甘い香りの離島が舞台のラブコメディ
本作の舞台は、街から船で30分ほどの距離にある、ぶどうの甘い香りに包まれた小さな離島。物語は大きく2部構成となっており、第1部では、島一番の秀才、小泉幹と幼なじみの一会との恋物語が描かれている。幼い頃に交わした約束を軸に、甘酸っぱいラブコメディが展開される。そして第2部では、幹の妹、みなとと、島に赴任してきた医師の江馬良順の恋愛模様を中心に、同じ島を舞台に年の差や立場の違いを超えて惹かれ合う二人のピュアな恋の行方が描かれている。
小さな島で芽生えた恋の行方
小さな島で暮らす女子高校生の一会は、島で一番の秀才である幹に、幼い頃からひたむきな思いを寄せている。幼い頃、母親の再婚相手で市長を務める義父との関係に悩み、家族の中で孤立感を抱えていた一会を、幹は「大人になったらこの島から連れ出してやる」と励ましていた。一会は18歳になった今も、その言葉を胸に刻んでいる。幹から贈られたスミレの花を大切に持ち歩き、彼が春に東京へ行くことを知りながらも、精一杯応援している。しかしある日、体裁を気にする義父から幹と会うなと禁じられてしまう。
女子高校生と研修医の切ない恋愛模様
少しおバカな女子高校生、みなとは、友達が次々と恋人を作り、初めての恋愛経験を積んでいく中で、自分だけ彼氏がいないことに焦りを感じ、理想の彼氏をゲットしようと意気込んでいた。そんな中、島内の診療所に研修医としてやってきた良順と衝撃的な出会いを果たす。研修後は東京に戻る予定の良順は、たとえ短い期間であっても仕事に真摯に向き合う姿勢を見せ、みなとはあっという間に彼に恋をしてしまう。良順もまた、素直なみなとを気に入るが、彼女が女子高校生である現実が二人の恋を阻んでいた。一方、みなとの同級生で女遊びが激しい間宮圭斗は、まっすぐに純愛をぶつけるみなとの姿に次第に惹かれ始めていく。
登場人物・キャラクター
小泉 みなと (こいずみ みなと)
とある島の田舎町に暮らす高校2年生の女子。年齢は16歳。勉強は苦手だが、明るく素直な性格で、明るい茶髪をロングヘアにしている。島一番の秀才である兄の幹は島を離れ、東京で暮らしている。狭い人間関係の中で、友人たちに次々と恋人ができることに焦りを感じ、高校進級を機に理想の相手を探し始めた矢先、島にやって来た医師の良順と出会う。クールに見えるものの、仕事に真摯に向き合う良順の姿に、次第に惹かれていく。
江馬 良順 (えま りょうじゅん)
みなとが暮らす島に、常勤医師として赴任してきた男性。年齢は28歳で、眼鏡をかけたクールなイケメン。3か月後には東京の病院で研究職に就くことが決まっているが、それまでのあいだ、島民の健康向上に真摯に取り組んでいる。みなととは相思相愛の関係にあるものの、彼女がまだ高校生であることから、自分の気持ちを抑えている。







