暗黒神話 完全版

暗黒神話 完全版

『古事記』や『日本書紀』をはじめとした、古代史・邪馬台国神話・民間伝承・仏教説話・インド宗教、さらには天文学をも交えて描く壮大なSF物語。諸星大二郎の代表作の1つである。「週刊少年ジャンプ」に掲載され、1976年にコミックス化された作品だが、2014年に改めて加筆修正のうえ『暗黒神話 完全版』として刊行された。

正式名称
暗黒神話 完全版
ふりがな
あんこくしんわ かんぜんばん
作者
ジャンル
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

縄文土器に惹かれて諏訪の尖石考古館に来ていた中学生の山門武は、そこで不思議な老人・竹内と出会う。そしてその帰り道、武は父親の友人を自称する小泉小太郎という中年男性から、武が幼い頃に亡くなった父親は、実は殺されたのだと告げられる。それからしばらくした後、小泉に会うため再び諏訪を訪れた武は、途中で合流した竹内を加え、3人で父親の死の真相を探るうちに、その裏に隠された神と悪魔の神話に巻き込まれることになる。

登場人物・キャラクター

山門 武 (やまと たけし)

縄文土器に惹かれている男子中学生。幼い頃に父親を亡くしているが、その時に起こった出来事をきっかけに、宇宙の真理・ブラフマンと地球の命運を握るアートマンが関わる、神と悪魔の話に巻き込まれていく。ヤマトタケルの転生した姿。

竹内 (たけうち)

山門武の前に現れ、時に行動をともにする不思議な老人。縄文土器をはじめ、数々の歴史や伝承に詳しい。あまりの博識と、あたかも見たことがあるかのような物言いから、周囲には薄気味の悪い人物だと思われている。その正体はタイムスリープを活用して、幾多の歴史的人物として現れていた古代人である。

小泉 小太郎 (こいずみ こたろう)

山門武の父親の友人と語って、武に接触してきた中年男性。諏訪にて武と竹内と3人で不思議な洞窟を探検する。その後、ブラフマンの意思に巻き込まれて死亡する。

菊池 一彦 (きくち かずひこ)

縄文系の彫りが深い顔立ちをした青年。古代縄文人であるクマソの血を引く菊池一族の当主であり、自らがアートマンに選ばれると確信していた。アートマンに選ばれた山門武に対し、最初は協力する姿勢を見せていたが、徐々に自らの野望をむき出しにしていく。

慈空 (じくう)

優れた法力を持つ叡山阿闍梨の老人。1000日にわたる修行「千日回峰行」の途中であったが、ブラフマンの兆しを知って下山する。施餓鬼観音を使い、餓鬼を封じる力を持つ。また、天台の秘法を用い、宇宙の先を見ることができる。

餓鬼 (がき)

施餓鬼寺に封印されていた怪物。封印を解かれ、山門武とともに活動することになる。大きさは人の顔よりも少し大きい程度で、知能はかなり低い。不老不死になろうとした人間のなれの果てであり、切っても叩いても死なない。

ブラフマン

宇宙の意思にして大いなるもの、すなわち神に近い存在。意識の集合体として、山門武とコミュニケーションを取る。宇宙を構成する歯車の1つであるため、世界を救うことも壊すこともできる。ただし、自意識は持たず、意志はアートマンに備わっている。

アートマン

ブラフマンが現世に繋がって影響を及ぼすためにつかわした存在。人間の姿をしており、時代を超えて存在する。古代ではヤマトタケルであり、現代では山門武である。ブラフマンの意志の一部分であり、宇宙の歯車の回り方を決定する権利を持つ。

ベース

暗黒神話 (あんこくしんわ)

神に選ばれた存在で、自身にも神話の時代に繋がる謎を秘めた少年山門武をめぐって連鎖する、奇妙な事件の数々。怪物や神の声に遭遇しながら日本各地をめぐる山門武と、彼を追う謎の老人竹内や菊池一彦の率いる集団か... 関連ページ:暗黒神話

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