概要・あらすじ
なし
登場人物・キャラクター
山の辺 想 (やまのべ そう)
東京の近くにある八天王市に住み、市立八天王小学校に通う小学1年生の男児。悪夢を頻繁に見ており、空想癖がある。周囲からは弱虫と思われているが、夢と現実、過去と現在が入り混じった世界で起きる怪事件を、ヌーメラウーメラに変身して解決している。ヌーメラウーメラは、傷を癒す神の左手と、全てを消す悪魔の右手を持つ。
山の辺 泉 (やまのべいずみ)
女子高生。小学1年生の山の辺想の姉。東京の近くにある八天王市に住み、屋敷高等学校に通っている。マイケル・ジャクソンの大ファン。想と一緒に事件に巻き込まれることが多い。「錆びたハサミ」のエピソードでは、口から大量の泥や子どもの人骨を何体も吐き出し、さらに、三輪車や新聞など、昔、八天王市で起こった連続切り裂き殺人に関係する物が、体内から皮膚を突き破って次々と出てきた。
法子 (のりこ)
「錆びたハサミ」に登場する女子高生。屋敷高等学校に通っており、山の辺泉の同級生。大雨の夜、担任の林先生の家が川の増水で流され、死んだという噂を確かめるため、ユキとめぐみの2人と共に泉を誘って現場に連れ出す。その時、泉の弟の山の辺想も付いていく。どこからか流されてきた地下室を発見し、法子は想を1人で探検させた。 好奇心が強く乱暴な性格で、想を弱虫のうそつき呼ばわりする。想も嫌っており、泉にいつも法子となんか遊ぶなと注意している。
想の父 (そうのちち)
山の辺泉と山の辺想の父。東京の近くにある八天王市の市立病院の外科医。
山の辺 由紀子 (やまのべ ゆきこ)
山の辺泉と山の辺想の母。夫は八天王市の市立病院の外科医。八天王市では昔、子どもが次々と誘拐され、ハサミで切り裂かれて殺される事件が起こっていた。事件関連の物が泉の口から吐き出され、さらに、体を突き破って出てくる異常事態を目の当たりにし、由紀子は引っ越してきたことを後悔する。
一矢 知樹 (かずや ともき)
「錆びたハサミ」に登場する男性。山の辺泉の担任である林先生が亡くなったため、北海道から新担任として東京の近くの屋敷高等学校に転勤してきた。北海道では老母と2人暮らしで、母親は転勤に強く反対していた。泉たちが川の増水で流されてきた地下室で拾った錆びたハサミを見て、異常な怯え方をする。 一矢知樹は30年前、八天王市で山の辺想と同じ年代の子どもを、ハサミで次々と裂き殺す殺人鬼の事件があった際の被害者で、唯一の生き残りだった。
ますみ
切り裂き魔の老婆が産んだ子どもで、古い工場の地下室に住んでいた。人々がエイリアンと形容する、尻尾のある怪物のような姿をしている。母親が子供を誘拐してくるのは、ますみの友達にするためであり、ますみが気に入るようにと、ハサミで全身を切り裂き同じような醜い姿にしていた。
ますみの母
「錆びたハサミ」に登場する、老婆の切り裂き魔。犯行時は仮面を付けている。古い工場の地下室に娘のますみとともに住んでいた。娘の遊び相手として、子供を連れ去り、彼女が気に入るようにと全身を切り裂いて醜い姿にしていた。
みどり
「消えた消しゴム」に登場する女性で、山の辺想の通う八天王小学校の先生。想の同級生の大輔が「人は死ぬと正体が現れる」という噂を話し、想たかしみずえの3人に、優しいみどり先生を殺して正体を見ようと持ち掛け、これを実行されたため、ロープで首を吊って死ぬこととなる。 その後、犯罪を隠蔽するため、子供たちにより埋められたが、翌日にはいつもどおり学校に現れていた。その後、みどりを殺した子どもたちが次々と姿を消していくこととなる。
ヌーメラウーメラ
山の辺想が夢の中で、ピンチのときに変身する姿。傷を癒す神の左手と、全てを消す悪魔の右手を持つ。「影亡者」で登場した時、「わたしはヌーメラウーメラ!! この世のもとなり!! もとはうたえり!! 神の左手!! 悪魔の右手!!」と宣言した。「消えた消しゴム」では、想は筆箱に、消しゴムで作った守護霊ぬーめらうーめら1体と、他の悪魔と戦う自分の悪魔どんどろでんでろがんがろべんべろ4体を入れていた。
高品 明 (たかしな あきら)
「女王蜘蛛の舌」に登場する外科医。山の辺想の父親と同じ市立病院に勤めている。かおりというフィアンセがいる。病院で想の父に世話になっているお礼として、連休に想と姉の泉を友人木玉(こだま)のペンションに連れていってくれた。山中のペンションに着くと木玉は痩せ衰えており、その夜、謎の死を遂げる。 私立病院から3人がペンションに戻ると、見知らぬ男がおり、高品に山の屋敷に住むおくさまの容態が悪くなったので診てほしいと頼んでくる。屋敷に行くと、ベッドの女の口から大量の血が流れており、舌に蜘蛛の形の傷が付いていた。想はあの女が木玉を殺したと主張するが、高品は女の美しさに魅せられた状態で往診する。
屋敷の女
『神の左手悪魔の右手』の「女王蜘蛛の舌」に登場する、山の屋敷の女主人。栗津(くりづ)という男の使用人がいる。山の辺想と姉の山の辺泉は、父と同じ病院に勤める外科医の高品明に連れられ、高品の友人木玉が経営するペンションに遊びに向かう。木玉は痩せ衰えており、その夜、謎の死を遂げてしまう。 怪しい気配を感じた想は、ペンションの廊下で大きな蜘蛛を捕獲した。木玉の死により私立病院に行った想たちがペンションに戻ると、栗津が蜘蛛を捜し回っていた。栗津は高品に屋敷のおくさまの容態が悪いので、診てほしいと頼む。屋敷のベッドで女主人は口から大量の血を流して呻き声を上げており、高品が口の中を診察すると、大きな蜘蛛の形にえぐられたような傷が舌に付いていた。
久保田 もも (もも)
『神の左手悪魔の右手』の黒い絵本に登場する少女。足が悪く、ベッドで寝たきりの生活を送っており、父親が描く絵本を楽しみにしている。父親はグロテスクな話に合わせ、実際に人を殺した体験を絵本にしていた。父親が仕事でいない時、どうしても新しい絵本が見たくなったももは、地下の部屋にある絵本を覗こうとして、ベッドから降りて階段のほうに這っていく。 偶然、冷蔵庫のドアに手をかけ、ドアが開くと、中から父親が次の絵本のために殺害した2人の女性の生首が入っていた。ももが目撃した生首を、山の辺想も昼寝の夢で見ることとなる。
ももの父
『神の左手悪魔の右手』の「黒い絵本」に登場する男。足が悪くて寝たきりの少女ももの父親。コンビニエンスストアで働き、合間に絵本を自作してももに見せる。絵本はグロテスクな絵とストーリーで、ももの父は実際に殺人を行い、それを絵本に反映している。絵本を楽しみにしているももを可愛がっていたが、殺人に気づいたももにそのことを指摘されると、態度が一変し、今までの絵本に描いていることは全部もものことだと怒鳴る。 ももの父は、新しい絵本だとして、何も描いてないノートをめくりながら、オオカミの正体を知ったウサギが食べられる話をし、大鍋で湯を煮立てながら包丁でももを殺そうとする。
土井 みよ子 (どい みよこ)
『神の左手悪魔の右手』の「影亡者」に登場する少女。山の辺泉の同級生。タレント兵藤タケルのファン。母親が働いているため、家の仕事を全部やっている。子どもが好きなため、将来は保母を希望していた。「永遠の女王」と呼ばれた往年の大女優、大森世津子が路上で倒れている所に通りかかり、手を握られる。救急車を呼んで病院に付き添うが、そのまま死亡し、みよ子は大スターに憑いていた影亡者に取り憑かれる。 みよ子は赤い絵の具を唇に塗って自宅を出ると、原宿に行き、そこでスカウトされ、花みよ子という芸名でデビュー。影亡者の力で、手段を選ばずスターにのし上がっていく。これにより、もともとみよ子に憑いていた霊の三郎太は、山の辺想に憑いてしまう。
影亡者 (かげもうじゃ)
「影亡者」に登場する霊で、取り憑いた相手に大運をもたらす。往年の大女優、大森世津子が死んだため、偶然、死の際に付き添った土井みよ子に取り憑きかえている。人がいる所で取り憑かれている者が死ぬと、は他の人に憑くという性質をもっている。新たに取り憑かれた人にもともと憑いていた霊は、影亡者によって食いちぎられてしまう。 みよ子に憑いていた三郎太という霊も食いちぎられ、山の辺想に妄念で取り憑き直した。三郎太は影亡者を倒すためにみよ子を殺し、自分も消えることを決意する。
香月 細子
「影亡者」に登場する女性霊能者。山の辺泉の同級生、土井みよ子に憑いていた霊の三郎太が、弟の山の辺想に取り憑いたため、想は倒れ、苦しみもがいていた。泉は香月細子の書いた本を読み、想を診てもらおうとして訪ねる。なんとか想を助けようと悪戦苦闘する最中、クレーンが倒れてきて窓を破り、頭を押し潰され死亡した。