舞台となるのはユニークな妖怪園
新人飼育員の日和が勤務する「西東京妖怪公園」は、その名の通り妖怪のみを展示するユニークな妖怪園。日本国内はもちろん、世界各国にも同様の妖怪園が存在している。園内には多種多様な妖怪が展示されており、連日多くの見物客で賑わう人気スポットとなっている。妖怪たちの価値観や生活様式は人間に似ているものの、あくまで似て非なる存在として描かれる。本作では、彼らと人間を対比させることで、ふだんは当たり前のように受け入れている社会通念や倫理観を、逆説的に浮き彫りにしていく。
種族を超えた共存と新人飼育員の挑戦
「西東京妖怪公園」では、動物のような愛らしさを持つ「すねこすり」や、人間が妖怪化した「二口女」、さらには人の心を読み取る能力を持つ「さとり」など、多彩な妖怪たちが展示されている。日和たちの尽力によって共存の環境は保たれているものの、人間をはるかに超える知能を持つ「烏天狗」や、気性の激しい神話の存在「ケンタウロス」などが火種となり、時には種族の壁を越えた深刻なトラブルに発展することもある。こうした種族間の抗争や騒動に、新人飼育員の日和が立ち向かい、解決へと導いていく。
西東京妖怪公園を襲う中国妖怪たち
狐の妖怪「九尾」が飼育員の一人である直穂梨に化けて「西東京妖怪公園」へ潜入し、さまざまな事故を引き起こした事件をきっかけに、「一目五」や「刑天」「太歳」といった中国の妖怪たちが現れ、西東京で地域住民にも危険が及ぶ大事件が次々と発生する。西東京妖怪公園に展示されている烏天狗・青北風の救援要請を受けた日和の機転により、一度はこれらの妖怪たちを退けることに成功するが、突然の襲撃の真の原因は依然として謎のままである。その真相を探りながら、海外の妖怪たちと繰り広げるバトルが、本作最大の見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
鳥月 日和 (とりつき ひより)
「西東京妖怪公園」に勤務する飼育員の女性。猫耳と耳当てがついたボーダー柄のニット帽がトレードマーク。独特の感性を持ち、妖怪たちに好かれやすい体質の持ち主で、臆病な「すねこすり」や意思表示が苦手な「小豆あらい」など、妖怪たちの秘めた内心を引き出すことに長(た)けている。また、その生態を活かした展示方法を提案する企画力にも優れている。ふだんは穏やかでのんびりとした性格だが、実は意外にもサディスティックな一面を隠し持っている。
陸奥 吾郎 (むつ ごろう)
「西東京妖怪公園」に勤務する妖怪医師の男性。ドレッドヘアで、目の下には濃い隈(くま)が刻まれている。海外での活動経験も豊富で、妖怪の性質に関する知識は飼育員たちをはるかに凌駕している。日和に対しては飼育員としての素質を認めつつも、同時に「バカで扱いやすい」と考えている節がある。「餓鬼」たちが待遇改善を求めた際には、困惑する日和たちをよそに、その豊富な知識を活かしてスマートに問題を解決した。
書誌情報
妖怪の飼育員さん 全15巻 新潮社〈バンチコミックス〉
第1巻
(2015-12-09発行、978-4107718563)
第2巻
(2016-12-09発行、978-4107719393)
第3巻
(2017-11-09発行、978-4107720238)
第12巻
(2022-10-07発行、978-4107725370)
第13巻
(2023-06-08発行、978-4107726124)
第14巻
(2024-04-09発行、978-4107727046)
第15巻
(2025-06-09発行、978-4107728449)







