やまたのおろち

やまたのおろち

現地の人の忠告を聞かず、未開の地に足を踏み込んだ主人公が、思いもよらぬ怪奇現象を体験する。妖怪ブーム最中の1960年代後半に少年誌に読み切り形式で発表された短編。

正式名称
やまたのおろち
ふりがな
やまたのおろち
作者
ジャンル
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

人里離れた深山にやまたのおろちの遺跡を訪ねた少年は、山中で下半身が木の根になっている謎の男、妖怪・呼子に出会う。男がダイヤに似た鉱石をかざすと少年は吸い込まれ、そこでやまたのおろちとそのしもべの妖怪たちに殺められそうになる。あわやの思いで抜け出ると、自らが呼子に入れ替わっており、次にやってくるもの好きな誰かと入れ替わる日まで呼子として独り深山に佇む運命と知る。

登場人物・キャラクター

少年 (しょうねん)

好奇心から伝説のやまたのおろちの遺跡を訪ね、深山を歩き回る。妖怪がいるから引き返せという山の老人の忠告を無視し、さらに奥地に向かい、妖怪呼子に出会ってしまう。

田舎の老人 (いなかのろうじん)

山で「おーい」と呼びかけると呼び返す声がするのは妖怪・呼子のせいだから山の奥に行かないよう少年を説得しようとする。

呼子 (よぶこ)

下半身が木の根になっている妖怪。解放石という石を持ち、やってくる人間をその石に閉じ込め、そこから解放する代わりに自分と入れ替わるよう約束させる。普段は、山に呼びかける声に山彦として応え、人が尋ねてくるのを何年も待ち続けている。呼子は『ゲゲゲの鬼太郎』にも登場する。

やまたのおろち

8つの竜に似た頭を持つ妖怪。呼子の持つダイヤモンドのような石、解放石の中にいる。それぞれの口から熱線のようなものを吐く。さまざまな姿をした妖怪を多数従えている。

場所

やまたのおろちの遺跡 (やまたのおろちのいせき)

ひい川の上流にあると思われるやまたのおろちがいる遺跡として、伝説となっている場所。好奇心を抱いた少年が訪ねようとするが、遺跡は現実の場所というより、妖怪・呼子の持つ不思議な石、解放石の中にいるやまたのおろちを見た人が語り伝えたものだと判明する。

その他キーワード

解放石 (かいほうせき)

妖怪・呼子が所持するダイヤモンドに似た鉱石。人間が触れると中に吸い込まれ、やまたのおろちやそのしもべと思われる妖怪たちのいる異界に送り込まれてしまう。紛れ込んだ人間を解放するのは、石の持ち主である呼子の気持ち次第らしい。

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