みみっく

みみっく

『ぽっかぽか』『悪女』などの代表作を持つ深見じゅんが『くるみ』の後に連載を開始した作品。銀座と京橋の間にあるセレブの街「松尾」が舞台。彼氏と別れ、大学の授業料も家賃も払えず、人生どん底21歳の吉田未々が、持ち前の根性と不思議な能力・みみっくを使い、しきたりに縛られた松尾の人々を変えていき、自らも成長していくヒューマンドラマ。講談社「BE・LOVE」で2010年1号より2012年24号まで連載。

正式名称
みみっく
ふりがな
みみっく
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
BE LOVE KC(講談社)
巻数
全12巻完結
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天目堂店主・菊本薫との出会い

骨董品店・天目堂の前で、付き合っている彼氏にお金を渡していた吉田未々。一部始終を見ていた天目堂の店主・菊本薫に「利用されてむしられてるバカ女」と言われて腹を立てた未々は、店内に入って菊本に抗議する。菊本が接客する姿を見た未々は、菊本そっくりにまねて他の客を接客した。そんな未々の能力に興味を持った菊本は、積極的に未々に関わるようになる。一方、未々は菊本の言葉で彼氏に利用されていたことに気づき、彼に別れを告げる。菊本は、大学の授業料も家賃も払えないほど貧乏で行く当てのない未々を引き取り、自分の家で面倒をみることにする。

主人公が持つ不思議な能力

未々は見た人の話し方、顔つきなどをそっくりにまねできる能力を持っていた。そのうえ、意識せずに擬態してしまうことから、気味悪がられ、バイトもすぐにクビになり、その能力で損ばかりしていた。菊本は未々の持つ擬態能力を「みみっく」と名付け、自分で制御できるようにしろと言う。やがて、とあるきっかけで、みみっくを自分でコントロールできるようになった未々。さらに、触れるとその人の心の中が読める能力まで身につけていく。

好きな人の幸福を願い、松尾の町に潜む敵に挑む

松尾で出会った澤井凌に恋してしまった未々。澤井からは下品でアホな田舎者と嫌われ、冷たくされる未々だったが、ずっと片思いでもいいと彼を一途に思い続けていた。菊本の勧めで歴史と伝統のある松尾の菫会試問に挑戦することになった未々は、礼儀作法の修業を開始。周囲から嫌がらせを受けながらも、師匠に擬態し、絶対無理だと言われていた菫会に合格する。菫会の研修生として澤井の会社で働くことになった未々は、澤井の冷たい心の原因が松尾の町にあることを知る。元気で負けん気が強い未々は、味方を増やしながら、問題をひとつひとつ片づけていき、松尾に潜む敵に挑んでいく。

登場人物・キャラクター

吉田 未々 (よしだ みみ)

21歳の女性。礼儀知らずで、目上の人に敬語も使えず、上品とはほど遠いがさつで、おしゃべり。さらに無知で、難しい言葉はわからない。母子家庭で育ち、転校の多い子供時代を過ごす。何かあっても元気で強くいれば幸せになれると信じ、簡単にはへこたれないが、ヒモのような彼氏に貢いでしまい、家賃も払えないほど貧乏になってしまう。借りていた部屋を引き払い、大学も休学し、天目堂の店主・菊本薫の家に居候する。対象者をそっくりモノマネし、擬態することができる「みみっく」という能力を持っている。触るとその人の心を読むこともできる。菊本のことを「おっさん」と呼ぶ。

菊本 薫 (きくもと かおる)

松尾にある骨董品店・天目堂の店主。ちょびヒゲを生やし、長い髪を後ろでひとつにまとめ、チャイナ服を着た中年男性。100メートルを12.6秒で走り、少林寺の達人と豪語する。女言葉で話し、美容にも気を使う。ゲイではなくストレート。ヒゲをとるとハンサムで、昔はとてもモテていたが、ある理由でもう恋はしないと決めている。これまで冷静沈着で他人を頼ることはほとんどなかった。吉田未々と出会い、探求心や保護欲が芽生える。

澤井 凌 (さわい りょう)

澤井事務所の社長。松尾の料亭「さわい」の次男坊で、菊本薫の友人。吉田未々の憧れの人だが、優雅さのない女性を嫌い、未々に対しては意地悪で冷酷。女性は場を華やかに盛り上げる飾りもので良いと考えている。睡眠薬なしでは眠れずに、心の奥底に寂しさを抱えている。

書誌情報

みみっく 全12巻 講談社〈BE LOVE KC〉

第1巻

(2010-04-19発行、978-4063192841)

第12巻

(2013-02-13発行、978-4063803761)

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