パーマン

パーマン

ある日突然地球を守るヒーローパーマンに任命された小学生須羽ミツ夫と仲間たちの活躍と騒動を描いた、一話完結型のSFコメディ。1966年と1983年の二度連載された。1983に連載が再開された際に、スーパーマンの名前や、パーマン5号の存在等、一部設定が変更されている。映画化の際に藤子不二雄Ⓐによって描き下ろされた短編『ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ』『ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵』も存在する。

正式名称
パーマン
ふりがな
ぱーまん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ギャグ・コメディ
レーベル
てんとう虫コミックス(少年)(小学館)
巻数
既刊7巻
関連商品
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概要・あらすじ

運動も勉強も苦手な冴えない小学生須羽みつ夫は、空き地で偶然出会ったヒーロースーパーマン(バードマン)に、見習いヒーローパーマンに任命される。スーパーパワーを使うことのできるパーマンセットを身に着け日夜活動するが、中身は冴えない小学生のままなのでトラブルの連続。しかし、パーマン2号(ブービー)、パーマン3号、パーマン4号(パーやん)、パーマン5号(パー坊)という仲間も続々加わり、どんな事件でも、なんとか解決できるようになるのだった。

登場人物・キャラクター

パーマン

ヘルメット型のマスク、マント、バッジを身に着けて、地球の平和のために活動する見習いヒーロー。宇宙を守るヒーロースーパーマン(バードマン)によってスカウトされた少年、少女が変身する。メンバーはパーマン1号、パーマン2号(ブービー)、パーマン3号、パーマン4号(パーやん)、パーマン5号(パー坊)の5人。 彼らは身に着けた変身道具パーマンセットによって、飛行能力、怪力等のスーパーパワーを操ることができるようになり、悪者退治からご近所トラブルの解決まで、日夜活躍している。パーマンとして活動するためには二つの掟がある。一つはスーパーパワーを悪用しないこと。もう一つは正体を他人に知られてはならないこと。 もし掟を破ると、ペナルティとしてスーパーマン(バードマン)の細胞変換銃によって動物に変えられてしまう。1983年の連載再開以降は、パーマン5号(パー坊)の設定が無くなり、メンバーの数は4人に変更された。

須羽 みつ夫 (すわ みつお)

パーマン1号の正体で、11才の男の子。普段の姿は、ドジで勉強も苦手な冴えない小学生。ある日空き地で偶然スーパーマン(バードマン)と出会い、パーマンに任命される。パーマンとしての活動に役立てるべきコピーロボットを、私用でこき使うなど、怠け癖もあるものの、事件が起きると行かずにはいられない、強い正義感の持ち主でもある。 人気アイドル歌手星野スミレの大ファンであるが、彼女がパーマン3号(パー子)の正体であることには気付いていない。

ブービー

パーマン2号(ブービー)の正体で、2才のチンパンジー。動物園の檻の中で母親と暮らしている(1983年の連載再開以降は、一般家庭で飼われているという設定に変更)。人語を話すことはできないが、理解することはでき、ジェスチャーなどで他のメンバーコミュニケーションをとることができる。パーマン1号とよく行動を共にする相棒的存在。 バナナが好物。

星野 スミレ (ほしの すみれ)

パーマン3号(パー子)の正体で11歳の女の子。実生活の彼女は俳優業もこなす人気アイドル歌手だが、この事は他のパーマンメンバーにも明かしていない。アイドル歌手のときは清楚なキャラクターだが、パーマン3号に変身した時は打って変わってお転婆な言動と行動になる。成長した姿で『ドラえもん』に登場したことがある。

大山 法善 (おおやま ほうぜん)

パーマン4号(パーやん)の正体。大阪に住む12才の太った少年で、主に地元でパーマンの活動している。将来貿易会社を設立するのが夢で、日々お金儲けに励んでいる。冷静沈着で頭も良く、彼の活躍のおかげで解決した事件も多い。また、何かと衝突するメンバーの緩衝材としての役割も大きい。藤子・F・不二雄の『中年スーパーマン左江内氏』にも登場している。

山田 浩一 (やまだ こういち)

パーマン5号の正体で2才の男の子。みつ夫のママの友人の子供。ある日、偶然パーマン1号の素顔を目撃してしまう。本来ならパーマン1号はペナルティで動物にされてしまうところだが、パーマン4号(パーやん)が仲間に入れたらどうか提案したところ、赤ん坊にもかかわらず見事スーパーマンの審査に合格する。 行動は赤ん坊そのものだが、その過程でなぜか事件を解決してしまうという、中々侮れない存在。1983年の連載再開以降は設定が無くなり、登場しなくなる。

スーパーマン

須羽みつ夫たちをパーマンに任命した宇宙人で、宇宙を守っているヒーロー。大人の男性で、姿はパーマンとほぼ同じ。移動するための一人乗りUFOを持っている。地球へは宇宙防衛のための支部を作るために訪れた。また、自分が任命したパーマンたちの評価、監視もしている。おっちょこちょいで大雑把な部分もあるが、パーマンたちの行動を監視する姿勢はは真剣でシビア。 1983年の連載再開以降はバードマンという名前に変更された。

沢田 みち子 (さわだ みちこ)

須羽みつ夫のクラスメイトの女の子。美人で成績優秀。みつ夫はいつも彼女にいいところを見せようとするが、彼女自身はパーマン1号の活躍に夢中。

カバ夫 (かばお)

須羽みつ夫のクラスメイトの太った男の子。Kマークの野球帽とタラコ唇が特徴。口が悪く、乱暴な性格。サブと行動を共にすることが多く、みつ夫はよくからかわれている。

サブ

須羽みつ夫のクラスメイトの背の低い男の子。Sマークの野球帽を被っている。カバ夫と行動を共にすることが多く、みつ夫をよくからかっているが、カバ夫とは違い、悪知恵を働かせ、言葉で攻撃するタイプ。

須羽 ガン子 (すわ がんこ)

みつ夫の妹。みつ夫の失敗を見つけてはママに告げ口をしている。パーマンとして活動する過程では、服を汚す、勉強をサボる、家を抜け出すというようなシチュエーションがよく発生するため、それを逐一監視するような彼女は、最も厄介な人物の一人である。

三重 晴三 (みえ はるぞう)

みつ夫のクラスメイトでお金持ちの息子。うぬぼれ屋で、何かにつけて自慢をしてくるため、トラブルの元になることも少なくない。みつ夫を買収してパーマンセットを借りて変身したこともある。

日下野先生 (ひげのせんせい)

みつ夫のクラスの担任の先生。太った体に髭面が特徴。パーマン活動のため勉強がおろそかになったみつ夫は、よく先生に怒られている。

みつ夫のパパ

須羽みつ夫の父親。サラリーマンで、会社では課長。ママと比べて大らかな性格だが、台風のときは外で家の補強をし、子供の帰りが遅いときは心配して町を捜してまわる、いざという時頼りになるパパ。

みつ夫のママ

須羽みつ夫の母親。ガン子からの告げ口を聞いてはみつ夫をいつも叱っている。パーマン1号がみつ夫の部屋によく出入りしていることには気付いており、内心心配している。しかし、パーマンの取材にテレビ局が訪れると、態度を一変させるミーハーな面もある。

社六 (しゃろく)

須羽みつ夫のクラスメイト。メガネと「3」のような形をした口が特徴。頭が良く、観察力もあり、みつ夫とパーマン1号が同一人物ではないかと疑う。さらにコピーロボットを使ったトリックまでも推理してしまい、図らずもみつ夫を窮地に陥れる。

怪盗千面相 (かいとうせんめんそう)

日本中の探偵が束になってかかっても捕まえられない怪盗。マスクを使ってあらゆるものに変装することができる。また、脱獄の名人でもある。独自の犯罪哲学を持っており、卑怯な別の犯罪者を捕まえるため、パーマン達と共闘したこともある。

ドン石川 (どんいしかわ)

全日本ギャング・ドロボー連盟(全日本悪者連盟)の理事長。ほっかむりをした恰幅のいい中年男性。スーツに蝶ネクタイを着用している。連盟にとって邪魔な存在であるパーマンを葬り去るため、様々な刺客を送り込む。同時に、財政難の連盟を立て直すため、密輸などあらゆる手を尽くすが、運も無いためこちらもことごとく失敗している。

魔土 災炎 (まど さいえん)

長い白髪、白衣が特徴のマッドサイエンティスト。Pマンというお手伝いロボットを連れている。全日本悪者連盟に雇われて、パーマン抹殺のための道具を日夜発明している。発明品自体の性能は大変素晴らしいのだが、使用する人間がドジなため、いつも失敗している。藤子・F・不二雄の短編『倍速』、『換身』にも登場している。

小池さん (こいけさん)

もじゃもじゃ頭にメガネが特徴の男性。登場シーンではいつもラーメンを食べている。藤子・F・不二雄のトキワ荘時代からの仲間鈴木伸一がモデルで、他の藤子作品にも度々登場するお馴染みのキャラクター。

神仙 無二斎 (じんせんむにさい)

全日本悪者連盟に雇われた格闘家。相手の技を受け流す不思議な術の使い手で、その実力は自動車も投げ飛ばせるほど。パーマンの攻撃も簡単に受け流してしまうが、その術にはある大きな欠陥があった。

ボム博士 (ぼむはかせ)

X国の科学者。恰幅のいい中年男性で、髭面が特徴。空気から巨大なエネルギーを作り出す研究に成功するが、それを兵器転用されることを恐れ、日本に逃亡する。パーマン2号(ブービー)にかくまわれていた。

ドンガラガッチャ共和国の科学者 (どんがらがっちゃきょうわこくのかがくしゃ)

カバ夫とサブをそそのかし、パーマン1号のパーマンセットを手に入れる。そして兵器開発に利用するため研究し、スーパーパワーの原理まで解明してしまうのだった。

集団・組織

全日本ギャング・ドロボー連盟 (ぜんにっぽんぎゃんぐ・どろぼーれんめい)

ギャング、コソドロ等、様々な犯罪者が集まった団体。メンバーは全員ほっかむりをしている。メンバーの活躍(犯罪)を伝える機関誌の発行や、犯罪コンテストの開催、多岐にわたる部署の設置など、マメで活発な活動をしている。パーマンは彼らの活動にとって大きな障害になるため、何度も刺客を送り込むが、メンバーのほとんどがおっちょこちょいなので、毎回返り討ちにあっている。 1983年の連載再開以降は全日本悪者連盟(全悪連)という名称に変わっている。

場所

Q国とX国 (きゅーこくとえっくすこく)

『パーマン』に登場する国。お互いに敵対している。ある日X国の科学者ボム博士が、空気から巨大なエネルギーを作り出すことに成功。大統領はボム博士に、それを兵器に応用することを命令するが、博士はそれを拒み日本へ逃亡する。博士奪還のためX国はすぐさま腕利きスパイを送り込むが、Q国もその情報を知り、同じく腕利きスパイを日本に送り込むのだった。 また、この騒動の後、X国の開発した水爆を巡って、両国はまたしても日本国内で暗躍することになる。

その他キーワード

マスク

パーマンたちが被っている鼻の下まで覆ったヘルメット型のマスク。正体を隠せる他、6600倍の力を出すことができるようになる。万能翻訳機としての機能もあり、耳の部分のダイヤルを回すことによってあらゆる言葉が分かるようになる。マスクの中にマント、バッジを入れて丸めると、親指大まで縮めることができ、ポケットに入れて簡単に持ち運びできるようになる。 マスク、マント、バッジを総称してパーマンセットという。

マント

特殊な繊維でできたマント。装着者の意思を感知し、重力を好きな方向へ曲げることによって空を飛ぶことができる。単独では最高時速91キロ(1983年の連載再開時に119キロに変更)までしか出せないが、マントを装着したパーマンが複数人連結(パータッチ)することによりスピードアップすることができる。

バッジ

パーマン達が胸に付けている「P」の文字を模したバッジ。パーマン同士が連絡を取り合うためのトランシーバーになっている。また酸素ボンベを内蔵しており、口に咥えることで水中、地中、宇宙で呼吸することができる。

コピーロボット

通常時は表面が真っ平らな人形。鼻の部分にあるスイッチを押すと、押した人間の見た目と性質をそっくりコピーし、もう一度押すと元の人形の状態に戻る。昼夜関係なく出動し、正体も秘密にしなければならないパーマンたちにとって、アリバイ作りをするために無くてはならないアイテム。本人が留守にしていた間のコピーロボットの記憶は、おでこ同士をくっ付けることにより本人にコピーすることができる。 また、持っているものもコピーしてしまうという性質もあり、これを応用すれば、お金や食べ物など、何でも増やすことができる。ただし、パーマンセットだけは例外で、増やすほどパワーが少なくなっていく。藤子・F・不二雄の『ドラえもん』のひみつ道具としても登場する。

ダブルノーズスイッチ

バードマンから新たに支給された道具で、コピーロボットの鼻に装着して使う。これを装着していれば、鼻のスイッチを押してもコピーは解除されず、押した者の姿をコピーし直す。単独で捜査するコピーロボットのために作られた道具で、これにより他者の力を借りずに、新たな姿のコピーができるようになる。

アニメ

パーマン(1983年版)

主人公の須羽ミツ夫は宇宙からやってきたバードマンと出会い、ヘルメット、マント、バッジのパーマンセットを託される。これをつけるとパーマンに変身し、能力を発揮することができるのだ。ミツ夫は仲間たちとともに... 関連ページ:パーマン(1983年版)

パーマン(1967年版)

主人公の須羽 ミツ夫は宇宙からやってきたスーパーマンと出会い、ヘルメット、マント、バッジのパーマンセットを託される。これをつけるとパーマンに変身し、能力を発揮することができるのだ。 ミツ夫は仲間たちと... 関連ページ:パーマン(1967年版)

書誌情報

パーマン 7巻 小学館〈てんとう虫コミックス(少年)〉

第1巻

(2016-06-24発行、 978-4091421982)

第2巻

(2016-06-24発行、 978-4091421999)

第3巻

(2016-07-28発行、 978-4091422002)

第4巻

(2016-08-26発行、 978-4091422026)

第5巻

(2016-09-28発行、 978-4091422033)

第6巻

(2016-10-28発行、 978-4091422040)

第7巻

(2016-11-28発行、 978-4091422057)

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