作品の概要
基本情報
『だがしかし』に続く、コトヤマによる連載作品で、代表作の一つ。
要旨と舞台設定
現代の日本が舞台。不登校で不眠症の中学生、夜守コウは、夜の街で吸血鬼の少女、七草ナズナと出会う。吸血鬼になりたいと願うコウは、それには「吸血鬼に恋をすること」が必要だと知り、夜の街をナズナと過ごすようになる。
ストーリー展開
ストーリーは、コウとナズナの関係を軸に展開する。コウは吸血鬼になるためにナズナへの恋を育もうとする。しかし、吸血鬼を「悪」とする探偵の鶯餡子の出現や、人間の友人、夕真昼の「吸血鬼になって何がしたいのか」という疑問に、人間と吸血鬼の狭間で揺れ動くコウの姿も描かれる。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は吸血鬼ファンタジーとラブストーリーの要素を持ち、夜の街を舞台にした人間と吸血鬼の関係性を描く。「吸血鬼にかまれても、恋をしていなければ吸血鬼にならない」という、独自の設定が物語の基盤となっている。
作品固有の表現技法と特徴
作中では、コンビニエンスストアや深夜営業の店舗、人気のない公園など、夜の街の情景が細かく描写されている。また、これらの場所は登場人物たちの交流の場としての役割を果たしている。
連載状況
小学館「週刊少年サンデー」2019年第39号から2024年9号まで連載。
受賞歴
2020年第6回「次にくるマンガ大賞2020」コミックス部門第7位。
2023年第68回「小学館漫画賞」少年向け部門。
メディアミックス情報
テレビアニメ
第1期:2022年7月から9月までフジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送。アニメーション制作はライデンフィルム。キャストは、主人公の夜守コウを佐藤元、七草ナズナを雨宮天が演じる。主題歌はCreepy Nutsが手掛け、エンディングテーマには本作のタイトルの元になった『よふかしのうた』が使用された。
第2期『よふかしのうた Season2』:2025年7月より第1期と同枠にて放送。
あらすじ
中学2年生の夜守コウは、あることがきっかけで、突然何もかもが嫌になり、学校へ行くのを止めた。以来、体力を使わなくなったコウは、不眠症に悩むことになった。ある日、コウは初めて誰にも言わずに、夜一人で外に出た。人々が寝静まった中を、気分よくうろついていたコウは、頭からフードを被った黒ずくめの少女に出会う。「眠れない人間の相談に乗って、悩みを解決してやりたい」。少女はそう言って、コウを自分の部屋へと案内する。こうして雑居ビルの一室に、コウは連れてこられた。ガランとした部屋には、せんべい布団と枕が2つのみ。少女はコウを布団に寝かし、添い寝する。ちょっと変だけどいい人かもしれない、そう感じたコウは寝たふりをして、少ししたら家へ帰ろうと決めた。すると、コウが寝たと思った少女はニヤリと笑い、コウの喉元に嚙み付いて血を吸った。コウの血がめちゃくちゃおいしいことに驚く少女と、寝たふりをしていたが、びっくりしてむくりと起き上がるコウ。少女の名は七草ナズナといい、その正体は吸血鬼だった。自分も吸血鬼になるのかという、コウの質問をナズナは否定し、人間が吸血鬼になるには、恋しなければならないという。吸血鬼に惚れた人間が、その吸血鬼に血を吸われると、眷属になるというのだ。夜の世界がすっかり気に入ったコウは、ナズナに「自分を吸血鬼にしてくれ」と頼む。ナズナは眷属を作らない主義だったが、「自分に恋をさせてほしい」と食い下がるコウに、「好きになりたければ、好きにしろ」と言い放つ。「吸血鬼らしく、格別に美味いコウの血を吸わせてもらうだけだ」と。こうして、コウはナズナに恋するために、毎日夜ふかしをするようになった。
登場人物・キャラクター
夜守 コウ (やもり こう)
14歳の少年で、中学2年生。女性が苦手で、告白してきた女子をふったことを彼女の友達に責められ、何もかもが嫌になり、学校へ行くのをやめる。以来、不眠症に悩み、ある日初めて夜に外出した際、吸血鬼の少女の七草ナズナに出会う。好きになった吸血鬼に血を吸われると、吸血鬼になれると知った夜守コウは、毎夜ナズナと会い、彼女に恋をして吸血鬼になろうとがんばる。
七草 ナズナ (ななくさ なずな)
自由奔放に夜の世界を生きる吸血鬼の少女。フード付きの黒マントを羽織っているが、その下はショート丈のへそ出しトップスにショートパンツ。ビールが好きで、下ネタを得意とするが、恋バナには照れるという不思議な性格。夜守コウの血が、めちゃくちゃおいしいことに感動する。
書誌情報
よふかしのうた 20巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2019-11-18発行、978-4091294920)
第2巻
(2020-02-18発行、978-4091295569)
第3巻
(2020-04-16発行、978-4098500642)
第4巻
(2020-08-18発行、978-4098501632)
第5巻
(2020-10-16発行、978-4098502684)
第6巻
(2021-01-18発行、978-4098503841)
第7巻
(2021-04-16発行、978-4098505227)
第8巻
(2021-07-16発行、978-4098506354)
第9巻
(2021-11-18発行、978-4098507351)
第10巻
(2022-02-18発行、978-4098508723)
第11巻
(2022-06-17発行、978-4098511273)
第12巻
(2022-07-15発行、978-4098512041)
第13巻
(2022-09-15発行、978-4098512577)
第14巻
(2022-12-16発行、978-4098514748)
第15巻
(2023-03-16発行、978-4098517671)
第16巻
(2023-06-16発行、978-4098521234)
第17巻
(2023-07-18発行、978-4098526154)
第18巻
(2023-11-17発行、978-4098528554)
第19巻
(2024-02-16発行、978-4098531158)
第20巻
(2024-03-18発行、978-4098531967)







