メイドさんは食べるだけ

メイドさんは食べるだけ

主にイラストレーターとして活躍してきた前屋進の商業漫画デビュー作。現代の日本を舞台に、英国のお屋敷でメイドとして働いていた少女、橘スズメが、日本の小さなアパートで一人暮らしを始める。本作は、スズメが初めて触れる日本の食文化や日常を楽しみながら満喫する姿を、ほのぼのとしたタッチで描いた日常グルメ漫画。講談社「コミックDAYS」2019年12月から連載の作品。2025年8月にはテレビアニメ『メイドさんは食べるだけ』の制作が発表された。スズメを市ノ瀬加那、リコッタを須能千裕が演じている。

正式名称
メイドさんは食べるだけ
ふりがな
めいどさんはたべるだけ
ジャンル
執事・メイド
 
日常
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英国のメイドさんの日本暮らし

英国でメイドとして働いていたイギリス人クォーターの女性、スズメは、働いていたお屋敷が倒壊したことをきっかけに、日本の小さなアパートで一人暮らしを始めることになった。好奇心旺盛で純粋なスズメは、初めて触れる日本の庶民的なグルメや文化を楽しみながら、アパートの隣人や偶然出会った学生たちと交流を深めていく。そんな穏やかな日常の中で、スズメに淡い思いを寄せる男子学生や、彼女を密かに溺愛する幼なじみで同僚のメイド、リコッタも登場。ほのぼのとしたグルメ描写を中心に、恋愛や百合の要素も織り交ぜられている。

日常の再発見と非日常の風景

本作では、英国出身のメイドのスズメが日本で一人暮らしを送る様子や、天真爛漫(らんまん)な彼女が体験するさまざまな日本文化が丁寧に描かれている。作品で取り上げられるのは、冷や奴や梅ジュース、鯛焼きやお団子といった庶民的なグルメから、夏祭りや花粉症など季節ごとの出来事まで幅広い。スズメがそれらに触れるたびに見せる新鮮な反応を通じて、ふだんは当たり前すぎて見過ごされがちな「日常」の驚きや意外性が再発見され、ほのぼのとした癒しの雰囲気が生まれている。また、日本のありふれた風景の中をメイド服姿のスズメが歩く光景も印象的。そのシュールでありながら美しい写実的な描写が、日常をどこか非日常的に演出しており、本作ならではの独特な魅力となっている。

スズメを彩る友人たちとの交流

本作には、スズメと親しく交流する個性豊かな友人たちも登場する。スズメの幼なじみであり、かつて同じ屋敷で働いていた金髪碧眼(へきがん)のメイド、リコッタは、スズメの様子を案じて来日する。また、スズメが暮らすアパートの隣人、小松奈々は、OLとして働く女性で、スズメにとって日本で初めての友人となる。当初はメイド姿のスズメに驚いていた奈々だが、天真爛漫な彼女と触れ合ううちに打ち解け、夏祭りにいっしょに出かけたり、差し入れをし合ったりする仲へと発展していく。さらに、同じアパートの202号室に住む信月杏(しんげつあんず)は、ベリーショートが特徴的なボーイッシュな女性。ある台風の日に停電が起こり、怖がっていたスズメを彼女が助けたことをきっかけに親しくなる。本作では、このようにさまざまな人々との交流を通じて、スズメが人間として少しずつ成長していく姿も描かれている。

登場人物・キャラクター

橘 スズメ (たちばな すずめ)

英国のお屋敷でメイドとして働く女性。年齢は18歳以上で、イギリスでは飲酒が可能だが、日本では飲酒が禁止されている。黒髪に碧眼を持ち、祖母がイギリス人のクォーター。日本を単身で訪れていた際、主人から「屋敷が倒壊した」という衝撃的な知らせを受ける。屋敷が再建されるまでの約1年間、日本のアパートで一人暮らしをすることになった。日本に来てからもふだん着としてメイド服を着用しているため、アパートの隣人をはじめ周囲の人々から驚かれることが多い。性格は元気で素直、純粋無垢(むく)かつ好奇心旺盛。特に日本の食文化に強い関心を持ち、食べることはもちろん、料理にも興味がある。しかし、手先はやや不器用で、包丁の扱いが苦手なため、料理を一人で任せるには少し不安が残る。同じメイド仲間のリコッタとは幼なじみで、お互いに気兼ねなく良い関係を築いている。

リコッタ

英国の屋敷でメイドとして働く女性。スズメの幼なじみであり、同僚でもある。金髪碧眼の美少女だが、ふだんは和服にエプロンを合わせた和装メイドの姿をしている。慌ててドジを繰り返すスズメに対しては、よく小言を言うそっけない態度をとる。しかし、それは照れ隠しに過ぎず、内心では彼女に会えるだけで大喜びし、溺愛している。ある日、主人の依頼で一人暮らしをしていたスズメの様子を見に日本へやってきた。当初は無事を確認したらすぐに帰るつもりだったが、別れ際に寂しそうなスズメの姿を見て心を動かされ、主人の許可を得て自らも日本に移り住むことを決意した。スズメの前では頼りがいのある人物として振る舞っているが、二人でプールに遊びに行った際には定休日を確認し忘れて炎天下で立ち尽くすなど、どこかうっかりした一面もある。そのたびに、天真爛漫なスズメが新しい発見や楽しみを見つけ出し、逆に彼女をフォローするという良い関係を築いている。

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