あらすじ
第1巻
ある日、空から謎の寄生生物が飛来した。それは人間の脳に寄生して、ほかの人間を捕食するという性質を持つ未知の生物だった。ごくふつうの高校生・泉新一は、この寄生生物に襲われ、かろうじて頭部への侵入は防ぐも、右腕に寄生されてしまう。新一の右腕に寄生したその生物は意識を持っており、困惑する新一をよそに驚異的なスピードで知識を吸収。そして、彼の右腕に同化したことから自らをミギーと名乗るようになる。かくして新一とミギーの奇妙な共生生活が始まるが、一方その頃、寄生生物たちが人間を捕食する事件が世界各地で発生。現場があまりにも凄惨なことから「ひき肉(ミンチ)殺人事件」と呼ばれ、人々の不安をあおっていた。寄生生物の仕業であることを知る新一は真実を公表するべきか迷うが、そんな彼の前に田宮良子を名乗る寄生生物が現れる。彼女は新一の通う高校に赴任して来た教師であった。田宮は共生状態にある新一とミギーに興味を持つが、彼女の仲間である寄生生物のAは彼らの存在を危険視。二人を抹殺すべく、学校に乗り込んで来る。新一は同級生たちを、ミギーは宿主である新一の命を守るため、Aとの対決を決意する。
第2巻
両親が旅行に出かけたため、一人で留守番をすることになった泉新一は、他校の不良たちとの喧嘩に巻き込まれた際、女子高校生・加奈と出会う。加奈は寄生生物の波長を感知する力を持つが、本人はそのことにまったく気づいておらず、新一を特別な存在のように感じるのだった。そんな中、新一の両親が旅行先で寄生生物に襲われる事件が発生。急変を伝える父親・泉一之からの電話を受けた新一は焦燥感に駆られるが、そこに母親・泉信子の姿をした寄生生物が姿を現す。動揺する新一は母親の死を受け入れることができず、迎え撃とうとするミギーを制止。寄生生物となった信子に心臓を刺し貫かれてしまうが、ミギーの力でかろうじて生きのびる。目覚めた新一は母親の敵を討つことを決意。父親が収容された伊豆の病院に向かうが、そこで自分と同じように寄生生物と共生状態にある人間・宇田守と出会う。新一とミギーは宇田と共に信子の姿をした寄生生物に戦いを挑むが、ミギーとの融合が進んだことで新一の肉体と精神には異変が生じ始めていた。
第3巻
泉新一はミギーの細胞が全身に広がったことで超人的な身体能力を手に入れるが、ガールフレンドの村野里美は新一の変化にとまどいを覚える。新一もまた自分に当惑する里美を見て、自身から人間的な感情が失われつつあるのではないかと恐れていた。そんなある日、新一たちの通う高校に島田秀雄という生徒が転校して来る。彼は田宮良子が新一とミギーを観察するために送り込んだ寄生生物であった。島田は新一に、自分たちは人間と共存する道を探っているとうそぶく。にわかには信じられない新一だったが、島田はふつうの学生として過ごしていたため、ひとまず様子を見ることにする。一方、日本の警察はすでに寄生生物の存在を把握しており、極秘に捜査を開始していた。警察官を兄に持つ美術部の裕子は、島田に違和感を覚え、密かに彼を観察。やがて彼が人間ではないことに気づく。正体を見抜かれた島田はついに本性をあらわにするが、裕子が投げた強酸を浴びたため細胞が暴走。校内の教師や生徒を無差別に襲い始める。
第4巻
寄生生物を探知する能力を持つ女子高校生・加奈は、泉新一を運命の王子様と思い込み、彼への思いを募らせていた。だが、彼女の住む東福山市では市長候補の広川剛志のもとに寄生生物たちが集結。徒党を組んで互いに協力し合うなど社会性を獲得しつつあった。そして、ついに広川が市長に当選する。新一、ミギーとほかの寄生生物との区別がつかない加奈が、新一と間違えて寄生生物に接触してしまうかもしれない。新一は加奈に警告しようとするが、なかなかうまくいかず焦りを覚える。しかも、加奈は新一の居場所を探そうとするあまり、寄生生物と同じ信号を発するまでになっていた。もはや一刻の猶予もないと感じた新一は、彼女にミギーの姿を見せることを決意。渋るミギーを説得するが一足遅く、加奈は寄生生物の捕食現場に遭遇してしまい、心臓を貫かれて命を落とす。逆上した新一はミギーの能力を借りず、自分だけの力で彼女を殺した寄生生物を破壊するのだった。一方、田宮良子は「田村玲子」と名を変え、寄生生物の可能性を探るべく人間の子供を出産。さらに私立探偵の倉森に新一とミギーを観察させていた。
第5巻
私立探偵の倉森に正体を知られてしまった泉新一は、倉森を始末しようとするミギーを懸命に阻止する。どうにかミギーを説き伏せた新一は、かつて共に戦った宇田守とジョーに協力を依頼。自分たちを尾行していた倉森を捕え、これ以上深入りしないよう忠告するが、探偵としてのプライドを傷付けられた倉森は、今度は依頼人の田村玲子(かつての田宮良子)の調査を開始。田村と会っていた寄生生物の三木に勘付かれ、雇っていたアルバイトの学生を殺されてしまう。倉森に助けを求められ、現場に向かった新一とミギーは人間の女性を食おうとしていた寄生生物を殺害するが、その寄生生物は東福山市の市長となった広川剛志の仲間の一人だった。腹をくくった新一はミギーが「広川集団」と呼ぶ寄生生物たちとの対決を決意をするが、倉森は完全に怖気付いてしまい、この件から手を引くと新一に告げる。一方、仲間を殺害された広川らは新一たちを始末すべく三木を刺客として送り込む。彼は一つの肉体に複数の寄生生物を宿す強敵だった。苦戦の末、どうにか三木に勝利した新一とミギーだったが、今度は三木の左腕になっていた後藤が新たな頭部となって襲って来る。
第6巻
寄生生物の調査から手を引いた倉森だったが、広川集団の魔の手は彼の家族にも伸びており、家を空けたスキに妻子を惨殺されてしまう。倉森は寄生生物の対策本部に属する刑事の平間に保護され情報を提供するが、自分の手で田村玲子(かつての田宮良子)に復讐しようと決意。平間らのもとから姿を消し、単独で行動を開始する。一方、田村は自分たちの存在意義に思いを巡らせるようになるが、仲間の草野は独自の考え方を持つ彼女を危険視し始めていた。ついに草野は田村を抹殺すべく、仲間たちと共に襲い掛かる。田村は知略を駆使して彼らを返り討ちにするが、そのスキに彼女の産んだ人間の赤ん坊を倉森に奪われてしまう。翌日、指定された公園に向かった田村は、赤ん坊を投げ捨てようとした倉森を反射的に殺害する。それは彼女自身も予想していなかった母性本能ゆえの行動だった。倉森は現場に駆けつけた平間に、田村と赤ん坊の存在を告げて息絶える。警察の包囲が迫る中、赤ん坊を抱えた田村は、事前に現場に呼び出していた泉新一と対峙する。
第7巻
田村玲子(かつての田宮良子)の件で警察に保護された泉新一は、連続殺人犯の浦上と対面させられる。浦上は人間と寄生生物を見分ける能力を持っていた。新一は浦上に凝視されるが、彼がなにも言わなかったため、ひとまず身柄を解放される。一方、警察と自衛隊は東福山市の市役所に巣くう広川集団を掃討すべく動き始めていた。平間に協力を求められ、新一はミギーと共に現場に同行する。そして、自衛隊の山岸二佐の指揮による寄生生物掃討作戦がついに開始される。自衛隊員らは圧倒的な物量を武器に寄生生物たちを駆逐していく。市長の広川剛志もあえなく射殺される。かくして戦いは人間の一方的勝利に終わるかに見えたが、状況の推移を見守っていた後藤が驚異的な力で自衛隊員たちを次々に惨殺。山岸もあっさり倒すと、新一とミギーに宣戦を布告して去っていく。新一は後藤の襲撃におびえるが、そんな彼を村野里美は優しく受け入れる。そんな里美と結ばれ、生き抜こうと決意した新一は後藤との決戦に臨む。
第8巻
後藤と戦う泉新一とミギーは、一か八かの勝負に打って出るが失敗に終わり、新一と分離したミギーは彼に逃げるよう促す。新一はどうにか逃げのびるが、引き換えにミギーを失うこととなった。失意の新一は、たまたま立ち寄った民家で美津代という老婆に出会う。新一は美津代に引き留められ、彼女の家で数日を過ごすが、付近の人が後藤に惨殺されたことを知り、自責の念から後藤との再戦を決意。美津代から借りたナタを手に後藤が潜む森に向かう。圧倒的な力を持つ後藤の前になすすべなく追い込まれる新一だったが、後藤の身体に突き刺した鉄の棒にたまたま有毒な物質が付着していたことから形勢逆転。後藤に取り込まれていたミギーを取り戻して、どうにか勝利する。しかし、後藤はまだ完全に死んではいなかった。
短編集
本作『寄生獣』の派生作品として、『ネオ寄生獣』がある。これは、萩尾望都、皆川亮二、真島ヒロなどが、本作の世界を舞台にしたさまざまな物語を描いたトリビュート短編集となっている。ほかに、中村明日美子、金田一蓮十郎らが参加した同様の企画で、『ネオ寄生獣f』が存在する。
メディアミックス
映画
本作『寄生獣』は劇場版実写化されている。前後編からなる2部作で、2014年11月29日に前編、2015年4月25日に後編が公開された。監督は山崎貴が務めた。泉新一役を染谷将太、村野里美役を橋本愛が演じている。ミギーはCGにより再現されており、声優を阿部サダヲが務めている。
登場人物・キャラクター
泉 新一 (いずみ しんいち)
平凡な男子高校生だったが、ある夜寄生生物に襲われ、右腕を奪われてしまう。最初は気味が悪いと思うも、徐々に慣れていき、ミギーと名乗る寄生生物との共存の道を選んでいく。その後、特異な例として数学教師、田宮良子を乗っ取った寄生生物から興味を持たれる。母親の体を乗っ取った寄生生物からの致命傷を受けて、ミギーの体の一部を吸収してからは、異常な運動神経を手にすることとなり、ミギーが眠っていても単独で寄生生物と渡り合えるようになった。 寄生生物との戦いの中で、クラスメイトや肉親を失い、また田宮良子やミギーら寄生生物の感情にも触れ、精神的な変化をしていく。
ミギー
『寄生獣』に登場する寄生生物。泉新一の頭部に寄生しようとしたが失敗し、結果的に右腕に寄生することになる。「感情」という概念を持たず、自らの命と宿主である新一の生命以外には頓着をしない。旺盛な知識欲を持ち、新一の本で勉強をしたため、言葉使いは丁寧。興奮すると体が伸びてしまう癖がある。常に冷静で、戦闘においては最適解を導き出すが、周囲の犠牲を顧みない作戦を立て、新一と対立することも多い。 新一が致命傷を受けて死にかけた際に、体の内部に入り込んで蘇生させる荒業を行ったが、その時に自らの体の一部を新一に渡してしまい、力が少し減少、日に四時間の完全な睡眠が必要になってしまった。
後藤 (ごとう)
田宮良子によって作られた五体の寄生生物の集合体で、広川集団に所属している。全身を変形させることができ、体を硬い寄生生物の鎧で覆っているため、銃撃などは通用しない。戦闘能力も高く、自衛隊を一部隊全滅させる力を持ち、分析力にも長けている。東福山市役所での戦闘で、自衛隊を返り討ちにする中、自分の存在意義を戦いに見出し、その手始めとして泉新一とミギーを抹殺しようとする。
田宮 良子 (たみや りょうこ)
女性の姿をした寄生生物。高い知能を持ち、寄生した人間の社会的地位をそのままになり替わることに成功した。研究意欲が旺盛で、寄生された人間とのあいだに子供を作る実験を行う。寄生されながらも共生という道を選んだ泉新一とミギーにも興味を持ち、二人に接近。また、広川剛志のもとで寄生生物たちの組織化を主導し、同時に最強の寄生生物・後藤を作り出した。寄生生物がなぜ産まれたのかを疑問に思っており、やがてその思想は草野ら仲間の寄生生物たちに危険視されるようになる。最初は数学教師の「田宮良子」の名前を名乗っていたが、妊娠したため社会的地位を失い、その後は「田村玲子」と名乗っている。
村野 里美 (むらの さとみ)
泉新一と同じ高校に通う女子で、新一のガールフレンド。ショートカットの髪型で、明るく元気な性格をしている。新一の身になにかが起こっていることを感じ取っており、変わっていく彼に不安を覚える。しかし、新一が田村玲子(かつての田宮良子)に赤ん坊を託された際、母親のことを思い出して涙する彼を目の当たりにして、新一がなくしかけていた感情を取り戻したと確信。新一が後藤に狙われた際には、恐怖におびえる彼を優しく受け入れ、生きようとする気力を与えた。
加奈 (かな)
不良女子高生。単身で不良に立ち向かった泉新一に興味を持っており、彼が白馬に乗って迎えに来る夢を見ている。寄生生物の存在を察知する能力があるが、寄生生物の存在を知らず、それを新一だけを察知する能力と勘違いし、寄生生物の食事現場に遭遇してしまう。
泉 一之 (いずみ かずゆき)
泉新一の父親。元新聞記者で、現在はフリーライターとして家族を養っている。新一に対しては優しく理解のある父親である。
泉 信子 (いずみ のぶこ)
泉新一の母親。新一が幼いころに、彼の頭に落ちかけた油鍋を受け止めたやけど傷が右腕に残っている。夫との旅行中に寄生生物に殺害され、体を乗っ取られてしまう。
倉森 (くらもり)
興信所の調査員。田宮良子から泉新一の身辺調査を依頼されたことから、寄生生物に深く関与することになる。一時は寄生生物の力に怯え、手を引こうとするものの、存在を危険視した寄生生物に家を襲撃され、家族を殺されてしまう。それをきっかけに平間に新一から教わった寄生生物についての情報を渡し、その後田宮良子を家族の仇と思い、彼女の子供を誘拐した。
ジョー
寄生生物。宇田に寄生しようとするも、体内に入った直後に宇田が崖から足を滑らせて海に転落。ひとまず宿主を生きさせるために、顔面下半分と胸の辺りと同化し、宇田の代わりに呼吸をした。宇田の顔を全面に使ったダイナミックなしゃべり方を好む。テレビを見て言葉を学んだため、口調は荒っぽい。寄生した箇所が顎だったため、ジョーと名乗る。
宇田 守 (うだ まもる)
ホテルの従業員。妻に逃げられて、傷心気味のなか夕日を見ていた際に寄生生物に襲われ、崖から転落して溺れてしまう。その時、寄生生物が顔の下半分と胸の辺りまで寄生し、呼吸をしたおかげで生き長らえる。人のいい性格であり、義理堅く、同じ共生の道を選んだ泉新一のことを心配している。
平間 (ひらま)
警察官。食肉ミンチ事件を追う。老練な刑事で、寄生生物をただの獣でないと考え、実際に会った人たちの声から対策を練ろうと倉森から情報を引き出そうとした。
浦上 (うらがみ)
連続猟奇殺人鬼であり、人体をおもちゃのように分解して遊ぶことを好む。指名手配犯であり、逃亡中に寄生生物に興味を持って食事現場を観察していたところ警察に捕まった。人を寄生生物か否か見分ける力を持っており、自衛隊が広川ら寄生生物グループがいる市役所を襲撃した際、同行させられた。
早瀬 真樹子 (はや せまきこ)
伊豆で民宿を営む家の娘。学校をサボって買い物に来ていたところを、泉新一と出会った。家出と思い、泊まる宿のない新一を泊めるよう親を説得した。
島田 秀雄 (しまだ ひでお)
田宮良子の仲間の寄生生物。田宮が泉新一とミギーを観察するため、男子高校生として新一の通う高校に潜り込ませた。人間との共存を模索するという田宮の考えに賛同していると新一に語るが、実際は町中のポスターに写っている俳優の姿に顔を変化させ、女性をナンパしては捕食していた。同級生の裕子に正体を見破られ、殺そうとするが、彼女が投げつけた硫酸を浴び、体内に取り込んでしまったことから暴走してしまう。
A (えー)
寄生生物。田宮良子により泉新一と引き合わされた。寄生生物のミギーと共生している新一を危険と考え、新一の所属する高校に白昼堂々と乗り込んだ。
広川 剛志 (ひろかわ たけし)
東福山市市長。人間でありながら、人間を地球を蝕む寄生獣と考えており、人間を間引くことを目的に、寄生生物に協力している。寄生生物たちを組織化、人目につきにくい場所を食堂として確保するなど、人間を食べるルールを作った。その思想や立ち位置から、寄生生物と思われて射殺された。
山岸 (やまぎし)
陸上自衛隊二佐。寄生生物の広川らを市役所に閉じ込めて殺害する作戦の責任者となる。作戦遂行の為に、部下の死も一般人の死も意に介さなかった。寄生生物を順々に殺していくも、後藤に及ばず死亡した。
美津代 (みつよ)
口は乱暴だが、親切な老婆。最初いきなり軒先に現れた泉新一を泥棒と勘違いするも、新一に悪意がないと気が付くと丁寧にもてなした。新一が戦いに向かうことに反対したが、決意が固いことを知ると力強く送り出した。
光夫 (みつお)
加奈に思いを寄せる不良。腕っ節が強く、喧嘩っ早い。加奈が思いを抱く泉新一のことが気に食わずに、幾度となく突っかかっていく。
三木 (みき)
広川集団に属する寄生生物で後藤と同じ体に寄生している。後藤よりも精度は落ちるが、五体の寄生生物が寄生した体をあやつることができる。後藤が体を統括している時は右腕を担当するため、「三木」という名前になった。寄生生物としては珍しく陽気で表情豊かだが、その方が人間を捕食しやすいからで、人間の感情を理解できているわけではない。
由井 (ゆい)
優秀な博士であり、島田秀雄の死にかけの細胞から、寄生生物と人間との見分け方を発見した。他人が自分と同程度の知識と有していると思う節があり、専門的内容でも、「ご存知のように」と前置きを入れるのが癖になっている。
寄生生物 (きせいせいぶつ)
『寄生獣』に登場する生物。他生物の体内へと侵入、脳を奪い頭部と同化し体を支配する寄生生物。本能に従い、人間の脳を奪うようになっているが、人間の腕や動物の頭に寄生する場合もある。同化した部分は伸ばしたり、刃のように硬化させたりと自由に変形させることが可能。また、寄生した部分全体が脳や目となるが、内臓や消化器官を持ちあわせていないため、宿主に依存する必要があり、胴体と切り離されてしまうと死亡してしまう。
裕子 (ゆうこ)
泉新一と同じ高校に通う女子。美術部に所属している。観察眼に優れており、自分のクラスに転入して来た島田秀雄の無表情さに興味を持つ。兄が警察官で寄生生物に関する情報を目にしていたことから、やがて島田が寄生生物ではないかと疑い、本人に直接問いただそうとする。
草野 (くさの)
広川集団に属する寄生生物。ふだんは青年男性の姿をしている。人間を捕食対象としかみなしておらず、人間との軋轢を避けようとする田村玲子(かつての田宮良子)を危険視。密かに抹殺すべく二人の仲間と共に強襲するが、寄生生物の習性を知悉(ちしつ)する彼女の戦略の前に敗れた。
集団・組織
広川集団 (ひろかわしゅうだん)
広川剛志のもとに集まった寄生生物たちのグループで、命名者はミギー。田村玲子(かつての田宮良子)、後藤、草野など多数の寄生生物が所属しており、広川が市長を務める東福山市を拠点に、寄生生物たちの居場所と食料を安定的に確保するべく組織的な行動を取っている。
場所
東福山市 (ひがしふくやまし)
泉新一が住む町に隣接する自治体。加奈の家も東福山市にある。寄生生物にシンパシーを持つ広川剛志が市長に就任したことから寄生生物たちが集結。市内の各所に人間を捕食するための食事場が作られるなど、寄生生物のコロニーと化した。そのため、警察や自衛隊が寄生生物の本格的な駆逐に乗り出した際、広川らが拠点とする市役所が最初の標的となった。
関連
寄生獣リバーシ (きせいじゅうりばーし)
岩明均の『寄生獣』のスピンオフ作品。寄生生物が発生した西暦1990年代の日本を舞台に、友人たちを惨殺された広川樹が、復讐(ふくしゅう)を果たすべく犯人を追跡していく。原作と同じ時代、同じ場所で起こった... 関連ページ:寄生獣リバーシ
アニメ
書誌情報
新装版 寄生獣 10巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2014-08-08発行、 978-4063770483)
第2巻
(2014-08-08発行、 978-4063770490)
第3巻
(2014-08-08発行、 978-4063770506)
第4巻
(2014-08-08発行、 978-4063770513)
第5巻
(2014-09-09発行、 978-4063770582)
第6巻
(2014-09-09発行、 978-4063770599)
第7巻
(2014-09-09発行、 978-4063770605)
第8巻
(2014-10-09発行、 978-4063770728)
第9巻
(2014-10-09発行、 978-4063770735)
第10巻
(2014-10-09発行、 978-4063770742)