ぼくんち

ぼくんち

海沿いの貧乏な町を舞台に、一太と二太の兄弟と姉のかの子の日々をユーモラスに描いた叙情的底辺生活漫画。第43回文藝春秋漫画賞・受賞作品。

正式名称
ぼくんち
ふりがな
ぼくんち
作者
ジャンル
家族
レーベル
スピリッツとりあたまコミックス(小学館) / ビッグコミックス(小学館) / 角川文庫(角川書店)
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概要・あらすじ

少年の二太は、兄の一太と暮らしていた。二太が住んでいるぼくんちは、山と海しかない静かな町の一番はしっこにあり、母親は3年前から帰って来ない。そんなある日、母親が初対面の姉・かの子を伴って帰って来た。だが、母親はまた失踪。それぞれ父親の違う姉弟たちは、貧乏で悲惨な状況の中、肩を寄せ合って笑顔で生きていく。

登場人物・キャラクター

二太 (にた)

超貧乏母子家庭の次男。素直で無邪気な性格の男の子。どんな不幸な中でも明るく振舞う強さを持つ少年。姉かの子とともに暮らし、町の人々の生き方と暮らしを見つめていく。父親は不明で母親は失踪中。一時期は、兄の一太とふたりきりで暮らしていた。

一太 (いちた)

二太の兄。かの子の弟。母親が行方不明だった3年間、弟の二太と二人で気丈に生きてきた。その後、姉・かの子の稼ぎで暮らすようになったが、一人前の男になろうと、こういちくんのもとで働くようになる。二太やかの子のためにも金持ちになろうと奮闘するが、うまくは運ばない。こういちくんが漁師となったことで、彼のシマを受け継ぐが、すぐに奪われ、町を離れることとなる。

かの子 (かのこ)

一太と二太兄弟の父親違いの姉で、突然母親が連れてきた。風俗店で稼ぎ、一太と二太を養ってくれる。野良猫や野良犬を見ると放っておけない性分で、風俗店で稼いだお金で母親の借金も返済している。どんなに苦労しても人を恨むことをせず、いつも笑顔を絶やさない。二太に「泣いているヒマがあったら笑ええ!!」と教えた。 屋台のコロッケ屋さんをやることが密かな夢。

母ちゃん (かあちゃん)

一太、二太、かの子を産んだ母親。一太、二太の子育て放棄して3年間行方をくらませていた。突然、かの子を連れて戻ってくるが、すぐにまた失踪。その後、再び戻ってきたが、翌日家の権利書を持ち出して、そのまま行方をくらませた。

こういちくん

町一番の不良。町のトルエン違法販売のルートを牛耳る他、ガソリンの窃盗販売、暴力ホテトルのマネジメント、あたり屋などの非合法商売を手広く行っていた。後に一太を手下して使うようになる。母、姉(こういちくんのねえちゃん)ともに娼婦。父親とおぼしき男は働き者の漁師だった。凶暴な巨漢で喧嘩も強いが、女性には優しい一面を見せる。 父親とおぼしき男と姉の死去をきっかけに漁師となり、商売のシマを一太に譲った。外見のモデルはライターのゲッツ板谷。

鉄じい (てつじい)

河原に小屋を建てて、しじみをとって暮らす老人。鉄でも銅でも何でも売り買いしてくれることから鉄じいと呼ばれている。二太も一太が盗んできた銅線などを鉄じいのもとに持ち込んで金をもらっていた。やくざ相手に偽のピストルを売りつけて家に火をつけられたこともある。よその土地に勝手に家を建てた際、ブルドーザーで家をつぶされてしまうが、その後、ブルドーザーを闇ブローカーにたたき売って、町のはずれに家を建てた。

さおり

二太のおさななじみの女の子。初恋の相手でもある。大酒飲みで薬物常習者の父親(さおりちゃんのとうちゃん)をたこ焼きの屋台のあがりで養っている。さめた物言いをすることの多い子供だが、父親のことを見捨てず、けなげに面倒を見続けた。しかし、父親はさおりの寝ている横で、ゲロまみれで死亡した。

さおりちゃんのとうちゃん

二太のおさななじみのさおりの父親。大酒飲みで薬物常習者。50歳を過ぎながら、ヤクザに時給2千円で雇われている最底辺のパートタイムヤクザ。娘のさおりのたこ焼き屋台のあがりで生活していた。後、浮浪者が集まる公園でバクチ場を開くが長くは続かず、最後は家でゲロまみれになって死亡した。 遺骸は、こういちによって他人の墓に勝手に埋葬された。

こういちくんのねえちゃん

こういちくんと同じ顔をした彼の姉。暴力ホテトルをひとりで営業している。こういちくんの心のよりどころだったが、彼を残して死亡してしまう。南の島をひとつ買って、毎日赤い魚を食って暮らすことが夢だった。

とろちゃん

めちゃくちゃとろくさいことと、魚市場でとろ箱を集めてくることを商売としていることからとろちゃんと呼ばれている。年齢不詳の初老の男。何でも飼うのが趣味の人であるかの子によって家に上げられるが、野良なのですぐに逃げ出してしまった。

安藤くん (あんどうくん)

ヒゲのそり跡が濃く、丸いサングラスをかけた男性。刑務所にしょっちゅう入ったり出たりしていて、4年に一度ぐらいしかシャバに出ていないため、オリンピックの安藤くんと呼ばれている。まがったことや中途半端がきらいな性分で、よくチンピラの顔をブロック塀にこすりつけて血まみれにしている。

どろくそ

普段はアルミ缶を集めて生活しているが、本業はなんでも盗むドロボウ。犯行現場にかならずクソをひってくることからどろくそと呼ばれている。ある日、とうふ屋の後家さんに恋をしたが、盗んだ女物の下着をプレゼントして、おから入れの木箱で思いっきり後頭部を殴られた。

ツレちゃん

町の一番奥にあるソープランドのボーイでこういちくんに憧れている青年。ここのソープランドで働く女性たちは、日本中をヤシの実のようにただよってツクダニのようになっているオバさん揃いで、客もめったにやってこない。そんなオバさんたちに金を貸したりする気のいい人物だったが、借金の保証人となり、町から逃げ出した。

マリア

こういちくんがある日拾ってきた娘。ゴミ捨て場に裸足で座っていた。「外人になりたい」と語ったことから、こういちくんにマリアと名付けられた。上の毛も下の毛も金髪に染めている。姉(こういちくんのねえちゃん)が亡くなり悲しみに沈むこういちくんに、母親が娼婦で捨てられた小さな女の子をもらってきて育てることを提案する。

みきおちゃん

かの子にほれて、ぼくんちに上がり込んできた男。全身に刃傷が走っており、これを線路に見立てて、二太に電車遊びをさせた。「家族は一緒にメシを食うべき」という信条を持つ。屋台のコロッケ屋さんをしたいというかの子の願いを知り、金を作ろうとして、飯場の金に手をつけ、それがバレて行方不明となった。

猫ばあ (ねこばあ)

猫のようにたくさん子供を産んで、猫のように子供をあちこちに捨てまくったので、猫ばあと呼ばれている。「20回くらい腹に子供ができて、15人くらいが生まれて、10人くらいが多分大きくなった」と本人が語っている。子供を捨てる時は、食うに困らないよう、なるべく食いもの屋に捨てており、葬式の時に集まった子供達には案外感謝されていた。

場所

生きてゆく中華料理店 (いきていくちゅうかりょうりてん)

『ぼくんち』の登場する店。二太の住む町内に一軒だけある中華料理店。看板のないボロボロの店で、皆から生きていく中華料理店と呼ばれている。大の大人が涙ぐむ程まずい料理を出すが、客が絶えず、絶対に休むことがない店。アル中の主人と働き者のおかみさん、シンナー中毒の娘、頭に虫のわいている息子の4人で店を切り盛りしている。 ある日、おかみさんが倒れ、何があっても休まない店が休んだが、おかみさんが「はよう店を開けんと。人生とあきないは止まらん列車やから」という言葉を残して亡くなり、店は再開された。

書誌情報

ぼくんち 全3巻 小学館〈スピリッツとりあたまコミックス〉 完結

第1巻

(1996年12月発行、 978-4091792716)

第2巻

(1997年8月発行、 978-4091792723)

第3巻

(1998年3月発行、 978-4091792730)

ぼくんち :全 全1巻 小学館〈ビッグコミックス〉 完結

第1巻

(2003年6月発行、 978-4091877017)

ぼくんち 全3巻 角川書店〈角川文庫〉 完結

第1巻

(2009年4月発行、 978-4043543106)

第2巻

(2009年4月発行、 978-4043543113)

第3巻

(2009年4月発行、 978-4043543120)

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