アフターゴッド

アフターゴッド

「神」と呼ばれる巨大生命体の出現から30年。親友を神に殺された神蔵和花は、指定危険区域となっている東京県を訪れる。神と同じ力を持つ謎の少女、和花と、神の撲滅を目指す「対神科学研究所」を軸に描かれる「神殺し」の物語。小学館「裏サンデー」にて2021年8月17日より配信を開始。「次にくるマンガ大賞2023」Webマンガ部門で第8位に選出。

正式名称
アフターゴッド
ふりがな
あふたーごっど
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊3巻
関連商品
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概要・あらすじ

オホーツク海沖で正体不明の巨大生物が確認されてから30年。「」と呼ばれる6体の侵攻が日本に集中し始めてから5年。日本の半分は失われ、神の居場所となっている東京は危険区域に指定されていた。2021年3月3日東京県板橋区。対神科学研究所の研究員、時永倖行は、厳重に閉じられた柵越しに、危険区域内を覗(のぞ)くサングラスの少女を発見する。少女の名は神蔵和花。友だちに会うために佐賀県から来たという。「神」は銃もミサイル爆弾も効かない自然災害である。人間が「神」に会えば死を免れない。時永は佐賀に帰るよう、和花を説得するが彼女は聞き入れない。すると突然、空から女性が降ってきた。宇月よんと名乗るその女性は、和花の耳元で「神様に会わせるから、友達のフリをして」と囁(ささや)いた。宇月は「神」の部下で、彼女のような人間が他にもいるらしい。和花は宇月に従い、彼女たちの仲間に入ることを決める。すると宇月は4本腕の怪物に変身し、時永を捕縛。仲間になるための試験だと言って、時永を殺すよう和花に命じた。和花の目的は「神」を殺すことだった。宇月の仲間に入り、「神」に近づこうとしたが、殺人に加担するつもりはない。和花は計画を変更。宇月を拷問して「神」の居場所を聞き出そうとするが、「神」に腕力をもらったという宇月にはかなわなかった。宇月の突き出した鉄の棒が頭部を貫通。和花はあっさりやられてしまう。しかし、不思議なことに和花は死んでいなかった。とどめを刺そうと近づいた宇月は、初めて和花の瞳を覗き込んだ。すると宇月はフリーズしてしまい、和花に魅了され、まったく逆らえなくなってしまう。それは「神」の目が持つ能力と同じだった。驚いた時永は、和花を麻酔で眠らせ、東京の地下にある「対神科学研究所」に運び込んだ。そこで和花は、様々な対神用兵器の人造人間たちと出会う。

登場人物・キャラクター

神蔵 和花 (かみくら わか)

「神」の目を持つ女子高校生。佐賀県出身で、ポニーテールが特徴。普段はサングラスをかけて「神」の目を隠している。中学3年生のとき、突然「神」の目が発現したが、本人にも理由はわからない。佐賀弁を話すが、「神」の目の能力を使っているときは標準語になり、冷徹な人格に変貌する。また、身体を破壊するような攻撃を受けてもダメージを受けない。「神」は美しくて見ただけで幸せになれるという噂(うわさ)を信じた、親友のしをんが、東京で「神」に殺されたことから、「神」を殺すことを心に誓う。

時永 倖行 (ときなが さちゆき)

対神科学研究所・対神兵器開発部・生物工学課所属の獣医の若い男性。左目の黒い眼帯が特徴。東京県足立区をパトロール中、神蔵和花を発見。「神」の目を持つ和花を保護する。和花自身を従順で凶暴な兵器として利用しようとする研究所の人間から和花を守ろうとする。

しをん

神蔵和花の親友の女子高生。佐賀県出身で、両親は海外に在住している。認知症の祖父母を一人で世話していた。複雑な事情を抱えていたようで、いつも傷だらけであった。「神」の与える死に苦しみはない、「神」は美しくて見ただけで幸せになれるという、ネットやクラスメートの噂を信じ、東京県板橋区の壊れたフェンスから危険区域内に侵入。「神」に殺される。

ニャババ

対神科学研究所・対神兵器開発部・生物工学課所属する人造人間。猫の愛らしさ、ネズミの好奇心、インコのリズム感、人間の知能をかけ合わせたもので、外見は羽根の生えた太めの猫。甲高い声で話し、額にハート型の模様がある。嬉しくなると歌って踊りだす。

宇月 よん (うづき よん)

「神」の部下だという若い女性。金髪のショートカットが特徴。親に売り飛ばされて人生が滅茶苦茶になったことから、自死のために危険区域に近づく。そこで出会った見知らぬ女性に導かれ、「神」の部下になったという。「神」から腕力を分けられ、4本腕の怪物に変身することができる。

子水流 名有 (こずる なゆう)

対神科学研究所・対神兵器開発部・生物工学課課長の成人男性。専門はバイオインフォマティクスで、中学生ぐらいの少年に見える。対神用兵器の人造人間でもあり、体中の穴から植物のような枝やツルを出し、巨大な怪物に変身する。

辰野 代理子 (たつの よりこ)

対神科学研究所・対神兵器開発部・生物工学課の研究員の女性。専属の内科医でもあり、ショートカットが特徴で、明るい性格をしている。研究員兼人造人間、巳波明生の婚約者で、彼の子どもを身ごもっている。

巳波 明生 (みなみ あきお)

対神科学研究所・対神兵器開発部・生物工学課の研究員の若い男性。「神」の血を混ぜた蛇から造られた、対神用兵器の人造人間でもある。長い舌と牙を持っており、普段はテープで口をふさいでいる。

その他キーワード

(かみ)

30年前、オホーツク海沖で初めて確認された巨大生命体。世界各国を侵略していたが、5年前から日本に集中。日本の半分は失われ、北海道、東北地方、埼玉、東京が危険区域となっている。鏡やカメラのレンズには映らないことから、ある宗教学者が「偶像崇拝禁止に則(のっとり)り、神は複製できないのではないか」という見解を発表。そのことから、偶像崇拝禁止生命体、Idolatry Prohibited Organism、略して「IPO」とも呼ぶようになった。IPO領域の大気は、人間には有毒であり、酸素ボンベなしでは足を踏み入れることも難しい。また、ミサイル、爆弾など通常の兵器はまったく通用しない。神と目が合った人間はすべての感情を失い、魅入られたようにフリーズしてしまう。大抵は殺されるが生還者も存在し、その証言によれば「神」はとても美しく、人生で一番幸せな気分なったという。

書誌情報

アフターゴッド 3巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2021-12-10発行、 978-4098508341)

第2巻

(2022-05-18発行、 978-4098511129)

第3巻

(2022-10-19発行、 978-4098513437)

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