概要・あらすじ
周囲から恐れられている不良の男鹿辰巳は、ケンカの途中で大魔王の息子ベル坊と出会う。侍女悪魔ヒルダにベル坊の親代わりを強要された男鹿は、その役目から逃れるため自分以上に強く凶悪な不良を求めてケンカを売っていく。しかし、一緒に暮らすうち男鹿とベル坊には親子のような絆が生まれ、次々と現れる強敵に対し、共に勝ち抜いていくようになる。
登場人物・キャラクター
男鹿 辰巳
石矢魔高校一年生で、付近の不良達から恐れられる異常な強さを誇る少年。大魔王の子であるベル坊から育ての親に選ばれ、常にベル坊を身近に置かねばならない身の上となる。凶暴で身勝手な性格だが、ベル坊に対しては不平を漏らしながらも面倒を見続ける。不良たちや悪魔との戦いを経て成長し、ベル坊の膨大な魔力を使いこなすようになっていく。
カイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世 (かいぜる・で・えんぺらーな・べるぜばぶよんせい)
魔界を統べる大魔王が人間を滅ぼすために送り込んだ第二王子。おしゃぶりを咥えた赤ん坊で、男鹿辰巳に懐いている。絶大な魔力を持つが自由には使えず、癇癪を起こした時に電撃を放つなど感情に左右される。男鹿との生活で次第に逞しさを身に着け、感情と魔力をある程度制御できるようになる。
ヒルデガルダ
ベル坊に使える、侍女悪魔。金髪のロングヘアーと、ゴスロリ衣装が特徴。ベル坊に心からの忠誠を示す反面、男鹿辰巳をはじめとする人間には高圧的かつ非情。男鹿の家族には「辰巳が妊娠させたマカオの女性」、石矢魔高校の面々には「男鹿のヨメ」と誤解されている。 日傘に仕込んだ剣を武器とし、かなりの戦闘能力を持つ。
古市 貴之 (ふるいち たかゆき)
男鹿辰巳の親友で、早い段階から男鹿とベル坊の関係に巻き込まれて魔界や悪魔の事情を知る。男鹿の理不尽な行動にしばしば巻き込まれる。ケンカは強くないが頭の回転が早く肝が据わっており、ハッタリで場を切り抜ける事が多い。「智将古市」と呼ばれ自称することもあるが、女性からは蔑称として「恥将」と呼ばれることもある。
バティム・ド・エムナ・アランドロン
ベル坊とヒルダに仕える、次元転送悪魔。筋骨逞しい巨体の紳士だが、体が縦真っ二つに割れて、登場人物を別の場所に転送するゲートとなる。人間界では古市の家に住み着くが、しばしば周囲の人間に古市との同性愛を誤解させるような言動をとる。
邦枝 葵 (くにえだ あおい)
石矢魔高校2年の女子高生。関東最強とされるレディースの3代目総長であり石矢魔高校女生徒の支持が高く、同校4大勢力の一角を占める。神社の娘で古武術に長けており、特に木刀を使った剣術ではかなりの戦闘力を持つ。誤解から男鹿と敵対するが、和解して彼に好意を持つようになる。
東条 英虎 (とうじょう ひでとら)
石矢魔高校4大勢力の中でも最強とされたが勢力争いには興味がなく、強敵とのケンカのみを楽しみとする。その実力は男鹿との正面きったケンカで勝利した事もある程だが、頭脳面ではかなり抜けている。学業よりもアルバイトに熱心なため、成績も悪い。右肩に蝿王紋と同じ紋様があるが、これは師である早乙女に憧れ自ら彫ったもので、ベル坊とは契約していない。
神崎 一 (かんざき はじめ)
石矢魔高校4大勢力の一角を占め、「石矢魔統一に最も近い男」と呼ばれていた。個人としての強さは東条や邦枝ほどではなく、家がヤクザ一家であり多くの不良を従えている事で最大勢力とされている。凶暴で仲間を粗略に扱うこともあるが、外敵が仲間を害することには強い怒りを示し、そのためか人望は篤い。
姫川 竜也 (ひめかわ たつや)
石矢魔高校4大勢力の一角を占める高校3年生。巨大なリーゼントとサングラス、アロハシャツが特徴。姫川財閥の御曹司で、圧倒的な財力による買収や、裏工作、隠し武器といった卑劣な戦法を得意とする。元は私立サンマルクス修道学院に通っていたが、「リーゼントが似合いそーだったから」という理由で石矢魔高校へ転入してくるほど、リーゼントにこだわりを持つ。
焔王 (えんおう)
大魔王の第一王子であり、ベル坊の兄。「焔王」は称号で、本名は不明。常に3人の侍女悪魔を侍らせたワガママな子どもで、人間界のゲームに目がない。ベル坊より年上でありながら同等に泣き虫で、泣くと魔力で周囲一帯を火の海にすると言われる。ラミアに好意を抱いており、彼女を「余の嫁」と公言している。
ラミア
魔界の宮廷薬師の助手を務める少女で、ヒルダを強く慕っている。人間に対しては高飛車で、特に古市に対してはぞんざいに扱うが、共に行動することが多く、気にかけている様子も見られる。焔王には好意を寄せられているが、苦手意識を持っている。
早乙女 禅十郎 (さおとめ ぜんじゅうろう)
聖石矢魔学園に新任教師として赴任してきた、バンダナと無精髭のワイルドな男。石矢魔高校の卒業生で、在学中に悪魔と契約。悪魔と対等以上の契約を交わして、その使役する「紋章使い」(スペルマスター)である。男鹿や東条に悪魔とも戦い方を伝授した。藤と鷹宮の師でもある。
藤 (ふじ)
石矢魔殺六縁起の一人。かつて早乙女から紋章術を習っており男鹿の兄弟子に当たる。悪魔サタンと契約しており、その能力で男鹿の周囲の人々を次々と石に変えた。男鹿とベル坊を相手にした決戦ではサタンと融合して挑む。
鷹宮 忍 (たかみや しのぶ)
石矢魔殺六縁起の中でも最大の勢力を持つ少年。12歳の頃早乙女から紋章術を習っており、魔力や紋章の使い方では男鹿をしのぐ。多数の臣下を揃えて男鹿たちと総力戦を繰り広げるが、最後は男鹿との一騎打ちに敗れる。契約する悪魔はルシファー。
集団・組織
石矢魔高校 (いしやまこうこう)
『べるぜバブ』の主な舞台となる学校。「天下の不良高校」「県下最強」と呼ばれ、生徒のほぼ全員が不良。共学校だが邦枝葵が女子生徒を引き連れて遠征していたため、男子生徒しか登場しなかった事もある。生徒の中の4大勢力は東条、邦枝、神崎、姫川の名をとって「東邦神姫」と呼ばれている。校舎は、男鹿の右腕にたまった魔力の暴発で一度全壊した。
聖石矢魔学園 (せんといしやまがくえん)
『べるぜバブ』の舞台となる高校。石矢魔高校が全壊した際、男鹿達が一時的に通うことになった。一見して素行のいい生徒が多い校風だが、石矢魔高校への差別意識が強く、陰に篭った攻撃をする生徒もいる。部活動が盛んで、トップクラスの6人が生徒行事や治安維持を取り仕切る「六騎聖」を結成し、強い権限を持っている。
ベヘモット34柱師団 (べへもっとさんじゅうよんちゅうしだん)
『べるぜバブ』に登場する、悪魔の一団。魔界の王宮直属の武闘集団で、焔王の部下として男鹿と敵対する。団長以下、10名の柱爵、24名の柱将、300名以上の団員で構成される。
私立サンマルクス修道学院 (しりつさんまるくすしゅうどうがくいん)
『べるぜバブ』の舞台となる学校。政財界の大物の令息令嬢や小国の王子など、一部の特権階級のみが通う超上流校。大魔王から探し物の依頼を受け、男鹿たちが姫川の伝手で潜入した。地下には賭け試合を行う闘技場があり、仕切っている久我山は姫川の旧友。
石矢魔殺六縁起 (いしやまさつりくえんぎ)
『べるぜバブ』に登場する一団。石矢魔高校が全壊した際、それぞれの転校先を制覇してきた6人の生徒たち。いずれもソロモン商会によって悪魔と契約した「紋章使い」(スペルマスター)。本名または異名が、初夢に見ると縁起がいいとされる富士・鷹・茄子・扇・煙草・座頭にちなんでいる。
ソロモン商会 (そろもんしょうかい)
『べるぜバブ』に登場する組織。悪魔の力を入手し売買する人間の組織で、ベル坊の母を利用して大魔王以外の魔王を手中に収めていた。ベル坊の力を手に入れるため、男鹿との出会いから石矢魔殺六縁起との戦いまで陰で操っていた、黒幕。
その他キーワード
蝿王紋 (ぜぶるすぺる)
『べるぜバブ』に登場する、大魔王など王家の悪魔と人間の正式契約の証となる紋章。男鹿の右手の甲に刻まれており、ベル坊との同調によって複雑さを増し、全身へ広がる事もある。男鹿とベル坊はこの紋章を発動させ魔王の咆哮(ゼブルブラスト)などの必殺技を使用する。