敵にされていると嘘をつかれて以来、女性が怖い。 常に書道道具を持っていて、授業中でも書を書いてしまうことがある。川藤は唯一の友人だが、「自分と一緒にいると川藤も嫌われる」と思っているため、学校では彼のことを避けている。テストで名前を書き忘れるなどのんきな一面もある。
川藤 鷹生 (かわふじ たかお)
半田清の親友で、学校の人気者の男子。常にメガネをかけている。中学時代に、憧れの先輩から半田へラブレターを渡す役を頼まれたことでショックを受け、先輩が悪口を言っていたと半田に嘘をついてしまう。そのせいで内気な性格になってしまった半田のために誤解を解きたいと思ってはいるものの、自分が嫌われ者だと勘違いしている半田を見て面白がっている節もある。
森 麻衣子 (もり まいこ)
半田清の下駄箱にラブレターを入れた女子生徒。見た目がかわいいので一部の男子生徒には人気がある。イタい発言をしたりぶりっ子を装っているが、実際は腹黒く、友人のジュリに対しては毒舌を連発する。下駄箱のラブレターは読んでもらえなかったため、半田を体育館裏に呼び出して直接ラブレターを渡すが、丸文字だったため「字ぃ汚っ」と一蹴されてしまう。
ジュリ
森麻衣子の友人の女子生徒。体格が良く強気で男勝りだが、キャラ弁当を作ってくるなど女の子らしい一面を持つ。麻衣子の恋を応援しているが、実はジュリ自身も半田清のことが好き。麻衣子にブスだと馬鹿にされていることを知り、喧嘩になるものの互いに恋のライバルとして認め合う。
相沢 順一 (あいざわ じゅんいち)
あだ名が「委員長」で、その名の通り10年も学級委員長を続けてきた男子。自分は頭脳明晰でリーダーシップのある男だと思っている。半田清と委員長の座を争うことになり、最初は目の敵にしていた。しかし半田が辞退し、しかも自分に投票してくれたことを知り、半田のほうが委員長にふさわしいと認める。この出来事をきっかけに、真面目一辺倒から優しい雰囲気へと変化した。 以後は学年1位の頭の良さを活かし、追試組のためにノートをまとめたりして面倒を見る。
二階堂 礼緒 (にかいどう れお)
半田清のクラスメイトの男子。街でスカウトされるほどのイケメンで読者モデルをしているが、頭はあまり良くない。学校一のモテ男だと思っているが、ファンだと思っていた女子たちも半田のことが好きだと知り、半田を目の敵にしていた。スタイリストのキャロライン山内が半田をスカウトするのを阻止しようと邪魔をした。そのことでキャロラインを怒らせてしまいモデルをクビになったが、その時に半田に優しくされたことをきっかけに彼を尊敬するようになる。
キャロライン 山内 (きゃろらいん やまうち)
ファッションモデルのスカウト兼スタイリストで、オネエ言葉で話す男性。二階堂礼緒(レオ)をスカウトした張本人。半田清を見かけ「ビビっときた」と声をかけようとしたところをレオに邪魔され、スカウトに失敗する。そのことに腹を立て、レオをクビにした。退職金代わりに半田に着せようとしていたカーディガンをレオに渡す。
筒井 あかね (つつい あかね)
半田清のクラスメイトの男子。1年生の時にいじめられて以来不登校になっている。小柄で女の子っぽい外見だったため、男子からはハブられ女子からは「彼氏に色目を使った」と雌豚呼ばわりされていた。小柄で弱い自分に足りないのは力(パワー)だと考え、強くなることを決意する。半年間で身体も大きくなり、街でたむろする不良たちを制圧し、最強の男になった。 プリントに添えられた相沢順一からの「学校においで」というメッセージを、プリントを届けてくれた半田からのものだと勘違いし、彼と友達になるため登校するようになる。学年で下から2番目の成績で留年の危機がある。
近藤 幸男 (こんどう ゆきお)
勉強もスポーツも平均的な男子。家庭科の授業で半田清を含むクラスの個性的なメンバーと同じ班になってしまう。半田のことは「謎に包まれた学校のカリスマ」だと思っていたが、冷静に半田の言動を読み取り、仲間に入れず寂しそうにしている彼に気づく。家庭科の授業以来、同じ班だった半田軍と行動を共にするようになり、彼らに的確なツッコミを入れている。
花田 慶 (はなだ けい)
2年5組の男子生徒。入学式で半田清を見てから半田マニアとなり、彼のマネばかりしているため同じクラスの生徒からは引かれている。髪型や声、歩き方などはうまく似せているが、出っ歯なのでマスクをしないとすぐにバレてしまう。自分が書いた駄作の詩を半田に修正され、その際に「真似るならもっと上手くなれ」と言われたのを真に受けて、人生をかけて「半田を極める」ことを決意する。
金城 美代子 (きんじょう みよこ)
半田清の隣の席の女子。友達からは「みよ」と呼ばれている。いつも明るく友達が多いうえ、成績優秀で教師からの評判もいい。半田から消しゴムをもらったことをきっかけに半田狂となり、勉強が手につかなくなってしまう。半田に彼女がいるという噂を信じ、半田の机に「死ぬ」と書いて自殺を図ろうとする。たまたま机を取り替えにきた半田が自分のことを慰めていると勘違いし、自殺を思いとどまるなど、とにかく思い込みが激しい。 半田に近づく女性をすべて葬り去ってしまうため「イレイサ―」というあだ名が付いた。
半田 えみ (はんだ えみ)
半田清の母。美人で見た目が若いため、よく清の彼女だと間違われる。いつも着物を着ていて、普段は上品で物腰柔らかな雰囲気だが、感情の起伏が激しい。清のことは「清さん」と呼んで溺愛している。夫のことも溺愛しており、夫が夕食の席にいない時はそっくりの人形を置いている。
東野 光太郎 (ひがしの こうたろう)
2年5組の男子生徒。陸上部100メートル競技のエースで校内では敵なしの超高校級スプリンター。中学時代の体育の授業で半田清に負けたことがあり、彼を負かすために他の高校のスカウトを蹴って同じ高校に進学した。半田は普通に走っていただけだが、東野は妨害を受けたと勘違いしている。その時のことがトラウマになっており、半田に近づかれると冷や汗が出て震えるHND症が発症する。
陸上部のマネージャー (りくじょうぶのまねーじゃー)
東野光太郎が所属する陸上部の女子マネージャー。東野のことを「ダッシュくん」と呼ぶ。部員のタイムを計ったり、レモンの蜂蜜浸けを作ってきたりとマネージャーの仕事をきっちりこなしている。半田にばかりかまけている東野を心配し、「このままじゃ人生ダメになる」と忠告していたが、それでも半田のことを追ってしまう東野を見て、最終的には「気が済むまで追いかけたらいい」と呆れ気味にアドバイスを送る。
天王寺 佐和子 (てんのうじ さわこ)
半田清が通う高校の生徒会長。黒髪長髪の少女だが、男子の制服を着て男装をしている。小学生の頃に男子から「サバ子」というアダ名でからかわれたことで男嫌いになり、女が優位に立てる世界を作ろうと考えている。スカートの丈の長さを注意した教頭をセクハラ呼ばわりしたり、男性には何かと厳しいが、半田にハニートラップを仕掛けようとするなど、自身の目的のためなら女の武器を利用することも厭わない。
力丸 (りきまる)
生徒会副会長を務める男子生徒で、ゴリラのような屈強な体格。天王寺佐和子に心酔しており、女子生徒の制服を着て彼女に付き従っている。以前は男尊女卑の精神だったが、佐和子に女子生徒の制服を着せられてから立派なフェミニストになり、今では下着まで女性物を身に着けるほど。女子生徒の制服を着てから肌ツヤが良くなったらしい。
長谷川 (はせがわ)
川藤鷹生のクラスメイトの男子で、身長は低いがバスケットボール部に所属している。「とりぷる☆あっぷる」というアイドルが好きなアイドルオタク。川藤に呼ばれ、変装して「半ザワ」と名前を偽った半田清と3人で遊びに行ったことがある。半ザワの奇行を面白いと笑い飛ばし、ボウリングの投げ方を教えたり、バスケットボール漫画を貸す約束をするなど、フレンドリーで包容力のある少年。 なお、半ザワの正体が半田だとは結局気づかなかった。
つぐみ
半田清のクラスメイトで手相占いが得意な女子。学校内では、良く当たると評判になっている。眼鏡をかけたおとなしそうな見た目に反して物怖じしない性格。半田の手を見て平凡な手相であることに驚くが、周りには「過酷な使命を背負っている」と言ってごまかした。たくさんの子供に囲まれているという半田の未来を予想している。
担任の先生 (たんにんのせんせい)
半田清が所属する2年7組の担任教師で、担当教科は生物。いつもジャージの上に白衣を羽織って無精ひげを生やし、髪も伸ばしっぱなし。見た目はだらしないが生徒のことを冷静に観察していて、三者面談では半田のことを「社交性が足りない」と評価し、クラスメイトに話しかけてみることを提案する。金城美代子が自殺騒動を起こした時は、校庭にいる生徒にマットを持ってくるように指示を出すなど、冷静で判断力にも優れる。
桜目 ねお (さくらめ ねお)
美少女絵画クラブの部長を務める男子。オタク歴は10年以上。この名前はペンネームで、本名は不明。長髪にめがねをかけ、ネルシャツにリュックといかにもオタクっぽい格好をしている。廃部の危機に陥り、金策のため半田清を女体化させた美少女漫画を描こうと思いつく。これをきっかけに半田のファンになり、以後は趣味で彼の似顔絵を描くようになる。 「メリーナ」という二次元の美少女が好き。
Dr.サイコ (どくたーさいこ)
美少女絵画クラブの男子部員。太っていてなぜか眼帯をし、語尾に「~ナリ」を付けて話す。廃部の危機を逃れるため半田清が主人公の漫画を描くことになった時に、半田を女体化した学園ストーリーを提案するなど独特の感性を持つ。部長がこっそり半田の似顔絵を描いてることを知って引く。
タコヤキ君 (たこやきくん)
美少女絵画クラブの男子部員。背が低くいつもハチマキをしている。体力に自信がなく、エセ関西弁をしゃべる。半田清を女体化した「半田ちゃん」を題材にした漫画では、彼氏であるマスターのために戦うバトル漫画を描いていた。部長が描く半田の似顔絵を見てDr.サイコと一緒に引いていた。
比良山 かすみ (ひらやま かすみ)
図書委員の女子で、図書室がいつもガラガラなのを嘆いている。時々本を借りにくる半田清を心の支えにしている。少ない経費の大半を半田清のために使い、書道に関する本をたくさん並べた半田コーナーを勝手に作っている。恋愛小説が好きで、いつか半田と恋愛小説のようなラブロマンスを繰り広げることを夢見ている。半田軍によって図書館を改革させられ、図書委員の仕事が忙しくなったが、元々本好きだったため充実した日々を送っている。 いつも長い前髪で顔を隠しているが、実は美少女。
一宮 旭 (いちみや あさひ)
白い制服の男子校に通う人気者。ホテル運営を手がける一宮グループの子息で、中学までは海外で生活をしていた帰国子女。祖父は理事長、叔母はPTA会長、叔父は教育委員会会長、母はモンスターペアレントという学校権力者。お金持ちだが親しみやすくリーダーシップがあり、いつも取り巻きに囲まれている。半田清たちとは修学旅行に行く新幹線で出会い、半田を自分と同類の人間だと感じている。 学校で王様扱いされていることに少し疲れている。おみくじを引くとすべて大吉が出る。
小路 司 (こみち つかさ)
一宮旭の取り巻きの一人。地味な顔で特に才能もなく、自分は普通の人間だと思っている男子。一宮のことを理想のリーダーだと心酔していて、彼を陰で支えることに快感を覚えている。一宮を尊敬しすぎた結果、彼以外の人間が一番になるのが許せないという思考を持つようになった危険人物。
条本 友弘 (じょうもと ともひろ)
一宮旭の取り巻きの一人。長髪の黒髪パーマで強面の男子。血気盛んで、修学旅行の新幹線では一宮旭のライバルになるおそれのある半田清に絡むため、半田のいる車両まで率先して乗り込む。修学旅行中は、立ち位置が似ている筒井あかねを目の敵にし、会うたびに何かと競い合っている。お土産屋さんで見た千手観音をマッサージ機代わりに使おうとしたり、ダジャレを言ったりとお茶目な一面もある。
永正 惣一 (ながまさ そういち)
一宮旭の取り巻きの一人。メガネをかけ髪は七三分けで、常に敬語で話す男子。天才を感じさせる口調と雰囲気を持ち、何千人もが受けた模試で98位の成績を残すが、模試1位の相沢順一がいるためどうしてもかすんでしまう。相沢とは似たような立ち位置だが、特に仲良くなることはなかった。
小鹿 宗介 (こじか そうすけ)
一宮旭の取り巻きの一人。髪が長く可愛い容姿の男子。制服にはネクタイではなくリボンを付けている。半田清たちが通う学校の文化祭で筒井あかねを見かけてから、可愛くなることに目覚めた。本当は目が小さいがデカ黒目カラコンを付けて目を大きく見せている。美容やファッションに詳しく、二階堂礼緒とは敵対しつつも仲良くなる。
集団・組織
肉食女子 (にくしょくじょし)
押しの強い3年生の女子2人組。男に対してガツガツしており、それを包み隠さず態度に出しては手当たり次第に食してみるという、とにかく厄介な女子。自分の捉えた獲物を他人に自慢したがる。半田清の真似をしている花田慶を本物と勘違いして迫ったり、半田本人にも色仕掛けをしたりと非常にアグレッシブな性格。実際に肉もよく食べている。
半田軍 (はんだぐん)
半田清を尊敬する男子たちのグループ。主に、相沢順一、筒井あかね、二階堂礼緒、近藤幸男のことを指す。半田とは家庭科の授業で仲良くなり、校内でよく一緒に行動し、修学旅行でも一緒の班になった。半田を尾行し、彼のためを思って行動しているが、半田本人からは自分の邪魔をする奴らだと思われている。
とりぷる☆あっぷる
なな、りんりん、ふーちゃんの3人によるアイドルユニット。なながロングヘアー、りんりんは髪にリボンを付けていて、ふーちゃんはボブカット。長谷川が好きな流行りのアイドルで、通称「とっぷる」。半田清たちの訪れたアミューズメント施設では、ダーツ、バスケットボール、ボウリングのゲームに挑戦して条件を満たすと、彼女たちのストラップがもらえるキャンペーンが行われていた。
美少女絵画クラブ (びしょうじょかいがくらぶ)
マンガやイラストを、見る側ではなく創造することを目的とした部。略して「美画部」で、美少女が主人公の漫画を描いている。部員は、桜目ねお、Dr.サイコ、タコヤキ君の3人。年に数回「美女towa?」という会誌を発行し、校内の一部のオタクに大好評を博している。「学校にメリットのない個人の趣味に割く部費がもったいない」という理由で生徒会から廃部を告げられてしまう。
その他キーワード
HND症 (はんだしょう)
半田清と関わることで発作を起こす症状のこと。頭痛、吐き気、涙、疲労感、赤面、鼻水、無性に家に帰りたくなる、などの症状があらわれる。半田に対する嫌悪で起こる症状に見えるが、本当は半田への畏怖から。半田のことを心の底では尊敬している人間がかかりやすい。