日本沈没

日本沈没

地殻変動によって日本列島が水没し、国土消滅の危機に晒される中、潜水艦の操縦士である小野寺俊夫をはじめとした人々が最悪の事態を回避するために苦闘する姿を描いていくSFストーリー。小松左京原作の同名SF小説を現代風に勘案してコミカライズした作品。

正式名称
日本沈没
作画
原作
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
ビッグコミックス(小学館)
巻数
全15巻完結
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概要・あらすじ

現代日本の喧噪になじめずにいた潜水艦操縦士の小野寺俊夫は、新宿で突如「ビルが地中に沈む」という不可解な異変に遭遇する。天才的な危機察知能力を有する小野寺は、それをきっかけに日本列島近辺で起きているさまざまな異変に次々と直面するようになる。そして潜水艦による深海調査などを通じて、数々の異変が「日本列島が海に沈む」ことを示す兆候だと知る。

加速度的に国土が崩壊していく中で、人々が逃げ場を失い、命をも落としていくさなか、小野寺は恋人阿部玲子らと共に日本列島の最後の姿を目撃していく。

登場人物・キャラクター

小野寺 俊夫 (おのでら としお)

海底開発株式会社で深海潜水艦の操縦士をつとめる。結城慎司は海底開発株式会社の同僚。卓越した操縦技術と空間把握能力を備え、抜群の直感力で危機を察知する。深海調査で感じた違和感や、東京都新宿でのビル沈没事故を通じ、ほとんどの日本人よりも早く日本列島で起きている異変に気づいていく。地球物理学者の田所雄介にその能力を見込まれ、中田一成によってD計画への誘いを受ける。 京都での大地震を経験し、D計画への参加を決めた後は、周囲の人間になにも告げずに姿を消してしまい、結城慎司の不信を招く。東京消防庁のハイパーレスキュー隊員である阿部玲子とは、ビル沈没事故時に居酒屋「雑種天国」で知り合う。最初はその快活な性格が合わなかったが、じょじょに親しくなり、やがて愛し合うようになる。 日本列島沈没を阻止するため、山城によって計画された「A計画」が実行されたときは、自らの命と引き替えに沈没阻止による被害を最小限に収めるための潜水艦搭乗を買って出る。このとき彼の身代わりとなった結城慎司は太平洋海底で絶命。親友の結城慎司を死なせてしまった罪悪感から精神に変調を来たし、記憶喪失に陥る。 救助機の事故からマコによって保護されたとき、彼女が名前を「小野田」と聞き違えたため、以後は「小野田」と呼ばれるようになった。その後マコと行動を共にし、避難と救助活動に明け暮れる中で阿部玲子と再会。それを機にかつての記憶を取り戻し始めて行く。

阿部 玲子 (あべ れいこ)

東京消防庁・消防救助機動隊(ハイパーレスキュー)隊員をしている女性。周囲に気を使える快活な女性だが、仕事モードに入ると過剰なまでの職業意識を発揮する。小野寺俊夫とは東京都新宿区の居酒屋「雑種天国」で出会い、結城慎司らの力を借りて救助活動を行った。それが縁となり小野寺俊夫としばしば会うようになり、好意を抱くようになった。 その後、救助活動のため各地を奔走し、小野寺俊夫とはすれ違いが続く。首都圏を襲った大量の死者を出した「第二次関東大震災」の後、再会し結ばれたものの、再び離ればなれとなり救助の最前線に戻る。しばらくして記憶喪失に陥った小野寺俊夫に再会したが、過去の記憶を失い、マコに依存する彼の姿に激しく動揺。 しかし「小野田」と名乗りしだいにかつての記憶と能力を取り戻していく小野寺俊夫と共に、救助活動を進めていく。

結城 慎司 (ゆうき しんじ)

海底開発株式会社における小野寺俊夫の後輩パイロットで親友。正義感の強い好漢。小野寺俊夫とは仲が良く、尊敬もしている。東京新宿区で小野寺俊夫と居酒屋「雑種天国」に入店したさいに突発的なビルの沈没事故に遭遇。その救助活動が縁で、ビルの中に取り残されていた保母の桜井まなみと出会い、以後連絡を取り合うようになる。 日本の危機が強まる中、桜井まなみと同居することを決意。小野寺俊夫がD計画に参加し、音信不通のまま姿を消したことで不信感を抱き、日本沈没を阻止するために立案された「A計画」に参加するが、そこで自らの間違いに気づく。一度は決裂した小野寺俊夫の身代わりとなって、「A計画」の被害を食い止めるべく潜水艦に搭乗。 太平洋海底にて絶命する。

田所 雄介 (たどころ ゆうすけ)

国内の権威からはほど遠い一匹狼の地球物理学者。「田所研究所」の所長。「カンとイマジネーション」を信条としており、学会によらず単身で調査を行った結果、日本沈没の危機を察知する。その後、日本政府により設置された、日本近辺の地殻変動を調査し対応を協議するD計画推進の中心人物となる。小野寺俊夫や阿部玲子、結城らと東京都新宿区の居酒屋「雑種天国」で出会い、小野寺俊夫の突出した危機察知能力を見いだし、彼をD計画に引き込んだ。

緒形 茂弘 (おがた しげひろ)

日本国内閣総理大臣。「日本の危機」に懐疑的な部分を持ちつつも、D計画を水面下で支援する。しかし京都での大震災のときは、事前にD計画メンバーから大地震の予知を受けていながら、政治的判断で避難勧告を出さず、多数の死者を出したことで罪悪感に苛まれるようになる。50万人の死者を出した京都、500万の死者を出した関東での大震災を経て、国民に「日本が沈没の危機にある」ことを知らしめようとする。 熊本県に乗り込み熊本城の天守閣上からのテレビ生中継で、国民にあと1年で日本が沈没すること、そして5時間後に阿蘇山が噴火することを予言する。日本の沈没が決定的になった後は、国際社会が提示した日本人救済案を受け入れた郷六郎の真意を理解し、「救済条約」の合意書に調印。 国民への説明責任を果たすべく、命がけで沈没を間近に控えた日本へ戻ろうとする。

中田 一成 (なかた かずなり)

長年アメリカで研究を続けていた学者で心理学、情報科学の権威。幸長信彦の学友。情報解析理論「中田過程理論」でノーベル賞候補ともなった。田所雄介によって日本に呼び戻されD計画に参加し、中核を担うようになる。論理的かつドライな性格。山城が提唱し、核兵器で日本沈没を阻止しようとする「A計画」の不備を見抜き、「A計画」による被害を最小限にとどめるべく奔走した。

山城 (やましろ)

T大学理学部名誉教授。権威を何より重んずる性格で、学会での地位を持たない異端の学者である田所雄介に反発し、毛嫌いしている。総理大臣の座を狙う与党の古株政治家・大柳に接近し、田所雄介が指揮するD計画とは対極的な「A計画」を立ち上げた。「A計画」は、核兵器を用いて「日本沈没阻止」を目指す巨大プロジェクトだったが、D計画のメンバーにより計画の不備が指摘される。

マコ

輸送機墜落現場から瀕死の小野寺俊夫を発見し保護した女性。救出のさい、名前を「小野田」と聞き違え、その後彼は「小野田」として知られるようになる。記憶を失ったままだが、持ち前の危機察知能力を駆使して救助活動を続けていた「小野田」と恋人関係になる。素姓・経歴等は不明。危険を察知する不思議な力を持っている。

郷 六郎 (ごう ろくろう)

小学生のころ京都府の学校に転校してきた小野寺俊夫と仲良くしていた幼なじみ。長くひきこもり生活を続けていたが、京都での大地震のさいに小野寺俊夫の警告と救助により一命をとりとめ、以降は被災者の救助活動を行っていく。ネットを駆使して民間救助活動を組織し、日本沈没阻止を狙った「A計画」が失敗した後は、彼が創設した民間機関・D計画で人々の救助に尽力する。 記憶を失った小野寺俊夫を発見し、D計画へと引き入れた。D計画では国民の代表として国連の会議に出席し、屈辱的な日本人受け入れ条件を受諾した後、消息を絶つ。なお郷の創設したD計画は田所雄介が指導していたものとはまったくの別組織。

幸長 信彦 (ゆきなが のぶひこ)

田所雄介を慕う若い学者。温厚で常識のある男性。田所雄介の調査を補佐するかたわら、政界とのパイプ役としても尽力する。総理の秘書官である邦枝康雄は大学で同期の学友。邦枝康雄は官房長官廣田五月を介し、日本の危機を緒方茂弘総理大臣に伝え、彼を動かすことに成功する。

廣田 五月 (ひろた さつき)

日本国政府・官房長官をつとめる女性。日本政府の「中・長期災害対策委員会」が設けたA~C室とは別に、D室を設置し、田所雄介博士を中心としたプロジェクトD計画を立案・編成した。内閣総理大臣・緒方茂弘と行動を共にすることが多く、緒方茂弘の没後は内閣総理大臣の代行をつとめた。

イベント・出来事

D計画

『日本沈没』に登場するプロジェクト名。日本周辺で起きているさまざまな自然災害に対して、日本政府が設けた「中・長期災害対策委員会」のA~C室とは別に、非公式に設置したD室で進められることとなった国家プロジェクト。内閣官房長官・廣田五月によって、日本列島に起きている未曾有の危機に対応するため立案・編成された。発足メンバーは総理秘書官・邦枝康雄、内閣官房長官・廣田五月、地球物理学博士・田所雄介、中田一成、幸長信彦ら。 初期は田所雄介が計画のリーダーとなり、日本に起きている現象の調査を主眼としていた。途中から中田一成にその役目は引き継がれ、日本列島からの国民を脱出させるためのプロジェクトへと変容していく。元ひきこもりの郷六郎によって始められた、民間ベースの国民救助活動も同じくD計画を名乗ったが、内容や構成メンバーは別物。

書誌情報

日本沈没 全15巻 小学館〈ビッグコミックス〉 完結

第1巻

(2006年8月発行、 978-4091804075)

第2巻

(2006年8月発行、 978-4091804082)

第3巻

(2006年9月発行、 978-4091805690)

第4巻

(2006年12月発行、 978-4091807861)

第5巻

(2007年3月発行、 978-4091810588)

第6巻

(2007年5月発行、 978-4091811967)

第7巻

(2007年8月発行、 978-4091813398)

第8巻

(2007年11月発行、 978-4091815088)

第9巻

(2007年12月発行、 978-4091817068)

第10巻

(2008年5月発行、 978-4091820471)

第11巻

(2008年7月発行、 978-4091820105)

第12巻

(2008年10月発行、 978-4091821454)

第13巻

(2008年12月発行、 978-4091822178)

第14巻

(2009年2月発行、 978-4091823274)

第15巻

(2009年3月発行、 978-4091823571)

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