異色の二人による、秘密のお留守番コメディ
伯父と二人暮らしの小学5年生の勇飛は、学校から帰ると、毎日一人で留守番をしている。そんなある日、突然天井に穴が開き、イケメンのアラサー男性が落ちてくる。彼は上の部屋の住人、蒼井で、どうやら床が抜けたらしい。勇飛は、大家さんに連絡しようとするが、蒼井はそれを頑なに拒否する。蒼井は極道でありながら乙男(オトメン)であり、ファンシーな部屋を見られ、自分の趣味を知られるわけにはいかないのだという。その後、紆余曲折を経て、天井の穴をそのままにする代わりに、蒼井は勇飛の留守番に付き合うことになる。本作は、こうして出会った小学生と極道という異色の二人による、秘密のお留守番コメディである。
大人びた心優しい小学生×オトメン極道
勇飛には母の佳織がいるが、父は不明である。佳織が一人で出産した後、産後不安定になったため、幼少時は祖父母に育てられていた。しかし、祖父母の厳しいしつけを心配した佳織は、兄の航太郎に勇飛を引き取ってほしいと連絡。こうして勇飛は航太郎と二人暮らしをすることになった。そんな境遇からか、勇飛は小学生とは思えないほどのしっかり者であり、大人に迷惑をかけないようにいつも気を使っている。一方、イケオジ極道の蒼井は、見かけによらず可愛いものが大好きなオトメンである。小さい頃、自分の趣味を「気持ち悪い」と父に全否定された経験をいまだに引きずっている。また、10歳で弟を亡くした過去を持ち、一人で留守番をする勇飛のことをいつも気にかけていた。
様々な事情を抱えた人々による疑似家族
伯父の航太郎はトランスジェンダーであり「まりん」という名で夜の仕事をしている。勇飛を引き取った当初は、女装をやめ普通の会社に勤めたが、勇飛に「まりんちゃんのままでいいよ」と諭され、自分を偽ることをやめて夜の仕事を再開した。隣に住む女子中学生の立花朱音は、母親と二人暮らし。学校で仲間外れにされ、母ともケンカをして公園にいたところ勇飛と出会う。お互いに留守番が多いことで意気投合し、なんちゃって姉弟として仲良くなった。本作は、様々な事情を抱えた登場人物が繰り広げる、疑似家族ホームコメディである。
登場人物・キャラクター
関根 勇飛 (せきね ゆうひ)
小学5年生、10歳の男の子。他人を否定しない優しい性格で、また、小学生らしからぬ大人びた言動も特徴。伯父である航太朗と二人暮らしをしているが、伯父の仕事の都合で留守番をすることが多い。そのため、料理が上手い。天井が抜け、突然落ちてきた上階の住人、蒼井と交流を深めていく。
蒼井 洋海 (あおい ひろみ)
33歳の男性。長身とメガネが特徴のイケオジで、勇飛の部屋の上階に住む。一見、スーツ姿のインテリだが、背中一面に龍の入れ墨をした眞開組の構成員。また、可愛いものやスウィーツが大好きで、ファンシーな部屋に住む乙男(オトメン)である。ぶっきらぼうでクールに見えるが、じつは心優しい性格で、いつも一人で留守番をしている勇飛を気にかけていた。
書誌情報
ぼくと仁義なきおじさん 4巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-03-03発行、978-4088834177)
第2巻
(2023-05-02発行、978-4088835389)
第3巻
(2023-09-04発行、978-4088837154)
第4巻
(2023-11-02発行、978-4088838076)







