妖怪始末人トラウマ!!

現代日本を舞台に、妖怪始末人の少年トラウマと相棒の貧乏神が、各地で悪事を働く妖怪たちを退治していくという連作短編。基本的に1話に付き1体の妖怪を退治し、報酬を得る(あるいはタダ働きに終わる)というパターンが繰り返される。物語の中心となるのは妖怪退治だが、会話による掛け合いギャグが非常に多く、ホラーとしての味わいは少なめである。『妖怪始末人トラ・貧!!』、『妖怪始末人トラウマ!!と貧乏神』など、本作とほぼ同一の登場人物を使ったシリーズ作品(設定等が一部異なる)も発表されている。

概要・あらすじ

妖怪始末人ギルドに所属する若干7歳の妖怪始末人トラウマは、相棒の貧乏神と共に粗末な掘っ立て小屋で暮らしている。妖怪始末人としては実力が低く、割のいい仕事を斡旋されることがほとんどないためだ。それでも根がお気楽な2人は、今日もくじけず少ない礼金のために妖怪退治に出かけるのだった。

登場人物・キャラクター

トラウマ

妖怪始末人として働く7歳の少年。普段は非力だが、打出の小槌を使うことで、妖力を持つ姿に転身することができる。しかし、妖怪始末人としての実力は低く、妖怪始末人ギルドでは最下級ランクのヒラ始末人に過ぎない。そのため、報酬が高い仕事にありつけず、ホームレス同然の貧乏暮らしである。 本名は虎馬猫太郎だが、この名が語られるのはナレーションのみで、周囲からはトラウマ(親しい者からは「トラちゃん」)と呼ばれる。腐れ縁の相棒貧乏神と共に日本各地で妖怪退治に挑戦する。

貧乏神

トラウマの相棒。無表情で貧相な老人の姿をしている。一応神様のはしくれで、「アブラ足」「フケ嵐」「三年青タン」などの不潔極まりない技を得意とする。妖怪退治においてはあまり役に立たないが、本職である貧乏神としての実力は確かなようで、非道な金持ちを一ヶ月で没落させてしまったこともある。 毒にも薬にもならないくだらない会話を好み、妖怪の出現場所まで移動する間に交わすトラウマとの漫才のようなやりとりは毎回の定番となっていた。

あかなめ

長い舌を持つ妖怪垢嘗。妖怪始末人ギルドのメッセンジャーボーイを務める傍ら、お風呂掃除のアルバイトでも稼いでいる。当初はコマの端にちょこちょこと顔を出すだけだったが、次第にトラウマたちと親しくなり、父のそこなめ、母のとこなめ、弟のゆかなめ、叔父のいそなめ、いとこのへそなめなどなど、一族総出でトラウマと貧乏神が暮らす小屋の隣に引っ越して来た。

疫病神

貧乏神の兄。不幸な人間を見るのが何より好きという、困った性格の老人で、弟と同じく一応は神様である。妖怪始末人ギルドとは「自由契約している」と嘯いている。妖怪退治の場では、貧乏神以上に役立たずで、戦力としてはまったく当てにならない。その一方、人に不幸を呼び込むという疫病神の本業では、確かな実力を発揮している。

マタリン

妖怪始末人ギルドに所属する上級始末人。人間ではなく妖怪猫又である。猫じゃ猫じゃの踊りで、相手の自由を奪った末に呪い殺すという技を得意としている。トラウマたちにはなかなか好意的で、自分が受けた仕事のアシスタントを任せてくれることもあるのだが、貧乏神の下手なギャグにおちょくられることも多い。

小雨坊

妖怪始末人ギルドに協力する僧形の妖怪。自在に雨を降らせる能力を用いて、妖怪塗仏を誘い出した。トラウマたちが気付かないわずかな妖気を感知するなど、実力も高いようだが、妖怪始末人として活動しているかどうかは不明。

ジュリアーノ 松平

妖怪始末人ギルドに所属する上級始末人。美青年で頭脳明晰、腕前も超一流だが、女癖が極端に悪い。異次元への扉を開き、敵を封じ込めてしまう薔薇門再来を得意技とする。弱点はゴキブリ。

浦原 瀬奈可

引退した妖怪始末人である浦原上人の娘。笑顔が固まったような表情と、ぼんぼり頭が目印。父譲りの技で、背中に巨大な口を出現させて敵を噛み砕く。自分勝手で口が悪く、おまけに守銭奴という困った性格のため、クラスの友人たちからは変人扱いされている。貧乏神とは昔なじみの仲だが、トラウマとはそりが合わないらしく、すぐ喧嘩になる。

火消婆

妖怪始末人ギルドの顧問を務める妖怪。お金にはがめついが、あらゆる妖怪に関する知識を持つ。なぜかトラウマのことを気に入っており、孫のように可愛がっている。ただし、お金の前にはその愛情も消し飛ぶらしく、濡れ衣で追われていたトラウマたちを、賞金目当てにギルド警察へ通報している。

妖怪

『妖怪始末人トラウマ!!』において、主人公トラウマが主に戦う相手。本作の妖怪は、ほぼ全てが日本古来の伝承や『画図百鬼夜行』などの江戸期の妖怪画集に伝えられるものが、原典のままの容姿・名称で登場する。ただし、その行動や能力に関しては本作独自の設定(例えば妖怪ひょうすべが博打好きで、人間に取り付いては博打にのめり込ませるなど)が加えられていることが多い。 また、妖怪始末人ギルドに対して妖怪側は組織立った動きを見せることは少なく、まれに長老格や兄弟分などに率いられて、複数の妖怪が同時に敵に回る程度であった。

集団・組織

妖怪始末人ギルド

『妖怪始末人トラウマ!!』の主人公であるトラウマが所属する組織。妖怪などの怪異を有償で処理することを目的とする。例外はあるが、基本的には始末料を支払うことができる者から依頼を受けて、相応の能力を持つ妖怪始末人を派遣する。完全に実力主義の組織で、有能な上級始末人には莫大な報酬の仕事を斡旋するが、トラウマのようなヒラ始末人には、手取りで数千円(酷い時には数百円)程度の半端仕事ばかりが割り振られる。 その存在は、村の古老などには知られており、政財界にもギルドのつてがあるため、決して秘密の組織ではないが、ギルドの建物自体は妖力を持たない者には認識できない特殊な空間に隠されている。

ギルド警察

『妖怪始末人トラウマ!!』に登場する警察組織。妖怪始末人ギルドの内部組織で、ギルド構成員の犯罪行為を取り締まる役目を担う。自らの妖力で戦う妖怪始末人たちとは対照的に、電磁破壊銃など最新鋭の科学装備に身を包んでいる。その戦闘力は妖怪始末人でさえ捕縛できるほどであるはずなのだが、劇中に登場したギルド警察は、襲ってきた妖怪に岩をぶつけられてあっさり昏倒してしまった。

その他キーワード

打出の小槌

『妖怪始末人トラウマ!!』において、主人公トラウマが妖力を持つ姿に転身する際に使用する小槌。転身しない限りトラウマの戦闘力は、ひ弱な子供と変わらないため、本作における最重要アイテムとなっている。ただし、その由来やトラウマがこれを手に入れた経緯などは語られてない。

四次元ランドセル

『妖怪始末人トラウマ!!』の主人公トラウマが、常に背負っているランドセル。中には、妖怪図鑑や霊界透視鏡など、妖怪退治に役立つアイテムがなんでも入っており、トラウマの転身に必要な打出の小槌も通常はこの中に収められている。

書誌情報

妖怪始末人トラウマ!! 全4巻 秋田書店〈プリンセスコミックスデラックス〉 完結

第1巻

(1991年6月発行、 978-4253152709)

第2巻

(1991年7月発行、 978-4253152716)

第3巻

(1991年8月発行、 978-4253152723)

第4巻

(1991年9月発行、 978-4253152730)

妖怪始末人トラウマ!! 全4巻 秋田書店〈秋田文庫〉 完結

第1巻

(2006年2月発行、 978-4253178914)

第2巻

(2006年5月発行、 978-4253178921)

第3巻

(2006年8月発行、 978-4253178938)

第4巻

(2006年11月発行、 978-4253178945)

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