概要・あらすじ
小学六年生の遊川和好は優等生だが、同級生の男子・伴太一にいじめられていた。そんなご主人様の和好を天界から見守っている、少し前に交通事故で命を落とした愛犬のマッハ号は、心配のあまりメガミさまにお願いして一時的に地上に戻ることを許可してもらう。しかし、いじめられている和好を助けたのは「マッハ号」を名乗る謎のウォンバットだった。
登場人物・キャラクター
遊川 和好 (ゆかわ わずか)
小学生の頃から学年1位の成績を取っている真面目で気が弱い中学生の女の子。母子家庭で母親が仕事で留守がちであることと、心の支えだった愛犬「マッハ号」を事故で失っており、普段は気丈に振る舞っているがひとりで涙することが多い。教科書を2、3度読めば内容を覚えてしまう特殊な能力を持っており、苦労することなく優秀な成績を獲得しているが、周囲にはそれを隠し「ガリ勉」で通している。
伴 太一 (ばん たいち)
『わずかいっちょまえ』の登場人物で、湯川和好の同級生。背が低いことに強いコンプレックスを抱いているが、ガキ大将気質の元気な少年。小学生時代からわずかに恋心を抱いているが、それが「いじめ」という形で表れていた。マッハ仮面の手前もあり、わずかの前に出られないマッハ号と出会い、協力するようになる。
マッハ号 (まっはごう)
『わずかいっちょまえ』に登場する、遊川和好の愛犬。交通事故で死んでいるが、「ご主人」ではなく「友達」だと思っているわずかを心配し、天上世界から見守っていた。メガミさまの計らいにより、最大1年程度の期限つきで下界に下りることが許され、人間の言葉をしゃべることができるようになったが、基本的には実態がなく、あまりわずかの力になれないことを気に病んでいる。 マッハ仮面が「マッハ号」と名乗っていることはわずかのために認めているが、当のウォンバットに対しては「マッハ号II号」と呼んでいる。生前は「茶巾ずし」が好物だったが、実体のない状態では食べられなくなった。
マッハ仮面 (まっはかめん)
『わずかいっちょまえ』に登場する、人間の心を持ち言葉も話すことができる大型のウォンバット。伴太一らにいじめられているところを湯川和好に助けられて以来好意を持ち、マントにサングラス姿の「マッハ仮面」姿で窮地に駆けつけ助けるようになった。わずかには自分が帰ってきた「マッハ号」だと言っている。マッハ号の墓の地下にパソコン等の設備を揃えた小さな穴倉を作り、街中のいろいろなところにわずかにだけ反応するセンサーを仕掛けてモニタリングしている。 常識を超えた能力については、何者かわからない人間によって与えられたことを自覚している。
小山内 康夫 (おさない やすお)
『わずかいっちょまえ』の登場人物で、恒条中の教員。湯川和好と伴太一の属する1年A組の担任が産休の間の代役。ひどく長身なため鴨居に頭をぶつけやすいドジな面と、生徒達の心情に細やかな気配りをする優しさを持ち合わせた人物。生徒に寒いギャグを披露するお茶目なところもあり、わずかの淡い恋心の対象となった。
後藤 (ごとう)
『わずかいっちょまえ』の登場人物で、湯川和好や伴太一のクラスメート。メガネをかけた「ガリ勉」タイプの男子生徒で、毎日塾に通って全科目の家庭教師もつけているが、わずかや太一に成績で劣っていることを妬ましく思っていた。太一とは口論から殴り合いのケンカになるが、後に和解している。
滝川 (たきがわ)
『わずかいっちょまえ』の登場人物で、湯川和好や伴太一のクラスメート。肩までの黒髪にカチューシャをつけた明るい性格の女子生徒。きれい好きなのに家ではお手伝いさんがいて掃除をさせてもらえなかったことから、わずかが提案した教室の掃除活動に加わり、仲の良い友人となった。
カミさま
『わずかいっちょまえ』に登場する、天上世界の一部を統率する神。特徴的な尖った髪と眉、口髭とあご髭を持つ厳しい顔つきの老人の姿をしており、全身を大きなマントに包んでいる。死んでからも湯川和好を心配するマッハ号を諌めていた。
メガミさま
『わずかいっちょまえ』に登場する天上世界の女神。ふくよかな中年女性の姿をしているが、細身の美女の姿をとることもある。犬や猫の霊に対して過剰に感情移入する傾向があり、規則違反のためカミさまに内緒でマッハ号を下界に一時帰還させた。その期間は、首輪に込めた念力がなくなるまでの間だけで、最大でも1年ほどだったが、わずかを助けるために実体化する能力を使用すると短縮されるという規則があった。
集団・組織
吉田兄弟 (よしだきょうだい)
『わずかいっちょまえ』に登場する兄弟で、名前は不明。小学生時代は伴太一と一緒になって湯川和好をいじめていたが、太一がわずかに好意を持っていることには気づいていた。わずかや太一とは別の中学に進んでいる。
恒条中 (こうじょうちゅう)
『わずかいっちょまえ』の主な舞台となる中学校。全国でも有数のエリート進学校で、湯川和好と伴太一は1番と2番の成績で入学し、その後も順位をキープしている。