あらすじ
第1巻
高校2年生の座牟坂ぐれ子は、中学の3年間思いを寄せていた男子に卒業式後に告白したものの、「ムリ」の一言でふられたことがトラウマとなり、2次元のキャラクターに恋する日々を送っていた。ある日、通学途中に見知らぬ男性とぶつかったぐれ子は、頭に巨大なアホ毛が生えてしまう。それは目玉を持ち、数メートルにも伸びてしゃべり出す、不思議なアホ毛、レヴィアタンだった。レヴィアタンは、ぐれ子の体を乗っ取り、自分を封印した人間を殺しにいくと意気込むが、ぐれ子にあっさりハサミでアホ毛を切られてしまう。アホ毛を切ってできたハゲを隠すため、帽子を買いにコンビニに立ち寄ったぐれ子は、偶然コンビニ強盗に遭遇する。コンビニ強盗から銃で狙われ、危機一髪のぐれ子を救ったのは、復活したアホ毛のレヴィアタンだった。(第1話。ほか、5エピソード収録)
登場人物・キャラクター
座牟坂 ぐれ子 (ざむざか ぐれこ)
高校2年生の女子。年齢は17歳。中学校の卒業式の日、3年間思いを寄せていた男子に告白したものの、「ムリ」というそっけない一言でふられたことが、今でも悪夢に見るほどのトラウマとなっている。それ以来、現実の男性とは恋をしないと心に決め、最近は大人気ソーシャルゲーム「刀剣ランブラー」に登場する、日本刀を擬人化したキャラクターの村雨丸に夢中になっている。その村雨丸に外見がよく似た片桐ナオトに出会い、ナオトに恋している。通学途中、グイド・アンセルミ司教とぶつかった際に、封印されていた悪魔のレヴィアタンを、巨大なアホ毛として頭に宿してしまい、その後はレヴィアタンと一心同体で生活を送ることとなった。占いが大好きで、無駄なダイエットを繰り返している。
レヴィアタン
座牟坂ぐれ子にアホ毛として宿る悪魔で、「レヴィやん」と自称している。悪魔族の9階級のうち、第3位の地位を持つ魔神。グイド・アンセルミ司教が所持していた小さなマリア像のような物の中に封印されていたが、アンセルミ司教がぐれ子とぶつかった際に像が割れ、封印が解かれてぐれ子のアホ毛として宿った。大きなアホ毛に一つ目がある姿で、関西弁でしゃべる。ぐれ子の体を乗っ取り、自分を封印した人間たちを殺そうとしているが、魔力不足のためにぐれ子の体を乗っ取ることができず、ぐれ子にハサミで切り落とされてしまう。しかし、再びぐれ子のアホ毛として再生し、それ以来ぐれ子と生活を共にすることとなる。ぐれ子が寝ているあいだに、ぐれ子のノートパソコンを使ってエロ画像を検索して楽しんでいたりと、性格は完全におっさん。アホ毛を拳の形に変えて繰り出すデビルパンチ、人間の欲望のエネルギーなどを可視化するデビルアイ、ぐれ子と一体化して放つデビルキックなどの能力を持つ。
片桐 ナオト (かたぎり なおと)
アルバイトをして暮らす青年。座牟坂ぐれ子の大好きな人気ソーシャルゲーム「刀剣ランブラー」に登場する、日本刀を擬人化したキャラクターの村雨丸に外見がそっくりなため、ぐれ子から好意を抱かれている。コンビニや洋食屋でアルバイトの際は、廃棄弁当をノラ猫たちにあげたり、貧乏学生にこっそり大盛りにしてあげたりと、優しい性格の持ち主。しかし、それが原因でアルバイトをクビになってしまう。ぐれ子がグイド・アンセルミ司教とぶつかった際に初めてぐれ子と出会い、その後もアルバイトをしていたコンビニや洋食屋でも偶然ぐれ子と再会する。その後、ベビーシッターのアルバイト中にぐれ子と再会し、なかよくなる。アンセルミ司教といっしょに暮らしている。
グイド・アンセルミ司教 (ぐいどあんせるみしきょう)
ローマから日本にやってきた神父。眼鏡をかけたロマンスグレーの男性。悪魔のレヴィアタンを封印した像を持ち、なぜか警察から逃げている途中に座牟坂ぐれ子とぶつかって封印が解け、ぐれ子のアホ毛としてレヴィアタンを宿してしまった。悪魔を解き放ってしまったことに気づき、解決策に奔走しているものの、ぐれ子のアホ毛に宿っていることには気づいていない。片桐ナオトといっしょに暮らしている。
宮前 スズカ (みやまえ すずか)
高校2年生の女子。座牟坂ぐれ子のクラスメイトで、オタク仲間。ぐれ子と同じく人気ソーシャルゲーム「刀剣ランブラー」の大ファンで、入手困難な演劇版「刀剣ランブラー」のパンフレットを手に入れ、ぐれ子に自慢していた。
伊藤 ナナ美 (いとう ななみ)
高校2年生の女子。座牟坂ぐれ子のクラスメイトで、オタク仲間。眼鏡をかけて目が細く、ソバカスのある小柄で地味な見た目をしている。ぐれ子、宮前スズカと仲がよく、学校ではつねに行動を共にしている。
ぐれ子のママ (ぐれこのまま)
座牟坂ぐれ子の母親。眼鏡をかけたスタイル抜群の美人ママ。「朝食は一日の元気の源」をモットーとしており、毎日大量の朝食を作る。その味は格別のため、ぐれ子が太る原因ともなっている。
ぐれ子のパパ (ぐれこのぱぱ)
座牟坂ぐれ子の父親。眼鏡をかけた小太りの男性。毎日朝食は、家族四人全員揃って食べるほど仲がいい。ぐれ子がかわいいあまり、ぐれ子に好きな男性がいると聞いた時は、青ざめた顔をして震えていた。
ぐれ太 (ぐれた)
座牟坂ぐれ子の小学生の弟。マセたところがあり、姉のことは「ぐれ子」と呼び捨てにしている。鋭い眼力の持ち主で、ぐれ子のアホ毛が動いたことをめざとく見つけ、レヴィアタンの存在に気づきそうになった。
サンドリーム太木 (さんどりーむふとき)
占い界で人気No.1の占い師の女性。テレビにも出演するほどの人気者。メッシュを入れたオールバックの髪型で、太った体型をしている。「ハッピーですかー!?」の掛け声と共に、イベントでは多数の客を集め、ハッピーの力を高めていっしょに運気を上げていこうと連呼するなど、怪しさ満点。レヴィアタンのデビルアイによって、悪魔に取り憑かれていることが判明する。
由宇 リエ (ゆう りえ)
来年から小学生になる5歳の女子。ベビーシッターのアルバイトをしている片桐ナオトに面倒を見てもらっている。オマセでナオトに恋心を抱いており、同じくナオトに好意を寄せる座牟坂ぐれ子に敵対心を燃やす。しかし、車に轢かれそうになったところを、レヴィアタンのパワーを使ったぐれ子に助けられ、ぐれ子への警戒心を解いた。レヴィアタンの力を使ったぐれ子のことは、スーパーヒーローだと勘違いしており、世界のすべてを掌握するためにその力を利用しようと、ぐれ子に自分の手下になるよう提案する。
ファルファレルラ
地獄第8圏、悪の濠にいるマレブランケと呼ばれる一族の小悪魔。レヴィアタンの部下であり、忠実なる下僕。小さな羽根と尻尾を持ち、かわいいぬいぐるみのような見た目に反して、座牟坂ぐれ子を口汚くののしる。HPが3しかない最弱の悪魔で、ぐれ子のかかとが頭にぶつかっただけで爆発した。HPは極端に少ないものの、短時間で復活することができる。