概要・あらすじ
大学進学のために実家を出て、都市部のアパート「コーポわくらば」で一人暮らしを始めた増口真白は、そこに暮らす青天目葵や赤嶺伊紅と知り合う。当初は自由奔放な伊紅たちの行動に振り回されて戸惑っていた真白だったが、次第に周囲の環境に馴染み、にぎやかながらも楽しい日々を過ごすようになる。しかし葵の妹である青天目藍がやって来て状況は一変。
真白たちが何も知らないところで、藍が葵の秘密をバラそうと密かに行動し始めるのだった。
登場人物・キャラクター
増口 真白 (ますぐち ましろ)
大学進学のために北海道を出て、都市部に引っ越して来た青年。アパート「コーポわくらば」の102号室に住み始めた初日に、隣人である青天目葵や赤嶺伊紅と出会い、交流するようになる。変わり者ぞろいな「コーポわくらば」の住人の中で、唯一の常識人ながら、葵や柿ヶ原燈子の露骨な好意にはまったく気が付かない鈍感な一面もある。 桂明日香の別作品『ハニカム』の主人公・御手洗勉とは、従兄弟の関係にある。
青天目 葵 (なばため あおい)
アパート「コーポわくらば」で、増口真白の隣部屋である103号室に住む女子高校生。料理が趣味であり、その腕前もかなりのもの。良い食材があることを聞くと、つい腕を振るいたくなる。もともとは赤嶺伊紅以外の人間に料理を褒められることを苦手としていたが、次第に良し悪しを的確に評価してくれる真白の言葉を素直に受け止められるようになる。 またその出来事をきっかけに、段々と彼に惹かれていくようになった。なお、一人暮らしをしているのは、家族に関わる過去に理由がある。
赤嶺 伊紅 (あかみね いく)
アパート「コーポわくらば」で、増口真白の隣部屋である101号室に住むフリーターの女性。プロレスが大好きで、体調が悪い時でも夢中になって熱心に観戦してしまうほど。普段は豪快かつ男勝りな性格だが、恋愛物のドラマを観ただけで赤面してしまうウブな一面を持っている。また人数は不明だが複数の兄がおり、兄妹で唯一の女子ということもあって過剰なまでに大切にされている。
桜坂 桃子 (さくらざか ももこ)
アパート「コーポわくらば」の201号室に住んでいる3回生の女子大学生。増口真白に小学生と勘違いされたほど幼い外見をしているが、実は日本一頭のいい大学に通う超エリート。暇さえあればお菓子を食べるほど、甘いものが大好き。恋愛ものの映画やドラマを見ることは好きだが、実際に誰かに恋愛感情を抱けない自分に対して不安を抱いている。 のんびりとした性格のわりに勘が鋭く、青天目藍の本質を見抜いていた。
山吹 黄色 (やまぶき きいろ)
金髪碧眼の女子高校生で、誰もが認める美少女。墨田久朗とは生まれた時から実家が隣同士だった。幼少期から久朗のことが大好きで、成長した現在もたびたび彼の世話をするためにアパート「コーポわくらば」を訪れている。しかし久朗からはまったく相手にされていない。
墨田 久朗 (すみだ くろう)
アパート「コーポわくらば」の105号室に住む、ふくよかな体型の男性。美少女ゲームが大好きなオタクで、自由にゲームをする時間を作るために、やり手のフリーランスSEとして生計を立てている。二次元の女性にしか興味がなく、山吹黄色からの猛烈なアプローチにも一切動じない。しかし現実の女性でも、二次元キャラクターのような行動や発言には反応を示すことがある。
柿ヶ原 燈子 (かきがはら とうこ)
増口真白の幼なじみで、サブカルチャーが好きな女子専門学校生。住んでいたマンションの老朽化に嫌気が差し、真白の誘いに乗ってアパート「コーポわくらば」に引っ越して来た。真白に対して密かに想いを寄せているが、いわゆるツンデレな性格が災いして当の真白にはまったく気付かれていない。
青天目 藍 (なばため あい)
青天目葵の妹である女子中学生。母と喧嘩して実家を飛び出し、葵が住むアパート「コーポわくらば」に突然転がり込んで来た。明朗快活に振る舞っているが、実は他人の不幸話を聞くことが何よりも大好きという、歪んだ一面を隠し持っている。
オーナー
桜坂桃子の知人で、アパート「コーポわくらば」の住人たちが夏にアルバイトをした海の家「江目」のオーナー。独身の40代男性で、巨乳が大好きな煩悩の塊といえる人物。ことあるごとにセクハラじみた行動と発言を繰り出している。また冬場には、海の家ではなく温泉旅館を経営している。
場所
コーポわくらば
都市部にあるおんぼろアパート。立地の割に家賃は格安で、増口真白や青天目葵など、裕福でない学生でも一人暮らしが可能。ちなみにアパート名は、病気や虫が原因で変色した葉っぱを意味する「病葉(わくらば)」という言葉からきている。