まめねこ

まめねこ

飼い主のもとにもらわれてきた、やんちゃなあずきとおっとりしただいずの2匹の猫は、新しい場所で新しい生活を始める。個性豊かな同居人家族たちと共に過ごす、あずきとだいずと仲間たちの日常を描いたゆるねこ漫画。

正式名称
まめねこ
作者
ジャンル
 
日常
関連商品
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あらすじ

あずきとだいず(第1巻)

6匹兄弟で生まれた猫のあずきだいずは、ある日飼い主にもらわれ、親兄弟と別れて新しい家、吉永家にやってきた。そこは、何もかもが見たことのないものばかりの世界。広い庭付きの大きな2階建ての家で、飼い主のほかにも肌色座敷おやじもじゃメガネといった新しい家族との生活が始まる。姉御肌で少々やんちゃなあずきと、おっとりした性格のだいずは、大のなかよし。ごはんもトイレも、眠りにつくのもいつもいっしょの2匹だが、猪突猛進タイプのあずきに振り回されるだいずというお決まりのパターンが毎日繰り返される。ある時、障子がちょっとだけ開いていることに気づいた2匹は、頭でこじ開け、縁側を通り抜けて、家の外へと出てしまう。生まれて初めて外に出たあずきとだいずは、前に一度だけ聞いたことがある、子猫を狙うというカラスの存在に怯(おび)えながら、草むらをかき分け進んでいく。そして2匹は、自分たちが迷ってしまったことに気づくが、トカゲを見ては追いかけ回し、ふざけ合っているうちにさらに時間は過ぎていく。お腹も減り、肉球も痛くなってきた頃、来た道を戻ろうと草むらから顔を出したあずきは、目の前に家があることに気づく。そこは広い庭の中で、2匹はただ同じところをぐるぐると巡っていただけだったのだ。そして飼い主から声をかけられ、家に戻ったあずきは、遊んだあとのごはんのおいしさを実感しながら、出されたごはんを頰張る。そして、何か大事なことを忘れていることに気づくのだった。

ごはんだよー(第2巻)

ある日、飼い主が風邪を引き、高熱を出してしまう。あずきだいずに具合が悪いという意味がわかるはずもなく、いつもいない時間に飼い主がいることにテンションが上がり、2匹はネズミのおもちゃを持ってきては、寝込んでいる飼い主に遊んで欲しいと催促し、飼い主を困惑させる。しばらくしてもじゃが、あずきの鼻から鼻水が出ていることに気づき、ほどなくしてくしゃみが始まり、ご飯を残していたこともあり、飼い主はあずきを動物病院へ連れて行くことにした。診察の結果、猫風邪であることが判明。感染力の強い猫風邪は、ほかの猫にもすぐにうつると忠告された飼い主は、家に戻ってだいずの様子を確認すると、あずきと同様、だいずも鼻水をたらしており、飼い主は再度動物病院へと向かう羽目になる。連れて行かれただいずと入れ替わりで帰宅したあずきは、吉永家中どこを探してもだいずがいないことに気づき、大騒ぎする。不憫(ふびん)に思った肌色は、5本指ソックスに綿を詰めたものにだいずと名前を書いて作ったぬいぐるみの靴下人形を、あずきに渡す。最初は見向きもしなかったあずきだったが、だいずのいない寂しさを紛らわせるため、次第にその靴下人形で遊び始める。その後、寒さも強くなり、吉永家で猛威を振るった風邪は肌色にも襲い掛かる。そして季節が一層深まっていく頃には、靴下人形はすっかり2匹のお気に入りとなっているのだった。

こらっ!こらっ!(第3巻)

あずきだいずが縁側で寝ていたところ、仰向けになっただいずのお腹の上に突然何かが落ちてきた。それは、まだ飛ぶこともできない雀のヒナだった。騒ぎに気づいた肌色が確認すると、屋根瓦の下にたくさんの巣ができていることを発見。そして、軒先瓦の隙間からは親雀が出入りしていた。ヒナを巣に返そうと試みるも、手も入らないようなわずかな隙間から雀のヒナを押し込むわけにもいかず、しばらくのあいだ吉永家で面倒を見ることにした。意外にも、マンガから得た知識が役に立ち、鳥の生態に詳しいメガネのアドバイスに従って、飼い主は雀の飼育環境を整え、家族総出で飼育にあたる。ビヨビヨと鳴く鳴き声から、ビヨ子と名づけられたヒナは、猫餌をふやかしたものや、ミルワームなどを食べ、すくすくと育っていく。あずきとだいずは、よく動き回るようになったビヨ子を狙ってちょっかいをかけるが、身軽なビヨ子にとって、もはや2匹は敵ではなかった。あずきとだいずとビヨ子がすっかり遊び相手と化した頃、ビヨ子は家中を自由に飛び回れるまでに成長。そろそろ頃合いと見定めた日、飼い主がビヨ子を入れた鳥かごの扉を開け放つと、ビヨ子は躊躇なく外に飛び出し、振り返りもせずに大空を羽ばたいていく。それ以来、ビヨ子はたくさんの雀と共に吉永家を訪れるようになり、あずきとだいずとの交流は続いていくのだった。

豆之介でござる!(第4巻)

ある日、メガネに連れられて1匹の豆柴犬が吉永家へとやってきた。彼の名前は「豆之介」。いっしょに暮らしていたおばあちゃんが他界したため、行き場を失い、新しい里親が見つかるまでのあいだ、吉永家で預かることになった。突然のことに、飼い主あずきだいずとの関係を心配するが、実は豆之介は猫に育てられたため、自分を猫だと思い込んでおり、猫が大好きという不思議な犬だった。飼い主家族の心配をよそに、豆之介は新しい暮らしに馴染んでいく。プライドが高く、おバカなところのある豆之介だったが、あずきとだいずはそんな彼を受け入れ、ある時は舎弟のように、ある時は兄弟のように遠慮なく接し、あっという間になかよくなっていった。そんなある日、新しい里親が見つかったと、メガネから知らせを受けた豆之介は、自分がまた新しい家に行くことになるのだと理解する。おばあちゃんが他界したことを知らない豆之介は、お迎えがきたら自分の新しい行き先を教えてあげて欲しいと言い残し、犬好きの夫婦にもらわれていく。豆之介がいなくなって、すっかり張り合いをなくしたあずきとだいずは、思い切って豆之介に会いに行くことを決意し、キジバト夫婦に協力を求めるために声をかける。

なになに?これな~に?(第5巻)

ある日、吉永家で暮らす豆之介のもとにお客様がやってきた。それは、豆之介のもとの飼い主であるおばあちゃんの孫のノブだった。ノブは久しぶりに豆之介の顔を見ようと、いっしょに暮らしていた猫のマロンを連れてやってきたのだ。豆之介は、自分にとって母親同然のマロンとの再会に、感情が昂(たかぶ)る。実は、ノブが豆之介のもとにやってきたのにはほかにも理由があった。それは、豆之介の新しい里親が見つかったという報告のためだった。もともとメガネは、次の里親が見つかるまでのあいだという約束で豆之介を預かったため、新しい里親が見つかったことを吉永家の家族にも伝える。以前、もらわれていくはずだった先の家で、先住犬と折り合いが合わず一度戻ってきてしまっていた豆之介だったが、今度の里親は1年前に愛犬を亡くし、寂しさを募らせている優しそうな若夫婦。子供はなく、ほかに先住の生き物もいないため、相性を心配することもない。自宅は広い庭付きの素敵な一戸建てで、犬専用の部屋に犬専用の足洗い場も完備されている。その家にはそれまで子供同然にかわいがっていた犬がおり、その子を亡くしたばかり。新しい家は、その痕跡がありありと残っていたが、若夫婦は豆之介を受け入れる準備をしっかりと整えていた。あまりにも恵まれた環境に、沸き立つ一同だったが、座敷おやじだけは固い表情のまま、相手先家族と張り合おうとする。週末、連絡がきてから引き渡すことが決まり、座敷おやじは、今日が最後の散歩になるのかと、豆之介と二人の時間をかみしめながら外を歩いた。ちょうど同じ頃、新しい里親からの電話を受けたもじゃは、豆之介はうちで飼うことに決めたと打ち明け、話が行き違ってしまったことを相手に詫(わ)びる。そして、横で話を聞いていたメガネに、座敷おやじには相手が飼えなくなったと伝えるように求め、長年日々を共にする夫婦としての気遣いを見せる。一方、帰宅してその事実を知った座敷おやじは、豆之介に残念だったなと声をかける。そんな姿を見たメガネは、素直じゃない両親の姿に、複雑な思いを抱くのだった。

タヌキ寝入りの術(第6巻)

ある日、吉永家にお客様がやってきた。座敷おやじの弟夫婦である叔父叔母は、久しぶりに訪れた吉永家に子猫が2匹と犬までいることに驚いていた。そんな叔父叔母夫婦は、実は自分たちも犬を飼い始めたのだと嬉しそうに話し、車で待たせていた大きな犬を連れて来る。ジャーマンシェパードのゲオルクは、キリッと格好よく、競技会への出場も決まっている賢い犬だ。見た目は大きく威圧感があり、突然紹介された豆之介は、犬に苦手意識を持っていることもあり委縮する。しかし、至って温和な性格のゲオルクは、怖がりつつも敵意がないことを必死にアピールする豆之介に、「ともだちになる?」と声をかけ、好意を示す。初めての犬友達ができたことを喜んだ豆之介は、お近づきのしるしに、秘蔵のお宝を発掘してゲオルクに見せる。それは、豆之介がいたずらで解体したサンダルの底部分。過去最高の四枚下しだぞと自慢してみたものの、ゲオルクはピンと来ない様子。豆之介は、サンダルを下す遊びを知らないというゲオルクを庭に連れ出すと、げた箱から片方のサンダルをこっそりと持ち出し、実際にゲオルクにやらせてみせる。気をよくした豆之介は、先輩風をふかせ、あずきだいずをはじめ、吉永家で暮らすさまざまな生き物たちを自分の家族として、ゲオルクに紹介するのだった。

おじゃま三兄弟(第7巻)

豆之介座敷おやじと散歩をしていると、道の向こうにサバトラ柄の猫を発見する。豆之介の育ての父猫に似ていたため、警戒心なく声をかけ、近づいた豆之介だったが、その猫は警戒心をあらわにしてこちらに向かってきて、豆之介の鼻づらをいきなりひっかいた。思いがけず痛い思いをした豆之介は、その後も会うたびに攻撃され続け、さすがの猫好きもトラウマになるような状況に陥る。しかしその猫は、不思議とあずきだいずには非常に優しかった。吉永家にちょくちょく顔を出すようになったその猫は、餌をもらううちに飼い主や家族からもかわいがられるようになり、「サバ子」と名づけられて吉永家の一員となる。サバ子は人にも愛想よく、あずきとだいずをまるで自分の子供のように面倒を見てかわいがり、野良猫とは思えない一面を見せる。だが、いっしょに暮らし始めてもなお、豆之介と座敷おやじにだけは攻撃的に振る舞い続けた。今までいつもあずきとだいずといっしょだった豆之介は、サバ子から威嚇され、追い立てられて、次第にあずきとだいずから遠ざけられていく。あまりの寂しさに、キジバト夫婦と共に眠る姿まで見られるようになったある日、道路の方から叫び声が聞こえてきた。それは、野良犬とケンカするサバ子の鳴き声だった。押され気味で不利な状況のサバ子を見た豆之介は思わず飛び出し、野良犬に体当たりして野良犬を撃退する。

いやいや、まさか~(第8巻)

ある日、サバ子吉永家の庭から出て行くのを見た豆之介は、こっそりサバ子の跡を追うことにした。庭から一人で出てはいけないときつく言いつけられていたが、サバ子が何をするのか気になった豆之介は、すぐに帰ると心に誓って外へと出た。すると、豆之介はサバ子が近所を歩き回りながら、目に付いた犬を手あたり次第威嚇し、攻撃する姿を目撃。豆之介は彼女のあまりの所業に心を痛め、サバ子は我々家族の一員なのだから、悪いことをすれば飼い主に迷惑がかかるのだと諭そうとする。一方その頃、吉永家には見ず知らずの老婦人が訪れていた。彼女は表に貼ってあったサバ子を預っていると記された貼り紙を見て、うちの猫ではないかと尋ねてきたのだ。ちょうど散歩から帰って来たサバ子は、老婦人を見るなり走り寄り、老婦人の呼びかけに全力で答えた。話を聞けば2か月ほど前、サバ子と散歩中に老婦人が犬に嚙みつかれ、救急車で運ばれるという事態が発生。サバ子はその場に残され、行方知れずになってしまっていたのだ。老婦人の必死の捜索も、見つからないまま時間だけが過ぎ、家族からもあきらめるように諭される中、あきらめずに探し続けたところ、偶然にも吉永家に辿り着いたのだという。そして、サバ子は老婦人のもとへと戻ることになる。お別れの時、自分の子のようにかわいがったあずきだいずをなめてやり、豆之介にも頭を擦りつけ別れを惜しむように去っていった。ようやくなかよくなれそうだったところでの別れに、豆之介をはじめ、あずきもだいずも、サバ子がいないことにすっかり落ち込み、寂しさをにじませる。

また変なのきたでこれ(第9巻)

肌色が雀に餌やりをしていると、どこからともなく大きなオウムが姿を現した。白い体に黄色い立派なトサカを持つ、このオウムの種類はキバタン。このことから、「キバタン」と呼ばれるようになった彼は、雀といっしょになって餌をついばむと、「たのもーたのもー」と声をかけ、肌色の部屋に入ってきてしまう。キバタンは、しばらく吉永家の家族を警戒し、肌色の部屋の電器の上に籠城するが、空腹からか降りて来るようになり、いつの間にか肌色に懐き始める。用意された鳥かごには入ろうとしないものの、どこかへ飛んでいくわけでもなく、キバタンは家の中を動き回り、悠々自適な生活を送っていた。「シースー」「パイオツカイデー」など、なぜかバブル時代の言葉をよく話し、歌を歌いながら体を上下左右に揺らし、終始ごきげんな様子。飼い主は、迷いオウムの貼り紙を作成。近隣に貼ってみるも、どこからも連絡はないようだった。キバタンの存在は、このあとメガネに大きな影響を及ぼすことになる。それは、オウムのキバタンが大好きだと言う女性のアイコとの出会いだった。メガネは会社の同僚である彼女と話し、偶然にもキバタン好きなことを知ると、休日に家に見に来ることが決まる。当日、いつになく気合を入れて身支度を整えたメガネが、家にアイコを迎え入れると、アイコはキバタンの存在に大喜び。何しろ彼女は、Tシャツもバッグも靴下もキバタンが描かれたものを着用するほど、キバタンを愛する生粋のキバタン好き。おまけに、生き物全般が好きというアイコは、吉永家にいるたくさんの生き物に歓喜し、あっという間に吉永家の家族に馴染んでいく。そして、メガネがそんな彼女と恋に落ちるのに時間はかからなかった。スマートフォンで連絡を取り合い、いっしょにハイキングに行ったり、アイコはちょくちょく家にも遊びに来るようになって、メガネの日常はほんのりと色付き始める。

あずきちゃんとだいずちゃん(第10巻)

座敷おやじが熱を出したため、もじゃ豆之介を散歩に連れて行くことになった。豆之介は、いつもと違うもじゃとの散歩に違和感を感じつつも、このあいだ初めて行ったドッグランと、ドッグカフェにもう一度行きたいという衝動に駆られ、ずんずんと歩みを進める。ぐいぐいとリードを引っ張り、ようやくドッグランの前に辿り着いた時、豆之介は後ろについてきているはずのもじゃがいないことに気づく。豆之介は、仕方なく1匹だけでドッグランのカフェに入っていくが、店員に見つかり、飼い主不明の迷子として一旦お店で保護されることになる。するとそこに、以前座敷おやじときた時に相席になったエルの飼い主と再会。エルの飼い主は、豆の介のことを覚えていたものの、残念ながら連絡先までは知らなかった。一方、豆之介を見失ってしまったもじゃは大急ぎで家に戻り、豆之介とはぐれてしまったことを座敷おやじに報告。寝ていた座敷おやじは、もじゃと共にもう一度はぐれた場所へと向かい、豆之介を探し始める。迷い犬の貼り紙を作り、大量に貼って歩いたものの、どこからの連絡もないまま、夜になってしまう。落胆しているもじゃと座敷おやじは、帰宅した飼い主メガネも加わって、引き続き豆之介の捜索を行うが、依然として手がかりすら見つけられないまま、翌日を迎えることになる。

メディアミックス

TVアニメ

2018年1月から3月にかけて、本作『まめねこ』のTVアニメ版『まめねこ』が、TOKYO MXで5分の短編作品として放送された。あずきを木下鈴奈、だいずを上田瞳、飼い主を明坂聡美が演じている。

登場人物・キャラクター

あずき

だいずといっしょに飼い主にもらわれてきた雌の子猫。飼い主のほかに、肌色と座敷おやじ、もじゃ、メガネと生活を共にしている。姉御肌な性格で、だいずに対しても強引なところがあるが、非常になかよし。やんちゃに見えて極度の怖がりで、つねに警戒心が強い。行動範囲は家の中と広い庭までとかなり狭い。生まれた時のことや母猫のこと、いっしょに生まれ育った兄弟猫たちのことは今でもうっすら覚えている。もらわれてきたばかりの頃は、肌色のことを警戒し、頭頂部がパカッと開いて猫を捕食する謎の生物かもしれないと疑いをかけていた。しかし、その後無事にその疑いが晴れると、彼の布団に入って股ぐらで眠るほどに懐き、なかよくなった。のちに、肌色が入院することになり、不在となった際には家中を探し回るなど、寂しがる様子を見せた。あとからいっしょに暮らすようになる豆之介とはすぐになかよしになるが、その性格から弟分のように扱うことも多い。空腹時に肌色からもらったマグロの刺身を食べ、すっかりマグロのとりこになり、大好物となった。肌色のカツラをおもちゃにして遊ぶのが大好き。発する言葉はすべて関西弁で表現されている。

だいず

あずきといっしょに飼い主にもらわれてきた雄の子猫。飼い主のほかに、肌色と座敷おやじ、もじゃ、メガネと生活を共にしている。いつもあずきのあとを付いて歩いており、割とあずきにいいように扱われることが多いが、非常になかよし。おっとりした性格で食いしん坊。行動範囲は家の中と広い庭までとかなり狭い。生まれた時のことや母猫のこと、いっしょに生まれ育った兄弟猫たちのことは覚えていないが、ふわふわでいい匂いがしたという断片的な記憶だけは覚えている。飼い主を母親だと思っていて、自分が飼い主と姿かたちが似ていないことに疑問を持っている。自分も大人になったら飼い主のような姿になるんだと考えていた時もあったが、あずきに真実を聞かされることになり、衝撃を受けた。もらわれてきたばかりの頃は、肌色のことを警戒し、頭頂部がパカッと開いて猫を捕食する謎の生物かもしれないと疑いをかけていた。しかし、その後無事にその疑いは晴れ、彼の布団に入って股ぐらで眠るほど懐き、なかよくなった。のちに、肌色が入院することになり、不在となった際には家中を探し回るなど、寂しがる様子を見せた。あとからいっしょに暮らすようになる豆之介とはすぐになかよしになり、兄弟のような関係となる。空腹時に肌色からもらったマグロの刺身を食べ、すっかりマグロのとりこになり、大好物となった。肌色のカツラをおもちゃにして遊ぶのが大好き。発する言葉はすべて関西弁で表現されている。

飼い主

OLの女性。年齢は30歳で、祖父の肌色と父親の座敷おやじ、母親のもじゃ、兄のメガネと五人で暮らしている。ある日、知人の家で生まれた6匹兄弟の子猫の中から、あずきとだいずをもらってきた。猫好きだが、2匹の要求は理解できていないことが多く、すれ違いな会話が多い。しかし、なんだかんだと、あずきとだいずに上手に接している。ずっと色恋沙汰とは無縁だったが、メガネに彼女ができたのをきっかけに、太り気味になっている自分の外見を気にし始めた。ダイエットのために飼い犬の豆之介の散歩中、新しいパン屋さんが開店していたことを知る。そこで偶然声をかけられ、パン屋の店主の男性に興味を持ち、下心ありきで頻繁にその店のパンを大量に買いに行くようになる。しかしその後、店主が既婚者であることが判明。少し落ち込むものの、今度はその奥さんと親しくなり、客と店員の関係を超えて友達関係を築くことになる。本名は「吉永珠代」。

肌色

飼い主の祖父。息子の座敷おやじとその嫁のもじゃ、孫のメガネと五人で暮らしている。頭はつるつると禿げているが、若い頃は村一番の「ダンディーさん」だったため、今でもヘアスタイルには気を遣っており、人と会う時は身だしなみとして必ずカツラを装着している。甘納豆が大好物だが、血糖値が高いため1日10粒までと制限されている。家ではいつもラクダ色の肌着の上下を愛用している。あずきとだいずがもらわれてきたばかりの頃は、頭頂部がパカッと開いて猫を捕食する謎の生物かもしれないと疑いをかけられていたため、2匹からはかなり警戒されていた。その後、無事にその疑いは晴れ、あずきとだいずは彼の布団に入り、股ぐらで眠るようになった。2匹がマグロを好きになったのも、肌色がこっそりあげたのがきっかけ。顔には出さないが、実はかなりの動物好き。あずきとだいずがいたずらをして、怒り心頭のもじゃに、それをしたのは自分だと2匹をかばうこともある。猫にはキャットタワーが必要という新聞記事を目にすれば、トイレットペーパーの芯と段ボール箱でお手製のキャットタワーを作ったり、自分の5本指ソックスで靴下人形を作ってあげたりと、とにかくあずきとだいずをかわいがっている。しかし2匹のいたずらで、大切なカツラがぐちゃぐちゃにされたり、一晩中遊びをせがまれて眠れなかったりと、たびたび困惑している。睡眠中、よく三途の川を渡りかけることがあり、そのたびにあずきとだいず、豆之介に助けられている。のちに、朝、布団から出て自室で倒れているところが発見され、入院することになる。幸いにも命に別状はなく、数週間の入院後無事に退院することになった。本名は「吉永和夫」だが、全身肌色なところからあずきとだいずからは「肌色」と呼ばれている。

もじゃ

飼い主の母親。専業主婦で、年齢は62歳。義父の肌色と夫の座敷おやじ、息子のメガネと五人で暮らしている。ある日、そこにあずきとだいずも加わった。しかし猫嫌いのため、友人に子猫をあげようかと打診したり、子猫もらってくださいと書いた箱に2匹を誘い込んだりと、スキあらば子猫を捨てようとしていた。その後も豆之介やたくさんの亀、鶏のニワ子に雀の群れ、キジバト夫婦やオウムのキバタンなど、とにかく家に動物が増えていくことにため息を漏らしている。ただ口調は厳しいが、動物たちを家族として認めており、なんだかんだでかわいがっている。近所に住む人の飼い猫が、芸をする猫としてテレビに出て騒がれた時には、我が家の猫もとあずきとだいずに無理矢理芸を仕込もうとした。2匹のために、段ボール製の爪とぎを用意したりと、柱で爪をとがないように何度も工夫するが、結局2匹の方が一枚上手で思うようにはいかないなど、しっかりしているようでいて、猫たちに翻弄されてしまうことも少なくない。ぽっちゃりとした体形の肝っ玉母ちゃんで、スズメバチにもまったく動じることはない。バブル期には30歳代後半だったにもかかわらず、羽根の付いたのセンスとボディコンワンピースを着て、夜な夜なディスコ通いをしていたらしい。何か用事がある時に限って座敷おやじが姿を消すため、苛立っている。しかし、豆之介に新しい里親が見つかった時には、座敷おやじが人知れず気落ちしているのに気づき、内緒で里親に断りを入れた。気の強い傲慢な性格ながら、つつましいところを併せ持っている。本名は「吉永さゆり」だが、もじゃもじゃのヘアスタイルを見たあずきとだいずからは「もじゃ」と呼ばれている。

座敷おやじ

飼い主の父親。会社員で、年齢は59歳。妻のもじゃと実父の肌色、息子のメガネと五人で暮らしている。家族の中では存在感が非常に薄い。必要に応じて、空気のように自分の気配を消すことができるため、もじゃが自分を探しているのを察すると、物置や押し入れ、カーテンと窓の間などに隠れ、すーっと姿を消す。だが、毎年クリスマスには、サンタクロースに扮して家族にプレゼントを配ることを忘れない。今年は、あずきとだいずにおもちゃ、肌色にはちょんまげのカツラ、飼い主とメガネには見合い写真をプレゼントした。その後、一時的に預かることになった豆柴犬の豆之介を特にかわいがるようになり、散歩は毎日欠かさない。芸を教えたり、日々のしつけもいつしか座敷おやじの担当となった。のちに豆之介に新しい里親が見つかった際には、誰よりも豆之介との別れを惜しみ、人知れず落ち込んでいた。実は幼い頃から錦鯉を飼いたいという夢を持っていたため、ある日池を購入して錦鯉を放流し、悦に浸った。しかし翌日には、メガネが友達からもらってきた大量の亀を放流したため、錦鯉の存在感がすっかり薄くなってしまう。本名は「吉永達夫」だが、存在感の薄さから座敷童のようだとあずきとだいずに揶揄され、「座敷おやじ」と呼ばれている。

メガネ

飼い主の兄。会社員で、年齢は35歳。祖父の肌色と父親の座敷おやじ、母親のもじゃと五人で暮らしている。美少女アニメのキャラクターや特撮ヒーローをこよなく愛する草食系オタク男子。部屋にはポスターやキャラクターグッズ、大量のフィギュアが所狭しと飾られている。そんなある日、食事中気づかないうちに飼い猫のあずきとだいずが、部屋に侵入。フィギュアを倒したり壊したりしたあげく、パソコンの上に乗って謎の文字列を入力し、勝手にメールを送信した。そのため、それ以来は2匹を入室禁止にしている。またある時、木に登ったまま降りられなくなったあずきとだいずが、無理に降りようとして木から落ちてきたところを顔面でキャッチ。あずきの爪で顔は傷だらけになってしまうが、おかげで2匹は無事だった。生き物が大好きで、友達のノブの祖母が他界したことが原因で、行き場をなくした豆柴犬の豆之介を引き取ったり、増えすぎて困っていた亀を大量に友人から引き取るなど、吉永家に動物が増える原因はすべてメガネにある。漫画やアニメで得た知識で、特に鳥の生態や飼育方法について詳しい。雀のヒナのビヨ子を保護した際には、その知識をフルに活かし、友人から餌になるミルワームをもらって来るなど、飼育にも積極的に参加した。のちに、オウムのキバタンを保護した際には、同じ会社に勤める同僚のアイコと親しくなり、キバタンを見せるために自宅に呼んだり、スマートフォンで連絡を取り合うようになる。アイコとは、キバタンがきっかけで、動物好きだという共通点や、何かにのめり込みやすいということを知り、メガネ自身がハマっているアニメをいっしょに鑑賞して関係を深めていく。本名は「吉永智夫」。

ニワ子

吉永家で暮らすニワトリの雌鶏。気性が激しく猫には非常に厳しい。もともとあずきとだいず用にと用意された猫ちぐらを、2匹が使わなくなったため、そのスキを見て猫ちぐらに住み着いた。その後、寒くなってきたのを不憫に思った肌色が、猫ちぐらを部屋の中に入れたため、一時的に部屋の中で飼育されることになる。しかしその後、ニワ子のために新築された鶏小屋に引っ越すことになり、猫ちぐらはキジバト夫婦のものになった。

ビヨ子

吉永家の屋根から落ちてきた雀のヒナ。昼寝中のだいずのお腹の上に落ちてきたところを肌色によって保護された。屋根瓦の中にできた巣に返そうと試みるものの、結局できなかったため、吉永家で飼育されることになった。猫餌をふやかしたものや、ミルワームなどを食べて順調に成長した。家の中では猫のあずきやだいずを避けつつ飛翔の練習を行い、最終的には大空へと飛び立っていった。しかし、その後はたくさんの雀と共に吉永家に出入りしており、あずきやだいずと遊ぶため家に入って来ることもある。

キジバト夫婦

吉永家にある猫ちぐらに住み着いた野生のキジバトの夫婦。ニワ子が鶏小屋に引っ越し、猫ちぐらがからっぽになったしばらくのあいだ、ビヨ子が屋根から落ちてきたため、吉永家のみんながビヨ子にかかりきりだった頃、誰も知らないうちに巣作りをしていた。ビヨ子が巣立ったあとには猫ちぐらに二つの卵が産まれ、孵化まで夫婦で卵を守った。ようやくヒナがかえった頃には、あずきとだいずに見つかってしまうが、親として全力で猫を威嚇してヒナたちを守った。2羽のヒナを育て上げたのち、再び猫ちぐらの中で卵を産んだ。その場所が気に入り、その後も繰り返し猫ちぐらの中で繁殖に勤しんでいる。

豆之介

メガネの友達のノブの祖母に飼われていた豆柴犬のオス。おばあちゃんが他界したため、行き場がなくなった際に、新しい里親が見つかるまでという約束で吉永家で暮らすことになった。最初は家に入れてもらえず、外での生活を強要されそうになるが、もともと室内飼いだったこともあり、なんとかもじゃからの許可をもらって、室内で生活することが許された。もともとラグドールの母猫のマロンとサバトラ柄の父猫に育てられ、いっしょに暮らしていたため、自分のことを猫だと思い込んでいる。そのため、猫は大好きだが犬には苦手意識がある。「拙者」「ござる」などの武士言葉を使う。周囲からは賢いと言われているが、プライドが高いだけで意外とそうでもない。物事を理解する能力には長(た)けているが、勘違いも多く、おバカな印象はぬぐえない。もらわれてきた当初は散歩にも苦手意識を持っていたが、座敷おやじといっしょに外に出て以来、すっかり散歩が好きになった。そのため「サンポ」と言われると、嬉々としてお散歩セットの入ったバッグをくわえて持ってくるという芸を身につけた。おばあちゃんが他界したことを理解していないため、いつかお迎えが来ると思っているけなげなところがある。のちに新しい里親が見つかり、犬好きの老夫婦に引き取られることになった。しかし、その先で暮らしていた2匹の先住犬と馴染むことができず、不憫に感じた老夫婦が里親を辞退し、結局吉永家に戻ることになった。その後、ノブに連れられてきた母猫のマロンと再会した時、自分が猫ではなく犬であることを知り、ショックを受ける。また、のちに新たな里親が見つかるが、もじゃが吉永家で飼うことを決め、正式に吉永家の飼い犬となった。

ごん太

吉永家の近所で飼われている犬。豆之介が座敷おやじと散歩中に知り合った。向かいから犬が歩いて来ると、全力で走っていって挨拶をしたがる。フレンドリーだが、あまりに積極的すぎるため、もともと犬に苦手意識をもっている豆之介からはかなり引かれている。リードを離され、自由になると飼い主から声をかけられてもなかなか言うことを聞かず、戻ろうとしない。そのため、飼い主のおばさんからはおやつのジャーキーを見せられて、従うのが日常的となっている。

タヌキ師匠

ある日、吉永家の庭にふらっと姿を現した野生のタヌキ。その後、勝手に家に上がり、豆之介の餌を食べていたところを吉永家のみんなに発見されることになる。怖がりで気が小さいため、人に見つかった恐怖から死んだふりをしてピンチから逃れようとした。一度は逃げることに成功するが、その後もたびたび吉永家に姿を現すようになる。その後、タヌキ師匠の死んだふりに興味を抱いた豆之介、あずきとだいずから、それを教えて欲しいと頼み込まれ、「狸寝入りの術」と名づけられた死んだふりを、どや顔でレクチャーすることになる。その後も吉永家に時おり姿を現しては餌を食べていたが、そのうちにほかのタヌキも連れ立って2匹で来るようになり、のちに子タヌキ3匹もいっしょに姿を現すようになる。

ノブ

メガネの友達の男性。豆之介と猫2匹を飼っていた祖母が他界したため、残されたペットの引き取り手探しに奔走した。ラグドールのマロンは自宅で引き取り、豆之介は新しい里親が見つかるまでという条件で吉永家に引き取ってもらえることになった。その後も里親探しは続けられ、のちに豆之介に新しい里親が見つかった報告をするために、母親代わりを務めていた猫のマロンを連れて吉永家を訪れた。

飼い主の幼なじみ

飼い主の幼なじみの女性。現在妊娠中で、3か月先の出産予定日に合わせて早めに里帰りしている。夫に二人の子どもたちを任せるわけにいかず、里帰りは子供も連れてきた。帰省の挨拶のために吉永家を訪れ、飼い主とは久しぶりの再会を喜んだ。

子どもたち

飼い主の幼なじみの二人の子供たち。まだ幼い兄妹で、やんちゃざかり。母親に連れられて吉永家を訪れた際、あずきとだいずを発見する。動物好きのため、兄妹で1匹ずつ抱きしめ、2匹にしつこく接した。嫌がって逃げようとする2匹を離そうとせず、拘束し続けたため、あずきとだいずはタヌキ師匠から教わった狸寝入りの術を使うものの、子どもたちは猫が寝てしまったと勘違い。自分も眠くなったとあずきとだいずを力いっぱい抱きしめたまま眠ってしまう。その後は、散歩から帰宅した豆之介を発見し、ターゲットを豆之介に変更。最近犬ブームに火が付いたばかりだったため、二人がかりで豆之介の上に乗ろうとし、しつこく追い回した。この時も、豆之介が狸寝入りの術を使うものの、子どもたちに効果はなかった。

叔父

座敷おやじの双子の弟。顔も性格もそっくりだが、ヘアスタイルが左右逆。妻の叔母と飼い犬のゲオルクを連れて吉永家を訪れた。ジャーマンシェパードのゲオルクを非常にかわいがっており、近々競技会に出場することも含め、とても誇りに思っている。

叔母

叔父の妻。夫と飼い犬のゲオルクを連れて吉永家を訪れた。動物好きのため、吉永家に猫のあずきとだいず、豆柴犬の豆之介を見つけると、笑顔を見せて接した。ジャーマンシェパードのゲオルクを非常にかわいがっており、近々競技会に出場することを含め、とても誇りに思っている。

ゲオルク

叔父と叔母に飼われているジャーマンシェパード犬。頭がよく、聞き分けがいい。待てや伏せのほか、複雑な指示も理解することができ、今年は競技会への出場も決まっている。大きな体で威圧感があるが、性格はとてもおとなしくフレンドリー。吉永家では豆之介に怖がられるが、ほどなくして友達になる。その後、猫のあずきとだいず、庭にいる錦鯉や大量の亀たち、タヌキ師匠などさまざまな仲間を紹介されることになる。また、豆之介からはサンダルをはがして遊ぶ四枚下のやり方など、たくさんのことを教わった。

サバ子

吉永家の近所で放浪している野良猫。サバトラ柄で大柄な雌猫。猫には優しいが、犬にはかなり当たりが厳しく、敵対心をむき出しにする。ある日、座敷おやじと散歩中の豆之介と知り合うも、警戒心なく近づいて来る豆之介の鼻づらをひっかいたり、威嚇するなど攻撃的な姿勢を見せた。吉永家の庭を通りかかり、あずきとだいずと知り合って以来、ちょくちょく吉永家に顔を出すようになった。人間に対しては人懐こいため、飼い主から餌をもらうなどかわいがられるようになり、吉永家の飼い猫になった。あずきとだいずに対しては、まるで自分の子供であるかのように接し、餌を分け与えたり、なめてあげたりとかわいがった。だが、豆之介に対しては、いっしょに暮らし始めてもなお近くに寄ることすら許さず、威嚇を続けて彼を遠ざけようとした。そんな犬に対する姿勢は外でも同じで、近所を歩き回っては手当たり次第に犬を威嚇し、攻撃しようとする。実は老婦人の家で飼われていた飼い猫「サクラ」。2か月ほど前に、もとの飼い主である老婦人と散歩をしている途中に、老婦人が犬に嚙まれ、救急車で運ばれるという事件が起きた。その際、サバ子はその場に残され、家に戻ることができなくなり彷徨(さまよ)うことになった。その後、退院した老婦人があきらめることなく探し続け、貼り紙を見て吉永家に辿り着いたことで飼いネコだったことが明らかになり、老婦人のもとへと帰っていった。

老婦人

サバ子の飼い主の女性。もともと野良猫に「サクラ」と名づけて暮らしていたが、2か月ほど前に散歩の途中で犬に嚙まれ、救急車で運ばれるという事件が発生。その際、いっしょにいたサバ子はその場に残され、行方不明となった。退院後、サバ子を探し始めるが見つからず、家族からもあきらめるように説得されていたが、根気強く探し続け、偶然にも飼い主が作成した迷いネコのチラシを目にし、吉永家に辿り着いた。保護されている猫がサクラであることを確認すると、お礼を伝えてサクラを抱いて連れて帰った。

キバタン

白い体に黄色いトサカを持ったキバタンという種類のオウム。ある日、大勢の雀と共に吉永家の庭に姿を現した。「たのもーたのもー」と人の言葉を話しながら家の中に入り込み、肌色の部屋の電器の上に籠城した。その後、空腹に耐えかねて降りて来るようになったあと、肌色に懐いて家を自由に動き回るようになる。鳴き声が非常に大きく、人の言葉を覚えているためによく言葉を発する。「シースー」「しもしも」などのバブル時代の言葉をしゃべるほか、「パイオツカイデー」「デルモのナオンとちょめちょめ」など、下品な言葉もよくしゃべる。桃太郎の歌を歌うこともできる。何かしら興奮するとトサカを立て、ランバダを歌いながら首を上下に揺すり、相手に近づいていく。ズンドコズンドコと鼻歌を歌うこともあり、テレビを見ながらいっしょに歌っている。猫好きで、特にあずきを気に入り、しつこく求愛するようになる。吉永家にきて数日のあいだに、もじゃや座敷おやじの声、電話の音やアニメのテーマソングなどを新たに覚えた。飼い主が迷いオウムの貼り紙を作成して近隣に貼って回ったが、実はキバタンが破いて回ったため、ほとんど残っていない。

アイコ

メガネと同じ会社に勤める同僚の女性。キバタンという種類のオウムが大好きながら、現在アパート暮らしのため、飼えないことを嘆いている。会社で偶然メガネと居合わせた時、彼の家にキバタンがいることを聞き、休日に家まで見に行くことになった。吉永家を訪れた際には、キバタンの描かれたTシャツを着て、バッグに靴下までキバタン一色という奇抜な服装を身につけていた。オウムのほかにも犬や猫など生き物全般が大好きで、吉永家の家族ともすぐに打ち解けた。最初の訪問をきっかけにメガネとなかよくなり、日常的にスマートフォンで連絡を取り合ったり、いっしょに出かけるようになった。その後もたびたび吉永家に遊びに行くようになり、メガネがハマっているアニメもいっしょに楽しむようになった。家に来る時の服装が次第にエスカレートしていき、メガネとおそろいでキバタンの被り物をするなど遠慮がなくなっていく。実は手先がかなり器用で、オウムの被り物や小物もすべて自作している。吉永家のキバタンとはすぐになかよくなったが、キバタンが会うたびにあいさつ代わりに発する「パイオツカイデー」という言葉の意味はわかっていない。

エルの飼い主

新しくできたドッグカフェ併設のドッグランに、愛犬のエルとやってきたおばあさん。ドッグランで運動不足気味のエルを遊ばせたあと、カフェで豆之介を連れた座敷おやじと相席になり、知り合った。後日、カフェで保護された迷子の豆之介を見て、あの時の犬だと気づき、店員に説明するが連絡先は知らなかったため、それ以上のことはできなかった。翌日も飼い主と連絡が取れない状況に落胆する豆之介を見て、ドッグランでエルといっしょに遊ばせるなど、飼い主が見つかるまで豆之介の面倒を見てあげた。

山田

肌色と友達の男性。吉永家に囲碁を打つためにやって来る。肌色のカツラに異常をきたした時、それに気づいても極力突っ込まず、気づかないふりをして笑いをこらえていた。ある時、肌色を訪ねて吉永家を訪れると、玄関で声をかけても応答がないため、庭へと回った。すると、縁側で肌色をはじめとする家族全員と、あずきやだいず、豆之介、タヌキ師匠が倒れているところを発見。何かの事件に巻き込まれ、全員意識不明で倒れていると勘違いして、慌てて通報したことで警察が駆けつける騒ぎとなった。実際は、小春日和で昼寝をしていただけだった。

場所

吉永家

古風な一戸建ての日本家屋。飼い主と母親のもじゃ、父親の座敷おやじ、祖父の肌色、兄のメガネが暮らしている。広い庭が付いた2階建てで、1階には家族が集まる居間や台所、風呂やトイレなどの水回りのほか、もじゃや肌色の部屋があり、2階には飼い主やメガネの部屋がある。また、飼い主がもらってきた子猫のあずきとだいずをはじめ、メガネが引き取ってきた豆柴犬の豆之介、同じく友人から引き取ってきた亀や金魚、雌鶏のニワ子、雀のビヨ子、キジバト夫婦にタヌキ師匠、座敷おやじが買ってきた錦鯉が我が物顔で住み着いている。そのほかにも猫のサバ子やオウムのキバタンなど、とにかく多くの動物がこの家で暮らしている。

その他キーワード

靴下人形

肌色が手作りしたぬいぐるみ。5本指ソックスに綿を詰め込んで縛り、マジックペンで猫の顔を描き、名前を書いただけの簡素なもの。もともとはだいずが病院へ行っているあいだ、寂しがったあずきのために作った「だいずちゃん」が最初の作品。初めは見向きもしなかったあずきが、次第に靴下人形で遊ぶようになった。のちに、もじゃに燃やされてしまったが、2代目となるだいずちゃんや、あずきと同じミケ模様を描いた「あずきちゃん」、茶色の靴下を使った豆之介にそっくりの「まめのすけ」を作り、白い靴下ではキバタンそっくりなぬいぐるみも完成させた。

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