概要・あらすじ
満月が近くなると怪力を発揮できる犬神鷹介は狼男だった。しかし、おとなしくて気が弱く、片思いの相手・泉田はるかともちょっとした会話で満足していた。だが、はるかと親しげにしている田中一に刺激され、一念発起して泉田に告白することに。ところが、気持ちがたかぶりすぎて変身が始まってしまう。
登場人物・キャラクター
犬神 鷹介 (いぬがみ ようすけ)
県立津波高校2年8組に在籍する高校生。隔世遺伝の狼男で、日常から嗅覚や聴覚が優れている。また、満月が近づくと力が強くなり、傷の治りが早くなるなどもする。満月にはオオカミに変身することも可能。また、訓練により手だけ、耳だけの変身も習得した。満月近くの剛力を活かすため、そのタイミングで空手部の試合の助っ人に呼ばれる。 しかし、性格は極めて温厚で気弱。よくメソメソ泣いている。同じくラスの泉田はるかに片思いしていたが、意を決して告白しようとしたが変身してしまって言葉を話せなくなる。もっとも、動物好きの泉田に気に入られて、それなりに幸せに過ごしている。幼少時に犬に噛まれたため、犬は苦手。 歪谷からは「天性の被害者」と呼ばれる。
歪谷 透 (ゆがみだに とおる)
県立津波高校2年8組に在籍する高校生。成績優秀で空手部の主将も務める優等生だが、自己中心的で傍若無人。犬神鷹介の体質を知り、空手部の対外試合を満月の頃に設定して、犬神を助っ人に呼んでいる。将来は革命家を目指している。苦悩する犬神の姿を見るのがなによりも好き。 犬神を一方的に親友と呼んでいる。姓は、作者がダイエーホークスに所属していたプロ野球選手、湯上谷宏の名前を聞いたときに思い浮かんだもの。
泉田 はるか (いずみだ はるか)
県立津波高校2年8組に在籍する高校生。リボンで結んだポニーテールの明るく元気な人気者。相手を元気づける言動が多い。犬神鷹介と田中一から思いを寄せられている。器用で犬神や田中、歪谷透をモチーフにしたオリジナルのマスコット人形を作ったりする。歪谷に惹かれている。
田中 一 (たなか はじめ)
県立津波高校2年6組に在籍する高校生。人畜無害な爽やかな二枚目。女子に人気はあるが、自分が好きな女の子には意中の相手が別にいるというトラウマがある。漢字力に自信のない女の子でも安心してラブレターを書ける、ありがたい存在と評判。
美月 えりか (みづき えりか)
県立津波高校1年4組に在籍する高校生。長い髪を下ろしていて、左側だけリボンをしている。両親は動物行動学者で、カナダでオオカミの生態を研究していて、歪谷透の2軒隣の家に預けられている。狼女で犬神鷹介と同様に変身もできる。歪谷と似た性格で自分の欲望に正直で、いじいじしたことが嫌い。 歪谷と同様に犬神の反応を楽しむイジメッ子。
森島 恵子 (もりしま けいこ)
『青春は薔薇色だ』シリーズの主人公。根っからの女子高生ウォッチャー。教育実習生で女子の体育を満喫していた。犬神鷹介の教科書を拾って、その名前に美少年を感じて見物に来たが、本人の情けなさに「失格」の烙印を押した。一方、女子高生を値踏みするような態度が歪谷透に気付かれ、人身売買組織の下見屋だと思われていた。