にゃんこい!

にゃんこい!

猫アレルギーの主人公が、自分にかけられた「呪い」を解くため、猫に対して100回良い行いをする姿を描くコメディ漫画。作品のテーマ上、特に猫にスポットが当てられている。また、主人公を巡る女子たちのやりとりも多く、ラブ・コメディ色も強い。ウェブコミック誌「FlexComixブラッド」に2007年8月から2012年9月まで連載された後、「COMICメテオ」にて不定期で連載。

正式名称
にゃんこい!
ふりがな
にゃんこい
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

高坂潤平はひどい猫アレルギー持ちの高校生。ある日、空き缶を蹴ったところ、猫地蔵の頭に当たり、地蔵の首がとれてしまう。それ以降、自分の家で飼っているニャムサスをはじめ、猫たちの発する言葉が分かるようになり、潤平は、自分の身体に変化が起こったことを自覚する。後日、潤平が心当たりの猫地蔵を訪れると、そこの住職から「猫地蔵には、悪い行いをした者を呪う力がある」ということを聞かされる。そして、その「呪い」を解くためには、猫に対して良い行いをしなければならないのだという。今まで猫アレルギーで苦しんできた潤平は、「呪い」を解くため、憎むべき対象であった猫に、良い行いをすることを誓うのだった。

モデルになった町

作中によく登場する常磐町にある商店街「サンロード」は、東京都大田区西蒲田にある「蒲田西口商店街」がモデルとなっている。TVアニメの監督を務めた川口敬一郎が、トークイベントでその事実を明らかにした。

単行本の装丁

各巻のカバー表紙には、メインの登場人物が描かれているが、本体表紙には、カバーの人物が猫耳を付けてレオタードになった姿が描かれている。また、カバー裏表紙にも、同じく登場人物が描かれており、本体裏表紙には、表紙に描かれた構図をベースに、別の絵が描かれている。

掲載情報

本作『にゃんこい!』は、元々は無料ウェブコミック誌である「FlexComixブラッド」にて2007年8月10日より連載が開始されたが、2012年9月5日には「FlexComixブラッド」が「COMIC メテオ」に吸収されたことにより、掲載の場を「COMIC メテオ」に移した。それに伴い、単行本6巻からは、レーベル名が「Flex Comix」から「メテオcomics」に変わっている。

メディアミックス

TVアニメ

2009年10月から12月にかけて、TBS系列にて川口敬一郎監督によるTVアニメ版が放送された。キャラクターデザインは森田和明、音楽は大川茂伸、三輪学が担当。キャストは、高坂潤平役を浅沼晋太郎、水野楓役を井口裕香、住吉加奈子役を白石涼子、一ノ瀬凪役を小林ゆうが演じた。また、イラスト投稿サイト「pixiv」にてコンテストが開催され、優秀作品に選ばれたイラストは、TVアニメの提供画面に使用された。

webラジオ

2009年9月4日から2010年1月22日まで、インターネットラジオ「HiBiKi Radio Station」内にて、「にゃんこい!ラジオ~常高陸上部~」が放送された。パーソナリティはTVアニメ版に準じ、水野楓役の井口裕香と一ノ瀬凪役の小林ゆうが務めた。全10回。

登場人物・キャラクター

高坂 潤平 (こうさか じゅんぺい)

常盤高校2年生の男子。酷い猫アレルギーを患っており、触らなくても同じ部屋にいるだけで発症する。現在は、猫地蔵の首を折ってしまったことにより、「呪い」をかけられてしまっている。「呪い」が進行して猫の状態になってしまうと、自分の毛が器官に入って倒れてしまう。同じクラスの水野楓に好意を寄せている。

水野 楓 (みずの かえで)

常盤高校2年生の女子。高坂潤平のクラスメイトで、住吉加奈子とは親友同士。陸上部に所属している。家族は全員犬派で、家でも大型犬を4頭も飼っている。しかし、自身は生粋の猫派。猫を見かけると、傍からは虐待かと思われるほどに可愛がってしまう。

住吉 加奈子 (すみよし かなこ)

常盤高校2年生の女子。高坂潤平のクラスメイトで、水野楓とは親友同士。潤平とは小学生の頃からの幼なじみで、お互い歯に衣着せぬ間柄。小学校時代から2人を知っている者からは、喧嘩するほど仲が良いと認識されている。

一ノ瀬 凪 (いちのせ なぎ)

常盤高校3年生の女子。陸上部の部長を務めている。中性的な顔立ち。あるきっかけから美しいものしか愛せなくなり、同じ陸上部の水野楓をとても気に入るようになった。楓が高坂潤平を見る目から、ただならぬ関係と直感し、潤平に決闘を申し込む。実はヤクザの娘で、普段は礼儀正しい凛とした言葉使いだが、感情的になると関西弁が出る。 雷が苦手。

遠藤 晴彦 (えんどう はるひこ)

常盤高校2年生の男子。高坂潤平の友人で、潤平とは小学生からの付き合い。事あるごとに、何かと率先して発言をするタイプで、潤平の男友達のなかでも特に目立つ存在。ゲームが好きで、「幼なじみは良いフラグ」など、現実の事象にもゲームを結びつけるゲーム脳の持ち主。

川村 晃太 (かわむら こうた)

常盤高校2年生の男子。高坂潤平の友人で、潤平とは小学生からの付き合い。バスケットボール部に所属するスポーツマン。寡黙で口数が少なく、友達同士がはしゃいでいるときも、遠くで静観していることが多い。

桐島 琴音 (きりしま ことね)

常盤高校1年生の女子。桐島朱莉の双子の姉。高坂潤平を一目見たときから「運命の人」と信じて疑わない。遠くから見守りつつ、携帯電話で潤平と付き合っているかのような妄想ブログを綴っている電波娘。不幸体質の男性がタイプなため、「呪い」に振り回されている潤平に目を付けた。

桐島 朱莉 (きりしま あかり)

常盤高校1年生の女子。桐島琴音の双子の妹。琴音を何より大事に思っている。いつもはツンケンしているが、実際はとても寂しがり屋。琴音のブログを見て、高坂潤平とただならぬ関係にあると勘違い。琴音が自分から離れていくことを危惧して、2人を引き離そうとする。

望月 千鶴 (もちづき ちずる)

巨乳の女子大生。郵便配達員のアルバイトをしている。高坂潤平の住む地区の担当になったばかりのうえ、かなりの方向音痴。配達途中に迷っていたところを、潤平に助けてもらう。アルバイトを始めたのは、元々好きな人が郵便配達の短期アルバイトをしていたため。現在は、想いの橋渡しとなるこの仕事に、やりがいを感じている。

桐島 啓造 (きりしま けいぞう)

桐島琴音と桐島朱莉の父親。猫地蔵がある昇福寺の住職。自分の知識を人に語ることが大好き。猫地蔵の話をすると、水を得た魚のように生き生きと話し出す。プライベートではスーツを着込んで、キャバクラに通う常連客。なぜかスーツを着ると、性格が強気になる。

高坂 静江 (こうさか しずえ)

高坂潤平と高坂鈴の母親。望月千鶴から潤平宛てに、キスマーク付きの郵便局のアルバイト募集の封筒が届いた際には、「不純な行為だけは許さない」と説教。潤平を心配し気にかけている。かなりの猫好き。

高坂 鈴 (こうさか すず)

高坂潤平の中学生の妹。いつも髪をツインテールにしており、天真爛漫で笑顔を絶やさない明るい性格。潤平と兄妹喧嘩したときには、彼が苦手とする猫を引っ張り出して応戦する。住吉透とは、初詣で偶然会った際に、一緒にお参りをするなど仲が良い。

(じい)

ヤクザ「一ノ瀬組」に仕える老人。一ノ瀬凪の世話役も務めている。凪を誰より心配し、大事に思っている。彼女の身代わりになって、雷に打たれたこともある。普段は温和だが、凪のこととなると一転し、恐ろしい形相になる。

一ノ瀬 龍 (いちのせ たつ)

ヤクザ「一ノ瀬組」の13代目。一ノ瀬凪の兄。住吉加奈子も、一目見て「イケメン」と評するほど整った美貌の持ち主。極道の跡継ぎにしては、気さくで性格も軽い。高坂潤平などに対してもフレンドリー。

一ノ瀬凪の母 (いちのせなぎのはは)

一ノ瀬凪の母親。現在は京都で暮らしている。常日頃から、ヤクザ「一ノ瀬組」の将来を考えている。凪には、進学するよりも、今からしっかりした夫を見つけて、跡を継いで欲しいと考えている。凪の相手に相応しいかどうか、日本刀を降り回して力量を計るなど、破天荒な一面を持つ。

金城 樹 (かねしろ いつき)

ヤクザ「金城組」の4代目。一ノ瀬凪の母が、お見合い相手として一ノ瀬凪に紹介した男性。「一ノ瀬組」を手中に収めようと画策している。その足がかりとして、お見合いを成功させ、まずは凪を手に入れようとしている。かなりのマザコン。

住吉 透 (すみよし とおる)

住吉加奈子の中学生の弟。高坂鈴とは、初詣で偶然会った際に、一緒にお参りをするほど仲が良い。姉の加奈子には頭が上がらず、いつも奴隷扱いされている。一方で、姉弟喧嘩をした際には、加奈子より先に矛を収めるなど、精神年齢は姉より高い。

ナンシー

「大統領の娘」を自称する少女。高坂潤平が、ニャムサスと買い出しに来ていたときに偶然出会った。ロングの黒髪にメガネをかけ、見た目は完全に日本人。国家機密レベルの存在として、何人もの人たちから追われている立場にあり、潤平に助けを求めた。長時間駆け回ってもまったく息切れしない、無尽蔵のスタミナの持ち主。

井上 賢二 (いのうえ けんじ)

望月千鶴が想いを寄せている男性。常磐町の5丁目のマンションに住んでいる。実は、女の子になりたいという願望をずっと持っている。千鶴が再び会いに行った際には、既にニューハーフとなって本格的に女性として生活していた。現在はホステスとして働き、彼氏もいる。

ニャムサス

高坂家に飼われているメス猫。家で甘やかされているせいか、かなり肥えて、ずんぐりむっくりな体型となっている。元々は捨て猫だったが高坂家に拾われ、名前は高坂潤平が付けた。潤平からは「ニャム」、他の猫からは「姐さん」や「ママ」と呼ばれている。

タマ

オスの三毛猫。昇福寺の桐島啓造に飼われている。主人である啓造のキャバクラ通いを、ニャムサス相手にばらしたりと口が軽い。高坂順平にも「よくしゃべる猫」と評されている。

くま

常盤高校に住みついていた猫。常盤高校にいた頃は、住吉加奈子に世話をしてもらったので、現在も恩義を感じて加奈子を慕っている。現在は、次の物件が決まるまでという名目のもと、高坂家に居ついている。

チャトラ

高坂家の向かいの家に住むオス猫。家が裕福なため、普段から松坂牛を食べるなど、かなりの贅沢三昧をしていた。しかし、猫の肥満は早死にのもととなることを、飼い主が理解してからは、食事がダイエットフードとなった。それを「虐待」と称し、不服に思っている。

ノワール

昇福寺で飼われていたメスの黒猫。タマとは同じ釜の飯を食べていた仲で、出会った当初は仲が良かった。しかし、タマが三毛猫のオスと判明し、桐島啓造がタマをひいきするようになって生活が一変。その後は、昇福寺を離れているが、内心ではタマとまた仲良くしたいと思っている。

ジョセフィーヌ

一ノ瀬凪が飼っているオス猫。見た目がゴージャスな猫で、小さなマントを着用している。主人である凪を慕っており、凪が失恋で変わってしまったことを気にしている。フレンドリーな性格で、関西弁でしゃべる。なお、本当の名前は「ジョセフィーヌ」ではないが、凪の美しいもの好きが高じて、そう呼ばれるようになった。

シンディ

ジョセフィーヌの妻。元々は一ノ瀬凪の兄である一ノ瀬龍が飼っている猫で、かなり寵愛されていた。ジョセフィーヌと同じ小さなマントを着用。ジョセフィーヌとは異なり、礼儀正しく丁寧な言葉使いで喋る。人見知りをするタイプ。

名前のない野良猫 (なまえのないのらねこ)

高坂潤平に助けられた野良猫。水を飲みに常盤市営プールに忍び込んだ際、出口が分からなくなり、潤平に助けを求めた。かなりの人見知りで、住吉加奈子を初めて見たときには、身体をこわばらせて驚いていた。その後、加奈子が潤平と協力し、プールの外へ出してくれたことに感謝した。

コテツ

井上賢二のオスの飼い猫。高坂潤平が望月千鶴と共に、郵便配達のバイトをしていたときに出会った。常磐町の5丁目に住んでいて、ふらっと出歩いていたら迷ってしまった。千鶴の胸を褒めたり、自ら胸の間に入るなど、オッサン体質の猫。

シロ

その名の通り、体毛が真っ白な老猫。夏祭りに来ていた高坂潤平に、主人から貰った首輪の鈴をなくしてしまったので、目の不自由な自分の代わりに探してもらいたい、と依頼した。ニャムサスとは昔からの付き合い。

しじみ

青い瞳にグレーの毛並みが特徴のオス猫。最近の悩みは、ハナとアンズという2匹の猫から、好意を寄せられていること。男らしく1匹に絞りたいところだが、どちらも異なる魅力があるので、決めあぐねている。そのため、高坂潤平に客観的な意見を求める。

ハナ

常盤町に住みついているメス猫。しじみに好意を寄せている。しじみによれば、「天然でおっとり系」。しじみとの付き合いは浅いが、夏祭りデートをしたり、プレゼントとしてスズメをもらったりしている。

アンズ

常磐町に住みついているメス猫。しじみとは昔からの幼なじみで、好意を寄せている。最近は、夏祭りデートなどをしていた。しじみによると、ツンツンしてたと思ったら、2匹になると可愛い、というツンデレ系。

チビ

常磐町の空き地に捨てられていた猫。捨て猫なので名前はないが、ニャムサスが「チビ」と呼んでいる。一方、チビのほうも、白と黒の毛並みで配色が似ているせいか、ニャムサスを「ママ」と呼び慕っている。猫には大抵嫌われる水野楓にも心を許す、人懐っこい猫。

トッキー

常磐町にある遊園地「Tokiwadai Land」のマスコットキャラクター。猫をモチーフにしており、2本の足で歩いて来場者を楽しませている。着ぐるみショーやグッズ展開もされており、常盤町に住む人々にとっては、メジャーなキャラクター。体毛はピンク。

マリントッキー

常磐町にある水族館「Tokiwadai Aquarium」のマスコットキャラクター。猫をモチーフにしており、二足歩行で歩いて来場者を楽しませている。着ぐるみショーやグッズ展開もされており、常盤町に住む人々にとっては、メジャーなキャラクター。体毛はブルーで、頭にはストライプの帽子を被っている。

集団・組織

一ノ瀬組 (いちのせぐみ)

一ノ瀬凪の実家が営むヤクザの組織。常磐町では、幼稚園のお手伝い、横断歩道の誘導員、まいごセンターの呼び出しとその従業員、町の美化計画の清掃活動など、地域の奉仕活動に、積極的に励んでいる。

高坂家 (こうさかけ)

高坂潤平が、母親の高坂静江と妹の高坂鈴と共に住んでいる家。父親もいるが、現在は単身赴任で家にはいない。父親が家にいたときは、静江と鈴が買い物に行かされたりするなど、コキ使われていた。現在、その被害を潤平が代わりに受けている。潤平以外の家族は、全員猫好き。

場所

常磐町 (ときわまち)

高坂潤平が住んでいる町。プール、遊園地、水族館、商店街など、充実した施設に恵まれている。潤平が住んでいる地区は2丁目で、川を挟んだ向かい側が1丁目。1丁目には高坂家の最寄駅となる常盤駅や、潤平の通う常盤高校がある。

昇福寺 (しょうふくじ)

桐島琴音と桐島朱莉の2人が育ったお寺。2人の父親である桐島啓造が、住職を務める。敷地内は、木々が生い茂る自然豊かな場所で、本堂となる母屋はかなりの広さを誇る。また、敷地内の階段を降りたところには猫地蔵がある。

Tokiwadai Land (ときわだいらんど)

常磐町にある遊園地。高坂潤平が、水野楓、住吉加奈子、一ノ瀬凪と共に訪れた。凪が1組2名のチケットを2枚持っていたので、4人で行くこととなった。その際、凪が潤平に、当日中に楓と恋人同士にならなかった場合は、凪と結納を交わすこと、という条件を突きつけた。マスコットキャラクターは、猫をモチーフにしたトッキーで、お土産にも猫のグッズが多く存在している。

常盤市営プール (ときわしえいぷーる)

常磐町にある市営プール。遠藤晴彦が、図書館での勉強会と称し、高坂潤平を半ば騙す形で連れてきた。水野楓、住吉加奈子と共に訪れ、途中からは一ノ瀬凪も参加。中にはウォータースライダーや売店もあり、市営としては、しっかりした作りのプールとなっている。

Tokiwadai Aquarium (ときわだいあくありうむ)

常磐町にある水族館。高坂潤平と水野楓が、デートのため訪れた。潤平は、桐島朱莉とも、半ば強引に同じ場所でデートの約束をされてしまったため、2人の女性と並行してデートをする羽目になった。館内のイベントとして、イルカショーや、夜の水族館を楽しめる「ナイトミュージアム」がある。マスコットキャラクターは、猫をモチーフにしたマリントッキー。

サンロード

常磐町にある商店街。雨でも安心して買い物ができるよう屋根がついており、いつも多くの人でにぎわっている。潤平が水野楓に誘われた「ねこ展」の会場もあるが、訪れた日は定休日だった。

その他キーワード

猫地蔵 (ねこじぞう)

猫の形をした地蔵。昇福寺の近くにある。昔、この地で、人を災いから救った猫を祀っているものとされている。猫好きには大変好評。この地蔵に悪い行いをすると、呪われてしまう、という恐ろしい言い伝えもある。現在は、高坂順平が空き缶を蹴って頭にぶつけたため、首がとれてしまっている。

呪い (のろい)

猫地蔵の呪い。高坂潤平が、猫地蔵の首をとってしまったことによりかけられた呪い。猫たちの言葉が分かるようになる。さらに悪い行いを続けると、身体が完全に猫になってしまう。この「呪い」を解くためには、猫の願い事を100回聞き、猫に対して良いことを行わなければならない。

アニメ

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